みそララ 3 (まんがタイムコミックス)

【みそララ 3】 宮原るり まんがタイムコミックス

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ラブコメものはもちろん大好きで大好物なんだけど、こういうとびっきりに傑作な仕事モノって、味わいがまた格別なんだよなあ。

前半は親睦会的なバーベキューに、街頭インタビュー。
後半は丸々、再び若手三人組揃っての大仕事。今回はこんぺではなく、以前美苑がライターとして仕事をしたケーキ屋さんから、パンフレットのデザインの依頼があって、という展開。
街頭インタビューもそうなんだけど、インタビューを受ける側やパンフレットを何気なく手に取る側ではなく、インタビューする側、パンフレットやDMを造る側の視点って、とても新鮮で面白いんですよねえ。いやまあ、面白いのはまったくもって作家さんの漫画力あってこそなんでしょうけど。
インタビューする側もあんだけ苦労や工夫があるんだなあ。やっぱり、声かけたのに素気無く逃げられるのって、ダメージあるんだ。だからと言って、こっちから気遣うのは違うと思うし、そういう忌避感を上手く引きはがしていく工夫こそが大事になってくるわけだ。
初日はまったく捕まえることが出来なかった美苑が、へこみながらもなんとか工夫を重ね、印象を良くし、通行人を捕まえていく姿がまた面白い。とはいえ、あくどい手段を使うんじゃなくて、元々も彼女の人柄があるんだろう、その努力の方向性や慣れて段々強かに口がまわっていくのも、好感度たっぷりに見てられるんですよね。

そして今回の大仕事であるケーキ屋大将の依頼も、前回の穀物トリオのコンペでの失敗も踏まえて、次々と襲い来るトラブルや予想外の事態を三人でガーガーとディスカッションを重ねながら飛び越えていくさまがまたまた面白い。大将、いい人なんだけどこういう依頼の内容が曖昧ではっきりしないってのが一番困るんですよねー。こういう点では大将がまずケーキ職人であって経営者としては徹底していないというのがよくわかる。そういう相手に地雷を踏まず、空の展望を当てにして猪突せず、堅実かつ慎重、しかし妥協は最小限に最上のものを追及していく姿は、ホント三人とも成長したなあ。そう、営業の粟ちゃんもまっすぐ突っ込むだけじゃなく、相手をその気にさせつつ、予算もしっかり掴んで離さないという営業の本分を尽くしてて、前はなかなか未熟を露呈していた分、今回はよく頑張っていたのが伝わってきてる。米ちゃんも、前は一人で一人でというのが前面に出てたけど、彼女はみんなでディスカッションを重ねて叩いて叩くことによってドンドンといい部分が出てくるというタイプなのが、自覚的にわかってきたみたいで、最初から最後までガガガガと止まらず掘り進んでたし、今回は間違いなく素晴らしい仕事っぷりでした、っと。
もちろん、何事も順調というままでは済まないんでしょう。これから先、また違う形での壁が三人の前には立ち塞がってくるんでしょうけど、それはそれでまた楽しみなんですよね。

ああああーーー、面白かったっと何度云ってもイイ足りない程度には面白かったです、はい。つまりは最高傑作っとw