徒然雑記

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プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~  



【プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~】  久我 悠真/スコッティ  電撃文庫

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奴隷王女×スパイが挑む、学園に集う傑物との王座を賭けたロイヤルゲーム!

【王位選争】――次代の国王の座を王の子たちが奪い合うロイヤルゲーム。
傑物ぞろいの王族が通うロアノーク王立学園に足を踏み入れたのは、奴隷の少女・イヴ。現王と奴隷の間に生まれ、このゲームに巻き込まれた頭脳明晰な才女。そして、彼女を補佐する少年・カイは、国益のために傀儡政権の樹立を狙う敵国のスパイだった。
人間の本質をさらけ出す数々の頭脳戦。候補者同士が《騙し》《謀り》《裏切り》《潰し合う》、このゼロサムゲームの先に待ち受ける揺るぎない真実とは――?
女王になれなければ無惨な死と嘲笑を運命づけられた少女と、彼女を利用しようとするスパイの少年――奇妙な共謀関係にある二人による、命を賭した国奪りゲームが始まる。

こういう知力を振り絞り、駆け引きや謀略を駆使して相手を陥れ、場を支配して勝利を目指すゲーム系の物語というのは、ポッとでの真面目さ誠実さだけが売りの主人公では乗りこなせない。そのせいか、在る種の超常的な精神の持ち主や知力チート、曲者食わせ者といった常人とはかけ離れた突き抜けた人物が主人公になることが多い。賭博黙示録のカイジみたいな俗物の塊みたいなのはむしろ珍しい方なんじゃないだろうか。
同じ作者でもアカギの方だったり、【賭ケグルイ】の蛇喰夢子みたいな向こう岸に渡ってしまっている狂気を孕んだ人物が主人公というケースが、このたぐいの作品では多い傾向にあるんじゃないだろうか。そして、怪物たるその主人公たちゲームを、物語そのものを支配して対戦相手を、観客たちを、読者たちを魅了し夢中にさせてしまう。
そんな主人公たちは、怪物であるからこそ人知を超えたキャラクターである。彼ら彼女らは得体が知れず図りしれず未知であり理解が及ばない存在だ。だからこそ、畏れを抱きその狂気に魅せられてしまう、引き寄せられてしまう。絶対にわからないそれを理解したいと思ってしまう、もっと見たいと思ってしまう。
未知であるからこそ、彼らは魅力的であると言える。
だから、この手の作品の主役となる人物が得体が知れず、正体が知れず、何を考えているかわからない、というキャラクターであるのはむしろ方向性としては王道であると思うんですよね。
しかし、奴隷王女であるイヴの未知は、はたして魅力的だろうか。彼女の理解できない部分をもっと覗いてみたい、と思うだろうか。
奴隷という生まれにも関わらず、人を手玉に取り言葉巧みに取り込んで本人の意思のまま操ってみせる人身操作の手腕。それを元手に奴隷である彼女を買った主人を籠絡し、とても奴隷とは思えない境遇を得て教養や知識を得て王女らしい品格を手に入れたという彼女。それは、生まれながらの資質だったのか。彼女はどうして、王位を狙っているのか。いったい、その腹のそこで何を考えているのか。味方につけたスパイである主人公に語った内容はその奥底を見せること無く、上辺だけで踊っている。彼女が何を考えているか、何を思っているか、その薄ら笑いの向こうで何を望んでいるのかわからない。
わからなさすぎて、なんだか遠い。遠すぎて、共感を抱かない。ゲームのプレイヤーとして読者側の登場人物という感じがあんまりしないんですよね。
だから、誰にも肩入れできることもなく、淡々と目の前で繰り広げられるゲームを眺めている感じ。その勝敗に一喜一憂ができない。ぼんやりと眺めている。
ゲーム自体が面白ければ、そこから没入できるのだろうけれど、ルールばかりがぐるぐるとこねくり回されて、プレイヤー同士の攻防にそこまで動きを感じられなかったりする。
そもそも、奴隷王女の事前の予告どおりにしか状況は進まない。そこには予想外も予定外もなく、彼女が言った通りに事が運び、彼女が言ったとおりに他の人間たちは物事を考え、行動し、発言する。
こうなってこうしたら、彼らはこう考えこのように行動するでしょう。と彼女は語り、で、そのとおりに話が進む。
でも、だからといって奴隷王女すごい、というふうには感じられないんですよね。彼女が言った結果ありきで物事が進んでいるだけで、最初から脚本展開としてそう決まっていたから、というくらいにしか見えないんですよね。そこに彼女の説明、予告がそのとおりになる論理に説得力を与える、補強する状況や背景、論理はあまり見えず。
だから、カタルシスのたぐいを感じることがなかった。
ゲームにも関わらずドキドキもワクワクも出来なかった段階で、まあこれはあんまりあわなかったかなあ、というところで。


2021年9月下半期 新刊ライトノベル注目作品ピックアップ  


前回の9月上半期のピックアップ記事です。

9月も半ばをすぎるとめっきりと涼しくなってきました。秋の夜長も過ごしやすく、まさに読書の秋の面目躍如。涼しい中でどんどん本を読みましょう。
今月はこれはと前のめりになる注目作品が目白押し。


【公務員、中田忍の悪徳】 立川浦々(ガガガ文庫)

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ガガガ文庫はホンマ、こういうエキセントリックというか、ガガガ特有な独特の作品を送り出してくるなあ。ガガガ文庫新人大賞優秀賞受賞作。あらすじの段階で主人公の頭のおかしさが嫌というほど伝わってくる、タイトルからして吸引力のある強烈な存在感。まあまずは読んでみろ、と言わんばかりの劇物指定。そりゃあ読むさ。


【僕が答える君の謎解き 2.その肩を抱く覚悟】 紙城 境介(星海社FICTIONS)

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【継母の連れ子が元カノだった】の紙城さんが送るラブコメにして本格ミステリー。この両方のジャンルを高々と両立してるんだからとんでもねー作品である。まず答えありき。神託のごとく事件の真相が結論だけわかってしまう少女と共に、彼女の無意識の推理を推理するミステリー。一巻が抜群に面白く、抜群にラブコメしていたので期待も膨らむ続編である。煽り文からして、グイグイくるんだよなあ。


【王様のプロポーズ 極彩の魔女】 橘 公司(富士見ファンタジア文庫)

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【デート・ア・ライブ】を完結させて以降、橘さんの最初の新シリーズ。情報量は、あらすじから情報量が多い!! 週刊世界の危機に初恋少女の死に、その少女にTS憑依? さらに定期的にキスしないと男に戻ってしまう? あらすじの段階でドタバタが極まってるんですが! 橘先生って根本的なところでべらぼうなレベルのギャグ・コメディ作家だとも思っているので、シリアスな物語であったとしても、なんかメチャクチャ笑わせてくれそう。


【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 4(下) 〜ヘンダーソン氏の福音を〜】 Schuld(オーバーラップ文庫)

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もはや、ほぼ書き下ろしなんじゃないか、という大幅加筆修正予告。上巻の段階でウェブ版既読済みにも関わらず、なにこの話全然読んだことないんですけど!? な、事になっていたので、もう殆ど新作と思って身構えておいて良さそう。個人的にツェツィーリアはヒロインの中でも特に好きな人物なので、彼女を連れての逃避行、シティーアドベンチャーにおける追走劇は楽しみだったのだけれど、ウェブ版よりもド派手になりそうでワクワクですよ。


【駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】 書店ゾンビ(オーバーラップ文庫)

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今、同居モノの青春ラブコメの中でも屈指の良作、屈指の甘酸っぱさ、そして切なさ爆発のラブストーリー。一巻では空気感の穏やかさと優しさが、文章の中にふんわりと込められていて、読んでいるだけで肌にその空気を感じられる感覚すらあったんですよね。期待の一作です。


【亡びの国の征服者 4〜魔王は世界を征服するようです〜】 不手折家(オーバーラップノベルス)

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観戦武官という立場であるとはいえ、ついに戦場を目の前にするユーリたち。本来は安全だったはずの騎行は、予期せぬトラブルによって絶望的な撤退戦へと移行する。それは種族間戦争における殲滅戦。戦争という名の鏖殺が、人の悪意が欲望が、ユーリとキャロルへと迫る。
二人の運命を決定づけた逃避行のはじまりである。

わたし、二番目の彼女でいいから。 ★★★★★   



【わたし、二番目の彼女でいいから。】  西 条陽/Re岳 電撃文庫

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俺たちは「二番目」同士で付き合っている――危険な三角関係の行方は?

「私も桐島くんのこと、二番目に好き」

俺と早坂さんは互いに一番好きな人がいるのに、二番目同士で付き合っている。
それでも、確かに俺と早坂さんは恋人だ。一緒に帰って、こっそり逢って、人には言えないことをする。
だけど二番目はやっぱり二番目だから、もし一番好きな人と両想いになれたときは、この関係は解消する。そんな約束をしていた。
そのはずだったのに――

「ごめんね。私、バカだから、どんどん好きになっちゃうんだ」

お互いに一番好きな人に近づけたのに、それでも俺たちはどんどん深みにはまって、歯止めがきかなくて、どうしても、お互いを手放せなくなって……。
もう取り返しがつかない、100%危険で、不純で、不健全な、こじれた恋の結末は。

これは凄いっ、凄い作品が来たぞッ!
タイトルやあらすじから、爽やかな青春モノとは裏腹のドロドロの男女関係をねっとりと描いてくれそうなラブストーリーとして期待を募らせていたのですが……。

期待を遥かに上回る不純で倒錯的で不健全な恋物語だったっ! これは本気で凄いし、それ以上にやべえよ、やべえよ、不健全だよ、倒錯してるよ!
でも、恋物語なんです。ドロドロの泥沼のような話でありながら、予想外に青春の物語でした。恋に盲目的なほど全力な若者たちの物語でした。
でも、性癖歪んじゃってるよこれーー!!

二番目だけれど恋は恋。早坂も桐島も、二番目の恋を決して疎かにはしていない。たとえ一番ではなくても、その好きは本気の好きだから。みんなには秘密にしているとは言え、二人は彼氏彼女の関係だから。
この時点で倒錯しまくっているのだけれど、主人公の桐島くんがまた性癖歪んでるんですよ、こいつやばいよ。彼が密かに思いを寄せている橘ひかりにはもう既に彼氏がいるという。その彼氏と思しき男の人と一緒の親密そうな写真を、橘は毎日のようにSNSにあげているのだけれど、桐島はマメにそれをチェックしているのだ。好きな人が自分以外の男と仲良くしている、という胸が掻き毟られそうな写真を食い入るように見入って嫉妬に血を吐きそうになって悶えながら……この男、その狂おしいまでの嫉妬心に恍惚となっているフシがあるんですよね。
……それ、寝取られ属性だよ!!
もう趣味習慣になっていると思しき桐島のその行為を、もちろん早坂あかねは知っていて、同時に嫉妬もしている。二番目の好きな彼が自分以外の女に夢中になっている姿に、いずれもし彼がうまく言って一番目に好きな彼女と上手く行ったとしたら、喜んで送り出してあげると決めておきながら、心定めておきながら、早坂あかねは嫉妬に狂うのだ。脳髄を、焼け付くような妬心に湯だたせるのだ。
そしていずれ、橘ひかりもまた、桐島のそんな性癖を、自分のSNSを偏執的にチェックして嫉妬心を募らせている実情を知ってしまうのだが、この娘は……橘ひかりはドン引きするどころか、むしろ前のめりにその事実を利用して、彼の嫉妬心をかき乱すことになる。
彼女の過去、そして現状が徐々に明らかになっていくことによって、この娘もまた倒錯と執着に囚われまくって歪んでいる娘だとわかってくる。

早坂あかねも、橘ひかりもイラストデザインからすると小悪魔的というか自己主張の強そうな娘に見えるのですが、早坂の方は大人しくて引っ込み思案でクラスのマスコットみたいな可愛い系。橘ひかりの方は無表情で感情的にならない人形のようなクールな美少女。と、決して押しの強いタイプの少女ではないんですよね。
それは、基本的に桐島と二人きりになっても変わるわけじゃない。二人共、猫をかぶっているわけじゃなくて、それが決して器用ではない彼女たちが表で出せる顔だから。
でも、桐島相手には心許せる相手だからこそ、隙を見せてくれて緊張を解した顔を見せてくれる。でも、それ以上に恋という感情が彼女たちを急き立てるのだ。冷静さを、理性を、取り繕うべき外面を、恥ずかしさを、何もかもが引き剥がされていく。
でももし、その恋がお互いを見つめるばかりの落ち着いたものだったら、彼女たちはもっと冷静に穏やかに自分の中に芽生えてくる恋心を制御できただろう。
でも、桐島を含めて早坂あかねも橘ひかりも、その根源に在るのは好きな人が絶対に自分のものにならない、という焦燥であり、狂おしいまでの嫉妬心だ。
それでいて、その恋は届かない所にあるわけじゃない。恋する人は、触れられる近さに居てくれる。その身体を捕まえていられる、抱きしめていられる場所にいてくれる。なんなら、心だって寄せてくれている。一番目だろうと二番目だろうと恋は恋だ、好きは本当の好きなのだ。でも、独占だけはできない。その人の心は、自分だけのものじゃない。いつだって、自分と違うあの人に向けられている。それが正気を発狂させる。なまじ、触れられるだけに抱きしめられるだけに、夢中になって求めてしまう。
そうなると、容易に理性は剥がれていく。夏の外気にさらされたアイスクリームのように、とろとろと溶けていくのだ。そうなれば、現れるのは剥き出しの欲望だ。独占欲だ。この人を自分のものにしてしまいという、原初の欲望だ。
この作品が倒錯しているのは、そうした溶け切った理性の果ての感情が誰か一人の一方的なものではなく、少なくとも桐島くんと早坂あかね、そして橘ひかりの三人の間で完全に共有されてしまっているところなんですよね。そして何より、その狂おしい感情を抱え込んでいる事を三人共が認めあっている、知っている、わかっている、という所なんですよ!
そして、お互いに彼氏彼女という関係を見せつけることで、一番目に好かれているという事を見せつけることで、決して結ばれないという現実を見せつけることで、見せつけ合うことで恋敵を、恋する人を嫉妬で悶え苦しませて、悦に浸るのである。
もう、倒錯してる以外のなにものでもないよ、これ。
そしてその倒錯は、四人目の当事者。早坂あかねが一番に好きな人、橘ひかりの付き合っている人、そして桐島くんが最も信頼し信頼されている人物が、同一人物であることがわかった時に、そしてその人と橘ひかりとの本当の関係が明らかになった時に、圧倒的なまでに加速していくことになる。

改めて見ても、もうむちゃくちゃエロいんですよね、この話。あらゆる場面にエロスが充満している。でも、決して直接的なエロがあるわけじゃないんですよ。誰も裸になんてならないし、肉体的接触もせいぜいキスが一番上。
でも、死ぬほどエロい。好きという気持ちが募りすぎて、理性がポロポロと剥離していく早坂あかりのエロスが、果たしてどれほど突き抜けているか、これは見てもらわないとわからないだろう。理性が吹き飛んでしまった時の男女が、どれほど獣のようになってしまうのか。頭から冷静に考える機能がなくなってしまうのだ。目の前に好きな人が居て、その人に触れるという事実だけが体中を支配する。その甘くてとろけていくような快感が、天上にも登るような心地が、ここには余すこと無く描かれている。
そして、橘ひかりとの逢瀬はそれにも勝る官能だ。部室の奥に眠っていた恋愛ノートと呼ばれるかつてのOBが書いたという、女の子と仲良くなれるという頭の悪いゲームを、橘ひかりに請われて二人きりでプレイしはじめたときの、あの頭が茹だっていくような時間と空間。ねっとりと、理性が蛇のようなものに絡め取られ動けなくなっていく空気感。
甘く囁かれる声が吐息が、全身を痺れさせていく。触れる指先が、唇が、舌先が、理性をドロドロに溶かしていく。体温が際限なくあがっていくのが、目の前にモヤがかかって目の前にいる人のことしか見えなくなっていく様子が、目に浮かぶようだ。ただ、目の前の人を求める原始の感情。
これを、官能と言わずしてなんというのだろう。
ってかこれもう、官能小説だろう!?

そして、それだけ理性を蕩かせながら、その相手を彼も彼女も独占できないのだ。自分だけのものに出来ないのだ。三人とも、人並み以上に独占欲が高く深いにも関わらず、心も体も手に入れられるのにそれを別の人に分け与えなければならないのだ。その狂いそうな感情を、この子たちは甘く苦い飴玉のように舐り尽くしている。苦しみながら、悦んでいる。
なんて、不健全!! 不純! 倒錯的!! 

ラストシーンの橘ひかりのあの台詞は、その極地でもあり、同時にタイトルに多重層の意味を持たせる構成の凄まじい妙を見せつけるすごすぎる台詞でもあって、あれを見せつけられたときには思わず放心してしまった。全身が痺れて震えるほどに、キてしまった。完全にヤられてしまったと言ってイイ。
うわああああ! もう、うわああああ! ですよ。叫ぶしかねえ!

なんかもう脳内物質がぶっ飛んだ。ヤバいですよ、これ。やばいやばい。すげえラブストーリーが来た!! 来たぞーー!!

悪役令嬢、拾いました! しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います 1 ★★★   



【悪役令嬢、拾いました! しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います 1】  玉響なつめ/あかつき聖 アース・スターノベル

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転生者として、ファンタジー・ゲーム知識を魔法に生かし、“幻影"という二つ名で知られるジュエル級まで上りつめた冒険者アルマは、ひょんなことから“追放された悪役令嬢"イザベラを拾う。イザベラの身の上話を聞いて
「この子……前世の漫画の子だ! 」
と一瞬大混乱の彼女だったが、漫画よりも謙虚かつ聡明なイザベラを気に入り、引き取って妹にすることを決意。イザベラは庶民の生活を学びなおし、「自分にとっての幸福」とは何かを考え始める。そこへ元婚約者である王子がやってきて……

ちょっと王子側の動きがガバガバすぎて、ほぼほぼ自滅だったんじゃないだろうか、これ。
いわゆる婚約破棄のシーンは省略されてなかったものの、追放された悪役令嬢を主人公が保護して、という流れから逆襲に転じて王子の断罪と令嬢の名誉回復までの展開、早かったなあ。
いやね、最近は令嬢追放から主人公に拾われるにしても、新天地で令嬢自身が主人公として頑張っていくにしても、肝心の婚約破棄にまつわる一連の事件は話の都合上後回しにされてしまったり、逆にサクッとプロローグで片付けられてしまったり、と喫緊の問題としてあんまり扱われないことが多かったので、本作のようにそこに焦点を当てて追放から逆転裁判までを一連なりのお話として第一巻でやっちゃうのは昨今珍しい部類なのかも、と思いまして。
わりと、それ以外の話に横道それることなかったですからね。
令嬢のイザベラが冒険者で主人公のアルマに保護されてから、平和な日常をアルマの元で過ごしてイザベラが落ち着き、またアルマに懐いてこれまでの次期王妃として固められていた価値が解きほぐされていく、という話の流れがありましたけれど、具体的に特徴的なイベントがあったわけじゃないですからね。
作中時間ではそれなりの期間、王都から放置されていたようですけれど、展開としてはわりとすぐに王都から王子が襲来してきて、という話になりましたし……当事者の王子が自分で突撃してくる、というのも珍しいなあ。それも改心したとか事情があったとかじゃなく、勝手に飛び出してきてイザベラを勝手に連れ戻しにきたという勝手っぷりで、勝手勝手。ガキか、この王子。
これはもう放っておいても早晩王子周りはダメになってたんでしょうけれど、一方的に婚約破棄された事で名誉を失っていたイザベラの名誉回復、あとこんな王子を野放しにしていた王国首脳部にナシをつけるため、アルマはイザベラの保護者として仲の良い冒険者の青年二人組と王都に乗り込むのであった。
これ、ただの冒険者なら無謀だけれどジュエル級という王族も一目置かなくてはならない、在る種の権威ある存在であったアルマが権威振りかざしてうちの妹いじめるやつに一発食らわしたる、と直接暴力じゃないけれど、口撃で一言一発かましたる、という勢いで乗り込む話でしたね。
いやまあ、こういう場合は権威も必要なんですけど。あの王子の教育に失敗していた時点でどうしようもないんだよなあ。エドウィン君も、最初の態度酷すぎたのであんまり弁解の余地ないと思うんだけれど。心改めたとはいえ。いや、こんな好青年ならもうちょっと最初のあの歪みまくった態度はマイルドな描写にしておいた方がよかったんじゃないだろうか。好感持てる要素なかったぞ。

珍しいと言えば、主人公のアルマは女性なのだけれど、拾ったイザベラの可愛さに夢中、は夢中なんだけれど、それとは別に友達以上恋人未満の冒険者仲間が居て、わりとベッタリなんですよね。
イチャイチャしてるとまでは言わないけれど、まだ拾われたてで不安もあるだろうイザベラが、拠り所であるアルマが別の男性に気もそぞろ、というのは凄く可愛がってくれてるにしても、不安定な時期だけに大丈夫だったんだろうか。なんか姉に理解の在る即座に出来た妹、みたいな振る舞いをしていましたけれど。

寄り道せずに、サクサクっと婚約破棄から始まったイザベラの追放事件を一巻で解決。と、なってしまったのであんまりアルマの冒険者としての強さはアピールされなかった気がします。イザベラの庇護者としての振る舞いに終始してましたしね。冒険者としては宝石級という権威を振りかざす事で自己主張はしていましたけれど。

まあ肝心のイザベラがこれで完全に国元から自由になって、悪役令嬢でなくなってしまったので、ある意味元貴族のただの妹になってしまったのだけれど、これからどう話広げていくんでしょうね。

田中家、転生する。2 ★★★☆   



【田中家、転生する。2】 猪口/kaworu ドラゴンノベルス

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平凡一家、社交界デビュー!? 王都での学園生活始まります!

辺境を襲った魔物災害から一年。
田中家は3兄弟の入学のため一家総出で王都にお引っ越しすることに。
もちろん猫達も一緒です。
しかし待ち受けるは右も左もお貴族様だらけの学園&社交界。
試される礼節(マナー)、派閥争いの影も忍び寄る王都で、元庶民の一家は目立たず平穏に暮らすことはできるのか!?
転生一家の異世界奮闘記、第二弾!

猫、普通サイズならともかくあんなクマみたいなサイズの猫たち、王都につれてってどうやって飼うんだよ! と思ったら郊外にとんでもない広い屋敷を買ってしまってまあ。いや、マジでデカすぎてこれって王族の別荘か大公爵の屋敷とかじゃないの? というくらいなんですが。
でも、最初一家揃って御用商人のヨシュアの本邸に下宿させてもらうつもりだった田中家の面々。
いや、さすがに大商人の屋敷がでかくて部屋も空いてるにしても、貴族じゃなくても一家揃って下宿はあかんてw
いつも騒動を連れてくると家族からも呆れられているエマだけど、いやいやお父様も大概ですよこれ。ヨシュアのパパの大商人ロートシルト氏が身分差も忘れて、いつの間にかお父様にタメ口でツッコミとお叱りの言葉を飛ばすようになってるのも仕方ないよね。
ロートシルト氏に一から十まで面倒見てもらえなければ、今でも高級商材となる地元の産物持て余して貧乏生活してたんだろうし。幾らでもお人好しで世間知らずで金銭感覚ガバガバなスチュアート家から毟り取れただろうに、本当にお世話になりっぱなしじゃないか。
こうしてみると、スチュアート家の人々って基本的に振り回されながらも面倒見てくれる人と相性イイんだろうなあ。ヨシュアみたいなエマ信者で自分を顧みずに尽くし献身しちゃうタイプはちょっとあかん気がする。イエスマンじゃなくて、ついついお小言を言ってしまったり、常識をフォローしてくれたり。
その意味では、フレンチェスカ・デラクール嬢は最初虐めてくる令嬢という立場で、紆余曲折あって貴族社会での立場を失って孤立しかけた所をエマがお友達として守ってくれた事で救われたわけですけれど、エマに凄く感謝して上っ面じゃない本当の友達という関係に親愛の情を深く注いでくれながら、一方で一番常識的な貴族令嬢として、何かあると突拍子もない事を始めたり非常識な行動にでてしまうエマに、最低限越えてはならないラインを死守して、フォローしてくれるので地味ながらかなりエマが貴族社会で注目を集めるのに助けになってるんですよね。
エマ本人は自分の感性で突き進んでいるだけなのだけれど、周りがいい意味で勘違いしてくれて評判になっているのは、祖母の調教によって仕込まれたマナーの良さとフランチェスカのフォローが効いてると思うんですよね。礼儀作法とか基礎的な良識の部分がしっかりとしてなかったら、どうしたっていい印象は残らないですからね。基本的な部分がちゃんとしているように見えるからこそ、エマの突拍子もない言動も好意的に見られる余地が生まれるのですから。
いやしかし、エマたちスチュアート家の三兄弟の学園生活なんて、そもそもマトモに過ごせるのかと思ったら……いや、予想通り決してマトモには過ごせてないのだけれど貴族社会の中で浮いてしまうのではなく、第二王子の派閥の中の一方の旗頭的な立場に立ってしまうとは。それ以上に、エマが貴族令嬢として持て囃されることになるとは。あれ、野猿系だぞ。まあ、上記したように黙って大人しくしていれば楚々とした礼儀作法の整った絶世の美少女に見えるのだけれど。
中身はアレなのにねー。いや、まさか枯れ専のイケオジ趣味とは思わんかったよ、エマさんw
幸い、なのか恋愛対象ではなくあくまで推しとして愛でる対象みたいだけれど。
前世のOL時代からの趣味なんだろうけれど、現世の美少女なのに枯れ専となると倒錯的だよねえ。
エマって前世との混ざり方がちょっと面白くて、年齢相応の少女的な考えるよりも即動いてしまうような忙しない感覚とOL時代の大人の女性としての視点と、年配のおばちゃん的な保護者的な目線というのがまだら模様に介在してる感じがあるんですよね。
別個に別れてるんじゃなくて、コロコロと入れ替わるような感じでもなくて、マーブル模様に様々な側面が同時に垣間見えているような。普段一番強いのはやっぱりエマとしての暴走少女な面なんでしょうけれど。
だからか、これはエマに懸想している男の子連中としては難易度高いだろうなあ。いまいち恋愛的に捉えどころがないですし、いつも自分のほうが振り回しているくせに唐突に保護者目線になってきますし。それに恋愛に対して、前世で疲れてしまって面倒くさいと敬遠気味になってるにも大きいですなあ。前世ではOL時代にそれなりにお付き合いがあったみたいで、実感籠もってるしなあ。イケオジ相手にテンションあがりまくるのも、外から愛でる方に傾倒しているから、とも言えるでしょうし。
ゲオルグ兄ちゃんと弟のウィリアムにもさっぱり彼女になってくれそうな相手の気配がないのは苦笑してしまいますけど。エマの同じグループの令嬢たちとは接触も多いだろうに、ゲオルグは残念お兄ちゃんすぎて、ウィリアムは微妙に気持ち悪くてw やっぱり女性に縁がなさそうなんだよなあ。
いや、ゲオルグ兄ちゃんはついついダメ男の面倒見ちゃう系女子なら良い物件に見えるけれど。フランチェスカが何気に危ない位置にいそうだぞ。
まだ可能性がありそうな兄ちゃんに比べて弟の方はなんか絶望的な気がしてきたぞw



贅沢三昧したいのです! 転生したのに貧乏なんて許せないので、魔法で領地改革 4 ★★★☆   



【贅沢三昧したいのです! 転生したのに貧乏なんて許せないので、魔法で領地改革 4】  みわかず/沖史慈宴 アース・スターノベル

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朱雀救出作戦、いよいよ実行へ!
ジーン王子によるキス未遂事件から一転、ハスブナル国の地下に囚われているという四神の一、朱雀を救出すべく、出陣することとなったサレスティア。青龍、白虎、玄武までが揃ったドロードラングご一行との直接対決やいかに!?
巻末に大幅加筆されたSSも必読!

朱雀さん、情が深すぎてヤバイことに。ってか、人間形態になれるのかよっ! 村長さんからの矢印はそんな事なかったのだけれど、朱雀の側からは妙な秋波が見えていたので四神の中では唯一の女性人格なんだろうな、とは思ってましたけれど、朱雀だけ人に性愛を抱いてその相手に合わせて性別も変える、ってまた濃い生態してるなあ。これまで、男だったときもあるってことか。
人間形態になるだけじゃなく、村長さんを若返らせて搾り取れるようにしちゃうとか、情熱的というべきか偏執的というべきか。
でも、朱雀に限らず白虎も青龍も、人間への執着を拗らせまくってそれぞれ大問題を起こしている事を思えば、四神って人間が出来た?亀さまを除くと三柱ともこう精神的にねちっこいタイプですよね。お嬢が噛まなかったら、白虎も青龍も執着の相手を破滅させていた可能性高いわけですし。
重ね重ね、亀様はよく出来たお人だなあ。
ぶっちゃけ、ハスブバル王国も亀様がいればだいたいサクっと終わらせられたような気がしないでもないけれど。
まあ亀様だけでなく、白虎と青龍。そしてそのマスターたちにドロードラングの化け物たちに、国王陛下自らが精鋭伴って攻め込んだ、というか押しかけたのだから、まあフルボッコですよね。
ハスブバル王国、ジーン王子が絶望の果てに捨て鉢気味にアーライル王国に謀を仕掛けてきただけあって、酷い状況でありました。国は荒れ果て民は精気を失い、国王は妄執の果てに朱雀の力を利用して怨霊みたいになった挙げ句に、国ごと呪いに侵されたような環境に陥っていたわけですから。
まともな戦争になっていたら、どれだけ死者が出て酷い惨劇になっていたことでしょう。
まあ、瞬殺だったわけですが。
ハスブナル国王がまともな人間じゃなくなって、呪詛の塊みたいなありさまになっていたから、手加減無用でやっちゃったから、というのもあるんでしょうけれど。フルボッコしても文句言われないありさまでしたし。

まあ深刻な話はとっとと終わらせて、平和な日常のなかでドタバタとラブコメやっているのが一番いいんですよ。メインのアンディとお嬢が鉄板も鉄板の関係だけあって他の人が入る余地もないですから、周りの人たちのカップリングが進む進む。既にカップルに成っている人達は仲睦まじく、また新しく恋を勝ち取るために戦う人達も、ロマンスを繰り広げるわけで。全体甘酸っぱい空気が広がっておりました。
まあその中でダントツに甘々なのはアンディ王子とお嬢なのですが。ジーン王子にちょっかいかけられたことがよほどアンディを刺激してしまったのか、もう完全にお嬢のことは腕の中に抱き込んで近づいてくる他の男は徹底的に排除しまくる、という独占欲の塊になってしまってまあ。
そしてお嬢本人には「わからせる」を発動してしまって、もうお嬢の頭の中はアンディでいっぱいですよ。身体と心にわからせられちゃってますよ、まだ12,3歳になったところなのに。
これ、今の段階でこれだけねちっこい愛情を見せられると、いざ解禁となったらお嬢ってば完全にアンディに溺れちゃうんじゃないだろうか。現時点でもう息継ぎに失敗してる感じで溺れてる感もありますけれど。前回までも相当に甘酸っぱいことになってましたけれど、さらに進展と言うか青春模様を通り越して二人共、男と女の顔になってきちゃってますよ。まだお嬢13歳なのにw



王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~ ★★★   



【王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~】  yocco/純粋 カドカワBOOKS

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ハズレ職だけど家族や精霊に支えられ、ほのぼのモノづくり生活!

ハズレ職を理由に家を追い出され、孤独に生を終えた少女は、子爵家の次女・デイジーとして転生する。
だが、今世の職業もハズレの「錬金術師」。怯えるも、今世で待っていたのは家族からの温かい言葉と、真新しい錬金道具!
しかも、希少な「鑑定」を持つデイジーにとって、実は天職で……!?

国家相手にポーションを売ったり、精霊の加護で楽々素材が集まったり、たまにはパンを作ってのんびりしたり……。

チートな錬金術師の明るく楽しい毎日が始まります!

前世で家族から望まれぬ職業を神から授かってしまい、家族から捨てられ病で寂しく孤独にこの世を去ってしまった主人公。生まれ変わっても、前世の記憶があるからこそ、その時のトラウマが彼女を怯えさせていたのも無理ない事なのでしょう。
それが、今世でも同じように望まれた魔術師ではなく、錬金術師というハズレと言われている職業を授かってしまったなら、なおさら前世の恐怖が蘇ってきてもおかしくないはず。
魔術師の家系であるプレスラリア子爵家は、宮廷魔術師を排出する魔道の大家でもあり、一族はみんな魔術師の職業を受けていた中での、全く別の職業ですからね。
さらに錬金術師という職業は、過去には多大な業績が残っているものの、誰もそれを引き継いでおらず、今いる錬金術師はせいぜいが低品質のまともに使えないポーションを作るくらいで、一般にろくでもないハズレ職と見做されているらしい。
それにも関わらず、怯え悲しんで部屋に閉じ籠もってしまった娘を普通に心配して、傷ついただろう彼女のことを絶対守ってやるのだ、と両親が決意するあたりはまだ、親として当然のこと(その当然を出来ない貴族も多いのでしょうけれど)、としてそれだけではなく、デイジーが就いた錬金術師という職業そのものも否定せずに、デイジーが望んだからではありますけれど、娘が錬金術師として学ぶための教材をかき集めてきて、彼女が自分の職業を誇れるようになるための環境を整えてあげようとした、というのは魔術師という別系統の大家であるからこそ、そこにこだわらない柔軟性はお父様尊敬できる人だなあ、と思う所でありました。
デイジーとしても、前世とは裏腹の家族の厚い愛情はトラウマを払拭する温かいものだったでしょう。嬉しかったでしょうね。それどころか、錬金術師として大成するために手厚い援助までしてくれて、とやる気MAXになるのも無理からぬこと。高価な道具類も揃えてもらい、古い錬金術の本なども手に入る限り入手してもらったわけですから。

しかし、デイジーに鑑定という余人にない精密というか解説付き測定方法が備わっていたからとはいえ、錬金術初心者向けの本を読んで作れる程度の普通のポーションも、現在の錬金術師は作れていなかったって、どれだけ他の錬金術師は不勉強で怠け者で不見識だったんだろう、と首をひねってしまいます。
肝心の錬金術も、蒸留水を作ってそこに草をみじん切りにして容器に放り込んで、加熱するだけ、というのが基本ベースなんですよね……小学生の理科実験でしょうか?
沸騰するかしないかの瀬戸際を見極めて火力調整しつつ、数時間ほど温めるだけで素材から抽出できるエキスが、高品質のポーションとなるという……なんだろう、このコストのわりに得られるリターンの破格さは。部位欠損の回復までできるポーションが水に漬けて温めるだけで出来るって、簡単すぎないですかね!? これなら、鑑定なくても普通に試行錯誤してたら易易と出来るレベルに見えるんだけれど。もうちょっとこう……錬金術というからには高度なそれを見せてほしかった気がします。繰り返しになりますけれど、これなら小学校の理科室でできそうw

錬金術の内容はともあれ、両親の手助けもあり、幼い時分にもう将来の夢を描いてそれに邁進できる、というのは幸せな人生でありましょう。錬金術のアトリエを作って、そこでお店をやるんだ♪ とだけいうと、子供の夢のお話そのものなのですけれど、彼女は既にポーションを含めて、この国にはないパンをはじめとした食べ物を作って国王一家に献上したり、モンスターとの戦いでポーションを配り歩いて後方支援で実績をあげたり、と功績をあげてるわけで、夢物語じゃないんですよね。
幼女が戦場に勝手に入ってきて、ポーションを配り歩くとかちょっとどうかしてる状況だとも思いますけれどw

デイジーはまだ年齢二桁になる前に、献上品などで得た収入を家で貯蓄してくれていたものを使って、早々にお店を建てて独立。他の子供達、デイジーの兄や姉たちも学校の寮に入ることになり、一気に幼い子供達が手元から離れていき、寂しそうなパパさんの姿がちょっと沁みるシーンでした。
まだ年齢でいったら小学生くらいだろう子供達が、みんな家を出ていっちゃうって親としては寂しいどころじゃないだろうなあ。いくらなんでも早すぎて、若干かわいそうになってしまった。子供達に深い愛情を注ぐことを厭わない両親なだけに、なおさらに。
こうなっては、もっとどんどん子供を作って寂しくないようにするしかないよね♪

 


ルパン三世、次元大介の声優さんが交代なんだって。  


次元大介役をずっと演じ続けていた小林清志さんが、ついに卒業とのこと。
半世紀、50年も演じてこられたというのは、とてつもない偉業ですよね。88歳まで現役って、どんな職業でもそれだけ出来る人は滅多いないんじゃないだろうか。

前シリーズのシーズン5は今まで見てきたルパン三世シリーズの中でも最高傑作、と自分の中では思っている名作だったので、他の声優の方がみんな交代された中であのシーズン5を小林さんが次元として演じきってくれたのは、ルパン三世シリーズの集大成を最後まで見届け参加してくれた、という意味でもほんと良かった、と今は思うばかりです。
長い間、お疲れさまでした。

そして代わりに次元大介を演じるのが、大塚明夫さんというのがもうコレ以上は考えられない人を持ってきたなあ、と感嘆するばかり。いやでも大ベテランの大塚さんだからこそ、次元にも大塚色というのが出てくるのかなあ、と思ったら……聞いてびっくり。次元大介以外のなにものでもないじゃないですか、この声。
小林さんとそっくり、というわけじゃないんですよ。大塚さんなんですよ。でも、間違いなくこれは次元大介だ。これはすげえわ。

ついにクリカンが最古参になってしまった、というのも感慨深いですが、シーズン6、素直に楽しみにしたいです。

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 2 ★★★☆   



【ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 2】  雨川透子/八美☆わん オーバーラップノベルスf

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婚約者の皇太子と城下町でお忍びデート!?

ループ7回目の人生が始まり、皇太子アルノルトのもとへ嫁ぐことになったリーシェ。
アルノルトとその弟テオドールとの確執も解け、戦争回避に一歩前進、のはずが。
「騎士候補生の訓練に混ざりたい、しかも『男として』だって」?
未来のアルノルトの強さの秘密を体感するべく、リーシェは男装して騎士候補生の訓練へ参加することに!?
アルノルトに発覚しないよう二重生活を送る一方、内緒で城下にお忍びなど、婚約者としての交流を深めていく二人。
そこへ、雪国コヨルの王子・カイルが訪れる。
リーシェにとって薬師人生の患者でもあるカイル。
そんな彼の、国の衰退をかけた決死の願いは、冷酷なアルノルトにすげなく一蹴されてしまい!?
このままではコヨル国が存亡の危機に立たされる。
その未来を回避するべく、リーシェは一計を案じることになるのだが……!?

ただでさえ婚約者として忙しく振る舞っているのに、さらに騎士候補生として男装して訓練に参加するとか、普通に過労死しませんかね? 相変わらずブラック気質というか、過酷な労働環境を労働と全然思っていないと言うか。リーシェって、これまでの人生も殺されなくても早晩過労死してたんじゃないですかね!?
そして、兄との和解を取りまとめてくれた借りもあってか、さっそく訓練に混ざるための裏工作よろしく、と義姉にこき使われるテオドール。人使いも荒いぞ、このご令嬢w
しかもテオドールのアルノルトへの未だもやってる複雑な気持ちを刺激して率先して動かすやり方とか、人使いのコツも備えてるんですよね、リーシェって。なんでも自分で出来るけれど、何からなにまで自分がやらないと気がすまない、ってタイプでもないんだよなあ。
そして、必要以上に騎士候補生の同輩と仲良くなってしまい、未来ある若者に危うい性癖を植え付けてしまってます。男装している以上、相手はリーシェの事を男だと思ってるんだから、男相手にドキドキときめいちゃったら性癖勘違いさせちゃうじゃないですか! どう責任取るんだろうw
一方、婚約者としても外交特使として訪れた前世の旧知であるカイル王子と接触して、コヨル国の危うい先行きと、かの国を滅ぼしてしまうだろうアルノルトの冷酷非情の皇帝となる未来を回避するために、何とか両者の和を取りまとめようとするリーシェ。
ただお国柄で女性に対して過剰な世辞で甘い言葉を投げ掛けてくるカイル王子に、リーシェは何とも思ってないのだけれど、アルノルト皇子が何気に苛ついてるっぽかったんですよね。アルノルト皇子の反応にもリーシェさっぱり気づいてなかったっぽいけれど。カイル王子にやたらとアルノルトが辛辣というか当たり強かったのって、基本はコヨル側の見通しの甘さが悪いんだけれど、アルノルトの私情が入ってなかったとは思えないぞ。
逆に、リーシェがコヨルと同盟を結ぶメリットを見つけ出して提示して見せた時に、アルノルトがそれを受け入れたのも、私情が入ってないとはイイ難い気がするんですよね。そこはリーシェに免じて、みたいな。
そういう意味では、アルノルト皇子の方が自覚的にリーシェの事を意識しているのかな、と見えるんですよね。リーシェの方はその点、アルノルトに凄く執心していて、彼と結婚することも他の選択肢を放り投げるくらいには受け入れてる、というより積極的に選んでいるし、アルノルトに冷酷な皇帝になってほしくない、というのも彼女の個人的な感情に寄るものが多く混じっているようにも見受けられるんだけれど、あんまり赤面したり恋心をあからさまにすることもなくて、結構さっぱり対応なんですよね。
彼からもらった指輪を、薬指にハメてみたりとか、明らかにアルノルトと結婚する事を望んでいるのは伺えるのですけれど、そこに感情的な浮ついたものとかテンション上がったりとか、ぽわぽわ沸騰したりとか、そういう熱量を持て余す様子が見受けられないものだから、果たして自覚がないのか、とも思うのですけれど。好きとか恋してるという感情を自覚していて、ああいうさっぱり対応という可能性もこの娘の場合なくはなさそうなだけに、ちょっとわかんないぞ。

さて、これまで七回繰り返してきた人生でリーシェはそれぞれ違う職業についてそのジョブを極めたわけですけれど、あと二回変身を残している! とばかりに、あと二つのジョブがまだ明かされてなかったのですけれど、今回そのうちの一つがガッツリ話に絡むことに。
その職業……錬金術の師匠がカイル王子と一緒に帝国を訪れてリーシェの前に現れることになるのです。
って、薬師だけじゃなくて錬金術まで修めていたのか、このご令嬢。リーシェのアトリエ、というのもやろうと思えば出来るわけね。
そんな中で出てきた「火薬」という今までこの近隣諸国の人々が手にしたことのない新しい要素が絡んでくる。いやまあ、火薬はどうやったって武器くらいにしか使えんわなあ。爆薬として、戦争以外でも用途はあるかもしれないけれど、意外と工業用の爆薬って近代に入って高度な発展をするまでは使い物になるレベルじゃなかったらしいんですよねえ。

火薬の存在をアルノルトに告げれば、彼はそれを当たり前のように戦争へと使うだろう。
後の冷酷な皇帝、という姿はアルノルトの素の姿ではないかもしれないけれど、彼が望んだ姿であるというのは、現在すでに殊更そうあらんと心がけている節からも伺い知れる。
その意思には、リーシェすらも踏み込ませまいとしているし、そこに干渉してくるならリーシェであろうと排除する、と明確に示してすらいる。
どうしてアルノルトが、冷酷であろうと拘るのか。そこには父である皇帝との関係が絡んでいるようなのだけれど、リーシェが目指すべきは彼が隔てているその壁にどうやって穴を開けて彼の真意を見つけるか、というところなのだろう。
ただ、安易にアルノルトを「甘く柔らかく」して彼の頑なさを解消してしまうと、それが彼の破滅へと繋がってしまいそうな、そんなピリピリとした危機感がアルノルトと皇帝の間に密かに漂っている気配が在るので、そのへんどんな塩梅で彼の懐に入り込んでいくかがリーシェに問われる所になるのかなあ。



魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 13 ★★★★☆   



【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 13】  手島史詞/COMTA HJ文庫

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ネフテロス&ゴメリ救出作戦!!

キメリエスがゴメリを救うべく離脱した中、魔王シアカーンが過去の英雄たちの大軍勢を率い、ついにザガン達へと攻め込んできた。
一方で、ビフロンスの策謀により<アザゼル>化してしまったネフテロスも牙をむく。
しかし、迫るあらゆる問題は、ネフィの誕生日を盛大に祝いたいザガンにとっては振り払うべき些事に過ぎない――!!
難敵すらも嫁のためなら圧倒する、最強不器用魔王による大人気ファンタジーラブコメ、反撃の13巻!!

まさに美女と野獣なゴメリとキメリエスが表紙の13巻。シアカーンとの決戦も含めて盛り沢山な内容に加えて、物語の核心とも言うべき情報がポコポコと明らかになっていくものだから、一旦作中で情報整理してほしいな、ホント!
いや、聖剣が天使が変化したもの、とか天使って実はハイエルフ? とかかなり重要な情報がポンポン飛び交ってましたもんね。それどころじゃないとんでもない話も何個か持ち上がっていましたから、ほんとそれどころじゃなくなったのだけれど。
アルシエラとザガンの関係については先だってから匂わされていただけに、ああやっぱりそうだったのか、という納得だったのだけれど、それに意識を取られていてじゃあ「マルク」というザガンの幼い頃の兄貴分だった青年は何者だったの? という話についてはスポンと頭の中から抜け落ちてたんですよね。彼についても伏線はあったんでしたっけ? 自分は全然頭にもなかったですわ。ガチで驚いた。
というわけで、死に体ながら目的のためにあらゆる手段を尽くして、ついにザガンの城がある街に過去から復活させた英雄たちの軍勢を攻め込ませてきたシアカーン。彼の目的というか真意もついに明らかになったのだけれど……この人もまた潰えた愛にしがみついて離すことが出来なかった人だったのか。ザガンと顔を合わせた際に凄くお互いに共感を覚えていたけれど、より相似だったのはやはりキメリエスと、なんですよね。シアカーンは、ある意味ゴメリを喪ったキメリエスと言っても過言ではないくらい、その歩んだ道のりは同じだった。違うのは、シアカーンの保護者だった魔女はわりと真面目な人で、愛で力ーーッ!とか場所も空気も弁えずに興奮している変態ではなかった事くらいか。
いやもうシアカーンの過去を知って、囚われの身にも関わらず興奮しだしたときにはどうしようかと。シアカーンさんが本気で困ってたじゃないか。ガチでオロオロと狼狽えてたじゃないか。
でも、そうやって全くいつもと変わらない顔でいることで、ブチ切れてたキメリエスを一瞬でいつもの彼に戻してしまったんですよね、ゴメリおばあちゃん。囚われの身でありながら、なおもキメリエスの心を護りきったその愛情。その深さも強さも、いつもおばあちゃんが愛でている女性陣の愛で力に何一つ劣っていませんよ。
しかし、キメリエスは誰もが強いと知っていながら、そこまで凄味を感じることはなかったんですよね。彼の温厚篤実で力をひけらかさない性格もあったのでしょうけれど、それを見せる相手も居なかった、というにもあるかもしれません。ザガンとの本気のどつきあいで見せたあのタフさ、百獣の王に相応しい迫力、闘争本能の凄味に魔術の切れ味、戦闘脳の鋭さ、とザガンが片腕と呼ぶのも当然も当然の強さでした。これで性格イケメンのメチャクチャいい男なんだから、完璧だよなあ。
実際、ザガン一家の中でもフォルを除けば実力随一なのか。ガチンコになればバルバロスすらも一蹴できそう。まあ、そのガチンコにさせないあたりがバルバロスなのですけれど。
なんだかんだとこれまで、そこまで本気でガチバトルするような相手、展開がなかっただけに、今回はザガン配下の魔術師たちがどれほどやべえ連中だったか。元魔王候補というのが全然伊達じゃなかった、というのが嫌というほどわかる総力戦でした。ビフロンスのパーティーの際になんか十把一絡げみたいに配下に加わった連中だったけど、どこが十把一絡げだよ、っちゅう超一流どころばかりだったんだなあ。
それはそれとして、魔術師にしても聖騎士たちにしても、底力や火事場のクソ力をひねり出す原動力になったのが、どこもかしこもどいつもこいつも、愛の力! ですよ。みんな、愛する人のために力出しすぎ!! パワー・オブ・ラヴですかっ、それともゴメリおばあちゃん風に言うと、これこそが愛で力ですか!
あっちこっちで、ラブパワーが炸裂していて、なんかもう甘酸っぱいーーっ!

一方で、親の死によってまだ幼い間に独りで生きていかなくてはならなくなった子らが、父親の見ている前で、或いは壁として立ちふさがった父親の残影を倒すことで、父親たちに自分の立派になった姿を見せて独り立ちしていく、というイベントが一つならず、ザガンのところ、フォルのところ、そしてギニアス君のところ、と幾つも見えたのも良かったなあ。ネフィも、父親じゃないけれど母に託されたという意味で、次世代に立ったとも言えますし。
この父親超えは、最後の儀式とも言えるんですよね。ザガンは元より、フォルもギニアスも父を喪った事による挫折と迷走は、それぞれ大事な人を得ることでひとまず克服出来て、自分の意志と力で立つことがもう出来ていた。その立派になった姿を父親に見せることが出来た、というのは心残りの解消としては一番だったはず。もう、彼らに憂いは残っていないでしょう。
特にギニアスくんはまだ小さいですし、ここからぐんぐん立派なイイ男になってステラ姐のお眼鏡に適うようになってほしいものです。まだまだ姉ちゃんには弟扱いでここはカップル成立してませんもんね。
シャックスはついにラーファエルから黒花を任せる、と言ってもらえたので事実上のお義父さん越え成功である。
リチャードもようやくネフテロスに見合うだけの意思と力を手に入れましたね。ある意味彼はザガンに並ぶくらい脇目も振らずネフテロスへと一途に一心不乱に愛を捧げる騎士だったからなあ。その愛の強さ深さに見合うだけの理を、聖剣に認めてもらって聖剣使いになったのはおめでとうの一言。いや、ついにネフテロスの方から男性として凄く意識して貰えるようになった事こそをおめでとうというべきか。

対して敗れた側のシアカーンも、そしてビフロンスも最期の最期に救われ満たされて逝ってしまったんですね。
シアカーンは、正直愛する人を喪ってからやったことの殆どが徒労に終わった、とも言えるのかも知れませんけれど、今際の際に会いたい人に会えた、死に別れてもなおあちらから会いに来てくれた、自分のことを魂に刻んでくれていた、その一事にぜんぶ救われたんだよなあ、なんだか羨ましいくらいだ。
そしてビフロンスは……最期までビフロンスだった。誰にも理解できない傲慢で独り善がりの正体不明の享楽家。自分のやりたいようにやって、誰も彼もを出し抜いて、面白ければそれで良し。そうやって生きた果てが、誰にもどうしようもなかったネフテロスの末路をひっくり返すことだった、というのは……。改心したとかじゃないんですよね。救うとか助けるという気持ちがあったわけじゃない。ネフテロスにナニかを託そうなんて思いがあったわけでもない。
ただ面白そうだからやっただけ。誰もが救おうとして出来なかったネフテロスを出し抜いて自分が生かしてやることで、ザガンたちに勝ち逃げ出来るから。
そこで全部台無しにしてしまう、という詰まらない結末を引かないところも、ビフロンスらしいと思うんですよ。それじゃあただの小物だ。卑屈で器のちっちゃい卑怯者に過ぎない。
正体不明で意味不明理解不能がビフロンス。最初から最期までビフロンスはそれで一貫していた。彼の生き方在り方を貫いた。だから、凄くビフロンスらしかった、と思うんですよね。ビフロンス自身も理解しきれずにいただろうビフロンスというキャラを、一切ブレること無く最期まで書き切った、そんな感じが出ていて、彼の末路はネフテロスが見送る様子も含めて、満足でした。満了でした。
お疲れさん、ビフロンス。良き悪役でありトリックスターでした。

にしても、ザガンも作中で首捻ってましたけれど、今回いったい何人魔王が交代したんだろう。ネフィは本気で予想外でしたし、シャックスにフォルはザガンに言及されていましたけれど、他には引き継いだ人いないのだろうか。キメ君は? 魔王になる気満々だったバルバロスは?w

そして、ラストにはついにあの人が再登場。いや、再登場するの!? ふわーーっ!?


異世界迷宮の最深部を目指そう 16 ★★★★   



【異世界迷宮の最深部を目指そう 16】  割内タリサ/鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫

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――祝福の産声。

――HP0。
相川渦波は死んだ(・・・)。
世界の『一番』は『星の理を盗むもの』ラグネ・カイクヲラ。カナミの肉体はラグネが所持し、彼女に付き従うは『血の理を盗むもの』ファフナー。
……それでも。
『光の理を盗むもの』ノスフィーはそれでも誓う。
人生の全てを『代償』として本当の『魔法』に至り、『お父様(カナミ)』を生き返らせるために。
ノスフィーはカナミの肉体を奪還するべく、ラスティアラたちとフーズヤーズ城突入作戦を開始する――。
全てはこの光満ちる『頂上』で、産声をあげるために。

相変わらず登場人物の殆どが躁か鬱のどちらかに極振りしてるなー。どん底まで落ち込んで病み憑かれるか、真実に目覚めてテンションマックスではっちゃけるか。シーソーみたいにどちらかに極振っていずれにしてもメンタル目一杯になっている。毎回誰かに、落ち着けッオチツケッ、と思ってしまうんですよね。
ほんと、いつも冷静なライナーと精神的にリソースの余裕を抱えているリーパーは重要な要という以上に読んでる方としても癒やしですわ。これも毎回言ってるような気がするなあ。
でも、まさかついに裏切り本性を見せてこれまでの謀の主、黒幕として立ち上がったラグネちゃんが、やってやったぜーー!! ついにカミナを殺してやったぜー! というヒャッハー状態からいきなり速攻で鬱モードに入るとは思わんじゃないですか。
なんでラスボス格として立ち上がった敵キャラが、突然情緒不安定になってネガまっしぐらになっちゃうんですか!w
いやそれも「理を盗むもの」になってしまった弊害、というのもあるのでしょうけれど。ラグネちゃん自身、自己制御出来ないほどに情緒不安定になっていく自分の有様に、これまでの「理を盗むもの」たちと同根のものを感じていたようですけれど。
それでも、「理を盗むもの」になる資格がラグネちゃんにあったということなんでしょうけれど。未練、というよりも自覚だよなあ。
自分の本当に求めるものを見つけよ。
その意味では、敵として立ってはじめて、ラグネちゃんはその中身を解体されたのだ。一つ一つ丁寧に腑分けして、その内側をさらけ出された。選り分けて取り出して裏返して、それらすべてに光を当てて、自己で偽っていたものも騙していたものも無視していた矛盾も、照らし出されてしまった。
今回のノスフィーの光は、彼女がなろうとした魔法は、ノスフィー自身を照らし出し、彼女が本当に求めていた父親を、カナミを照らし出し、その鏡写しとなるくらい似通った存在であったラグネちゃんのすべてを照らし出してしまった。
本当に、全部照らし出してしまった。
カナミも、ラグネちゃんも、もう自分を誤魔化すことも騙すことも出来なくなってしまった。自分のどうしようもなさを、情けなさを、愚かさを、これでもかと突きつけられ、目の前にいるのはそんな憎むべき自分の鏡写し。八つ当たりとしてぶん殴るには、最適最上に一品だ。
その発散の大小をノスフィーに支払わせる、というところまで込みで最高の自己嫌悪をもたらしてくれる。近親憎悪をもたらしてくれる。
それを、お前のせいだ、とぶつけられる事はきっと、彼らが前に進むためには必要……かどうかはわからないけれど、効果的なものだったのだろう。決闘だったのだろう。ノスフィーにとっては大満足で、カナミとラグネちゃんとしては最悪最低のこととして。
いずれにしても、ケリはつけなきゃいけなかった。清算だ。

一方でノスフィーは、自分が成すべきを見つけ、在るべき形を見つけ、あとは光のようにまっしぐらに進むだけ。カナミの妻を名乗って現れたノスフィーだったけれど、そうあらんと振る舞い続けた彼女だけれど、ようやくカナミに対して自分が欲したあるべき形を見つけられたんですよね。
本質的に、ノスフィーはどうやったってカナミの妻ではなく、娘だった。娘として父を慕い愛しながら、しかし立場として妻となりその在り方に殉じようとしたが故の矛盾であり迷走であり苦悩であった。それが解消され、迷いが晴れ、自分の想いの方向性が定まった時、ようやく彼女の光は彼女自身をも照らし出すことが出来たのだろう。
彼女の光の本質は刺し貫くことではなく、優しく包み込むものだったのだろう。淡く暖かな光の雨、今回の表紙がそのようにノスフィーの光を表現しているかのようだった。
その光はラグネちゃんをも受け入れて、ラグネは確かにノスフィーの光に救われたのだ。
しかし優しくも厳しいノスフィーの光は、すべての偽りをさらけ出してしまった。光は、闇のように包み込んだまま眠らせてはくれない。それは朝の目覚めの光であり、指し示し進むを促す導べであった。
ラグネの過去を暴き立て、その野望と信念の欺瞞を浮き彫りにし、彼女の心を解体した。本当の想いを照らし出した。その対面として、親和としてカナミの過去もまたラグネという第三者の目からもう一度映されたのだけれど、まさかここまで無造作にカナミの過去に巣食った違和を引っ張り出すとは思わなかった。
ここまで率直に、大胆に、その現況を指し示すとは思わなかった。
本当のラスボスの存在を、ノスフィーの光は照らし出したのだ。それを、カナミに直視させたのだ。
この認めざる存在を、果たしてどうやってカナミに認めさせるのか、長く疑問に思っていたのだけれど、ノスフィーとラグネという二人の「家族」のお陰というのがまた……辛辣なのか心強いというべきなのか。いずれにしても、相応しい理由であり原動力と成り得るものだったように思います。

そして物語は、ついに核心へ。


婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む~美味しいものを食べさせておしゃれをさせて、世界一幸せな少女にプロデュース! ~ 2 ★★★★  



【婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む~美味しいものを食べさせておしゃれをさせて、世界一幸せな少女にプロデュース! ~ 2】  ふか田 さめたろう/みわべ さくら PASH! ブックス

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魔法使いアレンとお尋ね者の令嬢シャーロットは今日も健全にイケナイことに邁進中!
だけどふとしたシャーロットの仕草に、言動に、アレンは心臓のドキドキが止まらない。
やはり俺は、シャーロットのことを好いているのか……?
それは本当にいけないことだ——

そんななか一行はアレンの古巣・アテナ魔法学院に向かう。シャーロットの妹・ナタリアが密かに留学中らしいのだが、なにやら問題が発生しているようで?

想いが爆発寸前なアレンと、輝く笑顔を見せるようになったシャーロットのめくるめくイケナイ毎日、第2巻!

判断がはやーーいっ!! ふとしたきっかけで、シャーロットへの温かい気持ちが保護者のものではなく、彼女への恋だと自覚したアレン。ここでグダグダとくだらないことで悩まないのがこの大魔王のいいところ。
即断即決、即行動の男である。
ここで自分には資格がないとか彼女の幸せを考えると、などとうだうだする男も多い中で、彼は自分の気持ちに一切嘘をつかない。色んな意味で正直すぎて偽らずにガンガンやりまくった挙げ句が、魔王呼ばわり。むしろ、誇らしげに魔王では物足りないから大魔王と呼ぶがいいッ、と言い放つ男である。そんな無駄で無意味な回り道などで貴重な時間を浪費しないのである。
ここまで自分に正直で居られる、というのはむしろ凄い精神力であると思うんですけどね。
シャーロットには幸せになってほしい。でも、願わくば彼女を幸せにするのは自分でありたい、そんな我欲を清々しいまでに真摯に思える彼は、実にカッコいいですよ。
それに、考えなしに行動するわけじゃなく、ちゃんと周囲に相談もして準備を整える理性も備えているあたり、隙はなし。なんで、シャーロット・ファンクラブとも言うべき街の輩なおにーさんたちにわざわざ相談に行くのか、相談相手間違えてないか? と思わないでもないけど。いや、ある意味義理を通しにいったとも言えるので、それもまた男前なんだよなあ。
おにーさん方と同じく、いつまでもはっきりしない関係のままイチャイチャし続けるんじゃないか、と思ってたんですけどねえ。その辺はっきりした主人公を描くのは、この作者さんとしては慣れたものなのでしょう。
GA文庫の【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく】の作者さんでもありますしねえ。

しかし、恋を自覚してしまうということはシャーロットの外見的性格的な究極的可愛さを保護者目線なんていうフィルターを通さず、ダイレクトに受領するということ。
毎秒更新でシャーロットの可愛さに貫かれてのたうち回るアレンの姿をご愁傷さまというべきか、ごちそうさまというべきか。仕方ないよね、シャーロットかわいいもんね。
うちの娘がかわいい、からうちの彼女が可愛いにバージョンアップしてしまった以上、常に致死量の可愛さ成分で血を吐く大魔王は、毎秒爆発しろ。
シャーロットとお付き合いをはじめて浮かれっぱなしのアレン、ひたすらデレデレしてたな、この男。

と、これだけシャーロットの身辺も安定して、メンタルの方もアレンが全面的に引き受けることで最初の頃のような虚無や諦観も消え去り、本当に幸せそうに笑うようになってくれた。
あとは、残る懸念を解消していくばかり。幸いにしてシャーロットにかけられた指名手配の方は、アレンと住むこの街ではもうシャーロットの人となりが知れ渡り、むしろ街中がファンクラブみたいになっているのでもうコソコソと変装したり隠れたりする必要もなくなってきた。
とはいえ、彼女を苦しめ貶めた実家や故郷の国の問題はまだまだ解消されず、放置されたままなんですよね。なにやら、あちらはより闇を深めているというか泥沼に陥っている様子が、アレンの情報網に引っかかってくるのだけれど。
それよりも、まずシャーロットが実家で唯一好意をもって接してくれていた妹のナタリアが今どうしているのか、というのがシャーロットの心残りだったんですね。
ナタリア、妹なんだけれどまだ7歳……って、結構年離れてたんだ。それだけ幼い娘が周りの空気に流されずに、シャーロットを慕って彼女を庇う姿勢すら見えていた、というのはそれだけ意思の強い娘でもあったのだろう。
それがシャーロットの失踪と指名手配である。どんな想いでいなくなった姉の事を思っているのかと思ったら……グレてたw
わずか7歳でひとりアレンの古巣である魔法学院に留学という形で放り出されて、寂しい想いをしているどころかそこではぐれものたちの希望の星になり、派閥を立ち上げて女親分として姉御肌全開でカリスマになってるの、年齢設定間違えてないですか?
やたらと周りの人に慕われ好かれる、というのはシャーロットの妹らしい人徳とカリスマ性なんだけれど、その方向性が親分肌姉御肌というのはお姉さまとかなり傾向違いますよねw
むしろ、大魔王アレンの系譜なんじゃないだろうか。シャーロットが出奔するまではそこまで我が強い様子はなかったそうなのだけれど……グレたのか。
ヒロインの妹登場、なんてなると恋のライバルにもなりかねないのですが、さすがに7歳というのは範囲外でしょうし、それも考慮しての7歳という年齢だったのかもしれません。
ラブコメとしては、アレンとシャーロットは不動のカップルとして揺るぎなく君臨しそうですしね。

滞りなく恋人関係にまで行き着いてしまった本作のメインのお二人ですけれど、甘酸っぱくもテンポのよいストーリー展開の勢いは、甘ったるさよりもピチピチと弾けるような活きの良さを感じさせてくれるラブコメで、このスピード感は心地よいものがありました。
次はシャーロットの実家へと乗り込んでくれるのでしょうか。アレンの言動はいちいちスカッとさせてくれるので、素直に楽しみです。



2021年8月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:32冊 うち漫画:5冊

暑い夏であり、雨多き夏でありました。これだけ熱くて雨降ってコロナが猛威を奮っていると、屋内で本に読み耽る時間もとれたでしょう。
仕事があると関係ないけどねッ!
こうしてみると、8月は今激烈に面白い学園ラブコメ作品がオールスターのように出揃っていて、非常に読み応えのある月間だったんじゃないでしょうか。
それ以外にも久々に続刊なった【転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?】。悪役令嬢モノの皮をかぶった現代架空政経戦記【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変】など注目ラインナップが並ぶ満足の月でありました。



★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 3冊

継母の連れ子が元カノだった 7.もう少しだけこのままで】  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫(2021/7/30)
転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 2】 紙城 境介/木鈴カケル MF文庫J(2021/8/25)
現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 3】  二日市とふろう/景 オーバーラップノベルス(2021/8/25)

【継母の連れ子が元カノだった 7.もう少しだけこのままで】  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫

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恋人として過ごした時間と、家族として過ごした時間がゆっくりと混ざり始める。好きという気持ちに振り回されず、飾らずにお互いを見つめ直す二人のひととき。
「もう少しだけこのままで」、それは現状維持の逃げ腰の言葉じゃなく、その時が来るまでの醸成の時間。


【転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 2】 紙城 境介/木鈴カケル MF文庫J

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生涯の友となるクラスメイトたちとの出会い。彼らはライバルであり親友であり立ち塞がる壁であり共に手を携え未来に進む戦友だった。彼らこそが運命だった。
神童集結編。それは少年の人生においてもっとも輝かしき黄金の時代の幕開けである。


【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 3】  二日市とふろう/景 オーバーラップノベルス

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世界中の諜報機関を狂乱させた核テロの危機に、小さな女王の長い手は封ぜられる。そして、その日が訪れる。2001年9月11日、その日を境にして世界は猛り走りはじめた。
それはあり得たかもしれない現代史。そしてあり得なかった平成という時代を狂奔の渦へと巻き込んでいく桂華院瑠奈の闘争史、その第三段である。


★★★★(四ツ星) 9冊

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #11】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫(2021/7/30)
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 2】  燦々SUN/ももこ 角川スニーカー文庫(2021/7/30)
恋は双子で割り切れない 2】 高村 資本/あるみっく 電撃文庫(2021/8/6)
浅草鬼嫁日記 九 あやかし夫婦は地獄の果てで君を待つ。】 友麻碧/あやとき 富士見L文庫(2021/7/15)
天才王子の赤字国家再生術 10 ~そうだ、売国しよう】  鳥羽 徹/ファルまろ GA文庫(2021/8/12)
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 七】 秋田 みやび/しの とうこ 富士見L文庫(2021/8/12)
やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 4】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫(2021/8/12)
七つの魔剣が支配する 】 宇野 朴人/ミユキ ルリア  電撃文庫(2021/6/10)
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱】  高殿円/雪広うたこ ハヤカワ文庫JA(2016/12/20)


【終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #11】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫

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【時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 2】  燦々SUN/ももこ 角川スニーカー文庫

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【恋は双子で割り切れない 2】 高村 資本/あるみっく 電撃文庫

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【浅草鬼嫁日記 九 あやかし夫婦は地獄の果てで君を待つ。】 友麻碧/あやとき 富士見L文庫

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【天才王子の赤字国家再生術 10 ~そうだ、売国しよう】  鳥羽 徹/ファルまろ GA文庫

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【ぼんくら陰陽師の鬼嫁 七】 秋田 みやび/しの とうこ 富士見L文庫

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【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 4】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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【七つの魔剣が支配する 察曄 ̄野 朴人/ミユキ ルリア  電撃文庫

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【シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱】  高殿円/雪広うたこ ハヤカワ文庫JA

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以下に、読書メーター読録と一言感想


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魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 8 ★★★☆   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 8】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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再起を果たし、タラードとの戦いにも勝利したベルジュラック遊撃隊は、王都ニースに向かって進軍を開始した。
ティグルとミラ、リュディはレグナス王子の軍との合流をはかり、軍から一時的に離れる。
ファーロン王を捕らえて王宮を我がものとしたガヌロン公爵は、己の野望を押し進める一方、ティグルの故郷であるアルサスを焼き払うべく、軍を差し向けた。
悲壮な決意をもって戦うことを決意するウルスの前に、おもわぬ援軍が現れる。それは風を操るジスタートの戦姫だった。
バシュラル王子はレグナスを討ちとるべく動きだし、テナルディエ公爵もまた決断を下す。ブリューヌ王国を取り巻く状況が二転三転する中で、ティグルとミラは望む未来をつかむことができるのか。

ちょっとギネヴィア王女、自由すぎやしませんかね!? 前作・スピンオフを含めても、彼女ほど立場無視して好き勝手動いてた人、いなかったんじゃないだろうか。オルガだってあれ出奔じゃなくて武者修行という体がついてたはずですし。
こんな「乱入」としか言いようがない戦場横入りはなかなかないですよ。なんで此処にいるの!? と、彼女を知ってる人も知らない人も思ったでしょうねえ。この女、確実にロランをゲットして帰るつもりだ。
バシュラル王子は軍事的には常に圧倒していたにも関わらず、要所要所で邪魔が入りベルジュラック遊撃隊にもレグナス王子の本軍にも決定打を打てないままでいるうちに、情勢が変化していつの間にか劣勢に陥ってしまっていた、という振り返ってみると何でこうなった、というような展開なんですよね。
その要所を抑える形で援軍や後方撹乱やら、バシュラルを徹底的に邪魔したのがティグルだったわけだ。その僅かな差を押し切らないといけない時に押しきれなかったのは、バシュラルの限界だったのかもしれないけれど。彼には魔の手引はあったとしても、天分はなかったのだろう。天地人のうち、人がどうしても足らなかったんだなあ。タラードがいるだけでは足りなかったか。ガヌロンは協力者であっても潜在的には敵という認識は最後まで崩れなかった以上、バシュラルはずっと孤軍だったとも言えるし。それであれだけ大暴れできた、というだけでも彼としては本望なのかもしれないけれど。
彼の根源は、話を聞いた限りではやはり母への想いなんですよね。彼が傭兵になったのも、母を支え護るためだったという。その母が病で亡くなり、その直前戦場で戦士としては致命的な傷を負ってしまったバシュラルにとって、そこで人生は終わっていたはずだった。
それを運命の悪戯から命を繋ぎ、それどころか以前よりも増した力を手に入れてしまった。彼の中で燻っていた想いはなんだったのか。父親であるファーロンへの恨み、というほど父への執着はなかったように思う。でも、母との貧しい暮らし、病に倒れ相応の治療しか与えられなかった事への悔しさは、一介の傭兵ではなく王であったのなら母にもっと幸せを与えてやれたのではないか、という未練だったんじゃないだろうか。
でも、幼馴染から伝えられた母の末期の想いは、今のバシュラルの原動力だった野心の根源に、揺らぎを与えてしまった。果たして、母の願いを自分は無視してしまったのか。独り善がりだったのだろうか。
彼が自分の力を試し、やれるだけやってみたい、という真っ直ぐな我欲に殉じたのは間違いない。それでも、ロランやティグルと比べるとどうしても芯の強さに強弱があったように思える。彼の戦いは彼だけの戦いにすぎなかったわけだ。タラードはそれにこそ共鳴共感してたんだろうけど。
親孝行、できなかったんだなあ、彼は。

こうしてみると、主要登場人物の多くはまだ親が健在だったりするんですよね、本作。前作では既に亡くなっていたティグルの父やミラの母も健在で、リュディの父ベルジュラック公もレグナスの父であるファーロン王も子供達に未だ大きな影響を残している。
でも、なかなか親孝行って出来ない状況になってきてるんですよね。ガヌロンが、ファーロンを生かして人質にとっているのは彼の在り方からしてなんか不自然だなあ、とは思っていたのですが。人質なんてやり方に価値を見出しているような男ではなかっただけに。だから、何の目的でファーロン王を確保していたのかが明らかになった時は、深い納得がありました。いやガヌロンの目的は前回わかりましたけれど、方法がまさかそっちだとは思わんかった。
瀬尾さんの方が受肉した形で生き返ってたんで、普通に同じようなものかと思ってしまってた。

ちなみに、ザイアンもお父さんであるテナルディエ公が元気なんですけど、不思議とチマチマとポイント稼いで、親孝行してるんですよね、こいつw
あんまり出来が良くないと思ってた息子が、思いの外よく働くようになったのでちょっと期待するようになってしまった、ってそれなりに親としては嬉しいことなんじゃないだろうか。
でもザイアン、人間的に成長とか全然してないんですよね。いや、全然って事はないだろうけれど、あからさまに人間的に人格的に成長したという様子はなくて、相変わらず自分を大きく見せたがる見栄っ張りの人間の小ささ、小物っぽさは変わらないんですよね。
飛竜を駆って無双! という事もできず、結構ポカも多かったり締りがない結果になってしまったり、という事も多いのだけれど、わりといいところでそれなりに活躍するものだから、どうしても見直さざるを得ないという、どう扱えばいいんだこの男w
でも、憎めなさは際限ないことになってるので、このまま小物っぽいまま功績あげていって欲しいものです。

しかし、エレンとミリッツァまで介入してきて、いつの間にか戦姫みんなジスタートからこっちに来ちゃってるじゃないですか。戦姫、勢揃い! というには、なんかえらいなし崩しというか、いつの間にか集まってしまってた、という感じなのが若干微妙なのですがw
無事、リーザの記憶が戻ったのは良かったのですが、まさか右腕があんなところから出てくるとはw
記憶が戻ったおかげで、あの純真無垢な幼いピュアリーザがいなくなってしまったのは残念なのですが、そのあいだの記憶全部あるみたいですし……これはリーザ、いたたまれないよなあ、これ。
ただ戦姫勢揃いはしたものの、前作みたいにみんなティグルとイイ仲、という感じにはなってないんですよね。リーザもこれ、良い仲間にはなりましたけれどヒロインとしてはハズレちゃってますし。
その分、リュディがグイグイ来てるのとレギン王女が意外とかなりティグルにご執心なんですよね。まあレギン王女はちょっと後発すぎますけれど、リュディは現地嫁でもいいですよ、というスタンスなのでミラ一筋のティグルをして押し切られかねない勢いがあるんだよなあ。
最後のリュディにとって厳しい展開が、ティグルとの関係にどう影響してくるのか。

あと、ミリッツァはこの娘、クリティカルに出歯亀しすぎでしょうw 興味津々のお年頃とはいえ、覗きすぎ!
もうティグルもミラもこの娘には見られてても仕方ない、くらいの覚悟がないと先に進めないぞ。多分、どこでイタそうとしてもこの娘空間転移で現れて覗いてそうですしw



2021年9月上半期 新刊ライトノベル注目作品ピックアップ  


前回の8月後半分のピックアップ記事です。


ああ、8月が終わってしまった。まだまだ暑さは続きますが、8月終わるとその年も終盤に近くなってきた感覚にさせられてしまいます。とはいえ、まだ秋の気配もあるかないかの9月の前半。
読書の季節のはじまりです。


【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 13】 手島史詞(HJ文庫)

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見事なまでに美女と野獣。でもこのゴメリお婆ちゃんとキメリエスは師と弟子であり、母と息子であり、姉と弟であり、要介護者と介護人であり、と濃厚極まりない関係で彼らにスポットがあたるのをずっと楽しみにしていました。お婆ちゃん、人のラブコメを愛でまくってるくせに自分となると途端逃げ腰だったもんなあ。お婆ちゃんのくせに純真初心かッ! キメリエスがこれ見た目と裏腹に作中随一の紳士であり常識人であり温厚篤実な善人というのもあって中々ガンガン行く機会もなく、キメ君自身抱え込んでいる事もあってかまけていられなかったというのもあるのですけれど。


【わたし、二番目の彼女でいいから。】 西 条陽(電撃文庫)

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これはまた、不純異性交遊の最たる話じゃないですかね! タイトルからして控えめでも未練を断ち切れずすがりついてくる女性の話か、わりとあっけらかんとしたハーレム志向のラブコメか、と思ったらあらすじからしてドロッドロの男女関係の沼に溺れる話じゃないですか。


【カノジョの妹とキスをした。3】 海空りく(GA文庫)

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同じ月にどうして不純で不健全で完全に泥沼とかした恋愛モノが出てくるんですかね?
というわけで、読者を阿鼻叫喚の地獄に叩き落としたラブコメのコメ一粒も存在しない、青春の青も春も虚ろにけりな、恋という名の地獄劇。人を好きになるというのは幸せになるのではなく、死にたくなるほど苦しみぬくことなのか。
浮気モノを通り越して、もはや不倫モノと言って過言ではない深すぎて重すぎて溺れる愛の物語。


【戦姫アリシア物語 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし 2】 長門佳祐(アース・スターノベル)

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初っ端絵面で吹いたわっ! なんでそんなドヤ顔なんだよ、皇太子!!
そんなだから、万国共通でこいつキモいとか言われるんだよ!
抱腹絶倒のドタバタ戦乱ラブコメ第二弾。いやー、一巻は死ぬほど楽しかったので続刊待ち望んでいたのですが、ついに出てくれるということで嬉しいのなんの、と思ってたらコレである。
ちなみに右ストレートでぶん殴られたのはこのドヤ顔じゃないのであしからず。いや、右ストレート叩き込みたいドヤ顔ですが。これでアリシアとは相思相愛でひたすらイチャコラする仲なんだよなあ、見たらわかる?
……イチャコラとはw

 
10月22日

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10月6日

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10月4日

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10月1日

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9月25日

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(角川コミックス・エース)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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9月24日

(バーズコミックス)
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(ライドコミックス)
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(ダッシュエックス文庫)
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(メディアワークス文庫)
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(GCノベルズ)
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9月22日

(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニングKC)
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(アフタヌーンKC)
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