江戸の花魁と入れ替わったので、花街の頂点を目指してみる 二 ★★★☆   



【江戸の花魁と入れ替わったので、花街の頂点を目指してみる 二】  七沢 ゆきの/ファジョボレ 富士見L文庫

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なぜか江戸時代の花魁・山吹に成り代わってしまった杏奈。現代に戻れないと覚悟を決め、自分を頼りにする禿のためにも、花魁の頂点を目指すと決心してしばらく。
 人気を競った桔梗花魁とも、良き友として研鑽し合う仲に。だが、そんな桔梗をあの宿業が襲い……。
 さらに、杏奈が成し遂げた逸話の数々がきっかけとなって"将軍家の姫の縁談"を助けてくれと相談が舞い込む。
 現代で培った教養と、キャバ嬢として学んだ機転で、杏奈は彼女たちを救おうと奮闘し――。
 山吹花魁の伝説、待望の第二幕!
公方さま出てきたー!
って、思いっきり暴れん坊将軍なんだけれど、時代はどの時代なんだろう、これ。いや、よくよく読んでみると時代を特定できるような人物名って出てきてないんですよね。バカ殿こと池田松平の殿様も、推しの土屋さまもどの松平か、土屋か下の名前は出してないのでよくわからないようになっていらっしゃる。
あくまで江戸時代中期から後期という曖昧な括りでぼかす目論見なのだろう。
ともあれ、この将軍様は徳川吉宗ではない事は間違いないでしょう。推しの土屋さまの話で、この土屋さまは老中ではないらしく、吉宗公が将軍だった時代は土屋家当主の人は老中だったみたいなので。
いやしかし、徳川家にこんなバイタリティありそうな将軍様居ただろうか。とりあえず、フィクション、フィクションということで。

その気風の良さや女だてらの武芸の腕、そして誇り高さもさることながら、博識さも噂で広がっていたらしく、異人の饗応で外国料理を出すための知識を貸してくれるように江戸城の料理番の偉い人からお願いされてしまった山吹。もはや、花魁の仕事でもない気がするけれど、ついに花魁の身でありながら江戸城に乗り込むことになってしまう。
なんで江戸時代で現代風の料理作ろう、となるとイタリア料理になるケースが多いんですかね? 調べてみると、材料準備できそうなのがイタリア料理だったりするのだろうか。
膳奉行の梨木さま、教わる立場とはいえ腰が低いというか、花魁の山吹にちゃんと礼を尽くすの偉いなあ、と思うんですよね。彼に限らず、ここに出てくる武家衆はみんななんだかんだと礼に厚いというか、花魁とはいえ遊女である山吹に対してちゃんと敬意を持って接するのはジェントルマンだなあ、と。
まあ、吉原に通うような人はしきたりに従うものですし、いわばアイドル的な存在である花魁という存在そのものへの憧れやら敬服なんかが元からあるんでしょうけれど、梨木さんとか全然関係ないのにね。
さても、御城に出向いたことで公方さまとも直接お目にかかってしまうのですが、幾ら自分の城とはいえ徳川将軍、一人でフラフラ出歩かないでくださいな。
ともあれ、公方さまにも見込まれて、彼の妹である小夜姫の縁談に持ち上がった問題の解決に手を貸すように頼まれる始末。まあ婚活とか結婚トラブルを直接解決しろ、というとんでもな話ではなく、小夜姫の容姿に関する問題で、コーディネートとか化粧の話なので、流行の最先端というか発信者にもなり得るアイドルな花魁に依頼する、というのはあながち間違っていないのかもしれない。
が、山吹とは関係ないところで問題がさらに拗れてしまって、山吹花魁はまさに結婚トラブル、ロミオとジュリエット的な二人の仲を裂きかねないトラブルの発生に、またぞろ侠気を発揮して公方様相手に大見得を切ることになるのでありました。
いや、だから花魁のするような仕事じゃもうないんですけど。だからといって、じゃあ誰がやるんだ、という話になってしまうのですが。

そんなもう吉原からはみ出すどころか江戸城まで出張って、快刀乱麻を断つがごとくバッサバッサとトラブルシューターしている山吹さんですけれど、彼女の見所はむしろ同輩の桔梗花魁とのマブダチ関係なんですよねえ。
一巻では最初、商売敵として嫌がらせしてきた相手なのですけれど、打ち解けてからは花魁同士というのが不思議なくらい意気投合して、今や対等のライバルという以上の親友同士。こういう花魁という立場でありながら、同じ位である別の花魁とこんな風に仲の良い、腹の割った助け合える関係というのはなかなか見られない珍しいものなので、二人の関係は見てても気持ちよかったなあ。
そんな桔梗花魁が、遊女の職業病ともいうべき梅毒に掛かってしまうのですが……けっこう荒っぽい治療法だったな、これ。かなり念入りにフィクションです真似しないでください、という但し書き注意書きが書かれていたのもまあ納得。でも梅毒はマジヤバイもんなあ。
歴史上の登場人物でも若くしてなくなってる人、少なくない数これでやられている、って話もあるみたいですし。
そんな山吹に命を助けられた桔梗が、また別の機会に自分の大切なものを切り売りして、山吹の晴れ姿を彩るのに惜しみなく費やして、頑張んなさいな、と送り出してくれるの、またいいじゃないですか。
こういう気持ちの良いライバル関係は本当の好ましいです。山吹の前世でもこんな風に親友になれた人はいなかったかも、という回想にじんわりと来るものがありました。
またぞろ、最後は未来の桜と梅の回想で終わっていますけれど、ちゃんと山吹と桔梗、二人が推しの人と添い遂げるまで描かれるんだろうか。まあ公方様まで出ちゃったので、やることあらかたやったような気もするけれど。
しかし、店の御内儀さん、自分の店の娘たちがみんな幸せになって出てってくれるのは嬉しかろうなあ。本来なら、なかなかそんな風に店から居なくなることなんて少ないだろうに。



百花宮のお掃除係 転生した新米宮女、後宮のお悩み解決します。 ★★★☆   



【百花宮のお掃除係 転生した新米宮女、後宮のお悩み解決します。】  黒辺 あゆみ/しのとうこ カドカワBOOKS

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憧れの後宮はトラブルだらけでした!? 新米宮女、医療チートで大活躍!

前世の記憶をもったまま中華風の異世界に転生していた雨妹。後宮へ宮仕えする機会を得て、野次馬魂全開で乗り込んでいった彼女は、そこで「呪い憑き」の噂を耳にする。しかし雨妹は、それが呪いではないと気づき……

あれ? これもイラストがしのとうこさんなのか。中華風後宮ファンタジーでは引く手数多だなあ。
主人公の雨妹は前世の記憶持ち。元看護師で定年まで勤め上げて老後も穏当に過ごして天寿を全うした、という経歴は転生者としては珍しい完走組である。趣味は華流ドラマ。韓国で制作されたドラマが韓流と持て囃される一方で、中国で作られたドラマは華流ドラマって言うんですねえ。実際アレ、制作費がよほど違うのかセットの作り込みとかスケール感とか凄いです。
そういうの好きで好きでたまらんかったら、そりゃ実物現物となる後宮は実際見てみるどころか体験だってしたいよね。
というわけで、身売り同然に故郷を出されて後宮の宮女として働くことになった雨妹は、自分の境遇に凹むことなく、下働きの掃除係という立場を大いに楽しむことになるのである。
実際、この雨妹、メンタルが本当に強い、強いというか図太い! なんかこう、オバちゃん的な図太さとバイタリティなんですよね。前世で天寿を全うしたからか、看護師としてバリバリ働いて厄介な連中を相手にしてきた経験か。あんまり前世については細かく触れないのですけれど、子供も育て上げていたようですし、今更細かいことをぐだぐだと気にはせんくらいの経験は溜まっているか。経験というよりも性格な気もするけれど。
それでいてオバちゃんくさいだけではなく、小娘っぽい好奇心の強さや食いしん坊で餌付けされやすいところなど、小動物的なマスコット的な所も大いにあるので、年上の人や身分の高い人には結構目をかけられて可愛がられてるんですよね。よく気もつくし、働き者で情に厚いとなるとそりゃあ気にいるし目もかけますよねえ。
でも、普段から周りにくっつかずに一人で悠々自適に動き回っている上に、ほっかむりに口元も布で覆う、というほとんど眼しか覗いていない格好でうろついているので、多くの宮女や宦官からは不気味がられているのも確かで、うんそれは確かに見た目が怪しすぎるw
そういう周りの眼をまったく気にしない、という素振りもまた距離を置かれている理由でもあるんでしょうね。それもまったく気にしていないのですが。
人の目を気にしないので、言うべきこともためらわない。元看護師として迷信や呪いなどの妄言で人の命が危機に陥っているときには介入も辞さないし、ズバズバと直言も繰り出すので、気持ちいいのは気持ちいいんですよね。偉い人にも気を使わないし。

この雨妹、何気にその出自が非常に怪しいというか危ういもので、雨妹本人も自分の身の上はちゃんと知ってるんですよね。よくまあ知っているのに、平然と後宮にあがってきたなあ、とちょっと感心してしまいます。いや、何らかの思惑や感傷があるならともかく、この人ほんとに好奇心とかで乗り込んできただけだし。その出自を利用してどうこう、は全く考えていないのですが、彼女の身の上に気づいた人たちはとてもそんな風には考えられないですよね。何らかの思惑あって入り込んできた、と思うよなあ。
しかし雨妹は本当に野次馬根性とあと元の暮らしが孤児ということもあって本当にひどかったので、働いてたらちゃんとご飯食べれる宮女としての暮らしを求めてきただけで、それ以上のことは何も望んでおらず、出世欲とかも全然ないんですよね。むしろ前世で看護師という過酷な職業についていたこともあって、今世では身を削ってまで働きたくない、悠々自適に生きたい、と思っているので、医局ヅトメも拒否してただの掃除係にこだわっているのである。
いや、本来下働きの宮女もしんどい仕事じゃないのか、と思うところなのだけれど、マメにちゃんと働きながらも、うまいこと個室ゲットしたり、厨房のお姉さんと仲良くなって毎日お菓子食べさせてもらったり、何人かの妃と親しくなって甘いものを差し入れてもらったり、と……ホントに悠々自適に暮らしてるな、この娘!
前世での医療や健康についての知識を利用して、身近な流行病対策や安全安価な化粧品などを密かに流行らせたりと、段々と一部で注目を集めていく雨妹。まあこの娘のバイタリティからすると、嫌がらせは気にしなかったりうまいこと回避したりも出来るだろうし、あんまり心配にもならないのだけど。
しかしこれ、雨妹の出自からすると彼女の相方役って、太子じゃないんだろうねえ。となると、その側近の青年の方になるんだろうか。今の所、まったく眼中にない気もするけれど。

メイデーア転生物語 5.扉の向こうの魔法使い(下) ★★★★   



【メイデーア転生物語 5.扉の向こうの魔法使い(下)】  友麻碧/雨壱 絵穹 富士見L文庫

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明かされる転生の秘密、訪れる仲間との別れ。マキアの魔法学校生活が終わる

魔法学校の終業式の日。マキアたちは空から降ってきた魔物――帝国による強襲を受けていた。突然の侵攻に防戦を強いられ、散り散りになっていく学友たち。窮地を打開するため、マキアとトールはユリシス先生の指揮で、学校に封じられた強大な力を解放することに。そして封印を解く鍵は、三人の前世にあるのだという。
黒の魔王、白の賢者、そして紅の魔女。おとぎ話の悪役として語られる、三大魔術師の転生の秘密。そして想いの一端に、マキアは触れて……。
赤く染まる“メイデーア”の空が、遥かなる物語へと繋がる。
ネロ、さすがにカノンの肉親というわけじゃなかったか。それ以上に、秘められし正体だったわけですけれど。
考えてみると、ちょっとチンピラ入ってるフレイ王子よりもよっぽどネロの方が品の良い王子さまだった気がするぞ。
集まるべくして集まったガーネットの9班。でも彼らは決して仕組まれた形で同じ班になったのではなく、みんなマキアが見つけて集めてきたメンバーだったんですよね。何の裏事情も背景もなく、ただのネロとして、ただのフレイとして、ただのレピスとして、彼らはマキアの元に集ったのだ。何の思惑もなく、彼らは仲間になり、友達になった。
戦争がはじまり、四人はそれぞれに背負った運命、肩書、使命の下に戦いに赴くだろう。それぞれ、別れ別れとなり己が道をゆくことになる。
でも彼らは決して忘れないだろう。この学園での日々のことを。四人の仲間たちと一緒に過ごしたこの楽しかった時間を。肩書も立場も関係なく、友人となった皆のことを。
ネロにとっても、レピスにとっても、フレイにとっても、マキアにとっても、この友情は掛け替えのない拠り所になるのだろう。時に孤独のうちに戦わなければならないとき、それでも大事に宿す想い出がある。決して切れることのない繋がりがある。それこそが、彼ら自身を励まし続けるのだ。
そして何があろうと、何が起ころうと、ガーネットの9班は仲間である。友達であり、味方であり続ける。
そんな切々たるネロやレピスの心情が痛いほど伝わってくる、楽しい日々の終わりであり友との別れであり、旅立ちの物語でありました。

そして、ついにマキアとトールに明かされる、二人の内に眠る真実。彼らが紅の魔女と黒の魔王の末裔……ではなく、魔女と魔王当人の生まれ変わりであるという事実。
伝説の大魔術師(ロード)クラスの転生体なのである、と。
それはユリシスも同じ立場であり、また大司教エスカやシャトマ姫もまたかつて伝説に残る偉大なる魔術師の生まれ変わりなのだという。今、歴史に刻まれる伝説の大魔術師の生まれ変わりたちが、この時代に一同に会そうとしているのだ、と。

って、ここでユリシスが学園の深層に秘められたこの世界の秘密が隠されている場所に連れてきてくれながら、待っていたエスカやシャトマ姫とともに色々と説明してくれたのですけれど……。
え? ええ!? そこまで全部語っちゃうのですか!? まだマキアとトールが覚醒しておらず、前世の記憶もちゃんと戻っていないにも関わらず、伝説に残る魔術師たちの正体と転生の謎についてまで全部一気に暴露してしまったのは、ちょっと情報量多すぎやしませんか!?
ウェブ版だとどういう展開だっただろう。そもそも、マキアたちには前世の記憶が残っていた、という前提から違ったんでしたっけか、そう言えば。にしても、前世の紅の魔女時代の様々な想い出、心残り、痛切な願いや灼熱にして後悔にまみれた恋の記憶など、様々な形で前世の物語が語られその運命の激しさを味わったからこそ、さらにその前世の前世、幾年も人生を駆け抜けていく重厚さを感じられて、その大本である創世神の物語に辿り着いたときの壮大さに打ちのめされた記憶があるんですよね。
そして、その神代の時代から続く切なる願いの壮大さを味わったからこそ、その悠久のような時間の流れの中でただ一人記憶を継続したまま使命のために命を注ぎ続けるカノンの生き様のその凄まじさ、悲壮さに行き当たってしまったのでした。
それを全部ここで一気にネタバラシ的に語っちゃうのは、巻きですか!? と、思っちゃうところなんですよね。そりゃ、前世の話だけで一巻どころで済まない気もするしなあ。
にしても、ここで全部語ってしまったのは、ちょっと余韻とか感傷とかあんまり感じられない忙しなさだった気がします。マキアとトールも実感も何もない、というか彼女たちまだ前世の記憶も思い出してないものだから、ぽかんとしてたんじゃないでしょうか、これ。
未だ、カノンがどうして彼らマキアたちを殺し続けるのか、その理由についてはすべてが明かされていないので、彼の生き様の壮絶さはそれこそすべてが明らかになった時に嫌というほど味わうことになるのかもしれませんが。それに、紅の魔女の鮮烈な生き様も。黒の魔王の後悔も。それを直接見聞きして味わうことで、ようやくマキアとトールの運命の再会の尊さを実感できることになると思うので、そのへんは次回以降の楽しみですわなあ。
しかし、ユリシス先生はハラグロ感がウェブ版よりもいや増している、というかあんなちょっとイッちゃってるユリシス先生初めてみたよ! あんなユリシス先生が実在していたのかw

そして、救世主として完全に立ち直ったアイリ。いやもうこの娘は、なんであんなドリーム状態に陥っていたのか、そっちの方が不思議なくらい、元々いい子だったのだけれど、ココに来て完全に覚悟キメて根性据えて目を覚ましてくれたので、一安心を通り越して頼もしいくらい。
今度、マキアの方がどうにも不安定になりそうなので、自分の全身全霊を賭けてマキアの事を支えてトールの事も応援してくれそうなアイリの存在は正直かなり助かるんじゃないだろうか。


Mayday Mayday Mayday 

それがこの世界の名前に込められていた叫びだという。
助けて、助けて、助けに来て!
その叫びを名前に刻んだこの世界の有り様は、果たしてどんな形をしているのだろう。10柱の創世神が、子供達が、今なお転生を繰り返している意味を、本当の意味を、まだ知ることはない。
知っているのは、ただ一人の死神だけだ。さても、メーデー、それはいったい誰の叫びなのか。


巻末には短編がいくつか。掌編と言ってもいいくらい。いや、いや、いや、マキアとトール、これお互い好きすぎじゃないですかね!? まだ幼い頃の無邪気で穢れのない純粋な好きの領域だったかもしれないけれど、ちょっとパパさんの出張にトールがついていくことになってしばらく離れ離れになっただけで、マキアに禁断症状が出てるんですが。
これ、後々トールが救世主の守護者に任命されて離れ離れになったとき、よくマキアがトール不足で枯死しなかったなあ、というくらいトール成分を常時取らないとマキアおかしくなってるんですよねえ。
トールが家を出る際、トール筆頭に家全体でこれ絶対やべえんじゃないか、という空気に染まっていたのも、二人の文通の内容見てるとよくわかりますわー。


我が驍勇にふるえよ天地 11 ~アレクシス帝国興隆記 ★★★★   



【我が驍勇にふるえよ天地 11 ~アレクシス帝国興隆記】  あわむら赤光/ニリツ GA文庫

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吸血皇子と冷血皇子。
ともにクロードの皇子として生をうけながら、母親の身分の低さゆえに侮られ続けた二人の怪物が激突す。

「――俺の覇業に立ちはだかるのは、レオナートかもしれん」

かつての予測を見事に的中させたキルクスは万全の軍備を整え、一切の容赦も斟酌もなく、途上にある尽くを蹂躙しながら迫り来る!
その進軍を遅らせんと寡兵で挑むアランの命運や如何に? 半分血を分けた兄との決戦に臨むレオナートの命運や如何に?
そして暗闇より放たれた刃にシェーラの命運は――

痛快にして本格なるファンタジー戦記、堂々完結の第11弾!!
これ、一旦シェーラは完全に戦略的に負けちゃってるんですよね。アレクシス軍が敗北を避けられたのは、個々の将帥が献身的にその全身全霊を傾けて各々の戦場で粘ってくれたからであって、一箇所でも敗走していたら全軍が瓦解していたと思うと、ゾッとしないですわ。
恐るべきは、アレクシス軍にはシェーラに匹敵する人類史最高峰の戦略家が在籍していたということで、レイヴァーンが味方にいるってなんかバグってないですかね、戦力比。
重ね重ね、アドモフ帝国になんで勝てたんですかね!? あの国の人材と戦力をそのまま吸収できたことで、実質倍どころか3倍5倍とアレクシス軍って強化されてたんじゃないだろうか。内部分裂してなかったら、どう考えても勝てなかったでしょう、あれ。
そんでもあって、アレクシス軍に吸収された結果、アドモフ帝国の分裂していた政軍がほぼ統一された形で全力発揮できるようになった、というのはもうなんというか敵対国からすると反則としか思えなかったんじゃないだろうか、これ。
にしても、まさかよりにもよってトラーメさんが退場することになるとは思わなかった。キャラクターとして一番しぶとく生き汚い人でありポディション的にも一番死ににくい人であり、戦力的にもアレクシス軍の中で替えの居ない唯一無二の人材であってこの人が居なくなった場合のアレクシス軍が受けるダメージ、機能不全起こしかねないレベルのものだっただけによりにも寄ってこの人が死戦に身を投じることになるとは本当に想像していなかったです。
こんなトラーメさんですら、自らを省みずに自分の死と引き換えにしてでも、と思わせてしまうほどの魔性が、レオナートのカリスマだったのやもしれません。
これ、結果的に見ると無茶振りされまくり限界ギリギリのきつい仕事ばかり押し付けられた挙げ句に、使い潰されてしまったとも言えなくもないんですよね、トラーメさん。本人としては命の賭けどころを見つけてしまって、それで良かったのかも知れませんが。
この人はもっといいとこ取りの美味しい思いをして戦後を暮らして欲しいとも思ったんだよなあ。
実際、トラーメさんを喪ったことで以後のアレクシス軍は相当不具合が出てしまったらしいことは、巻末の評伝でも触れられていて、頷くばかりでありました。

しかし、これで完結巻と謳いながらも、今回の包囲網こそ食い破りながらも戦争自体は全然終わりそうにないのに、これどうやって完結まで持っていくんだろう。打ち切り!?それとも、もしかしてシェーラまで逝ってしまうことで描くべきものがなくなってしまうの!? とか、混乱していたのですが……天下統一までの道のりで一番山場というか危地というか、戦力的にも敵と釣り合いが取れていたのがここまでで、以降は圧倒的にアレクシス軍が優位になって、ほぼほぼ消化試合になっていたんですね。
なので、戦記としては以降は思い切ってバッサリと切って落とす形で終わらすことにしたんですなあ。
これは戦記物としては納得ではあるんですけれど、素直になれないジュカと余裕なアランとの恋模様とか、個々のキャラクターそれぞれにスポットを当てた物語を見ていたかった身としては、そのあたりもバッサリと片付けられてしまったのはちょっと肩透かしではあったんですよね。
巻末の列伝でそれぞれ個人の後日談についてちゃんと書いてくれていたのはありがたい限りなのですけれど、やっぱりその辺のラブコメ的な展開については直接話として見たかったなあ。特にジュカ関連は。
しかし、シェーラはなんで表舞台から消えなくちゃいけなかったんだろう。ジュカが大いに活躍して列伝残しているように、他にも侍女出身者でも名臣伝に名を残し重臣として遇された人は何人もいるのに。
まあ戦略結婚的に、絶対に子供が出来ないレオナートとメリジェーヌを差し置いて他の側室が子供作ったら、クロードとアドモフの国家統一事業に罅が生じるから、というのもあるだろうし、実質シェーラが表舞台に立つなら宰相以外の何物でもなく、シェーラひとりに権力が集中しすぎる、しかもレオナートがシェーラの言う事全部受け入れてたら傀儡に見えてしまう、と確かにまあ逆にシェーラの立場が危うくなってしまいかねないのも確かな話。
その上でシェーラ個人の幸せのため、そんでもって彼女の叡智をレオナートが全面的に受け入れて活かすためには、表舞台から消えて裏の女主人にして影の王妃になるのが最適だったんだろうなあ。
でも、確かにシェーラの件のみならず、他の人の列伝にしても真実から程遠い記述や情報隠蔽がこれほど沢山あると、ウイリアム・レイバッヘが歴史家としてはド三流と言われるのも仕方ないよなあ。記述者の恣意が入りすぎだよw
でも、ウィラン帝、表舞台から完全に去って隠遁生活送り続けるのかと思ったら、史書官でありながら安楽椅子探偵さながらに、助言を求めて訪ねてくる人にアドバイスを与え続けてズバズバとあらゆる問題解決に活躍しまくっていた、ってめちゃくちゃ表舞台で活躍してるじゃないですか、この隠遁者w
なんでこの人が皇帝やってる国に勝てたんだろう。振り返ってもちょっと信じられないんだが。

にしても、こうして見ると本作って信長の野望とか三國志といったコーエーの歴史シミュレーションゲーム的な側面がありますよねえ。内政とか戦争パートじゃなくて、人材方面で。
本来の史実だと、敵対した相手の家の武将どころか大名とかをまるごと吸収、登用するとか出来るもんじゃないのですけれど、信長の野望とかだと武田信玄とか上杉謙信とか大英雄たる戦国大名も自分の勢力の武将として登用できるじゃないですか。
そんな感じで、本作ではアドモフ帝国のレイヴァーンはじめとした諸将どころか皇帝陛下もこっそり登用していたわけですけれど……まさか、後日、この巻で決戦していたキルクス王子や、ガビロンの四兄弟まで降伏させたあとに首切らないで全員臣下にして、以降の大陸統一事業に投じていた、ってちょっと反則もいいところじゃないですか、これ!?
どんだけ世界最強の軍にしたかったんだよ、というくらいの人材の確保っぷりである。
これ、最後まで残ったヂェン帝国が一番割り食ってるんですよね。レオニート率いるアレクシス軍に、キルクス、ガビロン四兄弟、レイヴァーンにアレン。これに各国の名将勇将知将が揃って襲いかかってくるんですから、どんなフルボッコだよ、と。
さながら、織田信長に率いられた武田信玄、上杉謙信、北条氏康、毛利元就、島津四兄弟、徳川家康、三好長慶、今川義元、大友宗麟、などなどといったオールスターキャストに攻められる伊達政宗といった様相である。
もうやめてあげて、と言いたくなる人材力差なんだよなあ。
まあノブヤボなんかも、勢力がある一定のラインを超えるとあとはもう消化試合になるわけで、だらだらと続けずにすっぱりと物語を〆たのはやはり最善だったのかもしれません。
でもまあ、やっぱりもうちょっと後日談的な形での短編集みたいなものは欲しいですよねえ。特にジュカに関しては!

なにはともあれ、11巻にも及ぶ痛快なる英雄戦記、完結お疲れさまでした。


異世界食堂 6 ★★★☆   



【異世界食堂 6】 犬塚 惇平/エナミ カツミ  ヒーロー文庫

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オムニバス形式のエピソード集としてお届けする待望の第6巻。
時に森の中に、時に海岸に、時に廃墟に……その扉は現れる。
猫の絵が描かれた樫の木の扉は、「こちらの世界」と「あちらの世界」をつないでいる。
扉を開けて中へ入ると、そこは不思議な料理屋。
「洋食のねこや」。
「こちらの世界」では、どこにでもありそうだけど意外となくて、生活圏に一軒欲しい小粋な洋食屋として、創業五十年、オフィス街で働く人々の胃袋を満たし続けてきた。
グルメの井之頭某が孤独にメンチカツを頬張っていそうな、高級すぎず安っぽくもなくイイあんばいの店内は、昼時ともなるとサラリーマンで溢れかえる。
「あちらの世界」では、「異世界の料理が食べられる店」として、三十年ほど前から、王族が、魔術師が、エルフが、究極の味を求めて訪れるようになった。
週に一度だけ現れる扉を開けてやってくるお客が求めるのは、垂涎の一品と、心の平穏。
美味いだけではないその料理には、人々を虜にしてしまう、不思議な魔力が宿っている。
誰が呼んだか「異世界食堂」。
チリンチリン――。
今日もまた、土曜日に扉の鈴が鳴る。
オムニバス形式なんで一気に読まず、休憩時間なんかでぼっつらぼっつらと読んでたからか気づかなかったんだけれど。
この6巻、クロ出てないのか!?
カラー口絵には居ましたよね? それなのに、本編の方では存在消されてしまっているのがなんともはや。元々ウェブ版の方ではお客さんとしてちらっと登場しただけのクロが書籍版でウェイトレスになったのは、アニメでアレッタの同僚として女給さんとしてレギュラーに加わったのに合わせて、書籍版でもクロが3巻から加わったわけですが。
ウェブ版の更新は最近では滅多となくなってしまい、作者さん多忙からか執筆から遠ざかっているようなのですけど、今回アニメの二期の開始に合わせて新刊となったのですけれど、加筆修正ほとんど出来なかったんでしょうね。ウェブ版をそのまま持ってきたがために、クロの存在が消えてしまったということなのでしょうか。
アニメに合わせて新刊を出す、というのはまあ当然の事なんでしょうけれど、こうしてみるといささかやっつけ感があるなあ。
とはいえ、この巻ではついに「ねこや」の後継者候補が登場するんですよね。店主の姪にあたる女子大生の山方早希さん。料理人志望で修行中の身なのですが、暦婆ちゃんの推薦を受けてこのねこやのバイトに現れるのであります。
実質、このねこやの創始者にして管理人でもあるヨミこと暦婆ちゃん公認なので、お婆ちゃんとしては将来的に彼女に店を継いでほしいなあ、という想いはあるんでしょうねえ。現在の店主は、もう結構いい年になりますけれど独身のままで、このままだとねこやは店主に何かあったらそのまま閉店になることは避けられませんものねえ。
店長、昔の恋を大事にしていてもう恋愛する気なさそうだしなあ。
アレッタが早希にコンプレックス感じちゃうのはちょっと意外でしたね。そういうネガティブな感情を抱えちゃうタイプではないと思っていたのですけれど。いやでも、劣等感感じるのは仕方ないよなあ。早希は料理人志望でもあるから、料理についても詳しいどころじゃなく店主を追いかける形でその精髄を学んでいるわけですし。
それでも、そんなネガティブな感情を維持し続けられないのはアレッタのいいところ。早希も、あっさりとアレッタがご飯食べて幸せそうにしているのが一番かわいい、と早々に見抜くあたり、ねこや店主の後継者としての才は十分ありそう。

今回はねこやという中継点にして特異点、という世界中のあらゆる人種、種族が同じ場所にいる、という特異性が与える影響についてよく書かれていたような気がします。
普通に暮らしていたら絶対に知ることがないだろう遠い異国の地の風俗や文化を直接目にすることが出来る。それどころか、人間じゃない魔物なんかの性質や意外な知性、独特の文化なんかも知る機会になるんですよね。
未知こそが恐れを呼び、不信を招き、偏見を産んでしまう。そういう意味では、このねこやのお客たちって、この店での交流や見知ることでそういう未知によって生まれるねじ曲がった知識や感情を解消できる人材に知らずなっていっているわけだ。そんな人達が、この店から世界中に隈無く散っていく。知っているということは理解できるということ。そんな理解できる人たちが影響を及ぼして既知を広げていく、知見を束ねていくことによって、起こる必要のない争いが避けられたり、積極的な交流が育まれたり、それが国同士の平和に繋がることもアレば、個々人の不幸を回避する要因にもなったりする。
あのハンバーガートリオの少年冒険者たちだって、ねこやを知らなければ世間に根強く残る偏見を持ったままラミアの少女と出会った時、そのままただの魔物として討伐してしまう顛末もあり得たでしょう。
でも、彼らはねこやで穏やかに理知的にご飯食べてるラミアたちを見知っていることで、巡り合ったラミアの少女が危険な魔物なんかじゃなく当たり前に話が通じるただの女の子だとわかっていて、だから仲良くなって一緒に旅する仲間になる、なんて幸福な顛末をたどることが出来たわけだ。
そんな大げさな話でなくても、生で魚を食べる文化を自ら挑戦することで知り得たり、アレッタの真面目で誠実な働きっぷりから、魔族への偏見を薄らげたり。何気に国の要人や大商人、宗教関係者も多く出入りしている店だけに、アレッタを通じての魔族への忌避感の減少は世界中に少なくない影響を及ぼしそうなんですよねえ。
ともあれ、今回はそんな横のつながりというか、文化交流、未知の駆逐というささやかながら大きい変化が端々に感じられる話が多くあったような気がします。

それにしても、フルーツグラタンって存在自体知らんかった。そんな食べ物があったのか。
いやでも、想像してみると美味しそうだなあ、これ。




2021年11月下半期 新刊ライトノベル注目作品ピックアップ  



またまたついついキャンペーンにノセられて大量購入してしまいました。だから、月に頑張っても20冊ちょいしか読めないのに、どうして50冊も60冊も買ってしまうんだ、自分は。
ブックウォーカーは結構本の整理がしやすくて管理も容易なのですけれど、それでも本棚に入れ直さないとスマホなんかだとシリーズどこまで読んだかわかんなくなるし、あんまり大量に本があると目的のものまでたどり着くのに時間が掛かってしまって、実本よりよっぽど整理整頓しやすいのに、どうして電子書籍でこんなシッチャカメッチャカになってるんだ、自分はぁぁw
これ、KindleではUIがもう筆舌に尽くしがたいほど使いにくいので、それに比べたら全然違うんですけどねえ。
なるべく今月の新刊優先で読んでいっているものの、あれもこれも読みたい、読みたい、うーうー、時間、時間が欲しい。



【霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない】 綾里けいし(ガガガ文庫)

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その少女は「かみさま」のなりそこない――。

藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。
それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。

人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。
そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。

数奇な運命のもとに生まれ――そして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。
これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。

【異世界拷問姫】の綾里けいしさんの新シリーズは、デビュー作の【B.A.D.】を想起させる現代を舞台にした幻想譚。この世のものではない幽幻の世界に片足を踏み入れながら、現世に足を取られて生きる二人の男女の物語。
綾里さんの描く、現世と幽世の狭間を歩む人の危うさ、儚さ、切ないほどの愛情の様相は魅力的を通り越して、魔性を感じさせるものがあるだけに、非常に楽しみ。


【ここでは猫の言葉で話せ】 昏式龍也(ガガガ文庫)

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命懸けの猫ミッションをクリアせよ!

日本のひなびた地方都市の女子高校。
寒い国からやってきた小さな転校生アーニャことアンナ・グラツカヤには、誰も知らない二つの秘密があった。
一つは、ロシアの犯罪組織に属した殺人マシーンであったこと。
もう一つは、猫アレルギーの猫嫌いなのに、その猫をモフらなければ自分が死ぬ……という、他人から見れば謎だが本人だけは必死な使命を帯びていること。

猫好きの同級生・小花や謎多き年上の女・明良たちに囲まれた、平和で少し奇妙な毎日の中、ひたすら猫を追いかけるアーニャのインポッシブルなミッションは始まった! 
猫が導く少女達の出会いと喧騒――コミカルでデンジャラスな新感覚ガールミーツガール開幕!
タイトルからして面白いんですけど!!
いや、こういうタイトルで掴んでくる作品はつおい。そんでもってあらすじも、意味分かんないんだど、非常に楽しそうで惹かれてしまう。ネコネコインポッシブルなコメディは是非にしゃぶりつくしたい。


【海鳥東月の『でたらめ』な事情】 両生類かえる(MF文庫J)

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「財布? 携帯? ぜんぜん違うよ。私が盗まれたのは――鉛筆さ」仲良しのクラスの女子・奈良芳乃から突如、謎の相談を受けた海鳥東月。だがそれは奇妙奇天烈な事象の始まりに過ぎなかった。海鳥の自宅に現れた謎のネコミミパーカー『でたらめちゃん』。彼女によって引き起こされるトイレの貸し借り、裏切り、脅迫、掴み合いからの一転攻勢、そして全力の命乞い……全てを終えた後、でたらめちゃんは海鳥に告げてくる。「海鳥さん。私と一緒に、嘘を殺してくれませんか?」海鳥は訳も分からぬまま『嘘殺し』に協力することになり!? 
第17回MF文庫Jライトノベル新人賞〈最優秀賞〉作は奇妙奇天烈! だけど青春ストーリー?
なんかタイトルより作者のお名前の方に目線を引っ張られてしまうのですが、第17回MF文庫J新人賞最優秀賞作品ということで、チェックチェック。
正直、あらすじだとさっぱり内容がわからないのですけれど、最優秀作品というのなら「でたらめ」だけな物語ではないはず。兎にも角にも、読んでみないとわからないのですけれど。


【不死王の息子 1】 日向夏(ヒーロー文庫)
なんでか各書店での予約がページごと消されてしまっているのですが、一応11月29日発売予定になってる【薬屋のひとりごと】の日向夏さんの現代コメディ。不死者たちの王のやっぱり不死身のかなりポンコツな息子とその頭のおかしい家族と関わることになったクールなお嬢さんとの、果たして日常と言っていいのか微妙な日常コメディにしてラブストーリー。うん、自分は本作を日向さんの作品の中でも屈指のラブストーリーだと思ってる。
既に完結している結構前の作品なのですが、息子のすっとぼけた行動とどこか冷めている主人公の少女とのやり取りが非常に愉快な物語でした。個人的に、この作者さんやっぱり女の子が主人公の方が好きだなあ。


ドラキュラやきん! 4 ★★★★  



【ドラキュラやきん! 4】  和ヶ原 聡司/ 有坂 あこ 電撃文庫

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ポンコツシスター、今度は恋煩い!? 吸血鬼たちが過去と向き合う第4弾

京都での動乱から二週間、アイリスの様子がおかしい。あれだけ虎木に絡んできていたのに、顔を合わせるとすぐに姿を消してしまうのだ。
そんな中、コンビニオーナー村岡の娘・灯里が家に転がり込んできた。新たなトラブルの予感に困惑する虎木であったが、灯里の『虎木とアイリスは付き合っている』という勘違いが更に事態をややこしくして――!?
そして、コンビニを訪ねてきた思いがけない人物とは……!!
吸血鬼×シスターの日常ファンタジー。ラブコメの気配を感じつつも、過去に向き合う第4弾!!
アイリスの男性恐怖症の原因となった出来事がついに発覚。アイリス自身も理由がわからないんじゃなくて、明確に自覚していたのか。ええ、この娘、こんなもの抱えて今までずっと生きてきたわけ?
ちょっと想像以上に重たかったんですけれど。これは無理だわ。男性への性的な嫌悪感とか潔癖症から来る恐怖症じゃないんですよね。なんでファントムの男性相手なら大丈夫なのか、ようやく理解した。幾らファントムでも男性は男性じゃないか、と思っていたのだけれど。これ、下手したら男とか女とか関係なく恐怖症になっていた可能性もあったわけなんですよね。
村岡さんや虎木の弟の和楽、という絶対に安全で人柄も承知している相手ですら、生理反応としてどうしても耐え難い状態になってしまう、というのもこうなると理解できる。完全にPTSDだわ。

同時に、アイリスにとってそれだけ「家族」という存在が重要なワードになっている事を考えると、虎木が吸血鬼から人間に戻れる方法、というのが確実に存在する、というのが明らかになった……これも物語上重要な出来事ですよね。虎木たちは既に「聞いて」いたから疑っていなかったみたいだけど、それを語った本人の口から確証を得られたのは大きい。
ともあれ、このまま下手に虎木が人間に戻ってしまうと、アイリスの恐怖症の対象が虎木にまで及んでしまいそうだけれど、虎木が人間に戻る前に彼がアイリスの「家族」になった上で人間に戻ったら、彼はその対象から外れる。もしくは、アイリスが恐怖症に陥った原因の因果が反転する、家族が人間になることで人間の男そのものが恐怖症の対象ではなくなる、という可能性も出てくるのか。
虎木が人間に戻りたいと切実に願い、焦りすらしているのは彼の家族である和楽のためでもあるのだけれど、これはそれだけに留まらない理由が生まれてきたのかも。
尤も、虎木からするとまだなんぞそれ!?という状態なのだろうけれど。
でもアイリスが、虎木に対して告白を敢行したのはただ好意を伝えたいというだけではなく、彼に自分の家族となって欲しい、と願うことでもあり、アイリスにとっての「家族」という存在の意味を考えたらそれを虎木に願うということの重たさが果たして虎木にはわかっているだろうか。

幼い頃でももう分別のつく年齢の際に、母を喪ったアイリス。ただ奪われただけじゃない、彼女が死ぬことになった理由も意味も、彼女が何を自分に願ったのかも全て承知した上で両親の願いを叶えるために、今まで嘘を突き通してきた彼女。自分が周りにどう見られ、両親のことを言われ続けてきたのか、小さい頃からずっと理解しながら今まで闇十字騎士団の修道騎士として生きてきたアイリスが、果たしてどれだけ頑張ってきたのか。どれだけの想いを胸に秘めてやってきたのか。ちょっと思い巡らせるだけでもキツいものがあります。彼女にとってファントムとは、吸血鬼とは、決して邪悪でも滅する対象でもなく、むしろ恐怖の対象となっていた人間の男性に比べれば……。そんな中で彼らファントムと敵対する組織で生きてきたのですから……彼女が遠い東方の地で虎木という存在と巡り合った時、あれほど友好的に交流をはじめた理由が、よくわかるというものです。
そしてまさか、その虎木とアイリスにそんな縁があったとは。
虎木にとっての吸血鬼の師匠が、アイリスの継父だったとは。
その師匠ザックにとっては、虎木もアイリスもまさに愛する我が子だったわけだ。こんな因果がまさか隠れているとはねえ。

アイリスにとって、自分の所属する教会組織はファントムと敵対する組織というだけでなく、本当の意味での教会。迷える人に手を差し伸べる人を救い助ける組織の一員という意識を強く持っていたんですね。シスター、という呼び名にこそ意義を見出していたのかもしれない。
それ故に、だからこそ、アイリスにとって家族間の関係で苦しむ灯里は決して見捨てられない存在だったわけだ。両親の離婚問題の間に挟まれて苦しむ子供、というのは現代社会にとっては決して珍しくない存在だけれど、だからこそ教会組織にとって無視できない救済の対象でもある。家族の問題なら、アイリスなら尚更だ。その一助に、村岡家の行く末にザックが……世界的ジャズシンガーのザックの存在が必要なら、それはアイリスにとって十分な理由になったんですよね。
もちろん、自らの家族。残された唯一の親。愛する継父のこととなれば尚更に。

今回は特に「家族」がテーマとなったお話でした。この作品自体の根幹ともなるテーマだったのかもしれません。村岡家の家族問題はシリーズはじまった当初からのことでしたしね。
そこにアイリスの家族の話が主軸となり、虎木家の話が絡み、とみんな家族のために生きてるんだよなあ。未晴の方だって大体が家族のお話だ。
だからこそ、だからこそ、アイリスの告白は恋という想いを伝えるに留まらない。彼女ははっきりと告げている。将来あなたと家族になりたいという気持ち、だと。
アイリスが「家族になりたい」と口にする事がどれほどの事なのか。今回一連のアイリスの過去を知ってしまえば、それが生半可な思いではないとわかるはず。ほんと、ただの告白じゃないのだ。
虎木はほんと十分にちゃんと受け止めないと。
その虎木の方も、和楽の様子がどうもおかしいのを見る限りではのんびりしていられないのかもしれない。
虎木、大丈夫か? 周りの進展に対して頭ついていけてるのか? みんな、待ってはいてくれないぞ。


ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXI フィフス・スクワッド・ジャム〈上〉★★★☆  



【ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXI フィフス・スクワッド・ジャム〈上〉】 時雨沢 恵一/黒星 紅白 電撃文庫

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SHINCとの合同チームで挑んだクエスト《ファイブ・オーディールズ》。その壮絶なバトルから間髪入れず開催が発表された第5回スクワッド・ジャム。
スポンサー作家によって課せられる今回の特殊ルールは『ゲーム途中で、チームメイトが運ぶ別の装備一式にスイッチ可能』という、全プレイヤー混乱必至のものだった。
当然のごとくSJへの挑戦を決めたレンたちは、首都・グロッケンの酒場で作戦会議を敢行するのだが、思いもよらぬ知らせが彼らのもとに届く――。それは『今回のSJでレンを屠ったプレイヤーに1億クレジットを進呈する』というもので……。

「わたし、賞金首になったくらいで、 SJから逃げないもん!」
時雨沢恵一×黒星紅白が贈る痛快ガンアクション、第11弾が登場!
およそ一年半ぶりの新作! もう出ないのかな、とも思っていたので正直嬉しい。好きなシリーズなだけに。時雨沢さん、違うシリーズ手掛け始めてましたしね。
さて毎度はじまりました、アレな作家がスポンサーの大会スクワッド・ジャム第五回。当たり前みたいにシャーリーとクラレンスがメンバーとして参加してくれてるのは嬉しいなあ。相変わらずシャーリーは隙あらばピトは殺す、と言ってますけれど。いや照れ隠しじゃなくてこの人はホント殺す気だと思いますけれど、前回までのチーム自体裏切ってでもという雰囲気ではなくなって、ピト以外とはちゃんとチームとして協力してくれそうなので、それでよし。ピトさんはちょっと一度殺しちゃってもいいくらいだと思ってるし。
しかし、今回の大会ルールとはまた別に、謎の依頼人からこの大会においてレンの殺害に成功したものに賞金を出す依頼が出され、参加者たちが沸き立つことに。事実上の賞金首となってしまったレン。
もちろんその賞金とはゲーム内マネーなのだけれど、これリアルマネーに換算すると100万円にもなるという話で、そりゃあちょっと無視できない金額だよ。ついつい手が滑ってでも殺りたくなっちゃう金額だわ。
この件に関しては、上巻では少なくとも誰がこの賞金を賭けたのか、についての話は進まなかったのだけれど、ポンと100万円もの金を出せる人間ってそうそういないと思うので、自然とポンと100万円出せる人間の顔を伺ってしまうのですが。
いやまじであんたじゃないの? ピトさんや。
ピトさん完全否定してるけれど、この人の場合真顔で否定しておきながらあとでシレッと実はわたしでしたー♪とかほざいても全然おかしくない人だからなあ。
今の所、なぜわざわざレンに賞金をかけたのか、という理由も原因も推測すらもあがってきていないので、想像のしようもないのだけれど。

本編の方は今大会用の特殊ルールがいくつか。事前に公表していた装備品のスイッチ機能は、説明されてもよく頭に入ってきませんねー。こればっかりは実際に使用してもらわないと。
そしてもう一つゲーム開始と同時にチームメンバーがフィールドの各所にバラバラに配置されることに。このメンバー同士の居る場所が異なってしまう、という事を加味してのスイッチ機能だったんろうか。
ともあれ、いつもワケわからんルールでむしろ行動が縛られて展開が狭くなっていくばかりだったのに比べると、このメンバー分散は面白い試みかも。
自然と、違うチームのメンバーとの協力プレイ、時間制限だけれど共闘なんて選択肢が生まれることで、いつもと違うメンバーと一緒に戦うというなかなか見られない戦争シーンが見られることになりましたし。前巻の女子高生チームとの共同戦線も面白かったけれど、あれをよりシャッフルした形か。それ以前の4巻のイベントでもVSNPCで他の全チームとの共闘があってあれ凄く良かったんですよね。ああいうのをもう一度見られるという展開は楽しかったです。
それに今回は個別に臨時チーム組むという形で、他のチームの人間と組む形で相手の人となりとかより深く知れる話になってましたしね。あのマシンガンラバーズの新女王の人、前回優勝を掻っ攫ったわけですけれど、その辣腕振りは思い知らされましたけれど意外とどんな人なのか、というのはマシンガンラバーズの様子を外からチラッチラッと見かけるだけだったので、本当の意味で詳しくはわからなかったのですけれど、今回レンと二人で行動することになったので改めてどんな雰囲気の人なのかわかってきましたしね。とはいえ、まだまだ底知れないところのある人なのですが。
しかし、別チームのメンバーと共闘しながら、偶発的な戦闘を繰り返していたら、いつか同じく別チームのメンバーと組みながら戦っていた同じチームのメンバーと遭遇戦になってしまうのではないか、という懸念は最初からあったわけで。
二人で組むとかなら、声をかけて戦闘を止める、ということも出来るでしょうけれど、今回のレンは最終的に4人で組んで全員他のチーム、という形になってしまっていたわけで、こんがらがって同士討ちになるんじゃ、と思ってたら案の定……どころか、臨時リーム内で不意打ち銃殺ってやらかしおった奴が出おった!! なんて邪悪、なんて卑怯! こいつはゲロの匂いのするクズやろうの登場かーー! と、ここは敵役の登場により一致団結の流れか? と手に汗握ったところで、出てきたやつがあれですよ〜〜。
うん、まあ何となくわかってた。まあ、ピトさんだとありがちすぎて、拍子抜けしてたと思うくらいなのですが。奴なら、やらかしてもおかしくはないなあ、うんうん。
いやもうこれ、レンちゃん普通に今の臨時チームで頑張ったらいいんじゃないですかね!? 元チームのメンバーって半分くらいこの際殺ちゃってもむしろスッキリ気分爽快な気分にさせてくれそうですし。
いや、クラレンスちゃんは普通に凹みそうなので、勘弁してあげるとして。



第46回エリザベス女王杯 回顧   

大波乱だーー!!

秋華賞を勝利し、母アパパネの果たせなかったエリザベス女王杯戴冠を目指すアカイイトアカイトリノムスメ。
大阪杯で三冠馬にマイル・スプリントの絶対女王を下したレイパパレ。
オールカマーを勝ちついに覚醒を見たウインマリリン。
この三強たる女傑達を中心に進むと思われた今年の中距離以上の牝馬の頂点を決める女王決定戦は、だがしかし伏兵アカイイトによって完全に覆されたのでした。

勝ったアカイイトはまあ色々と初めて尽くし。そも重賞に挑戦したのも3歳の時のローズS(惨敗)と前走の府中牝馬ステークスに二回だけというOPあがりの馬なんですよね。その府中牝馬も12番人気の7着という結果に終わってしまっています。ただ、OP特別では常に勝ち負け。調教は本当に調子良かったみたいなので、ヒモで抑えていた人は少なかたず居たんじゃないだろうか。それでも、単勝10番人気が示すようにこの馬が勝ち負けになると考えていた人は果たしてどれだけ居たでしょう。
キズナ産駒として初めてのG1勝利産駒となりました。凱旋門賞を走ったディープボンドや秋華賞2着のファインルージュなどの馬たちを差し置いて、まさかの一番槍である。
そして馬主さんもこれが初めてのG1勝利。先日、無念の怪我による引退を余儀なくされた九州産馬期待の星だったヨカヨカのオーナーだった方といえばわかるでしょうか。ヨカヨカの無念をまさか同じ年にこうして晴らしてくれるとはねえ。
生産牧場さんも、これG1は初めてなんだ。決して大きくない牧場みたいだし、おめでとうの一言であります。幸ジョッキーもG1久々だもんなあ、良かった良かった。

関テレ実況岡安アナの「これが運命の赤い糸!」は名実況としてまた残り続けるんでしょねえ。

アカはアカでもアカイイト、は実況じゃないけど、みんな思わず口走ってしまったはず。
アカイトリノムスメは、母アパパネの取り残したるエリ女杯を娘もまた取れず、という事になってしまいました。
直線で加速しようとした時に進路を塞がれて不利を受けてしまったのはキツかったなあ。タイミングとしては最悪でしたし。ただ本当に強い馬はここから進路を変えて再加速して伸びてくるのですけれど、アカイトリノムスメはそのままズルズルと下がっていってしまい、結局7着まで降りてしまいました。デリケートなのか勝負根性が足りていなかったのか、やる気なくしちゃったんですかねえ。

レイパパレは大阪杯を勝利したあとの宝塚記念、オールカマーをそれぞれ3着、4着と今一つの形で終わってしまったのに続いて、このエリ女では6着。2000で勝ちながら2200では届かないというのは、言われているように距離が長いのか。ちょっと不甲斐ないレースとなってしまいました。

ウインマリリンに関してはこれはもう中間での古傷の炎症がすべてでしょう。
オールカマーの勝ち方が本当に強かったので、あの時点では確かに覚醒していたと思うんですよ。あの強さなら、十分G1でも勝ち負けになっていたはず、それは間違いない。ただ、その激走が古傷に響いたのか、以前に怪我した脚の部分に炎症が起こってしまっていて、そのケアにかかりきりになって調教は結局追いきれなかったのでしょう。1週前の調教時点であれだけ悪かったらねえ、最終調教である程度形を整えたとはいえ、調子が戻っていないのは明らかでした。ブービーの16着というのも、これは仕方ないでしょう。
陣営は焦らずに態勢を整え直してほしいですね。マリリンなら、絶対G1獲れるだけの力はあるはずなので。

2着はアカイトリノムスメ以外では唯一の三歳牝馬ステラリア。春は桜花賞参加できず、オークス、秋華賞では掲示板外という結果に終わってしまった重賞未勝利馬でしたが、アカイトリノムスメに変わって最強世代の面目躍如の2着でした。ちなみに、ステラリアもキズナ産駒なんですね。

3着はクラヴェル。クラシックには縁がなく、4歳の夏になってようやくローカルの重賞をどさ回りで複勝圏内に入り続けて参加資格を得た女王杯で3着入賞。
なんと1着から3着までみんな重賞……G3すら勝ったことがない馬が並ぶというもう大波乱としか言いようのない結果でありました。
言うたらば、4着のソフトフルート、5着のイズジョーノキセキも重賞勝利と縁なしなんで、掲示板に乗った馬全馬ということになります。えらいこっちゃで。

果たして、アカイイトにはこれ一発だけとならず、是非に今後も重賞戦線の主役の一頭になってほしいものです。
活躍を願っています。


僕らのセカイはフィクションで ★★★★   



【僕らのセカイはフィクションで】 夏海 公司/Enji 電撃文庫

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自作小説のキャラが現実世界に? 作者の知識で理想のヒロインを守り抜け!

学園事件解決人・笹貫文士の高校生活は忙しい。学園内外のトラブルを引き受けながら、創作活動――Webで小説を連載する作家としても人気を博していた。
最新作『アポカリプス・メイデン』の評価は高く、有名イラストレーターがファンアートを描いてくれるほど。しかし今、文士の筆は止まっていた。この先の展開に詰まっていたのだ。
定期更新の締切が迫る中、学校からの帰り道でも、ヒロイン・いろはが活躍する山場のシーンに思考を巡らせる。ようやくイメージがまとまりそうになった瞬間──そのいろはが文士の目の前を駆け抜けて行くのだった──。
超常現象(ファンタジー)と現実(リアル)の境界を超えて、作者知識で無双せよ!? 謎が謎を呼ぶボーイ・ミーツ・ヒロインここに開幕!

うおおお、怒涛の展開じゃあ! 一巻完結なんですよね、多分これ。それ故の凝縮された密度とドライブ感。それ以上に足場からひっくり返されるどんでん返し。
そうだったそうだった、夏海さんと言えば電撃文庫でももう古参作家であると同時に屈指のガチガチSF者だったんでしたっけ。自作キャラであるはずのヒロインが登場するまでの初っ端の段階で、もう既に主人公の文士のキャラと活躍がインパクト強で面白すぎて、その辺さっぱりと忘れてましたわ。

そもそも、自作の小説のキャラクターが現実に現れて、という設定の作品はこれまでもありましたけれど、だいたいそういう作品って「痛さ」から逃れられない宿命を背負ってたんですよね。自分の妄想が現実に具現化する、というのは多かれ少なかれ痛々しさを伴うものです。
それ故か、そういう設定の小説の主人公、自作の妄想であるキャラクターと対面することになる人物というのは往々にして内向的だったり繊細で引っ込み思案だったり、とどうしても消極的だったり人当たりが弱かったり、と言うたらば陰キャ系統の主人公が多かったんですよね。
ところが、この作品の主人公である笹貫文士ときたら……いや、あらすじの段階で学園事件解決人なんて呼ばれている時点で、自分の世界に引きこもっているタイプじゃないよなあ、とは思っていたのですが。
ちょっと想像以上にアクティブでアグレッシブで、というか何こいつ!? という名探偵コナンくんでもそうはならんやろ! というくらいの超有能探偵だったんですよね。それも、あらゆる事件を解決するどころか、事件が事件として発生する前に事前に解決してしまうこともしばしば、というよく警察や探偵が感じているジレンマ。事件が起こってからしか、警察も探偵も活躍できない。自分たちは事件そのものを防げない、というのをこの文士は類稀なる情報収集能力で事件が起こる前の段階で防ぐことに成功しているケースが多々あるようなんですね。
冒頭の依頼なんぞ、依頼人が電話を掛けてきた段階で依頼人が依頼内容を口にする前に、事件は解決しました! と、その解決の経緯を喋りだすのですから、なんぞ!? となりますわ。
依頼人がなんで私まだ何も話していないのに、もう事件が解決してるんですか!? と、度肝を抜かれるのもわかるってなもんです。
そんなドアクティブな切れ者、自分から様々な事件を解決、事件になる前に解決、を繰り返すトラブルシューター、警察にも顔を知られ、学園内にとどまらずその能力を知られている学生探偵笹貫文士がそうやってあらゆるトラブルに首を突っ込んでいるのは……自作小説のネタ集めのため、というまあ凄まじい理由だったわけです。そりゃ、何事も取材して自分で体験した方が書き物には有効活用できるでしょうけれど、だからといって自作小説のためにこれだけトラブルに首突っ込んで片っ端から解決していくって、なんかこう……目的のための手段が吹っ飛びすぎてないですかね?
でも世界が羨むようなトラブル解決の才能を持つ文士が、心からやりたいことが小説を書くこと。トラブル解決ほどの際立った才能はないものの、それでも緻密な設定とシナリオを駆使してコツコツと人気を集めていくその努力家でもある姿勢は好感を持てるもので……。
っと、つまるところこの文士という主人公は、自作小説のキャラが現実に現れて、という設定のお話の主人公としてありがちな内向的なキャラクターとは、ちょっと想像を絶するほどベクトルが逆向いちゃってる個性的すぎるくらいの主人公だったんですよね。
だから、敵に追われている自作小説のヒロインと遭遇してしまったときも、そして実際にこの現実世界にはありえない異能を振りかざして襲いかかってくる自作小説の敵組織の幹部を目の当たりにしたときも、当たり前ですけれど混乱の極みに陥りながらも何故自分の作品のキャラクターが現実に現れてしまったのか、という理由原因要因は一旦脇に置きながら、今現実に襲いかかってくる脅威にアグレッシブに対処していくことになるのです。
巻き込まれ、じゃなくて明らかに自分から首突っ込んでってるんですよね。そりゃ、自作のキャラが現れてたら無視できないにしても。パニックになりながらも、的確にヒロインを追いかけ、敵の弱点をつき、何の異能力も持たないのに、いくら敵幹部の異能の詳細を知っているとはいえ現実に滅茶苦茶な現象を引き起こして破壊などを引き起こしている相手に、あれだけ見事に対応してみせるって……こいつマジすげえわ、と文士くんに感嘆するばかりで。
異能バトルもので、異能力に異能力で対応するのじゃなくて、現実的な手段と現実にある道具とその果断さ、発想やタフなネゴシエーションで勝利するって、それだけでもなかなか出来ない面白さなんですが、それをバリバリとやり遂げていく文士くんがもう面白すぎて、これはすげえ、すげえ主人公だ!
と、若干興奮気味に感じ入っていたのですが。
考えてみると、そうした感想を抱いてしまうことすら、予定通りの掌の上だったんですなあ。つまるところ、笹貫文士は紛うことなき「主人公」だったわけだ。
でも文士って、これまでの夏海作品に出てきた主人公らしい主人公でもあったんですよね。この人の書く主人公の少年って、普通に見えていやお前半端なさすぎだろう!? というとんでもないタフさの持ち主が多かったですし、ありえない舞台に引っ張り出されて立たされてこそ輝く、みたいな所も。
だから、そのまま受け取ってたんだよなあ。
そして何より、笹貫文士という主人公に魅せられていたという事でもあります。俄然、魅力的でしたもの。冒頭の掴みから思いっきり食いつかされましたし、彼が何するにしてもいちいち面白かった。
だからこそ、文士に負けず劣らずあのどんでん返しには愕然とさせられたわけです。
そして否応なく突きつけられるSF展開。これ以上は実際物語を読んでテンション揺さぶられることを推奨します。
いやあ、面白かった。久々にこう、ぶん回された感覚を味わわせてもらいました。初っ端から文士に心掌握されたが故のこの振り回され感でしたねえ。
おそらくは一巻完結でキレイに終わっていると思うのですが、読後も含めてキレの良い満足感を与えてくれる逸品でした。



宮廷魔法士です。最近姫様からの視線が気になります。 ★★★   



【宮廷魔法士です。最近姫様からの視線が気になります。】 安居院 晃/美和野 らぐ 富士見ファンタジア文庫

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魔法士の少年は今日も大忙し! ……何故見てるんです? 姫様

宮廷魔法士レイズには一つ悩みがあった。それは何故か王国の姫様がずっと見つめてくること。目が合うと顔を真っ赤にして走り去る姫様に困惑しつつ魔法士として仕事をこなすが――ちなみに姫様。視線バレバレです。

おおっ、ホントにめっちゃ見てるな、お姫様。ってか、王宮内とはいえ仮にも王女様が一人で出歩いていていいんだろうか。誰かお付きの人とか一緒にいないのだろうか。結構、王宮内では自由というかフリーというか、誰にも縛られることなく好き勝手に動き回れるみたいなんですよねえ。
まあこの辺の王族の行動制限とか身辺警護は、国によって違うでしょうからこの国はそういう緩さがある、という国なのでしょう。
実際、姫様が自由に行動しているのは王宮内だけで、王宮の外にはほとんど出たことがないと仰ってましたしね。外に出ない限りは安全、という考えなのでしょう。まあその割に親衛隊員の行方不明事件とか起こってて物騒なのですけれど。
そして、王都の郊外には魔物がはびこっていて、頻繁に間引きしないと王都まで侵入してくる、というなかなかヤバい環境のようにも見えるのですけれど。あれ? これかなり人類に対して厳しい世界環境じゃないですか? 何気に人類の生存圏狭いんじゃないですか、これだけ魔獣の脅威がヤバいって。主人公のレイズ君、超長距離のロングレンジの魔法を得てとする狙撃系魔術師なのですが、幾ら超長距離狙撃がメインとはいえ、この人王宮から直接狙撃して魔物の駆除してるんですよね……。
届く方も凄いっちゃ凄いのですけれど、王宮から届く範囲で魔物の脅威が日常的にある、というのも相当怖いんですけれど。あくまで狙撃であって、数百キロ飛ばすような弾道弾魔法とか使ってるんじゃないですし。
というわけで主人公のレイズの得意技は超長距離射撃。逆に言うと、近接戦闘はゴミ、とまでは行かなくても一般兵レベルなので簡単に無双、という風には行かないんですよね。しかも、必然的にお姫様をかばいながらの戦闘、というケースが多くなってしまうだけに、尚更苦戦は免れない。そこは、工夫と発想の勝負となってくる。そこに距離を置けば一撃必殺、という強みも持っているのでなかなかメリハリのついた戦闘シーンになってるんですよね。
しかし、レイズを始めとした同じ兵室の面々、やたらと事務仕事押し付けられて明らかに労働過多で過労で死にそうになってるの、彼らの使いみち相当に誤ってないだろうか。いや、本来の使い方をしつつ事務雑務も押し付けてる、というのが正しいんだろうけれど。
かなりブラックな扱いすぎて、ヘイトばかり溜まっていきそうなんだが。そういう扱いをされて然るべき人材達、とも言えるのかも知れないけれど、その割に彼らに対しても自由度は高く設定してるんですよね。それが契約、であったとしても。
本来なら、王宮内であんなふうにお姫様と接触できるのって、彼らが管理対象になっている事を考えると、さらにあんな誓約まで課せられているのを考えると、随分と無防備な話だなあ、と思ってしまいます。厚遇するのか冷遇するのか、えらい中途半端な扱いなんだよなあ。
こういう場合、お姫様はどういうポディションになるんだろう。レイズたちが宮廷魔法士の中でも特殊な任務についている人間たち、というのを知った上で王族として何らかのアクションを見せてくれるんだろうか。たとえば、後ろ盾になってくれるみたいな感じの。
お姫様としても、柱の陰からこっそり覗いているばかりではヒロインとしてもおとなしすぎますもんね。彼女がレイズの事が気になりだした理由というのもまあ王道といえば昨今珍しいくらいの王道で、いやこれ逆にこれからどうするんだろうと心配になるほどでしたし。このまま覗き見して様子を見守って満足しているだけじゃ、話進まんでしょうw せっかく、ちゃんと仲良くもなったわけですし。ってか、お姫様今後どうするかとか特に考えてないんだろうなあ。まあ以前助けてもらったしカッコいいし優しいし、影から見守ってキャアキャアしてたい、という気持ちはよくわかる……かしら。でもそれから先はどうするとか、なにか思案あるんですかね?

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 17.白猫クレイドル ★★★☆   



-インフィニット・デンドログラム- 17.白猫クレイドル】  海道左近/タイキ HJ文庫

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孤島バトルロイヤル開幕!

ジュリエットたちとの狩りでドロップした四枚のチケット。それはデンドロで行われる特別なアニバーサリーイベントへの招待状であった。
期待に胸をふくらませるレイたちだったが、その内容とは孤島で行われるサバイバルバトルロイヤル……!?
大学のリアル友人も参加していることを知ったレイはチームを組んでこの催しに挑むことにするが、世界中から参加できるこのイベントには、普段出会うことの無いはずの猛者が集ってきており――。
大人気VRMMOバトルファンタジー、混戦必至の第17巻!!
今回は運営側の過剰な介入もなく、誰かが死ぬとかどこかの国とか都市が滅ぶとか後味が悪くなるような展開ナシの純粋なイベントだったので、安心して見ていられました。……いや、今までこんな普通のただのイベントってあっただろうか。レイが参加するともれなく酷いことになる、というわけじゃなく事前に仕掛けられていたところにレイが飛び込んでくるだけでレイはあくまで巻き込まれなのですが、ともあれそういう裏の企みとかもなく、本当に偽り無くただのイベントバトルだったのでただただみんな楽しく遊べました、良かったね。
今回は外伝漫画の【クロウレコード】の主役キャラでもあるジュリエットとその仲間たちであるチェルシー、マックスちゃん、死音の四人がメイン級の活躍でいっぱい出てきてくれたので、色々と大満足でもありました。漫画版インフィニット・デンドログラムは本編も外伝も最高ですよ?
クロウ・レコードももっと続いてくれても良かったんですけどね。ジュリエットとチェルシーはこれまでもちょくちょく本編にも出てましたけれど、マックスや死音なんかは漫画読んでた方がどんな娘かよく分かるんじゃないだろうか。
マックスちゃんのキャラネーム「グレートジェノサイドマックス」は全キャラクターの中でも頭一つ抜けてイカした名前だと思うんだがw これが今ではフリフリの可愛い衣装着せられているの、是非イラスト付きで見ておくべきだと思うんですよね。
さて、今回は……って今回はってフレーズなんども使ってるな。まあいいや。今回はさらにレイのリア友である同じ大学生のキャラ名「アルト」と一緒に遊ぶことに。この娘、本名の高音と書いて「ソプラノ」と読む、の方がキラキラしすぎてる気がするんだが。まだアルトの方が大人しいじゃないですか。
でも、珍しくアルトは変に飛び抜けたところのない普通の一般プレイヤー枠なんですよね。レイの周りってホントこう突き抜けちゃってるプレイヤーばっかりなので、逆に普通のプレイヤーが珍しい……と、思ってたらこの娘もとんでもねーもの持ってるじゃないですかー。いや、あくまでメンタル・能力ともに一般プレイヤーなのが面白いとも言えるのですが。こういう普通の娘でも、やりようによっては一部の超級プレイヤーに匹敵するものを手に入れられる可能性がある、という事でもありますからねえ。思いっきり持て余しまくってますがw
しかし、リア友でもゲーム内では所属する国自体がアルター王国と天地という事で離れてしまっているので、物理的な距離として一緒に遊ぶこともままならないのかー。デンドロの世界は広い、という事なのでしょう。今回みたいに、参加者が転送で一所に集められて、みたいな機会でもないと連れ合う事も難しいんですからねえ。

このイベントは本当に純粋に楽しむためのもの、報酬目当てとはいえ誰の命も掛かっていないイベントだった、というのはそれだけレイの「不屈」が発動しにくいシチュエーションでもあったんですよね。レイ・スターリング推しであり殺し愛が心情の阿修羅姫・重兵衛としては出会うタイミングが悪かったとも言えますね。レイの「本領」が発揮される状況ではありませんでしたし。
無理矢理にでもレイの「本領」を出させるためにヒールムーヴ取ろうとしていましたけれど、重兵衛ちゃんってバトルジャンキーで傷つけあってこそ愛を確かめ合える殺し愛推奨のヤバい人ではあるんだけれど、一方で他人に対してリスペクトを欠かさない人にも見えるんですよね。勝敗に関わらず相手を見下したり強い弱いで人を判断したりなんて真似もしないですし、あの決闘で勝利し続けているマックスちゃんに対してのあのリスペクトっぷりを見ても、本来かなりイイ人っぽいんですよねえ。
口でいうほどのダーティープレイは出来ないんじゃないだろうか。この人の性質からして、レイと本気の殺し愛ができそうなシチュエーションって、なかなか難しそうな気がするなあ。正々堂々の勝負だとレイは普通のプレイヤーの範疇だろうし。それこそ、彼が絶対に引けない場面で敵側に立っていない限りは。割と仲間になる方が自然な感じのするキャラクターな気がするんですけれど、好きになるほど戦いたい、殺し合いたいという厄介難儀な性向なだけに難しいんだろうなあ。

ある意味完成形の方向性が見えているこれらの超級職獲得者に比べると、マックスやチェルシーはまだまだだいぶ伸び代みたいなのがあるように見えますねえ。チェルシーは特に一旦自分のスタイルを放棄しているだけに。海賊系超級職が空いてないというのは痛いのだけど、だからといって果たしてどういう方向性の超級職を獲りにいくのか。派生系とかないんですかねえ。
そんでもって、一番面白かったのがやっぱり曼珠沙華死音ちゃんである。いや、漫画でもアホの娘だったけど、こうして文章として見るととんでもねーアホの娘やなあw でも強いアホの娘である。アホであるがゆえに強いというべきか。いやあの能力反則すぎますよ、めちゃくちゃ強いんだよなあ。でも絶対、死音は自分の能力ちゃんとわかってないぞ。わかろうとすらしていなさそうなのが凄い。そしてアホの娘かわいい。
そう言えば、何気にクロウレコードの四人組は全員お嬢様なんだよなあ。
何気に今回ジュリエットが一番戦闘では大人しかった気がするぞ。ジュリエット語は、キレキレでしたが。何言ってるか完璧に理解できるレイが一緒にいると、会話もはかどりますなあ。
これでまだ中学2年生なのだから登場人物の中ではだいぶ年少組なんだよなあ。今回は高校受験という現実の問題も絡んで悩む中学生でありました。まだこのくらいの歳の娘だと、自力で現実世界に大きく動かすことは難しいですからね。親からゲーム時間減らして勉強しなさい、と言われることほど現実的な脅威はないでしょう。なんだかんだ、現実世界でもスケール大きな話が転がっているこの作品ですけれど、そんな大仰なトラブルがなくても、ただ親から禁止されるだけでデンドロの世界から居なくなる、というのもまた現実にありえる展開でもあるんですよねえ。
まあこのゲームの主要人物たちはだいたい大人であり、自力で自分の都合を融通できる種類の人間が多いのですけれど。

あと、クマは普通にお兄さんかと思った、最初。キグルミと言えばクマにーさんという認識が刷り込まれていたけれど、結構いるのよねキグルミプレイヤー。しかも、超級にも複数。
そのうちキグルミ大集合みたいな展開もいつか来る日があるのだろうかw








ウマ娘プリティーダービー キタサン(SSR)PUガチャに挑戦  

ウマ娘 キタサンSSRPU


言わずと知れたウマ娘最強のサポートカード「キタサンブラックSSR」ですが、今まで自分一枚足りとて持っていなかったので、そろそろ凸は無理でも一枚くらいは持っておかないと。
ということで、200連回しました。
なんでか、同じく一枚も持っていなかったエルが完凸しました、あいやーー。いや、これはこれでありがたいのですが。とりあえず、上の画像のようにえらい勢いでエルとキタちゃんが来てくれたので、目標はなんとか達成。天井と合わせてキタちゃん2枚です。
ってか今回、なんか凄かったですよ。他にもSSR…たづなさんにグラスワンダー、ゴールドシチー、サトノダイヤモンド、バンブーメモリー、サイレンススズカ、と6枚も来てくれました。早朝か? 明け方にやったのが良かったのか?
正直、サポートポイント全然足りなくてこんなにもカードレベルあげられないんですがW
でも嬉しい。


毎日、時間がないのでようやくチーム戦とデイリー戦を消化している程度の進捗。育成は一日一回出来るか出来ないか、2日跨いでというのも多いです。結構育成だけでも一回終わらせるのに時間かかるんだよなあ。

ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~ 4 ★★★☆   



【ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~ 4】 ハム男/藻 アース・スターノベル

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ローゼンヘイム戦争編、突入!

エルフの女王が治める国、ローゼンヘイムは、魔王軍の進行を受けて滅亡寸前となっていた。
アレン達は、王国の要請と学友であるローゼンヘイムの王女、ソフィアローネの願いにより、国を救うために戦うことを選ぶ。
首都が陥落し、負傷者で溢れるローゼンヘイムへと到着したアレン達。300万もの魔王軍の軍勢が相手では、明日にでも滅亡するだろうと語る女王に対し、アレン達は街の周囲を囲む魔物を一掃することで、希望を与えるのだった。

これまでの召喚獣と成長した仲間の力を総動員して、魔王軍との戦況を次々とひっくり返していくアレン。しかし、魔王軍にいるのはただの魔物だけではない。魔族達が占拠した拠点を取り戻すため、エルフの協力も得ながら策を講じていく。

さらに、ローゼンヘイムを攻める魔王軍の将は、かの勇者ヘルミオスすら敗北したことのあるという「魔神」だということが発覚する。
これまでの敵とはレベルの違う相手に対し、アレンに勝算はあるのか……!?

300万の軍勢VS召喚獣軍団
勝つのはどっちだ!?
前回、これ大丈夫なの!? と驚かされた仲間たちのレベルキャップ。みんなレベル60になったところでそれ以上あがらなくなっちゃったんですよね。そこが頂点、システム上の上限にまで至ってしまったわけです。僅か1年のダンジョンアタックでみんなまだ10代なのにですよ? それ以上成長できなくなってしまった、って絶望じゃないですか?
そんな人類の上限値に達したにも関わらず、魔王軍にはさっぱり敵わないレベル差が横たわっていたわけで。いやさすがにこれで打ち止めはないだろう、と思ったらちゃんと主人公のアレンがねじ込んでくれました。
亜神精霊王を通じて、ローゼンヘルムを救う報酬としてシステムへの干渉を申し込んだんですね。ってか、他の人達に断り無くいきなりみんなをヘルモードにしてください!はないんじゃないかな!?
 相談! そういうのは相談してから! 人の人生勝手に決定しちゃだめ! いやもうノーマルモードの上限値に達しているんだから、望む以外にないにせよ。
幸か不幸か、モード変更ほどのシステム弄りは神様をして不可能なのか、システム自体機能に支障をきたしてしまうのか、却下サれてしまったのですが、代わりに転職システムが導入されることに。現状、パーティーの仲間たちの職業は☆でいうと1つだけの人が多いんですね。クレナだけは剣聖で☆多いわけですけれど。その職業をレベル1に戻るかわりに上位職に転職させてくれる、という報酬だったわけです。
思いっきりRPGの転職システムだわなあ。ドラクエ3は偉大です。
一年でレベルキャップまで辿り着いたこれまでの育成を鑑みるなら、今後のレベルアップはさほど行き詰まりはないでしょうし。まあやる方は地獄でしょうが。
それでも、成長限界が事実上取っ払われたのは幸いになるのでしょう。このままだとどう考えても魔王軍に勝てないもんなあ。

ともあれ、今回はエルフの国ローゼンヘルムを舞台に、押し寄せてくる魔王軍数百万を相手に決死の防衛戦。ってか、敵の数が完全にインフレしているのですが。50万とか100万とか、実際に一所に集める数じゃないんですよね。本来なら雲霞のごとく、魔獣の海、というような表現で視界全部を埋め尽くすような敵の軍勢が津波のように押し寄せてくるなんて光景はド迫力になると思うのですけれど、なんか大雑把に数字だけで100万とか300万とかで出てくるので、なんか全然実感湧きませんでした。そんでもって、それ全部倒しちゃうわけですしねえ。
まあ攻められていたローゼンヘルムの人達にとっては、亡国寸前だった戦況を一気にひっくり返されてしまったのですから、そりゃアレンの言うこと一から十まで聞きますわ。途中から、アレンの言うとおりに軍の首脳部も女王たちも従うどころか率先して意見を求め、作戦を出してもらうようになっていましたが、まあ仕方ないよね。
最強の精霊使いの人は、なんか反発に近いリアクションあるのかなあ、と思ったら最初から最後まで特に意見もしなく終わってしまった。いや、あの人なんだったんだろう。名前だけ出てるくらいで特に存在感もなかったのだけれど。
まあ全体的にキャラに関しては弱いんですよね。剣聖であるクレナからしてあんまりパッとしないですし。今回はドゴラがクライマックスでエクストラスキルに目覚めるように彼にスポットがあたっていたと思うのですが、ドゴラという子がどういう子なのか、なんか書いてある部分で全部って感じで想像の広がる余地がないんですよねえ。これは他の人達にも共通するところ。
勇者ヘルミオスくらいじゃないだろうか、バックグラウンドとか過去とか内面などに色々と掘り下げる余地がありそうなのって。
敵である魔神レーゼルについても、巻末の書き下ろしで過去エピソードが描かれてましたけれど、これで掘り下げたか、と言われるとちょっと首を傾げてしまいました。

しかし、あの転職システムってアレンの仲間限定なんですよね。アレンの交渉によって成立したわけですし。これ、せめて人類全体に広げないと、犠牲者全然減らないぞ、と思うんだけれどシステム上では無理なんだろうかねえ。



86―エイティシックス― #16「それでも」  

遂に開始された、〈レギオン〉の大規模攻勢。出撃先でノルトリヒト戦隊の隊員たちが目の当たりにしたのは、地平線を埋め尽くし、こちらへと押し寄せる〈レギオン〉の大軍だった。兵力も攻撃力も、連邦軍のそれを遥かに超える〈レギオン〉からの一斉攻撃を受け、西部戦線は――。


ふぁーー! ふぁーー! ふぁーー!

いやもうむちゃくちゃ凄え。全方位全面攻勢に出たレギオンに対して、迎え撃つ連邦軍。そして、シンの率いるノルトリヒト戦隊。この戦闘シーンが滅茶苦茶すげえ。
いやもうすげえとしか言いようがないくらいすげえ。
アニメ史上最高の多脚戦車戦闘じゃないのか、これ。
共和国で捨て駒として使われていた補給もろくになく、 ジャガーノートなんていう最低の棺桶で戦っていた頃と比較にならない、手厚い支援、頼りになる友軍、理解ある上司。そしてシンたちの能力を十全発揮できるレギンレイヴという最高の棺桶。
共和国の酷さに比べてしまうと、問題は色々あるとは言えそれでも連邦のまともさが引き立つわけですが、それでも絶望的なレギオンの海、海、海。
2期じゃなくて、分割の後半らしいけれど今期始まってから前期とは違う雰囲気で、何より絶望と終焉しかなかった前期と比べてまだ救いがある後期は、まともに戦争していることもありほんと面白かったのですけれど、いやもうここにきて最高潮に達したんじゃなかろうか。
だがしかし、ここからが地獄だW
もうレギンレイヴの戦争シーンが本当にやばかった。うひゃーーと思わず呻きながら震えて見惚れてしまった。これは一見の価値ありですよ。

そして、同じくサンマグノリア共和国戦線にもレギオンが押し寄せ、レーナは最後の抵抗を行うために86に呼びかけを行なう。ブラッディ・レジーナ最後の戦いのはじまりである。

ぎゃーー、もう燃える! 滾る!!


ロクでなし魔術講師と追想日誌 9 ★★★☆   



【ロクでなし魔術講師と追想日誌 9】  羊太郎/三嶋 くろね 富士見ファンタジア文庫

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私が生きている意味はーーこれだったんだ

「Project: Revive Life」から生まれ、グレンに救い出されたリィエル=レイフォード。しかし、彼女には生きる意志が消えていた。帝国に存在を偽り、彼女を育てることに決めたグレンは……


レーンの受難
あんまりクローズアップされないけれど、システィたちの下の世代、一年生たちもちゃんと学園にはいるんですよね。そりゃ、グレンの実態を直接知らず、その来歴だけみたらポンポンと学園のみならず国の危機まで救ってるとんでもない人物だもんなあ。そりゃ、人気も出るわさ。
そんな一年生の女子寮で発生している下着ドロを捕まえるため、セリカ特製の女性化魔法薬によって再び超絶美人女教師となって女子寮を警備することになったグレン。って、これグレン女性化する必要どこにあったんだろう。生徒たちにも極秘に、というわけじゃなく生徒みんなグレンが女となっているのを承知しているのですから。これって単にサービスなだけですよね?


嵐の夜の悪夢
グレン先生、幼少からのトラウマである首なし騎士にビビリまくるの回。教師としての威厳も大人としての立場も男としての面目も投げ売って、ひたすら幽霊ならぬ首なし騎士にビビり倒すグレン先生の醜態W
いやまあ、霊障とかにトラウマある人からすると、怖いもんは怖いよなあ。徹底してシスティを盾にしてるのは笑ってしまうけれど、それだけ耐久力ある盾だと信頼してのことでしょうW
しかしあれだけ良い反応をしてくれると、ドッキリ仕掛けた方もやりがいあっただろうなあ。
そしてセリアは子供相手に深い心の傷を負わせすぎである。親としてはやりすぎです、それW


名も無きビューティフル・デイ
出るたんびに、神秘が薄れて単に突っ張った小娘(チョロい)という本性が発覚していくナムルスの、初めてのデート回。
いやマジで普通にデートしてもらってるだけじゃないですか、やだもう。口では偉そうな尖ったことをイイながら、本当にチョロい。作中随一のチョロさを露呈しまくるナムルス。おまえ、本当にただの小娘だなあ。
逆に言うと、本当ならただの小娘でしかないナムスルが重い役割負わされすぎている、とも言えるのだけれど。
あとちょっと感心したのが、グレン先生。この人やろうと思ったらちゃんとしたデートのプランニングから実践からそつなくやれるんですよねえ。このへん、その辺の経験不足の子供と違う大人だなあと感心してしまった。
ちなみに、ホテルの寝室に連れ込まれた場合、ナムルスちゃん身を任してしまいそうな流れだった件について。君、それがルミアの身体だというのを完全にスルーしてたでしょう。チョロすぎる。


君に教えたいこと
なかなか将来有望な娘が。グレン先生、才能豊かな天才児とその母である未亡人に引っかかる、の巻き。いや、未亡人ではないんだが。
いやまじでこのママさん、最強の刺客じゃないだろうか。13歳の娘がいる28歳のシングルマザーって……あんた、15歳で娘さん産んだんですか!?
政略結婚の挙げ句DV離婚したというのがまた生々しいというか。28歳って全然若いですがな。
このママさん相手だと、グレン先生本気で更生してしまいそうなのですが。イヴをライバル視している場合じゃないですよ、システィとルミア。
しかしここで将来の学院生を出す、というのは将来を感じさせてくれるのがいいですよね。未来において、グレンはまだ講師やっていてウルが入学してくるのを迎えてやれる、そういう希望が見えるじゃないですか。


迷子の戦車
「Project: Revive Life」によって生み出され、関係者の多くが無念の死を遂げる中、独りグレンに救われた人造生命であるリィエル。その人形でしか無い、自分の生きる意思を持たなかった彼女が、グレンと同じ特務室の一員となるまでの。何のために生きるのかを見つけるまでのお話。
と言っても、リィエルはほとんど無気力に横たわっているだけで、そんな彼女の身の回りの世話をして必死に彼女に生きる意思を持たせようとするグレンの霞を掴むような介護の様子をその奮闘と挫折の繰り返しを描く物語になっているわけですが。
しかしリィエルを助けたはいいけれど、彼女の身分保障の偽造やら何やら全部お膳立てしてくれたのってイヴだったんですねえ。グレンをリィエルの世話に専念できるようにしてくれたのも彼女ですし、お互い反発しながらどうしてかイヴが一番のグレンの理解者っぽいんだよなあ。
グレンは昔からイヴは嫌がらせしかしてこないろくな上司じゃなかった、みたいな言い方してたし、イヴの方もグレンのことをずっと反発してぞんざいに扱ってたみたいな述懐してたけれど、短編集だけ見ていると、なんだかんだグレンのフォローしてくれるし支援やら何やら手厚くしてくれてたりするし、かなり助けられてるんですよねえ。
グレンの切なる思い、生きてくれという願いに応え、ようやく生きる意志を得たリィエル。でも、その生きる目的はグレンのため、というただ一点。それは依存の先を変えただけの生き様。結局、グレンはそれを変えることが出来ないまま、彼女を放り出して特務室から消えてしまうのですが……。
こうしてみると、リィエルの成長はシスティのそれとはまた少し違って、独り立ちするための成長なんだよなあ。彼女は自分で守りたいものを見つけ、誰に寄り掛かるでもなく自分の意志で戦い生きる「人」になった。それはもう彼女の生存にはグレンは必要としなくなったということでもあり、そうしてようやくリィエルは一人の女の子としてグレンを追いかける事が出来るようになったのかもしれないのですね。




迷探偵の条件 1 ★★★   



【迷探偵の条件 1】  日向夏/magako MF文庫J

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あなたは「運命の人」(はんにん)を捕まえられるのかしら?

真丘家の男子は十八歳までに運命の女性に出会わなくてはならない。
でないと、十八歳で必ず死ぬ。
つまり本日、十七回目の誕生日を迎えた俺・真丘陸にはあと一年の猶予しかないということである。
しかし、その残念な運命を回避するには厄介な体質が俺にはあった。
しかも二つ。
一つは女難体質で、この中に運命の相手がいても困るレベルでヤンデレばかり引き寄せてしまうこと。
そしてもう一つは、超がつく探偵体質であること。
それはもう、ちょっと出かけると事件に巻き込まれるような。
というわけで、今日もまた死体に出くわしたのだが……。
もしかして、犯人が運命の人ってことはないよな?
あらすじでは、陸の厄介な体質が真丘家の運命を回避するために邪魔になる、という風に語られていますけれど、中身をよくよく読むとむしろこの2つの女難体質と超探偵体質が真丘家の18歳で死ぬ、という運命に直結してるんじゃないですかね?
話を聞く限りだと、歴々代々真丘家の男はみんな同じ体質だったみたいだし、叔父がなくなったのもヤンデレに刺されたからでしょ、これ?
……よく、家系続いているよなあ真丘家。
そもそも、読んでいるのを見ると陸の周りにヤンデレが集まってくる引き寄せてくる、というよりも……これ、普通なら眠ったままのヤンデレ因子を陸が励起させてしまっているようにも見えるんですよね。元々病んでいたというよりも、陸が関わったことで異様な執着を生んでしまったり正気を逸してしまったり、なんかヤバいフェロモンでも出してんじゃないだろうか。
特に最後の事件のラストシーンなんか、本来なら陸が攻撃受ける理由なんか全然ないのに、既に相手が冷静じゃなくなっていた事を鑑みても、なんか誘因されたみたいに陸の挑発に乗っちゃってましたもんね。陸自身も自分の体質を鑑みた上で挑発していたみたいですし。いやそれもうフェロモンかなんかで頭おかしくなる前提の挑発ですよね!?
普段から、自分が接すると女の人の頭がおかしくなる、みたいな感じで女性のことなるべく避けている風でもありますし。それもうヤンデレを引き寄せるんじゃなくて、生み出してるといった方がいいんじゃないだろうか。
そんな彼が唯一ずっと側に置いている女性がユキなわけだけれど……いや、なんでいつも一緒にいるんだろう。もう既に彼女が完全に病んでしまっていることはラストで発覚するのだけれど、それってつまり陸はもう完全にそんなユキを受け入れてるってことですよね。自分の近くにいると女性がおかしくなるのをわかっていて、彼女を側に置いているのはもう既にユキが取り返しのつかないことになって離れることが不可能になっているから諦めているのか、諦めじゃなく一緒にいることをこそ望んでしまっているのか。
いずれにしても将来、18歳になったときに自分が死ぬ際にはユキも一緒に破滅することが決まっているにも関わらず、どこかでそれを良しとしている時点で陸も相当病んじゃっている気がするんですけどねえ。
だいたい、なんでこれでユキが運命の相手扱いじゃないんだ? 陸もユキもユキがその相手ではない、という前提で考えているみたいだけれど、陸が語る運命の相手と出会った時の基準が感覚的すぎて、それ合ってるの!? とどうしても疑問に思ってしまう。そもそもそれって、初対面でわかるものなの? 既に知り合っている相手に後からビビッとくることはないんだろうか。もしくは、その運命の相手に出会ったのが幼い頃過ぎて忘れちゃってるとか。
いずれにしても、ユキがそうだ、という以外考えられないんですよね。だいたい、ユキ以外を選んだとしてそれはそれで結局刺されるエンド以外ないじゃないですか、これー?

さて、話の内容はというと学校を舞台にしたミステリー。女難体質と探偵体質故に周りで事件が起こりまくる陸とユキにとって、それはいつもの事なのかもしれないけれど、日常ミステリーなにそれおいしいの?と言わんばかりに、高校の中で起こりまくる重大犯罪。
いやいや、それもう金田一少年の通う学校並みの犯罪率になりそうじゃないですかね? 普通、校内で殺人事件とか起こったら日本中が大騒ぎになりますからね? 何十年と語り継がれる大事件なのですが、さらっと蓋をされてしまうあたり、何気に怖い世界観である。
謎解きの手順のわかりやすさ、トリックや犯人の意外さなど流石はと思わせてくれる読みやすさなのですけれど、犯人がわかった時点で主人公の陸がだいたい事件から離れてしまうので、その後主に関わった人物がどうなったかわからず、なんか曖昧なまま流されてしまう事が多いのであんまりスッキリしないんですよね。モヤモヤが残ってしまう。
特に二番目の事件とか、え?そのあとどうなったの? とかなりぶった切られた終わり方で気になって仕方ないのですが。陸くん視点の物語なので陸が関われない部分についてはそうならざるを得ないのかもしれませんが、この主人公あんまり深入りしたがらずに関わらずに済む部分は本気でスルーしてわからないままでも平気だったりするので、仕方ないんだよなあ。
いちいち深入りしていたら、体質上身が持たないのかもしれないですが。

あと、立ち位置がかなり意味不明だったのが、表紙にもなっている柊木まりあ。いやマジで意味不明だったのですが。非常に思い込みが強く、勝手に決め込んで身勝手なヘイトを主人公にぶつけてくる後輩、というだけで嫌な感じなのですが、最初から最後まで独りでヘイトを集めてるだけで、ここまで嫌な顔を見せられてしまうと後で態度を翻しても嫌な感じしか残らないと思うんですけどねえ。ヒロイン枠に思えないというよりもして欲しくない、とすら思ってしまったキャラクターが、なんでか表紙飾ってるんですよね。なんでユキじゃないんだろう。ユキに関しては作中でも登場人物紹介でも最初から公然と男装女子と謳っているので、別にミスリード誘っているわけでもないから表紙飾ってもおかしくないと思うのですが。

日向夏・作品感想


転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3 ★★★★★   



【転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3】  雲雀湯/シソ 角川スニーカー文庫

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待望の夏休みが到来し、隼人と春希はバイトに遊びに忙しい日々がスタートした。月野瀬の幼馴染・沙紀が隼人に恋心を抱いていると気づいた春希は、胸がざわざわとして落ち着かなくなって……。

ああ、いいなあ! もう、素晴らしくいいなあ! 今回、ほんとに隼人がめちゃくちゃ春希の事大切にしてるんですよ。もちろん、今までも再会した幼馴染に対して隼人はこれ以上なく大切に扱い、宝物のように接してはいたんです。彼女のことを本当に大事にしていた。
でもそこには大切にしていたからこそ踏み込まないようにしていた部分があったんですよね。春希の気持ちを慮って、彼女のセンシティブな部分には触れないようにしていた。
それはさながら、箱の中にしまい込んだ宝物、とでも言うのでしょうか。
でも、再会してからこっち、春希も隼人も相手に新しい顔を見つけるようになった。成長して、高校生になって、男と女になって、どうしても過去と同じでは居られない部分が目につくようになった。
過去のままでは居られない。同時に、過去と同じままで居られる部分もある。そうした過去と現在、そして周囲との関係も含めて、隼人と春希の幼馴染関係は次の段階へと進みはじめていたわけです。
それは、触れても壊れない関係になったと言ってもいい。隼人は宝箱の中から、大事な大事な宝物を取り出して、その手の内に包み込んだのでした。
それは「掌中の珠」と呼ぶのが相応しいでしょう。
いやもう、隼人くん大事にしすぎだろう!? と、思わず唸ってしまうくらい、春希のことメチャクチャ大切にしてるんですよね。もうギュッと包み込んで一瞬たりとも離さないようにしているかのように。春希が、壊れてしまわないように。見失ってしまわないように。
もうその様子が、尊い。エモい。
こんなに大切に扱われるヒロインも中々いないんじゃないだろうか、というくらい。お姫様のようにじゃない、本当に宝物のように、大切に大切に。
春希は、そんな隼人にどれだけ安心を、安らぎを与えられているのだろう。今、とても大きな不安を抱えている彼女である。未だ癒えない傷に苛まれている春希である。そんな怯えを、凍えるような不安を抱え込んでいる春希にとって、隼人のそれはどれほど温かいものなんだろう。
彼が許してくれるのは、春希の全てなんですよね。過去も現在も、その生まれも何もかもを受け入れてくれている。男だろうと女だろうと関係なく、春希であろうとハルキであろうと区別なく、過去も現在もそしてこれからの未来ですらも彼は受け入れてくれようとしてくれている。それどころか、宝物みたいに大切にしてくれている、傷つけまいと壊すまいと包み込んでくれている。
この彼女の安堵感を、感じている温もりを、その掛け替えのなさを、文章の行間からどれほど感じ取れるだろうか。それこそ、目一杯伝わってくる。春希の、溢れ出す想いがこれ以上無く伝わってくる!
彼女がそこに、恋を重ねたい、愛を注ぎたいと思うことは当然で自然のことだろう。欲張りなんかじゃないよ、当たり前の感情だ。とても尊い恋のはじまりだ。
隼人の方も、幼馴染を大切に思う感情の中に、異性を意識してしまうことは当然のことで、なんら否定されるものではない。たとえ恋がなくても、お互いのことは唯一無二の大切な宝物で、でもそこにさらに恋や愛が加わり育まれていくならばそれはとても素敵なことなのでしょう。
とても素敵な、恋物語なのです。
甘やかという以上に、甘酸っぱいという以上に、眠気を誘うほどの温かで安らぎを感じさせてくれる幼馴染同士の恋。
一巻一巻、進むごとに恋模様が昇華していくのが本当に素晴らしい。心情描写から伝わってくる色彩が、感情の色鮮やかさが、豊潤さが、どんどん輝きを増しているかのようです。
これは本当に素晴らしい作品になりそう。

不穏と言えば、春希に「演技」の才能が誰の予想する以上に開花しはじめていることでしょう。母絡みの因縁から芸能界に嫌悪以上に生理的な拒否感を抱えている春希にとって、それは不安要素でしかないのだけれど、母との因縁に決着をつけるためには逃れられない障害なのか。

また、良いエッセンスとなっているのが隼人の妹の姫子なんですよね。彼女独りでどれだけのシーンで登場人物の感情を救ってくれたか。本人は自然体で振る舞ってるだけなのに、それが癒やしとなってるんですよね。その影響を一番受けたのが、人との距離感を見失って苦しんでいる、救いを求めていた一輝だった、というのが面白いところ。
そして、何も考えていない天然であるからこそ空気を変えてくれる存在だ、と見せていた姫子が不意に見せた失恋を乗り越えた大人びた顔。
姫子の存在って、単なるサブキャラじゃなくて作品の雰囲気そのものを一変させ、また下支えするほどの存在感を見せてると思うんですよね。色んな局面で主役の二人に匹敵するほどの重要なキャラとなっているような気がします。
そして、春希と隼人にとって先達というか見習うべき相手というか、参考書代わりになっている友人でありもうひとつの幼馴染カップル、それも正式にちゃんと彼氏彼女として付き合いだしている伊織と恵麻の二人も今回は非常に重要な役回りだったと同時に、彼ら自身とても初々しい幼馴染カップルでこっちこそ甘酸っぺー!の鑑でしたよ。

一輝の元カノにして芸能人でもある愛梨、彼女もまた一筋縄ではいかないキャラクターで単純なレッテルを貼ることの出来ない掘り下げ甲斐のありそうな人物の登場は、春希、隼人、一輝のこれからに深く関わってきそうで、今からハラハラしてしまっています。
でもまずはその前に、春希にとっての久々の田舎帰り。自分の居場所になれなかった故郷への帰郷、そして姫子を通じて友人となり、そして恋敵である少女沙紀との対面。それは春希にとって自分の中に芽生えた恋という感情に向き合う覚悟でもあり……
次巻もまた盛り沢山の内容になりそうで、うん絶対面白いなこれ。



乙女ゲームのハードモードで生きています 1 ★★★   



【乙女ゲームのハードモードで生きています 1】  赤野 用介/芝石 ひらめ 星海社FICTIONS

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西暦3737年ーー星間国家を誕生させた人類は、宇宙を舞台に4つの勢力に分かれていた。

ディーテ王国・王立魔法学院の生徒である男爵家令息ハルト・ヒイラギは、祖父の家でプレイした1700年前の日本の乙女ゲーム『銀河の王子様』と今の現実世界が酷似していることに気付く。

乙女ゲームと現実との繋がりを確かめるために、公爵家が未来に起こす事件に介入したハルトは、9万を超える破格の魔力値を得てしまう。

魔力値の高さが星間国家の国防能力に直結し、貴族階級をも決定づけるがゆえに起こる「貴族政治の陰謀」と「星間戦争による首星壊滅ルート」を避けるため、ハルトは魔法学院(乙女ゲームの舞台)から抜けだし、王国軍士官学校へ入学する。

だがそこでハルトを待ち受けていたのは、本来であれば魔法学院にいるはずの3人の貴族令嬢(ヒロイン)だったーー

乙女ゲームの知識で、貴族政治と宇宙戦争に勝利せよ!
ゲーム世界に転生、とかじゃなくて現地主人公のはずなんだけど、このハルトくん完全に人生ゲーム感覚ですよね、というくらいなんかゲーム実況でもしているみたいに、どこか第三者的感覚で物事や他人を見ているように見えます。
それは、いわゆるヒロインであるところの侯爵令嬢フィリーネ、メインヒロイン枠のユーナ、そしてメインヒロインの友人枠のコレットの三人に対してもどこか同じなんですよね。
彼女たちに対して果たして情はあるのだろうか。まあ情くらいは感じているんだろうけれど、どこかゲームのヒロインだから、という目線は常にあるような気がします。
そもそも、これ乙女ゲームなんですよね? どう見ても普通にギャルゲーみたいに見えるんですが。乙女ゲームってのは確か主人公である女の子がイケメンたちを攻略していくゲームのはずなのですが、面白いくらいきっぱりさっぱりとそのイケメンたち登場すらしませんからね。
そもそも、ゲームの舞台となる魔法学院に通わずに士官学校の方に進学してそこにヒロインたちがついてきてしまったのですから、そりゃ登場もなにもないでしょうけれど。
しかしてハルトは自分の出世と地位の安定と戦争敗北による破滅回避のために、ゲーム知識を利用してのし上がっていくのである。おまけに、悪役令嬢とその一家が仕掛けていた企みを逆に則って、魔力を横取りした結果、国家的戦略兵器として遇されるようになった、というだけでまあまあ将来の優位は勝ち取ったようなものだったのですが、ただ個人の力が強いだけだとイイように利用されるだけだと考えて、経済的バックグラウンドと政治的後ろ盾を求めるのですが、その一貫として外道妹との当主争いをしている侯爵令嬢フィリーネと、お互いに利益となる婚約話を結ぶわけだ。
完全に個人で政略結婚仕掛けてますなあ。
そこで恋愛感情が生まれるならそれはそれで王道のラブストーリーになるのでしょうけれど、フィリーネとの間で将来の主導権争いをしている時点で、愛情らしきものはそこには存在していないんですよね。ゲーム知識を生かして国家の戦略的重要物資の供給を握って経済的主導権を握ったハルトが完全に上から殴る形でフィリーネから主導権を握って、ぐぬぬさせる様子は自分が侯爵家に利用さず囲われて自由を失うのを嫌ったから、とは言えまあなんともはや。
ただ、フィリーネとハルトの場合そうやって駆け引きやっているのも恋愛のうちなのかもしれませんが。少なくともお互いに嫌いとか無関心ではないようなので。でも、自分のほうが主導権握って頭抑えたいから、好き勝手したいからで綱引きしているのはなんともねえ。
メインヒロイン枠であるユーナの方に声をかける、或いは粉掛けるのもこれ好きだから、というよりも選択肢にあがったから必然的に、という感じでまあやっぱりルート入っとくかー的ゲーム感覚っぽいんですよね。昔からの友人ゆえの情はあるんでしょうけれど。表向き男爵令嬢なユーナも、乙女ゲームの主人公らしく実は高貴な身、という裏事情もあるので、こっちもこれ政略狙いでもあるんだよなあ。
むしろ、いつもその所業に対して怒られてるコレット相手にしているときが一番人間相手にしてる感覚に見えてきてしまいます。

さて、肝心の星間戦争はその有り余る魔力を動力源に、イゼルローン要塞みたいな巨大宇宙要塞を動かすことになるハルトたち。移動要塞って、ぶっちゃけ天体級宇宙戦艦じゃないの、これ?
並の艦船では小舟を蹴散らすような戦力差。同じ移動要塞相手でも、超弩級戦艦と前弩級戦艦くらい差があるんじゃなかろうか、というくらいハルトの魔力で動かせる要塞の巨大さ、起動できる兵器の質と量は途方もなく、敵味方両軍が正面衝突しているなかを、ハルトの要塞が敵軍を真横にぶち抜いていき端から艦隊を一つ一つ壊滅させて戦域の端から端まで突っ切っていくシーンは、すげえスケールなのだけれど相手からしたら溜まったもんじゃないよな、これ。
本来なら、これだけ敵の主力艦隊壊滅させたらそれだけで戦争勝ったようなもののはずなのに、この最後の決戦はハルト個人としては戦術的にわけのわからない勝ち方をしているにも関わらず、戦略的には大敗北してしまうんですよね。戦争の行方は霧の向こう、ハルトも最大の武器を喪って、なるほど依然ハードモードである。

2021年10月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:33冊 うち漫画:14冊

積み上がっていたマンガの方を幾分か崩していきました。ライトノベルの方も先月読めなかった分と、さらに前々から積んでいたのを読んでいたので、今月新刊はあまり手を出せなかったかなあ。
【転生魔王の大誤算】は巻が進むほどにあわむらさんの手練手管が切れ味増してきて、どんどん面白くなってきてますねえ。
積んでた中では、【逆行の英雄】と【軍人少女】が非常に面白く、続きをぜひぜひ読みたいと前のめりになったのですが、どちらもまだ続き出てないんですねえ。軍人少女の方は12月に出るみたいなので、かなり楽しみにしています。


★★★★★(五ツ星) 0冊


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 0冊



★★★★(四ツ星) 7冊

駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫(2021/9/25)
逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1】 虎馬チキン/山椒魚 MFブックス(2021/8/25)
亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~】  不手折家/toi8 オーバーラップノベルス(2021/9/25)
サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと】  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS(2021/10/8)
薬屋のひとりごと 9】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫(2020/2/28)
転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫(2021/10/14)
軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス(2021/3/2)


【駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫

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【逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1】 虎馬チキン/山椒魚 MFブックス

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【亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~】  不手折家/toi8 オーバーラップノベルス

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【サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと】  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS

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【薬屋のひとりごと 9】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫

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【転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫

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【軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス

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以下に、読書メーター読録と一言感想




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軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜 ★★★★   



【軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス

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貴族、令嬢たちとの華麗な学園生活でありますか!?
潜入 護衛 破滅回避
舞台はバトルファンタジー強めの乙女ゲーム!? チート軍人ラゼの異世界転生ラブコメ!


前世の記憶を駆使し、15歳にしてシアン皇国のエリート軍人として名を馳せるラゼ。
上司である鬼畜宰相閣下に命じられた次なる任務は、
セントリオール皇立魔法学園に生徒として潜入し、
お偉い様のご子息ご子女の未来を見守ること⁉
軍での生活とは一変、ご子息ご息女とのキラキラな学園生活に戸惑いながらもなじんでいくラゼだが、
突然友人のカーナが、「ここは乙女ゲームの世界、そして自分は悪役令嬢」と言い出した!
しかも、最悪のシナリオを回避しなければ、ラゼももろとも破滅する!?
その日からラゼは陰に日向に? イベントを攻略していくが、次々とゲームにはない未知のフラグが発生して――!?

前世知識と軍人として培った技能をフル活用して、このミッションを必ず成功してみせる!

【フルメタル・パニック】などに代表されるように、それまで普通の子供の平和な生活に縁のなかった物心ついたときから軍人や傭兵として生きてきた子が、突然普通の学生として学校に通うことになる、というストーリーの作品は往々にして、普通の学生生活に馴染めない主人公が常識はずれの突拍子もない行動を起こして、周りを混乱の渦に叩き落とすドタバタコメディになるのが定番といえば定番でしょう。
ましてやラゼが通う事になったセントリオール皇立魔法学園は王族や貴族の子女が通う選ばれしもののための学校。そこに平民のしかも成績優秀の特待生として過ごすことになるのですから、果たしてどんなシッチャカメッチャカなことになるのか、と色んな意味でドキドキしていたのですが……。

……このラゼって娘、めちゃくちゃ優秀じゃないか!
いやもちろん、ラゼも幼少時からずっと軍で生きてきただけに、周りに同世代の子供もおらず、そもそもこんな沢山の同じ年くらいの子供達と過ごすことじたいが初めてだから、戸惑いっぱなしではあるんですけれど、あくまで突然貴族の学校に通うことになった優秀な平民が、慣れない環境に戸惑っている、という範疇に収まってるんですよね。
幼い頃、戦乱と魔物の大量発生によって両親と幼い弟を喪ったときから、志願して軍に入りそれからずっと軍人として生きてきたラゼ。個人の能力のみならず、指揮官としての才覚も開花させ、わずか15歳で魔物討伐数で軍のエースオブエースとして名をあげ、国内有数の特殊部隊の隊長として戦果武功をあげまくっているエリート軍人。というと、軍の世界、戦うことしか知らない娘になってそうなのですけれど、元々転生者として前世の記憶を持っていることと、謀略畑にも足を突っ込んでいて社会の中に一般人として紛れ込む訓練も受けているものだから、容易にボロは出さないんですよ。
その優秀さ故に、どうしてもこの特待生すげえ! という形で文武で目立ってしまってはいるんですけれど、あくまで特待生として凄い! であって、そこに彼女の軍人としての正体がバレるような、それを連想させるような言動は一切見せていないので、少なくとも現状では彼女の正体に疑念を抱いているような人物は存在していない。
これ、潜入と護衛という任務からすると、相当に優秀なんじゃないだろうか。
もっとも、宰相や学園の理事長である王弟陛下など、ラゼに任務を与えた大人たちの思惑は純粋にラゼに年相応の平和な生活を送らせてあげたい、という好意であって、任務はあくまでお題目なんですよね。
ラゼの優秀さ故に、どうしても彼女のことを便利使いしてしまっていたけれど、彼女がまだ本来なら自分たちの子供達と同じく友人たちと学校に通っているような子供である、というのを彼らは忘れていなかったし、まだ幼かった彼女を軍に採用した人達も含めて、みんなずっと罪悪感を抱えていたんだなあ、と。
ラゼはあくまで、なにか裏の思惑があるんじゃ、とえらく曖昧な任務内容を勘ぐっていますけれど。
でも一方で、任務にかこつけてせっかくの機会だから、ちゃんと学生生活楽しんじゃおう、という柔軟な考え方も出来るんですよね、この娘って。もちろん、軍人として任務を忘れていないのですけれど、そうやってスイッチのオンオフをちゃんと出来るのも、ラゼの優れているところなんですよね。
そもそも、ラゼの頭の良さとか入学試験でトップの成績叩き出したのって、前世の記憶があるからとか全然関係ないんだよなあ。自己評価あんまり高くないけれど、チートとかじゃなくシンプルにラゼ本人が優秀極まりないんですよねえ。15歳で中佐にまで出世したのって、絶対彼女の素の能力ですし。
ともあれ、ラゼがちゃんと同い年のクラスメイトたちと仲良くなり、年頃の女の子らしくキャッキャウフフとはしゃいでいたり、興味ある生物学の学術研究にハマっていったり、と宰相たちの思惑通りにちゃんとキャンパスライフを楽しんでいる様子にはほっこりしてしまいました。
一方で軍人としての本分も忘れず、自分の任務の範疇と思い込んでいる国の有力者の子女たちの動向をきちんとチェックしつつ、仲良くなった公爵令嬢のカーナ(この娘もメチャクチャいい子なんだ)が自分と同じ転生者だと知ると同時に、この世界が乙女ゲームの世界だと知ったことから、悪役令嬢役となってるカーナの破滅を防ぐため、同じく友達となったこのゲーム世界のメインヒロインであるフォリアもちゃんと幸せになれるように、乙女ゲームのシナリオを覆すために駆け回り始めるのである。友達のため、将来国を支えることになる彼女たちの破滅が、国家の危機につながるからこそ、国防のために。
こっそりと次々起こるトラブルを解決して回るラゼの姿は、さながら影のヒーローという感じでこれはこれでカッコいいんですよ。
ラゼ当人はとても常識的で、ヒロインたちの悩みを聞く相談役にもなっているし、いざというときはささっと動いてスマートにトラブル片付けるし、堅苦しくなく柔軟に物事に対処するので、見ていて安定感が半端なくて安心感があるんですよね。それでいて、愛嬌たっぷりの年頃の女の子としての顔も失いませんし、上司の息子の顔色伺ったりと俗っぽさもあり、自然体のその物腰は可愛げもあってマスコット的なところもありますし、その有り余る才覚を発揮する姿は痛快ですらあり、とかく見ていて楽しい娘でもあるんですよね。
こういう主人公は、魅力タップリでほんと好きですわー。
これは早く続きが読みたくなる作品でした。面白かった!!


聖剣学院の魔剣使い 8 ★★★☆   



【聖剣学院の魔剣使い 8】  志瑞祐/遠坂あさぎ MF文庫J

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10歳児に転生した最強魔王とお姉さん達の学園ソードファンタジー第8弾!

ヴェイラと共闘し、〈海王〉を倒したレオニスの前に現れたのは、死んだはずのリーセリアの父、クリスタリア公爵だった。レオニスは彼を追い詰めるが〈天空城〉の次元転移に巻き込まれ、リヴァイズ、ヴェイラと共に異世界へ飛ばされてしまう。一方、帝都に残るリーセリアは鬼教官シャーリのもと〈聖剣剣舞祭〉に向けて特訓するのだった。「レオ君はこんなに厳しくなかったわ」「あの御方はあなたに甘すぎるのです!」そしてレオニス不在の中、陰謀渦巻く聖剣士の祭典が始まる――!

シャーリ、普通に見つかって正体バレましたな!!
今までこっそり隠密していた(ちらちら目撃はされてましたが)のがあっという間にパーである。いや、シャーリの存在がバレるにしてももうちょっと劇的だったりドラマチックだったり状況的に仕方なくだったり、というまあそれなりに格好の良い、或いは格好のつく正体バレになるのかな、と思っていたのですが、本当に普通にドアを開けたらばったり、というどうしようもない理由でバレちゃったんですが。
さすがシャーリ、ある意味期待を裏切らないw
まあレオニスの影武者でセリアさんには存在自体は知られていたので、仕方ないと言えば仕方ないのですが。
話の方は、レオニスとヴェイラ、リヴァイズという魔王が揃ったサイドと、聖剣剣舞祭に向けてのセリアたちの学園サイドの2局面での分割進行となっていましたが、ヴォイドや女神の秘密がわかりそうでわからない微妙なラインをずっとせめてくるなあ。
ヴォイドの誕生には女神が絡んでいるみたいなんだけれど、その女神の正体が果たしてレオニスの主君たるあの人なのかは、まだはっきりしないんですよね。ただ、はっきりと関係ない別人、とかじゃないのは、女神の使徒として暗躍している連中がどうも魔王の1柱だったり、レオニス含めた魔王たちの配下だったりする以上は、無関係ではないのだろうけれど。
とりあえず、クリスタリア公爵当人が黒幕だった、という展開ではなさそうなのでセリアさんの気持ち的にはちょっと安心した。これで父親がすべての黒幕だった、とかだったら救いようないですもんね。
しかし、レオニスのショタ化は他の魔王からしてもなかなか衝撃的だったのか。なんか感情が薄そうなリヴァイズですら、ショタコンの卦を見せてたもんなあw

実際、レオニスを直で見ても敵側の連中は彼を不死の魔王とは気づいていないわけですし。レオニスの正体に関する情報が敵側には完全に伏せられている、というのはやはり大きいアドバンテージですよ。未だ、不死の魔王は眠りについている、というのが相手の現状認識なわけですし。

そう考えると、レオニスの眷属でありながら今目立つ表舞台に立っているリーセリアはレオニスの秘密がバレる要因にもなるのか。実際、今現在女神の使徒として暗躍していたかつてのレオニスの部下であるイリスと交戦状態に陥って、レオニスから送られた戦闘衣装である真紅のドレスから何らかのレオニスとの関わりがある、と察知されてしまっているわけですしね。
でも、レオニスってかつての魔王時代の部下、みんなこう普通に悪そうな奴ばっかりだねw 
シャーリの中に封印されていた第3の眷属も大概アレな人みたいですし。ってかあれって、シャーリの別人格、ってわけじゃないのか。あくまでシャーリは肉体の器であり封印器であって、ラクシャーサと呼ばれる魔神の魂とは別の存在なのね。別人格、というのもシャーリ実はツヨツヨ、という感じで面白かったかもしれないですが。

さて、そのシャーリにスパルタで鍛えられまくっていたセリアさん。せっかく、修行強化がなされたのですから、やっぱりその成果を見せてくれないと。あの聖剣剣舞祭の対戦相手であるシャトレス姫も、同じ不死者として相対することに成ったイリスも、どうもセリアさんの事ナメくさって見くびっていらっしゃるようなので、ここはバシッと一発食らわせて目にもの見せてやらないと。
という場面で颯爽と現れてセリアさんを助けてしまうレオニスくん。君、ちょっと過保護すぎじゃないですか? そこはもうセリアさんに任せて自力でケリつけるのを見守るところですよー。
次回でちゃんと、セリアさんに決着任せてくれるかもしれませんが。


2021年11月上半期 新刊ライトノベル注目作品ピックアップ  



スニーカー文庫は10月29日刊行なので、すでに発売してるんですよね。
先月はブックウォーカーでカドカワ祭りなどのポイント還元イベントがたくさんあった影響もあり、思わず買いまくってしまって、マンガ含めてだけど118冊って……どう考えても読めないよね!?
いやまあ、先月は極端としても毎月全然読めない冊数買っちゃってて、借金が雪だるま式に増えていくみたいに積本が増えていくので、もうどうしようもないのですけれど。この絶対に終わらない途方に暮れる感覚は一生覚めることないんだろうなあ。ってかもう一生かかっても全部読めない分溜まってるんですが。
読んでも読んでも積んでる山が減らないどころか増えていく、これを極楽というべきなのか地獄というべきなのか。
そんな中からのこれはなんとか読んでおきたいというピックアップ!


【転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3】 雲雀湯(角川スニーカー文庫)

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勉強、バイト、プール。君と過ごすだけで、なんだって特別になる夏休み。
待望の夏休みが到来し、隼人と春希はバイトに遊びに忙しい日々がスタートした。月野瀬の幼馴染・沙紀が隼人に恋心を抱いていると気づいた春希は、胸がざわざわとして落ち着かなくなって……。

幼い頃、彼らは確かに友達だった。再会して、片割れが実は女の子だったとわかっても、彼らはもう一度友達になれた。だから、その友情が恋になったのはそれからの事だった。
これは小さい頃から相手の好きだった幼馴染じゃなく、特別な幼馴染同士が特別な恋をする物語。それが恋だと自覚する、第三巻である。


【僕らのセカイはフィクションで】 夏海公司(電撃文庫)

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自作小説のキャラが現実世界に? 作者の知識で理想のヒロインを守り抜け!
 学園事件解決人・笹貫文士の高校生活は忙しい。学園内外のトラブルを引き受けながら、創作活動――Webで小説を連載する作家としても人気を博していた。
 最新作『アポカリプス・メイデン』の評価は高く、有名イラストレーターがファンアートを描いてくれるほど。しかし今、文士の筆は止まっていた。この先の展開に詰まっていたのだ。
 定期更新の締切が迫る中、学校からの帰り道でも、ヒロイン・いろはが活躍する山場のシーンに思考を巡らせる。ようやくイメージがまとまりそうになった瞬間──そのいろはが文士の目の前を駆け抜けて行くのだった──。
 超常現象(ファンタジー)と現実(リアル)の境界を超えて、作者知識で無双せよ!? 謎が謎を呼ぶボーイ・ミーツ・ヒロインここに開幕!
よりにもよって自作の小説のヒロインを現実世界に登場させて、という場合によっては痛々しいことこの上なしの設定ながら、その超絶に危ういバランスを手掛けるのが、【ガーリー・エアフォース】や【ワールドエンドの探索指南】【なれる!SE】という数々の渋いシリーズを手掛けてきたベテラン・夏海公司さんとくれば、その見方も変わってくる。
何気に主人公、ウェブ作家というだけじゃなくて学園事件解決人とかいうワケわからんトラブルシューターもこなしているあたり、並の主人公じゃないだろ、これ!?


【ただ制服を着てるだけ 2】 神田暁一郎(GA文庫)

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制服はニセモノでも、この気持ちだけは――ホンモノだよ

「私、あなたの『彼女』ですよ? ちゃんと『彼氏』らしく、優しくエスコートしてよね?」
同居生活を送る社畜・広巳とニセモノJK明莉。ヒミツの関係は広巳の店の従業員、舞香にバレてしまう。
「……え? マジに付き合ってないんですか? キモ~い! 」
バレても構わないと明莉と職場の人間関係的に困る広巳、そんな中、明莉の職場の店長にもバレてしまう。
「あゆみ、直引きしてるだろ?」
店長の疑いを晴らすため二人は恋人関係を演じることに!? そんな日常の中、明莉の過去を知る人物が現れ、トラブルが起きてしまう――。
いびつな二人の心温まる同居ラブストーリー第2弾!
風俗とそこにどっぷりとハマって抜け出せない女のドラマというライトノベルで扱うには重すぎるテーマに、真っ向から挑んだ作品の第二弾。薄っぺらな仮面の奥にしまい込んだ心の傷、かさぶたにもなっていない傷跡を撫で合うような、しかし確かに救いを求める人間同士の関係は、果たして愛に至るのか。
ぐいぐいと物語に、登場人物たちの心の迷いにハマりこんでしまう吸引力に、色んな意味で溺れてしまいそうな作品であります。


【メイデーア転生物語 5.扉の向こうの魔法使い(下)】 友麻碧(富士見L文庫)

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明かされる転生の秘密、訪れる仲間との別れ。マキアの魔法学校生活が終わる

魔法学校の終業式の日。マキアたちは空から降ってきた魔物――帝国による強襲を受けていた。突然の侵攻に防戦を強いられ、散り散りになっていく学友たち。窮地を打開するため、マキアとトールはユリシス先生の指揮で、学校に封じられた強大な力を解放することに。そして封印を解く鍵は、三人の前世にあるのだという。
黒の魔王、白の賢者、そして紅の魔女。おとぎ話の悪役として語られる、三大魔術師の転生の秘密。そして想いの一端に、マキアは触れて……。
赤く染まる“メイデーア”の空が、遥かなる物語へと繋がる
これちょっと表紙絵がクリティカル過ぎて、良すぎて震えているんですが。
ってか、帯無いほうがいいですよね、これ。

ユリウスが実はあんまり変わってないような気もするのですけれどw
ついに明らかになる転生の謎。ある意味物語のモラトラムの終わりというべき学園生活の幕引きか。
ここからが本番とも言えるのだけれど、前とは話が全然違っているだけにどうなるのか。楽しみで仕方がないです。


信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 8.光の勇者と人魔戦争 ★★★☆   



【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 8.光の勇者と人魔戦争】  大崎アイル/Tam-U オーバーラップ文庫

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六国連合軍vs魔王軍――人魔戦争ここに開戦!

軍事国家・火の国と協力関係を深めた高月マコト。
これで六国連合軍による「北征計画」の準備が整った。
北の大陸で勢いづく魔王軍との開戦に備え、集結する各国勇者たち。
水の国の勇者としてマコトも作戦会議に参加するが、連合盟主である太陽の国の教皇に邪神の信者だと見抜かれ、いきなりピンチを迎え!?
そして、ついに魔王軍の主力「獣の王」と「海魔の王」が侵攻を開始。
ノアより授かった神気を駆使し、戦いを優位に進めるマコトだったが、凶報が届く。
「……このままでは『光の勇者』が命を落とします」
――それは人類最高戦力のクラスメイトを失う最悪の未来で……?
今ここに人魔戦争の幕が明ける。
桜井くんって、何気にヒロイン感強いんだよなあ。
同じ親友枠のふじやんは、独立独歩という感じでちゃんともう一人の主人公していて、特にマコトと関係なく一人で地盤固めていける印象があるのですけれど、桜井くんって完璧超人なのに、いや完璧超人だからこそ周りに頼れる人が居なくて、彼自身自分がやらないとと気を張っている所がある気がします。そんな桜井くんが唯一、自分の弱い所を曝け出してしまえるのが幼馴染のマコトなわけだ。
みんなのヒーローである桜井くんにとっての、ただ一人の自分にとってのヒーロー。いつも自分が困った時、どうしようもなく追い詰められた時颯爽と現れて助けてくれるヒーロー。それがマコトなんですよね。
マコトに対しての桜井くんのメンタルって、だから絶対にヒロインだってこれ。
マコトの方も桜井くんの事絶対的に信頼はしているんだけれど、同時にいつも心配していて気にかけているんですよね。この二人のお互いへ抱いている特別感は、なんかキュンキュンさせられてしまいます。
幼馴染なのにベタベタした関係じゃなくて、お互い呼び捨てとか渾名呼びじゃなくて、名字の君付けで呼んでいるのって、微妙に距離感があるんですけれどその距離感が不思議と特別な関係という雰囲気を醸し出してるんですよねえ、面白い。

さて、連合の大会議で各国の代表が集まっているという場で、ノアの使徒、つまり邪神の信者だという事が暴露されてしまったマコト。最初の頃は邪神の信者だとバレたら問答無用で異端審問で処刑ですよね、という話でかなり気をつけて秘密にしないといけない極秘事項、という話だったのですけれど。
狂乱しているのは教皇だけで、他の国の首脳部や勇者たちは、別にいいんじゃね? というOKOKな話に簡単になってしまっていたのには、なんか笑ってしまった。
いやそれだけ、マコトが各国を巡る間に交流を深めて、親交を広げていたという事なのでしょうし、何気に神々がノア様の事別に敵視も何もしていなくて、水の女神のエイル様みたいに親しくしてくれている神様もいるくらい、というのも大きかったのでしょうけれど。主神の太陽神から、別にノアの信者だからって何の問題もありませんよ、というご神託まで授かってたんじゃ、むしろ敵視している教皇の方がおかしく見えてしまいますよね。
それでも、いざとなったらマコトの側に立つよ? あん? やるの!? やったるの?
という感じで、桜井くんは当然としても各国の勇者たちが当然のようにマコトの側に立ってくれるのは、わかっていても嬉しいものです。
教皇という不穏分子はあるものの、概ね各国纏まってきているんじゃないだろうか、これ。前回の火の国での活躍で、強国である火の国が全面支持になってくれたのは大きかったんだなあ。太陽の国の勇者の桜井くんと姫が支持強めてくれているのも助かってるし。ソフィア様、水の国存在感薄いですよw
オマケに、今回の一件で運命の女神のイラ様が盛大にやらかしてしまったのを助けてもらったことで、マコトたちに頭あがらなくなったのは、微苦笑ものですけれど彼女の予言や巫女の権威など助けになることも多いだけにありがたいことこの上なし。
それにしても、イラ様ってばポンコツ可愛かったなあ。いや、気持ちはすごくわかるんだけれど、やり方が場当たり的すぎて、結局大ぽかやらかしてしまうのはポンコツと言われても仕方ないでしょうこれ。

今回は桜井くんがメインヒロイン枠だったようなものですけれど、一方で本来のヒロイン枠としてはついにフリアエ様がマコトにグラグラしはじめて。
って、もう既にとっくの昔に桜井くんへの恋心には決着つけて、マコトの方に惹かれはじめていた、と思っていたけれど全然当人の自覚なかったのか。マコトがモテてる様子にサバサバした態度なのも、そういうキャラクターだからだと思っていたのだけれど。
段々と、他の女の子とイチャツイているマコトの姿に穏やかならざる気持ちになってきて、モヤモヤが募っていくあたりは恋の始まりを感じさせて、によによさせてくれるものでした。
なんだかんだと、主と騎士の関係であるマコトとフリアエって一緒にいることが多くて、一番フリアエが占有率高いと思うんですよね。そりゃ、フリアエが本気になったら一番有利になりますわ。サーさんとルーシーが危機感覚えるのも仕方ないですわ。ちなみに、ソフィアさま……頑張れ、あんまり会えなくても頑張ってw



第164回天皇賞(秋) レース回顧  

メインレースに先だって、阪神9R古都ステークス。先週の菊花賞と同じコース同じ距離の芝3000メートルのレースにて、メロディーレーンちゃん久々の勝利!!
前回からプラス10キロと体重を増やしてきたメロディーレーンですが、それでも354キロという周りと比べても明らかにちっちゃい馬体で、トコトコ走るメロディーちゃん。
先頭で逃げるタイセイモナークを追いかけて一生懸命走る走る、頑張る頑張るメロディーレーン。
なんでかこの娘の走る姿って一生懸命って感じなのが健気で可愛いと思ってしまうんですよね。

そして、先週このコースで菊花賞を勝利したタイトルホルダーって、メロディーレーンの弟なんですよね。まさかの二週連続での弟姉による同距離制覇。メロディー、最近は大敗続きだったのでもう終わったのかな、と思っていましたけれどどうしてどうして。牝馬で3000勝つって本当に滅多無いはずなのですが、本格的にステイヤーなんだなこのちっちゃい娘。


さて、本番メインレースの天皇賞(秋)は、まさかのルメール、グランアレグリア先行策。
スタートダッシュが良かったから故の位置取りだったのか、それとも最初からの作戦だったのか。
エフフォーリアは中団からグランアレグリアを含めた先頭を見る位置で。コントレイルはさらにその後ろ。
個人的にはグランアレグリアは後ろからじっくり脚を溜めての、あの次元が違うと言わしめた末脚による切れ味勝負を見たかったのだけれど、これも結果論か。
4コーナーから直線に入るところですでに先頭に立ち、後続を突き放しにかかるグランアレグリア。
4着以下を文字通り突き放している以上、グランアレグリアの仕掛けも間違いじゃなかったのだろうけれど、エフフォーリアがもう満を持しての横山武史のゴーサインで、ぶっ飛んできたんですよね。
先週に引き続き、横山武史騎手は文句なしの騎乗でしたわ。最初から最後まで位置取りから進路、仕掛けのタイミングに至るまで完璧でした。一流騎手として開花したなあ、横山武。
コントレイルは、最後の直線で内からエフフォーリアの外に出す分、タイミングが遅れた感じ。内側に進路があって真っ直ぐ来れてたらもう少し着差も詰まっていた気がしますが、それでも躱すまでは行けただろうか。
グランアレグリアはエフフォーリアに最後あっさり躱されてしまったものの、そこからガクンと落ちることもなく粘って追いすがるんですよね。あそこで簡単に屈しない根性は、名牝名馬の威信を見ました。正直、そんな距離の壁は感じなかったですなあ。彼女には勝って3階級制覇して欲しかったのは、ファン故にか。

終わってみると、3歳馬のシンボリクリスエス以来の天皇賞秋の制覇。いや、もうマジで今年の3歳世代は強いというのを、証明してくれました。
これは来週のダービー馬シャフリヤールによるジャパンカップ参戦での人気も変わってくるだろうなあ。コントレイルは今度こそで、有終の美を飾りたい。

 
5月20日

橘 公司
(富士見ファンタジア文庫)
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kattern
(富士見ファンタジア文庫)
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進九郎
(富士見ファンタジア文庫)
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飴月
(富士見ファンタジア文庫)
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凪木 エコ
(富士見ファンタジア文庫)
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七斗 七
(富士見ファンタジア文庫)
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氷高 悠
(富士見ファンタジア文庫)
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下等 妙人
(富士見ファンタジア文庫)
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下等 妙人
(富士見ファンタジア文庫)
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イスラーフィール
(TOブックス)
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ヤマモトユウスケ
(TOブックス)
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早瀬黒絵
(TOブックス)
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望月淳
(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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はくり
(ガンガンコミックスpixiv)
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はくり
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5月19日

渡航/伊緒直道
(サンデーGXコミックス)
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5月18日

久住太陽/杉浦理史
(ヤングジャンプコミックス)
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わだぺん。
(ヤングジャンプコミックス)
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クール教信者
(ヤングジャンプコミックス)
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オニグンソウ
(ヤングジャンプコミックス)
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雪森寧々
(ヤングジャンプコミックス)
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辻村深月/武富智
(ヤングジャンプコミックス)
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武田綾乃/むっしゅ
(ヤングジャンプコミックス)
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錆び匙/ひびぽん
(ヤングジャンプコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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椎名高志/高橋留美子
(少年サンデーコミックススペシャル)
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サンドロビッチ・ヤバ子/MAAM
(裏少年サンデーコミックス)
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村崎久都/アトラス
(裏少年サンデーコミックス)
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ほりかわけぇすけ
(裏少年サンデーコミックス)
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のんべんだらり/山悠希
(裏少年サンデーコミックス)
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さと/小田すずか
(裏少年サンデーコミックス)
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川岸殴魚
(ガガガ文庫)
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境田吉孝
(ガガガ文庫)
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冬条一(ガガガ文庫)
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虹元喜多朗
(ガガガ文庫)
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5月17日

吉河美希
(KCデラックス)
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赤衣丸歩郎
(KCデラックス)
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西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)
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西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)
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sigama
(マガジンエッジKC)
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阿部花次郎
(マガジンエッジKC)
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宮島礼吏
(講談社コミックス)
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宮島礼吏
(講談社コミックス)
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音羽さおり
(講談社コミックス)
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金城宗幸/ノ村優介
(講談社コミックス)
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水森崇史
(講談社コミックス)
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吉河美希
(講談社コミックス)
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片瀬茶柴/城平京
(講談社コミックス月刊マガジン)
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森下真
(講談社コミックス月刊マガジン)
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えんじゅ
(電撃の新文芸)
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こはるんるん
(電撃の新文芸)
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相原あきら
(電撃の新文芸)
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仏ょも
(アース・スターノベル)
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らる鳥
(アース・スターノベル)
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5月14日

福成冠智/柊遊馬
(コロナ・コミックス)
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abua/ナカノムラアヤスケ
(コロナ・コミックス)
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ありのかまち/箱入蛇猫
(コロナ・コミックス)
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烏間ル/紅月シン
(コロナ・コミックス)
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勝木光/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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5月13日

あわむら赤光(GA文庫)
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只木ミロ(GA文庫)
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佐野しなの(GA文庫)
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佐伯さん(GA文庫)
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ケンノジ(GA文庫)
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海月くらげ(GA文庫)
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小林湖底(GA文庫)
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浅名ゆうな
(富士見L文庫)
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久生 夕貴
(富士見L文庫)
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道草家守(富士見L文庫)
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道草家守(富士見L文庫)
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来栖千依(富士見L文庫)
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綾里 けいし
(講談社タイガ)
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汀 こるもの
(講談社タイガ)
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広路なゆる
(サーガフォレスト)
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yocco
(サーガフォレスト)
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和田 真尚
(サーガフォレスト)
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内々けやき/佐伯庸介
(リュウコミックス)
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5月12日

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酒月ほまれ/アルト
(アース・スター コミックス)
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かじきすい/左リュウ
(アース・スター コミックス)
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青辺マヒト/十夜
(アース・スター コミックス)
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名苗秋緒/九頭七尾
(アース・スター コミックス)
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沢田一/夾竹桃
(アース・スター コミックス)
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檜山大輔
(アクションコミックス(月刊アクション))
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ワタヌキヒロヤ
(メテオCOMICS)
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いしいゆか
(まんがタイムKRフォワードコミックス)
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須賀しのぶ/窪中章乃
(サンデーうぇぶりコミックス)
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しょたん
(サンデーうぇぶりコミックス)
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川岸殴魚/so品
(ビッグ コミックス)
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ゆうきまさみ
(ビッグコミックススペシャル)
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大井昌和/いのまる
(夜サンデーSSC)
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大井昌和
(夜サンデーSSC)
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鎌池和馬/近木野中哉
(ガンガンコミックス)
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緋色の雨/菖蒲
(ガンガンコミックスONLINE)
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わるいおとこ/彭傑&奈栩
(ガンガンコミックスUP!)
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5月10日

佐島勤(電撃文庫)
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逆井卓馬(電撃文庫)
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西条陽(電撃文庫)
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丸深まろやか
(電撃文庫)
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入間人間(電撃文庫)
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岸本和葉(電撃文庫)
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有象利路(電撃文庫)
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西塔鼎(電撃文庫)
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和泉弐式(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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餅月望
(TOブックス)
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古流望
(TOブックス)
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ひだまり
(TOブックス)
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内河弘児
(TOブックス)
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内河弘児/よしまつめつ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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TYPE-MOON/コンプエース編集部
(角川コミックス・エース)
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じゃこ
(角川コミックス・エース)
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5月9日

黒辺 あゆみ
(カドカワBOOKS)
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少年ユウシャ
(カドカワBOOKS)
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yocco
(カドカワBOOKS)
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たままる
(カドカワBOOKS)
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明。(カドカワBOOKS)
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ジャジャ丸
(カドカワBOOKS)
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愛七 ひろ
(カドカワBOOKS)
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草壁レイ/紙城境介
(ドラゴンコミックスエイジ)
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緑青黒羽
(ドラゴンコミックスエイジ)
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碇マナツ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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潮里潤/三嶋与夢
(ドラゴンコミックスエイジ)
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渡真仁/三嶋くろね
(ドラゴンコミックスエイジ)
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サイトウミチ/高橋徹
(ドラゴンコミックスエイジ)
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小虎
(ドラゴンコミックスエイジ)
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七菜なな/Kamelie
(電撃コミックスNEXT)
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門司雪/アルト
(KCデラックス)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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真木蛍五
(KCデラックス)
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吉村英明/木嶋隆太
(KCデラックス)
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マツモトケンゴ
(シリウスKC)
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加古山寿/朱月十話
(シリウスKC)
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志瑞祐/青桐良
(シリウスKC)
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閃凡人/木緒なち
(シリウスKC)
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瀧下信英/津田彷徨
(モーニングKC)
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蒼井万里
(ワイドKC)
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奈央晃徳/山川直輝
(講談社コミックス)
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中丸洋介
(講談社コミックス)
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5月7日

ケンノジ/松浦
(ガンガンコミックスUP!)
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道草家守/ゆきじるし
(ガンガンコミックスUP!)
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宇佐楢春/やまだしゅら
(ガンガンコミックスUP!)
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柊一葉/硝音あや
(ガンガンコミックスUP!)
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柊一葉
(SQEXノベル)
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九頭 七尾
(SQEXノベル)
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守野伊音
(SQEXノベル)
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5月6日

CLAMP
(KCデラックス)
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雨隠ギド
(アフタヌーンKC)
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細川忠孝/山村竜也
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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南勝久
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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あっぺ/明石六郎
(PASH!コミックス)
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航島カズト/タンサン
(PASH!コミックス)
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明石 六郎
(PASH!ブックス)
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まえばる蒔乃
(PASH!ブックス)
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深凪雪花
(PASH!ブックス)
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5月5日

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5月2日

東冬/三田誠
(角川コミックス・エース)
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金丸祐基
(角川コミックス・エース)
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古橋秀之/別天荒人
(ジャンプコミックス)
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和月伸宏/黒碕薫
(ジャンプコミックス)
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龍幸伸
(ジャンプコミックス)
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平方昌宏
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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タカヒロ/竹村洋平
(ジャンプコミックス)
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浅倉秋成/小畑健
(ジャンプコミックス)
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朱村咲
(ジャンプコミックス)
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春原ロビンソン/ひらけい
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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肘原えるぼ
(ジャンプコミックス)
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大@nani/吉緒もこもこ丸まさお
(ジャンプコミックス)
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LINK/宵野コタロー
(ジャンプコミックス)
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LINK/SAVAN
(ジャンプコミックス)
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村田 雄介/ONE
(ジャンプコミックス)
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猪口(ドラゴンノベルス)
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しんこせい(ドラゴンノベルス)
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猫又ぬこ
(講談社ラノベ文庫)
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倖月 一嘉
(講談社ラノベ文庫)
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御子柴 奈々
(講談社ラノベ文庫)
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はにゅう
(Kラノベブックス)
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子日あきすず
(Kラノベブックス)
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茨木野
(Kラノベブックス)
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せきはら/柚原テイル
(フロース コミック)
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iNA/Yuna
(フロース コミック)
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Minjakk/Liaran
(フロース コミック)
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西山アラタ/春野こもも
(フロース コミック)
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榎戸 埜恵/涙鳴
(フロース コミック)
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4月30日

藤木わしろ(HJ文庫)
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サイトウアユム(HJ文庫)
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坂石遊作(HJ文庫)
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ハヤケン(HJ文庫)
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紺野千昭(HJ文庫)
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結石(HJ文庫)
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御子柴奈々(HJ文庫)
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りゅうせんひろつぐ
(GCノベルズ)
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ムンムン
(GCノベルズ)
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龍央(GCノベルズ)
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わるいおとこ
(ファミ通文庫)
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山崎 響
(エンターブレイン)
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やまむらはじめ
(YKコミックス)
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4月28日

天空すふぃあ/奈須きのこ
(星海社COMICS)
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餅田むぅ/新山サホ
(ライドコミックス)
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しめさば
(角川スニーカー文庫)
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しめさば
(角川スニーカー文庫)
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御宮 ゆう
(角川スニーカー文庫)
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久慈 マサムネ
(角川スニーカー文庫)
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桜木桜
(角川スニーカー文庫)
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岸馬きらく
(角川スニーカー文庫)
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御宮 ゆう
(角川スニーカー文庫)
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すずの木くろ
(モンスター文庫)
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雪だるま
(モンスター文庫)
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可換環(Mノベルス)
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てぃる(Mノベルス)
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木嶋隆太(Mノベルス)
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川井 昂(ヒーロー文庫)
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アネコユサギ(ヒーロー文庫)
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4月27日

TYPE−MOON/大森葵
(REXコミックス)
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友麻碧/夏西七
(Gファンタジーコミックス)
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小龍/八木戸マト
(電撃コミックスEX)
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朱月十話/ROHGUN
(電撃コミックスNEXT)
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あさなや/yocco
(電撃コミックスNEXT)
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小祭 たまご
(電撃コミックスNEXT)
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4月26日

ユリシロ/紙城境介
(角川コミックス・エース)
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三河ごーすと/奏ユミカ
(角川コミックス・エース)
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平安ジロー/灯台
(角川コミックス・エース)
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火野遥人
(角川コミックス・エース)
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オクショウ/MGMEE
(角川コミックス・エース)
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犬塚惇平/ヤミザワ
(角川コミックス・エース)
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槌田/TYPE−MOON
(角川コミックス・エースエクストラ)
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リヨ/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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4月25日

紙城境介(MF文庫J)
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三河ごーすと(MF文庫J)
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花間燈(MF文庫J)
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三月みどり(MF文庫J)
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両生類かえる(MF文庫J)
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どぜう丸
(オーバーラップ文庫)
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大崎アイル
(オーバーラップ文庫)
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彩峰舞人
(オーバーラップ文庫)
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三嶋与夢
(オーバーラップ文庫)
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馬路まんじ
(オーバーラップ文庫)
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まさみティー
(オーバーラップ文庫)
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友橋かめつ
(オーバーラップ文庫)
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六海刻羽
(オーバーラップ文庫)
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あボーン
(オーバーラップ文庫)
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紙木織々
(オーバーラップ文庫)
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御堂ユラギ
(オーバーラップ文庫)
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泉谷一樹
(オーバーラップ文庫)
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丘野 優
(オーバーラップノベルス)
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龍翠
(オーバーラップノベルス)
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エノキスルメ
(オーバーラップノベルス)
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桜あげは
(オーバーラップノベルスf)
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参谷しのぶ
(オーバーラップノベルスf)
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稲井田そう
(オーバーラップノベルスf)
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虎馬チキン
(MFブックス)
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ぷにちゃん
(MFブックス)
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氷純(MFブックス)
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epina(MFブックス)
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Y.A(MFブックス)
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COMTA/樋辻臥命
(ガルドコミックス)
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Nokko/龍翠
(ガルドコミックス)
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灘島かい/三嶋与夢
(ガルドコミックス)
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霜月なごみ/瀬戸夏樹
(ガルドコミックス)
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野地貴日/黄波戸井ショウリ
(ガルドコミックス)
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つむみ/君川優樹
(ガルドコミックス)
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ぱらボら/馬路まんじ
(ガルドコミックス)
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中曽根ハイジ/丘野優
(ガルドコミックス)
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遊喜じろう/みりぐらむ
(ガルドコミックス)
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松浦/大堀ユタカ
(ビッグガンガンコミックス)
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成田良悟/藤本新太
(ヤングガンガンコミックス)
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はっとりみつる
(ヤングガンガンコミックス)
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六本順
(ヤングガンガンコミックス)
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まつたけうめ/栖上ヤタ
(ヤングガンガンコミックス)
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4月22日

川上真樹/富士伸太(MFC)
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新挑限(MFC)
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丹念に発酵(MFC)
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やませ ちか(MFC)
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