実は本命のひとつだった冲方丁の【マルドゥック・ヴェロシティ】を読んでなかったりするので、しくじったなあとは思ってるんですが。
これを読むとなると、怯むんだよなあ。入手してそく読めばよかったんだろうけど、期間をおいてしまうと逆に手を付けられなくなる罠。

というわけで、MyFavorite5.


銀盤カレイドスコープ vol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracleAmazon Kindle BOOK☆WALKER
銀盤カレイドスコープ vol.8 コズミック・プログラム:Big time againAmazon Kindle BOOK☆WALKER
銀盤カレイドスコープ vol.9 シンデレラ・プログラム:Say it ain't soAmazon Kindle BOOK☆WALKER
     海原零/鈴平ひろ  スーパーダッシュ文庫




これがONEでなくて何がONEかッ!!

 八岐会議は満場一致で本作の本年度ベスト1と採択しました!!
 これはもう文句なし。ぐぅの根も出ないほど完璧に打ちのめされました。
 参った。もう勘弁して下さいと土下座したくなるくらい、凄まじいパワーパワーパワーに圧倒され翻弄されぐちゃぐちゃにされ。
 天の果てを垣間見た。

 誰もついてこられない、誰ものぼってこられない、そんな高みを目指してただひたすら昇り昇り、神の領域へと踏み込もうとする、せざるを得ない人の傲慢、人の業。
 栄光と挫折。憧れと反発。屈辱、失墜。
 それを極めるために何もかもを捨てた。それ以外に何も持っていない。スケートに裏切られ、打ちのめされ、何もかもを喪って、それでも拭えずこびりつく、スケートへの執着。
 アスリートと呼ばれる孤高の人種の清濁すべてを描ききった、素晴らしい作品。
 紛れもない大傑作でした。


化物語――バケモノガタリ(上)Amazon Kindle BOOK☆WALKER
化物語――バケモノガタリ(下)Amazon Kindle BOOK☆WALKER
     西尾維新/VOFAN  講談社BOX



大好きだぁーーーッ!!

この言葉以外に何が必要か、と言いたくなるくらいに大好きだ。大好きだ。大好きだ。
こういうのを「ドハマリ」とでも言うんだろうか。ツボを突かれて昇天、でもつぼはつぼでも経絡秘穴みたいな?
死んだぁぁぁ!

もうとにかく底抜けに楽しかった。本を読んでてこんなにまっさらに楽しい思いをさせられたのはちょっと覚えがない。本当に頭の中を空っぽにしてただただ楽しさを堪能していた。
あまり美味しい料理を前にしては、表現を尽くすことすら忘れ、ただ「美味い!」というしかないのと同じであろう。
つまりはそういう面白さ、楽しさ、大好きだ!
大好きなハンバーグが食卓に乗って、目をキラキラさせている子どものような気分。ああ、しかもこのハンバーグときたらいつも食べてるやつより三倍くらい大きくて、皿が見えないくらいの大きさじゃあないか。バーグが7で皿が3、というやつだ。
幸せの絶頂期である。
ただし、大きな問題が一つだけ。
この作品、完結しちゃったじゃないか。
……がっでむ。


【狼と香辛料】 Amazon Kindle BOOK☆WALKER
狼と香辛料 2Amazon Kindle BOOK☆WALKER
狼と香辛料 3Amazon Kindle BOOK☆WALKER
     支倉凍砂/文倉十  電撃文庫






 骨抜きにされましたぁーー!


 別に毎回叫ぶつもりはなかったんだが、流れ上なんとなく。
 然るに、魂の叫びに嘘偽りなどないのだからして、構わん構わん。
 今年のラノベはホロとロレンスに尽きると言っても過言じゃないでしょう。
 もう三巻あたりまでくると、わたくし「はぁはぁ」と変態みたいな息遣いで読み耽る危ない人になってました。
 もうね、ホロが純情な男心を弄ぶ小悪魔な女神さまなくせに、脇が甘すぎるんですよ。隙が多すぎるんですよ。
 二人のやり取り、関係、気持ちの交換が読んでてもう、こっ恥ずかしいを通り越して、欲情してしまいます。
 なんかもう、えっちいんだ。特にお色気シーンもないはずなのに、ホロは存在自体がえっちい。えっちすぎる。
 これがあれか。据え膳というやつか。焦らされているのか。
 来年は是非いただきますとご馳走になりたい。がんばれ、ロレンス。今、私は心の底から君を応援しているぞ!



【お・り・が・み 光の徒】 Amazon Kindle BOOK☆WALKER
【お・り・が・み 澱の神】 Amazon Kindle BOOK☆WALKER




 化物語が大好物のハンバーグだとしたら、こちらはとびっきりのスイーツでした。
 創作を嗜むものなら、一度はやってみたい妄想の垂れ流し。誇大妄想的な設定をこれでもかとつぎ込んで、でも破綻するのが関の山。
 だがしかし、こいつは山と積み上げた妄想の集積体を崩壊させることなく、一つの――そう、とてつもなく奔放で愉快痛快なエンターテインメイトとして完成させた、稀有な作品でした。
 楽しい。とびっきりの楽しさ、というだけなら化物語と同じでしょうが、こいつはまたベクトルが違います。
 燃え! 燃え! 燃え!
 本を摘む指にも力が篭る白熱の展開。わかっていても鼻息が荒くなるお約束の燃えシチュエーション。と、力みすぎたところにカウンターのように叩き込まれるカミソリのごとき切れ味のギャグパンチ。
 予想の斜め左上をいかれる驚天動地のクライマックス。
 笑い転がり、燃え滾り、眼を丸くしながらページを捲る。
 ただただエンターテインメントを突き詰めた、まさに結晶のようなファンタジー。ライトノベルというジャンルにおける、一つの夢の結実でした。
 これで完結、と思いきや、同一世界での次回作【戦闘城塞マスラヲ】も始まって、来年もミズノのバットが唸って光る!?


【ランブルフィッシュ 10.学園炎上終幕編 】
     三雲岳斗/久織ちまき  角川スニーカー文庫



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 今回選んだ五作、よく見ると【狼と香辛料】以外、全部完結してますね。最初から上下巻編成だった【化物語】はいいとして、【銀盤カレイドスコープ】【おりがみ】。そしてこの【ランブルフィッシュ】は長編の完結篇ということで、
 感無量。
 いやさ、これもあまり名前を見ないタイトルなのです。三雲岳斗氏の作品というと、どうしても電撃文庫で出している【アスラクライン】やら【レベリオン】が有名なのでしょうが、私はこの人の代表作はこの【ランブルフィッシュ】を推したい。推したい。
 最後まで燃えを失わない、最高のロボットアクション群像劇でした。
 レイドフレームと呼ばれる人型兵器のパイロット並びに技術者の養成校を舞台にした学園モノというジャンルもあり、この作品、やたらと登場人物が多かった。多分、ライトノベル全体を見渡してもこれほど登場人物が多い作品はなかなか類を見ないわけですが。
 特筆すべきはその点ではなく、そのやたらと多い登場人物が殆ど例外なくキャラが立ちまくっていた点でした。これだけキャラが多かったのに、私、殆ど全員ごっちゃにもなることなく誰が誰だかはっきり識別できましたもん。その上、この大量の登場人物に驚異的なほど見せ場が用意されているのがまたすごい。
 そんなこんなで9巻まで積み上げてきたこのたくさんのキャラクターが、この最終巻で大暴れ。まさにオールスターキャスト。これまで違うチームでライバルとして戦ってきた連中が、協力して巨大な敵に立ち向かう。
 これほど王道で、血湧き肉踊るシチュエーションが他にあるでありましょうか。

 私がこの作品をとてつもなく気に入っているのは、皆に活躍の場が用意されていて、蔑ろにされているキャラがいない点の他に、ロボットものにおける定番とも言えるパイロット中心の視点じゃなかったところですね。
 非常に、技術者たちに重点が置かれてる。プロジェクトXじゃないけど、実際に戦いに挑むパイロットだけが戦いの主役ではなく、技術者としての戦いやプライドが色濃く物語りに刻まれてくる。
 実際の試合になっても、バックアップ要員として試合を見守る瞳子たちは、でもただ見守っているだけじゃなく、後ろからなにかかにかと支援をして、戦いの趨勢に非常に重要な役割を担っている。これがほんと、燃えるんだ。実際に剣もって振り回して戦うだけが燃える展開じゃないってのが、これを読むとほんとに実感できる。
 レイドフレーム乗りの実力としては学園一、二位を争うパイロットと、ただの設計士でしかない瞳子が模擬戦をするはめになる話(8巻)なんかは、この物語がパイロットだけの物語だけじゃないという象徴だったかもしれない。比べるのもおこがましい実力差を前に、レイドフレームを動かす技量ではなくレイドフレーム設計者としての知識と腕の根性で、学園一の剣士に立ち向かう瞳子の戦いは、今思い返しても死ぬほど燃える話でありました。
 レイドフレームにまつわる陰謀、先の予想のつかないストーリー展開。キャラたちの人間関係。
 それらが一気に集束し、爆発する最終巻。
 2006年度最強にして最高の燃えるアクション大傑作。ベスト5に名を連ねるに相応しい作品でありました。
 諸手をあげて、全力でオススメします。読め、まずは読め。シリーズ全部、読んでみさらせ!!