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中枢塔の地下深く。浮遊都市リベル=アークの動力源にして、女神がもたらした七つの秘蹟の一つ。輝く環と呼ばれるものが収められている根源区画。
そこに、【白面】ワイスマンが待っていた。
操られたヨシュアとともに。

ワイスマンに言われるがまま、エステルを叩き伏せるヨシュア。一度破壊されたヨシュアの精神は、ワイスマンによって一から再構築されたという。その過程で、精神の最奥に埋め込まれた暗示は決して解かれることがない。どれだけ強い意志を持とうとも。
暗示が解かれた時、ヨシュアが最も絶望を感じるであろう惨劇。それは、彼自身の手で、最愛の人エステルを殺害させること。
今まで、数多くの敵役、悪人を見てきたけど、ここまで嫌らしくおぞましく、人の心を弄ぼうとした輩はなかなかお目にかかったことはない。
似たような行為は決して珍しくなく、何度も目にしているけど、演出やこれまでのストーリーの積み重ねという要素もあって、ワイスマンの外道振りたるや、本気で吐き気を感じました。
久々に目の当たりにする、一点の染みもない純粋悪。
だが、その性質さえ把握しているならば、逆に言えば悪の行おうとする行為は予想しやすい。
エステルとの再会を経て、自分の弱さを乗り越えたヨシュアが、自分に仕掛けられた爆弾から目を逸らしているはずなどなかったのだ。
私自身すっかり忘れていた、カシウスからの手紙やアルセイユ号でのヨシュアとケビンとの密会。伏線はしっかり仕込まれていたわけだ。
教授の絶対暗示を通常の方法で解くことは不可能。だけど、ある一点に楔を打ち込み、そこを足掛かりにして負荷をかけ暗示を完全に無力化するという解術法が存在していたのだ。
教授がヨシュアにエステルを殺害するよう命令する、その命令をキーワードに設定していたケビンの解術式(逆暗示のようなものか?)によって、ヨシュアに埋め込まれた聖痕は砕け散り、彼の意識は彼本人のもとに戻る。
しかし、危うい賭けですよね。エステルを殺す以外の命令なら、ヨシュアには抗う余地はまったくなかったんだから。
もし教授が下衆なエロ親父だったら、エステルさんはヨシュアにあんな目やこんな目にあわされて、えらいことに(げふんげふん
しかし、ヨシュアは賭けに勝ったわけだ。カシウスからヒントは貰っていたとはいえ、とうとう自力で教授の呪縛から抜け出したわけだ。
この展開、単なる意志の力とか、精神論で呪縛を打ち破るのではなく、知と理を用いた上での意思の力のよる決着、という形になったのは嬉しいと同時にやはり感心させられた。敢えて精神論のみで攻略しても、さほど文句はでなかっただろうに。

さて、通常状態の教授をサクッと撃破。
教授は、輝く環の力を乗り移らせ、怪物化して襲いかかってくる。ここらへん、王道RPGらしく、まったく王道のラスボスです(笑
ところがこいつ、絶対防御なる結界を展開し、こちらの攻撃を一切受け付けない。得意の絶頂のワイスマン。こいつ、こんなに調子よさげにベラベラしゃべるやつだったっけ? ……まあ、そういうやつでした。
エステルたちは、一切手の打ちようがない。絶体絶命。
その時、横合いから放たれた一撃が、アンヘルワイスマンの巨体を揺らす。
突っ込んできたのは、ドラギオンに騎乗したレーヴェ!
レーヴェの剣は、結社の盟主に授与された外の理によって存在する異邦の武器。いかなる攻撃をも拒絶する絶対障壁も、この同じ理によって成立している存在。ゆえに、剣の干渉を防げない。
至近からアンヘルワイスマンの大技の直撃を喰らいながらも、レーヴェ決死の一撃が絶対障壁を砕く。
同時に砕け散るドラギオン。そして、糸の切れた人形のように吹きとばされるレーヴェ。だが、駆け寄ろうとするヨシュアたちに、倒れた獅子の最後の咆哮が。
「道は啓いた。あとはお前たちが切り開け!!」

レーヴェ!!(号泣

アンヘルワイスマンは、正直わりとさっくりと討伐。レーヴェの方が強かったです。
倒されると同時に、消滅する輝く環。教授は惑乱しながら逃走。
ここでまずレーヴェに駆け寄るエステルたちとは別に、ケビン君だけどこかに走り去って行くんですよね。
どうしたんだろう、とはこの時点では思っていたのですが。

レーヴェ。ヨシュアのことをエステルに託し、微笑むように逝く。かつて、ヨシュアの姉、カリンがそうであったように。

そして、動力源を失って崩壊を始めるリベルアーク。眠るレーヴェを残し、駆けつけてきた仲間たちとアルセイユに戻るべく、エステルたちは走り出す。

一方、逃走した教授の前に立ちふさがるのはケビン君。
三味線を弾くなんて、また通な格言を(w
新米星杯騎士とは大ウソ。輝く環の調査のために派遣されたというのも大ウソ。
ケビン=グアハム、その正体は星杯騎士団守護騎士(ドミニオン)第五位【外法狩り】。その目的は、ワイスマンの処刑。
かつて一つの都市を塩の平原に変え滅ぼしたという伝説のアーティファクト<塩の杭>によって、十年前の百日戦役から今日へと続くリベールを襲った数々の災厄を引き起こした元凶、【白面】ワイスマンはあえなく塩の柱と化し、滅び去る。
ワイスマンが惨めに倒れたのを見計らうように現れたのは、【道化師】カンパネルラ。見届け人を自称していたのは、まさに真実だったのか。結局、最後の最後まで手を出してくることなく、教授の自滅と敗死すら予定のうちだったかのように振る舞い、彼の杖を回収して立ち去ってしまう。
この一点だけでも、蛇の使徒と執行者の組織内の立場に上下関係があるわけでないのが見えてくる。

脱出行のさなか、道の崩落で仲間から切り離されるエステルとヨシュア。二人、別ルートでアルセイユに向かうものの、都市の崩壊は彼らの脱出路をすべて打ち砕いてしまう。
孤立した回廊の上。十秒ともたないであろう円柱の上で、最後にもう一度気持ちを確かめあうエステルとヨシュア。キスを交わし、互いを抱きしめ合った瞬間、足場は砕け散り、二人は虚空に投げ出された。


まったく、最後まであの親父はいいところ持ってくんだから。総取りじゃないか、総取り。
二人の安否は絶望かと思われたとき、アルセイユの艦橋からドロシーが飛行艇から飛び出していったジークに気づく。彼が飛んでいく方向に皆が目を凝らした次の瞬間、沸き立つ歓声。
墜落するエステルたちを助けたのは、カシウスを乗せた古代竜レクナート! そうか、こいつがいたかー。
私、ひそかに助ける役はレンとパテル=マテルじゃないかと期待してたんだけど。レクナートは予想していなかった。それ以上に、ここに至ってでてくるカシウスパパの出たがりは、これこそ予想以上だ!(笑

エンディングは、もう少し皆のそれからのエピソードを見たかったところだけど、それはもうザ・サードの開発が決定されていたから無しになったのかな。もう少し、この名作の終了の余韻を味わいたかったんだけど。
最後にもう一度、各都市を回りたかったところ。リベルアークが落ち、平和が戻ったリベールを、もう一度ゆっくり回りたかった。
あれからどうなったのか気になるNPCが十や二十じゃきかないんですもの。
特に、リノンさんとキディさんのその後の進展とか!!

さて、総評、というんじゃないですけど、感想まとめ、みたいな感じで語ってみたいところです。
このゲーム、結社によって引き起こされる大きな事件とは別に、遊撃士として民間人の抱えている問題を解決していったわけですが、そうした掲示板依頼をこなすイベントが、単純なサブイベントとして終わっていないんですよね。そうした依頼などを通じて、無数のノンプレイヤーキャラクターが日常を生き、また結社の引き起こす事件に直面し、混乱の中を必死にあがく姿が、物凄く身近に、活き活きと感じられる作りになっていました。
確かに、事件の中心にいるのはエステルたちであったのですが、このゲームをプレイしていてひしひしと感じたのは、一体感。他のRPGだとプレイヤーキャラとそれ以外のキャラには、ある種の断絶を感じるのですけど、この空の軌跡はちょっと違うんですよね。
なかなか言葉にするのは難しいのですけど、エステルたちは孤立した勇者ではなく、あくまで代表。教授のもたらした災厄と戦ったのは、決してエステルたちだけではなく、リベールに住むすべての人間だと。
よく、みんなの存在があったからこそ、自分たちはラスボスに勝てたのだ、みたいな言い回しを目にしますけど、このゲームほどそれを体現した作品はそうそうないんじゃないでしょうかね。
エステルたちの成長も、教授に打ち勝つにいたった想いも、それを培ったのは遊撃士として、またエステルたち個人として知り合い、触れあった多くの人々。イベントや掲示板の依頼をこなす仕事だけじゃなく、単純な街の人との雑談が、そうした印象を強く強く抱かせる要素になっていたような気がします。
こんなに、街の人と話すのが楽しいゲームは初めてでした。
なんにせよ、面白かった。本当に面白かった。
今までプレイしたRPGの中で間違いなく五指に入る、今クリアしたこの興奮中の時間に限定したら(冷静になったらまた意見が変わるかもしれない、変わらないかもしれない)、文句なしで一番の作品でした。
このゲームがプレイできたことを、心から感謝します。

あー、面白かった。
さて、ザ・サードをインストするか(アマゾンで買いました、届きましたー)