前年度は新人賞受賞者と最終選考作だけ引っ張ってきましたけど、今回はもうちょっと勉強して、とりあえず新人さんらしき人は全部あげてみましたとさ。
少女系レーベルはやっぱり追い切れないや。

太字は既読、細字は未読。
タイトルリンクは私の感想。画像リンク先はAmazonへの商品リンクとなっています。


<電撃文庫>

【ほうかご百物語】 峰守ひろかず [第14回電撃小説大賞<大賞>]
【君のための物語】 水鏡希人 [第14回電撃小説大賞<金賞>]
【under 異界ノスタルジア】 瀬那和章 [第14回電撃小説大賞<銀賞>]
【藤堂家はカミガカリ】 高遠豹介 [第14回電撃小説大賞<銀賞>]
【葉桜が来た夏】 夏海公司 [第14回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>]
【桜田家のヒミツ 〜お父さんは下っぱ戦闘員〜】 柏葉空十郎 [第14回電撃大賞<最終選考作>]

【リリスにおまかせ!】 麻宮楓 [第14回電撃大賞<最終選考作>]
【旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。】 萬屋直人 [第13回電撃小説大賞<最終選考>]
【騎條エリと緋色の迷宮 英国亭幻想事件ファイル】 秋月大河
【θ (シータ) 11番ホームの妖精】 籘真千歳
【マギ・ストラット・エンゲージ】 松山シュウ
【泣空ヒツギの死者蘇生学】 相生生音
【機械じかけの竜と偽りの王子】 安彦薫
【ラドウィンの冒険】 水藤朋彦 


さすがに刊行数が多い。過去の第三次選考までの作品も積極的に売りに出している。骨太なSFだった【θ (シータ) 11番ホームの妖精】。強烈なヤンデレ登場の【泣空ヒツギの死者蘇生学】。正統派西洋ファンタジーの【機械じかけの竜と偽りの王子】と、評判の良い作品も出ている。とはいえ、続刊がどれも出ていないんですよね。著者の方で準備が出ていなかったか、売上的に厳しかったのか。
個人的には【θ (シータ) 11番ホームの妖精】の作者の作品はもっと読んでみたい。
受賞作・最終選考の中では、まず【君のための物語】がピカ汽哉瓦韻胴イ澆世辰拭0聞漾⊃靴靴ず酩覆出てこなくて心配していたのだが、来年早々新作登場ということで、実に楽しみである。
他はいま一つ、というところだったのだけど、二巻にして【葉桜が来た夏】が大化け。今後、かなり楽しみになってきている。
他は今のところ買い控え。イタチさんだけ、買い続けているけど、近々届く三巻次第か。
【旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。】は、買いそびれていたので、そのうち一読しようと思っている。


君のための物語 (電撃文庫)θ(シータ)―11番ホームの妖精 (電撃文庫)




<富士見ファンタジア文庫>
【黒乙女―シュヴァルツ・メイデン― 黒き森の契約者】 玖野暮弥

第二十回ファンタジア大賞の作品は来年一月に持ち越し。今年、この人しか新人いないんですけど。しかも、読んでないし(汗
従来からいる作家陣が大いに頑張っていて、ミステリー文庫からの移籍組もあり、盛り返した感があったファンタジア文庫だけど、これは拙いんじゃないのか?


<富士見ミステリー文庫>
【イキガミステイエス 魂は命を尽くさず、神は生を尽くさず。】 沖永融明 [第6回富士見ヤングミステリー大賞<奨励賞>]

ミステリー文庫終了のお知らせorz
ちなみにこの作品、アタシは読んでいないのだけど、かなりの怪物作品らしい。


<角川スニーカー文庫>
【デビルズ・ダイス 1の目 神はサイコロを振らない】 いとうのぶき [第11回スニーカー大賞<奨励賞>受賞者]
【黒猫の愛読書 I ―THE BLACK CAT'S CODEX― 隠された闇の系譜】 藤本圭 [第12回スニーカー大賞<優秀賞>]
【放課後の魔術師 1.オーバーライト・ラヴ】 土屋つかさ [第12回スニーカー大賞<奨励賞>]

スニーカーも、電撃に比べて数は少ないが、出ている作品はポッと出という印象が少なく、作品も作者も長きにわたってレーベルを支える事を前提としたような安定感が感じられる。黒ネコは個人的には好みじゃなかったけど、出来はいいし、評判もいいみたいだしね。
オススメはやはり【放課後の魔術師】。これは伸びる。

放課後の魔術師  (1)オーバーライト・ラヴ (角川スニーカー文庫)




<MF文庫J>
【ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート】 森田季節 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>]
【この広い世界にふたりぼっち】 葉村哲 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>]
【やってきたよ、ドルイドさん!】 志瑞祐 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>]
【ナインの契約書 ―Public Enemy Number91―】 二階堂紘嗣 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>]
【ぴにおん!】 樋口司 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>]
【二人で始める世界征服】 おかざき登 [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査員特別賞>]
【ミサキの一発逆転!】 石川ユウヤ [第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査員特別賞>]


硬軟各種取り揃えております、というようなラインナップ。【ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート】みたいなエッジの尖ったセンスの作品を優秀賞に持ってくるあたり、やはりこのMF文庫の新人賞は侮れない。過去振り返っても、優秀賞は外れないもんなあ。さらにエッジの鋭い人を選びまくるであろう【この広い世界にふたりぼっち】まであるあたり、ほんとにもう……。
もうひとつ当たりだったのは【二人で始める世界征服】。だから、世論はアリスは優勢なんじゃないかと――――
【ナインの契約書】も続きは追いかけたい。あの人の悪意と悪魔のささやかな軟い心の描き方は好みなので。ドルイドさんはどうしよう。
他二作は、切ります。私にはダメでした、全然。
しかし、毎回MF文庫の新人作品はなぜか購入率高いんですよね。今年なんか全部買ってるし。なんか、購買意欲を高める要素があるんだろうか。

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)ナインの契約書―Public Enemy Number91 (MF文庫J)二人で始める世界征服 (MF文庫J)






<ファミ通文庫>
【千の剣の舞う空に】 岡本タクヤ [第9回エンターブレインえんため大賞<優秀賞>]
【Chaos Kaoz Discaos】 小野正道 [第9回エンターブレインえんため大賞<優秀賞>]
【サージャント・グリズリー】 彩峰優 [第9回エンターブレインえんため大賞<特別賞>]
【雅先生の地球侵略日誌】 直月秋政 [第8回エンターブレインえんため大賞<東放学園特別賞>]
【カミマゴ 羽根としっぽと世界征服】 江藤苑 [第9回エンターブレインえんため大賞<奨励賞>]
【セキララ!!】 花谷敏嗣 [第9回エンターブレインえんため大賞<奨励賞>]
【ひな×じん 鎖の少女と罪悪感の天秤】 紙吹みつ葉


【ひな×じん】の紙吹さんは、つよきすのノベライズでデビューしてらっしゃいますけど、オリジナルはこれが初めてなのかな。なので、ここに含ませてもらいました。個別に感想書けてなかったんですね、書いたつもりになってた。設定的にも主人公の女の子のキャラクターにしても、なかなか面白かった由にして。
一応、全部出たのは読んだんだけど……。二作目以降を書いてるのは【セキララ!!】の人だけで、他の人は音沙汰無し。ほかはいいんだけど、【千の剣の舞う空に】は表紙とは裏腹に、ネットゲームが舞台ながら非常に硬派でストイックな作品だったので、続きにしろ新作にしろ読んでみたかったんだけどなあ。

千の剣の舞う空に (ファミ通文庫) ひな×じん 鎖の少女と罪悪感の天秤 (ファミ通文庫)




<スーパーダッシュ文庫>
【スイーツ!】 しなな泰之 [第7回スーパーダッシュ小説新人賞<佳作>]
【超人間・岩村】 滝川廉治 [第7回スーパーダッシュ小説新人賞<佳作>]
【反逆者(トリズナー) 〜ウンメイノカエカタ〜】 弥生翔太 [第7回スーパーダッシュ小説新人賞<佳作>]
【海賊彼女】 鈴木一二三 [第6回スーパーダッシュ小説新人賞<第3次選考通過作>]
ガラクタ・パーツ 片桐敬磨 [第5回スーパーダッシュ小説新人賞<第3次選考通過作>]
カンピオーネ! 神はまつろわず】 丈月城
【小学星のプリンセス☆】 餅月望
【迷い猫オーバーラン! 拾ってなんて言ってないんだからね!!】 松智洋

受賞作は超人間岩村だけ手に取ったけど、激しく微妙でした。他も全然話聞かないなあ。
クリティカルヒットは【カンピオーネ!】。これは、私の琴線を鷲掴みにしてくれましたよ。続刊もさらにパワーアップしていて、来年の注目株。
【迷い猫】の人はゲームやアニメのシナリオライターやってた人なのかな? コテコテのラブコメだけど、私は好きでしたよ?

カンピオーネ!―神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫) 迷い猫オーバーラン!―拾ってなんていってないんだからね!! (集英社スーパーダッシュ文庫)



<GA文庫>
【サーベイランスマニュアル】 関涼子
【らじかるエレメンツ】 白鳥士郎
【ストレイジ・オーバー】 中尾寛
【パラレルまりなーず】 木野鋼一
【超自宅警備少女ちのり】 小幡休彌
【迷宮街クロニクル 1.生還まで何マイル?】 林亮介


GA文庫はこの間、はじめて新人賞を設定したばかりで、まだ受賞作品は表に出てないんですね。そのくせ、当たり率はなかなか。
関涼子さんは、漫画の原作などをやってたみたいですけど、小説はこれがデビュー作でいいのかな。これがなかなか凄い作品。陰鬱で退廃的な空気がたまらない。必見。
【らじかるエレメンツ】は、学園ドタバタコメディとしては出色の出来栄え。挿絵にカトウハルアキを起用したのは、慧眼だったと思います。まだバランスが悪い所あるけど、こなれてきたらきますよこれ。
【迷宮街クロニクル】は、ウェブで発表されていた和風ウィザードリィ小説のリメイクもの。ということで、傑作であるのは保証されています。でも、これ以降、別のシリーズとか出すつもりはあるのかな?

サーベイランスマニュアル (GA文庫) らじかるエレメンツ (GA文庫) 迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)



<HJ文庫>
【スクランブル・ウィザード】 すえばしけん [第2回ノベルジャパン大賞<大賞>]
【彼女は眼鏡HOLIC】 上栖綴人 [第2回ノベルジャパン大賞<優秀賞>]
【ミスティック・ミュージアム】 藤春都 [第2回ノベルジャパン大賞<佳作>]
【アニスと不機嫌な魔法使い】 花房牧生 [第1回ノベルジャパン大賞<奨励賞>]
【死なない男に恋した少女】 空埜一樹 [第1回ノベルジャパン大賞<奨励賞>]

HJ文庫の新人さんは、全員順調に第二巻を出してますね。安定してます。既読の作品の中で、二作目にして大化けしたのが【アニスと不機嫌な魔法使い】。人間関係と会話の掛け合いが楽しくて楽しくて。
【スクランブルウィザード】と【ミスティック・ミュージアム】も高い位置で順調に階段登ってる感じがするので、当面は安心して楽しめそう。

スクランブル・ウィザード (HJ文庫) ミスティック・ミュージアム (HJ文庫) アニスと不機嫌な魔法使い (HJ文庫)




<ガガガ文庫>
【僕がなめたいのは、君っ!】 桜こう [第2回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<ガガガ賞>]
【コピーフェイスとカウンターガール】 仮名堂アレ [第2回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<佳作>]
【七歳美郁と虚構の王】 陸凡鳥 [第2回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<佳作>]

【どろぼうの名人】 中里十 [第2回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<佳作>]
【ブック×マーク!】 檜山直樹

んー。ガガガのは、食指が動かないんだよなあ。実際、非常にあたりが少ない実感あるし。七歳は、久々に全身がかゆくなる痛さだった。メフィスト系はもともと苦手なんだけど、これはほんとにダメだった。
一方で、コピーフェイスは異様で奇妙でけったいな作品であると同時に、それが妙味となって不自然に面白かったなあ。それでいて、ヒロインは意外と真っ当に可愛かったような覚えがあるし。この路線を堅持できるのなら、なかなか愉快なことになりそう。でも、この人も次回作の予定が見えてこないのだけれど。

コピーフェイスとカウンターガール (ガガガ文庫)




<一迅社文庫>
シナリオライターなど他のジャンルからの渡り人ばかりで、純粋な意味の新人はいなかったような。
あんまり、こう。ぐわっ、と来るような作品は見当たらなかったですね。
例外は
【ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。】 朱門優

掛けあいの上手さ、面白さはやはりゲームのシナリオライターの特徴なのか。ほんわかと読後に気持ちがあったかくも清々しい、良作でした。

【死神のキョウ】 魁

これも、ラブコメが楽しかったなあ。ラストの急展開を加味しても。
でも、二巻でそのラブコメが新鮮さを失い、ちょっとパワーダウンしてるのが、なんとも。

ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。 (一迅社文庫) 死神のキョウ (一迅社文庫)



<中央公論社C★NOVELSファンタジア>
【翡翠の封印】 夏目翠 [第4回C★NOVELS大賞<大賞>]
【マルゴの調停人】 木下祥 [第4回C★NOVELS大賞<特別賞>]
【紺碧のサリフィーラ】 天堂里砂 [第4回C★NOVELS大賞<特別賞>]

【煌夜祭】の多崎礼クラスを毎年、とは言わないけれど、ちょっと今回は小粒だったと言わざるを得ないかも。



と、今年の新人作品はこんな感じで。んー、こうしてみると、電撃文庫、たくさん出ている割に、続きを追いかけようというのが少ないなあ。
ざっと振り返った感じでは、MF文庫Jは安定感がある。スニーカーも、数が少ない割に堅い印象。HJ文庫も、大物はなくてもハズレが少ない、という意味では堅調かも。

ふむ。前年も同じ記事を書いているわけだし、ここで前年の新人さんがどうなったか振り返ってみるのもいいかも。

というわけで、前年の同記事

新人賞受賞作品以外の人のデビュー作品が抜けてたり、と手落ちが多い記事だ(汗

注目として挙げていた人のうち、電撃文庫の橋本和也さんと三木遊泳さんは順調に良作を書きあげてますね。ますます好調な【世界平和は一家団欒のあとに】シリーズ。【カレイドスコープの向こう側】は終了したものの、【ゼペットの娘たち】で新たに猛攻かかってますし。
富士見の【黄昏色の詠使い】シリーズは順調に中堅大手に成長して、さらに看板への道を歩んでるんじゃないですか?
スニーカーの【時載りリンネ】も、傑作性は一切損なわれることなく、ますますクオリティ上がってるし。ああ、素晴らしい素晴らしい。
HJ文庫の【カッティング】も、同上。これも、最初のインパクトが薄れることなく、一貫してテーマを堅持し、物語を完結させたわけで。今後も新作、期待できそう。
一方で【なつき☆フルスイング!】が二巻で止まっているのが、残念無念。
【声で魅せてよベイビー】も、続刊が出ることなく沈黙を守ったまま。著者氏が忙しそうな本職持ってる方だったので、薄々そんな感じはありましたけど。
【ドラゴンキラーあります】の人は、このシリーズは上手く着地させたものの、新作の方は正直言ってあんまり好みじゃなかったなあ。今は追っかけてません。


他、ピックアップしていなかった中で大化けしてみせてくれたのが、
【ギャルゴ!!!!!】シリーズ 安宅代智 MF文庫J
【鉄球姫エミリー】 八薙玉造 スーパーダッシュ文庫
【RIGHT×LIGHT】 ツカサ ガガガ文庫

の三点でしょうか。つっても、【RIGHT×LIGHT】は手に取ってなかっただけで、最初から面白かったっすけどね。【エミリー】はほんと化けた。一巻では描写の迫力に対して話の中身が伴っていないような印象があったけど、巻を重ねて双方が備わった現在の破壊力は凄まじい限り。
【ギャルゴ!!!】なんかは最初からポンテンシャルやたらと高かったけど、これも巻を重ねて長所を磨き上げてきた感あり。

加えてこの人。【太陽戦士サンササン】でデビューした 坂照鉄平さん。スッパリデビュー作ではなく、新作【L 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説】を引っ提げ戻ってきましたけど。これがなかなかどうして。いいものに仕上がってましたがな。追いかけます追いかけさせていただきます。

まあ、一番弾けたのはあれなんでしょうけどね。
【バカとテストと召喚獣】
しかしこれ、ここまでブレイクしたのは何が原因なんだろう。秀吉なのか? やっぱり秀吉なのか?
個人的に、これより気に入っていた【ガン×スクール=パラダイス!】が音沙汰無しなのが哀しい。
アストロノトの人は、正直危惧が現実となってきているような気がして心配だ。
ミミズクの人は、新作を読む限り、出せば名作になるのは間違いない様子。寡作なのはもう、仕方無いと思うしかないのかも。
ガガガは、結局【RIGHT×LIGHT】以外は切っちゃったまんまだな。今年もほぼ全滅だし、新人の吸引力は弱いと言わざるを得ない。
対して、HJ文庫は堅い、やっぱり堅い。去年の作品、作家さん、みんな順調に買い続けてるもんなあ。
ファミ通の、二作目音沙汰無し率はいったいどうしたものか……。
うーん、富士見の少なさはやっぱり心配だ。来年一月に出る新人作も……うーん。心配だ。