うーん。
ひいき目に言っても、凡作。正直、改編期折々に放映されるTVスペシャルの方がよっぽど出来が良い、と言っていいかも。というか、断じてそっちの方が脚本や演出イイよ。
はっきり言ってしまおう。これは駄作だわ。
せっかくの映画だったのに、どうしてこんなのになっちゃうかなあ。

とにかく、色々と無茶が過ぎる。いきなり数文字の英数字を見ただけでチェスの棋譜を連想してしまう右京さん。いくら右京さんが観察眼が異常に優れたキレ者とはいえ、普段の右京さんはあれだけのヒントで根拠なく論理飛躍して答えに辿りついてしまうような、そこまでの超能力者ではない。
そもそもよくわからなかったのだけれど、なんで犯人はチェスの棋譜なんか犯行に仕込んでたの? 犯人の目的と実際の行動に何の関連性も見受けられず、最後まで???と首をかしげていた。
なにより納得がいかなかったのが、犯人に対する右京さんの態度。普段の右京さんと言ったらあれですよ。犯人が善人であろうが聖人であろうが、どんな事情を抱えていようと真実を暴きだし、その犯罪を弾劾する完膚なきまでの法の番人。
冷徹非情なまでの、徹底した法の僕たる右京さんの姿勢こそが、この相棒という作品が勧善懲悪モノとは一線を画した在り様だったはずなんですよ。その辺の右京さんの特異性は、先立っての新しい相棒・神戸くんが初登場した最終回スペシャルでも如何なく強調されていたんですけどねえ。
この映画での、何人もの人間を殺害するに至った犯人に対して、右京さんの姿勢がどうにも甘い。右京さんだけでなく、亀ちゃんだって、彼は情の人だけど、情に流されるような人でもないんですよね。それがなあ。
右京さんは、確かに貴方はやり方を間違った、とは言ってるんですけど……いつもの迫力がない。周囲の態度といい、脚本に横たわる思想といい、あれじゃあ連続殺人が方法論として許容されているようで、大変気持ち悪かった。

推理や真相に至るまでの展開と言い、普段のあっと言わされるような妙はどこにもなく。
まあなんにせよ、がっかりでした。結局いけなかった映画館ですけど、これはいかないで正解だったかな。