マダムの人生が、リオの心境の変化にどう作用したのか。簡単に答えのわかる見せ方はしてくれないようだ。人の心は方程式じゃないと言うことなんだろう。
リオがどういう思いでこの砦にいたのか、どういう思いを新たに抱いて召還に応じたのかも、このアニメははっきりとは示してはくれない。彼女の言葉や表情から、想像するだけだ。
考え、想いを巡らせ、その人の心の内側を想像する。そこに数式のような答えは存在していないけれど、この作品に関しては世界観にしても登場人物の心の中にしても、その想像こそが何故か楽しくて仕方がない。思えば、前回もクレハの心の中ははっきりとは描いていなかったもんなあ。あれも、想像するだけ。

今回も色々とはっきりしたことが。
イリヤ公女の死因は、政局の暗闘による謀殺や戦争責任を押し付けた死ではなく、戦意高揚(国威発揚だったっけ?)のための国内巡回の際に、川で溺れた子供を助けようとして死んでしまったとのこと。
美談であり、彼女の人柄を示す死に様ではあるが、彼女が近々敵国との和平の人質として政略結婚を控えていたとなると、この後の政治的混乱。戦争継続による損害を考えると、上層部は頭を抱えたんだろうなあ。彼女の勇気と優しさによる死は、残念ながら戦争のさらなる死者を増やしてしまったわけだ。やるせない話である。
となると、リオが父親に呼び戻されようとしているのは、イリヤ公女が負うはずだった役を負わされるためか。ひどい話だ。リオの素性も関連して明らかに。髪の色の違いなどから、血のつながりはないのかと思っていたが、腹違いだったのか。決して恵まれた境遇ではなく、不貞の子として小さい頃からかなり辛い想いをしていたようだ。電話口で父親が恨んでいるだろう、と言っていたのはイリヤに関することではなく、リオ本人の事だったということか。そりゃあ恨むよ。そのあげくに、政略結婚に利用されようとしているんだから、冗談じゃないって話だろうなあ。
それでも、彼女は決断したわけだ。
なぜ、彼女が自分に突きつけられた酷い責任に、向きあうことを決めたのか。カナタとの会話から想像する他ないのだけれど、少なくとも諦めや投げやりになって、ではないようなのは多分間違いない。そうでなければ、カナタがあれだけしっかりと見送れることはなかっただろうし。
あれでカナタは色々と聡い子なのだな。僅かな情報から、どうやらリオの素性について察していたみたいだし。それを無闇に訪ねない分別も、気遣いも、決してあからさまで無かった。素朴で真っ直ぐな人柄なくせに、人間関係についてはバカじゃないんだよなあ、この子は。

ええ!? となったのは敵国の名前である。正統ローマ? ローマってあのローマ? 最近の話から、この作品の舞台となっている土地は、かつての日本じゃないかと考え始めていたんだが、また欧州大陸説が強くなりそう。
それとも、現在の世界地図が成り立たないくらい、凄まじい地殻変動でも起こったのだろうか。もしくは、日本の中に世界の諸民族が集まっているというケースもあり得るか。都市部ではなく、田舎の方により濃く日本の風習が残っている、という事もあるし。

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