酒場のウェイトレスさんの色香がハンパないなあ。容姿については、きちんと、というのも変だけど、ホロやエーブに比べて美人度には欠けるのだけれど、それを補ってあまりある迸るような魅力が、彼女の愛嬌や軽やかな物腰の中の鋭い知性によって引っ張り出されている。
原作でも、名前すらも出ていないのにかなり人気があるキャラだもんなあ、この子。彼女がロレンスを特別に遇する理由を教えてくれるんだけれど、これがまた下腹を擽られそうな絶妙のそれで、思わず悶えてしまいそうになる。男女関係の妙、だわなあ。
一方で、教会の傍をねぐらとする物乞いですら、その強かさたるや瞠目に値するもの。歴戦の商人であるロレンスと丁々発止を繰り広げて一歩も劣ってないものなあ。なんで物乞いなんかを続けるのかという問いへの返答なんざ、含蓄があるにもほどがある。
あの寒そうな街で物乞い暮らしと言うのは、大変そうではあるんだが。

ここで、ロレンスに宿屋の経営権を譲る話が出てくるんだが、これは原作で書いてあったように詳しくそのメリットを語らないと、ロレンスがあれほど惹かれた理由が分からないんじゃないかな。
まあ、土地を持ち店を構え、経営するにもちゃんとした権利書みたいなのがないとダメってことですな。しかも、それは流れの行商人が手に入れるのは不可能に近いもの。前の街で色々と手を貸してくれた友人の商人が苦労して構えたんだと自慢していた店が、露天であったことも注視すべき点。
傍から見ると、あの宿屋。隙間だらけのおんぼろで、ろくな物件には見えないのだけれど、そうした見た目とは裏腹の絶大なメリットがあるわけだ。
それこそ、ホロの機嫌よりも優先するとロレンスが明言するほどの。
ここでホロが示す態度の頼もしいこと頼もしい事。事態は、ホロの身を人買いに売るのを担保とする話になっているわけで、ロレンスが悩むのも当然も当然な話なんですよね。ここでスパンと何を悩んでいるのか! と叱咤するホロは大したもんだわ。ここまで主人公と対等なヒロインというのも珍しいかも。ロレンスがホロに依存していない一廉の商人というのも、この二人の関係が心地よい理由の一つなんだろうね。
まあ、ここでホロが自分の身を質草に入れる事を厭わない理由はもう一つあるわけなんだが……。

そういえば、まだエーブって陽の下では、素顔を出していないなあ。特にどうでもいいことかもしれないけど、少し気になったり。


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