クロウディア、逝く。

ここに至るまでの一連の演出は素晴らしかった。インフェルノに追われる立場となりながらも、なおも諦めない強かさ。あそこで、まだ玲二に味方になるように頼む図々しさは、この女の自分への自負から来るものなのか。
それだけだと、サイスと一緒なんだけど、結局玲二が約束の場所に現れずに、代わりに追ってであるリズィが現れた時も一切動じないんですよね。矛盾しているみたいだけど、諦め悪く図々しいくせに、同時にこれほど潔いってのは何なんだろう。
リズィに語ったように、彼女は上を目指す野心に身をたぎらせながらも、本質的に自分自身には関心がなかったのかもしれないね。道半ばに倒れた弟の代わりに、彼が見れなかった光景を見てやろう、それを弟への弔いとしよう。そう心にきめてしまった事が、彼女からブレーキを失わしめてしまったのだろう。純粋であるが故に。
この回の彼女は、本当に魅力的だった。黒い情念が吹き抜けて、清々しいまでに可憐で、透明で。彼女は結局失敗したのだけれど、そこに後悔や怨み辛みの負の感情はどこにもなく、むしろ最後まで走りきったのだという達成感に満ち足りたように微笑みながら、親友への謝罪の言葉を最後に、泡沫のように消え去ってしまった。
悪女でありながら、童女のようで、悪辣な策士でありながら純真なままで、本当に最後まで魅力的な女性として描かれたなあ、クロウディア。


そして、玲二とエレンの対決。
ここで吐露される玲二と別れてからもなお死ぬことなく生きることに執着したエレンの想いが、胸を突く。
ここで彼女が玲二に抱いている想いとは、本当に絶望の中にわずかに一筋天上より差し込む希望の光だったんだなあ。というより、自分自身などどうでもいい彼女にとって、この希望とは単純な自分の身の救いではなく、魂の救済という領域に当たる話なのかもしれない。
かつて、彼女が玲二に抱いていた他者ではない、もう一人の自分そのものという同一視。それが今も強く作用してたのか。
この時点で、エレンにとって玲二とは異性だのなんだのというレベルじゃないのよね。もう、自分と同一の存在、それ以上の壊れた偽物の自分に対する本物の自分、という上位の存在として捉えてるようにすら見える。

……これ、キャルはとても救われない結末になるかと覚悟していたんだが、エレンルートはまず揺るがないとしても、玲二の異性に対する愛情が向かう相手としては、まだキャルが不動なのかも、これ。

さて、こっからキャル演じる沢城さんの演技がどうなってくるか、今からゾクゾクしてるんだが。

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