今年は例年に比べても非常にレベルの高い馬が集まったレースになった。この世代は野球で言うところの松坂世代、と言っていいかも知れない。
結局皐月賞に歩を進めなかった馬の中にも、若葉Sをどえらい勝ち方をしたペルーサ。毎日杯を勝ったダノンシャンティ。フォゲッタブルの半弟、ルーラシップ。名牝トゥザヴィクトリーの仔トゥザグローリーなどといった大物たちがまだなりを潜めている。
まさに群雄割拠。

大戦国クラシック!!


本命は、これはヴィクトワールピサは譲らないでしょう。去年のロジユニバースみたいな例はあるけれど、初戦の新馬戦でローズキングダムの二着に敗れた以外は、未勝利戦・京都二歳S・ラジオNIKKEI杯2歳S・報知杯弥生賞と四戦を一番人気で危なげなく勝利。とにかく自由自在で乗り手の言う事を素直に聞く頭のいい馬。どういう状況からもスマートに突き抜けてくる勝利勘。
少なくとも二着は絶対保持するでしょう。

相手は皐月賞で一番成績の良いスプリングS組から。激戦を疾風のごとく駆け抜けたアリゼオ。敗れた共同杯も、あと数十メートルゴールが先なら勝利したハンソデバンドをちぎった勢いで捲くってきていた。逃げて、ゲシュタルト・ローズキングダムの猛追を振り払ったレースを見ても、この馬はマジで強い。問題は、他馬を気にする精神面だが、乗り手が横山典さんというのはとてつもない安心材料と言っていい。
そしてこのレース二着だったゲシュタルト。皐月賞でも四十倍を超えているように人気はしていないのだけれど、ローズキングダムをついにゴールまでかわさせなかったあの脚は瞠目に値する。調教の様子がまた凄まじく、合わせたリトルアマポーラを子供扱いしてみせた(その彼女、今日のマイラーズCで最下位だったけど)、穴をあけるならこの馬が美味しい。

重賞未勝利ながら強さが目立つのがヒルノダムール。若駒ステークスで大器ルーラーシップを蹴散らし、続く若葉Sでペルーサとともに他馬と別次元の競馬をしていた。元々若葉S組も皐月賞では優秀な成績を残している。これも押さえておいて損はない。
実績が残せていないという意味では、リルダヴァルも同様。伝説の最強馬ディープインパクトの甥であり、新馬戦・野路菊賞と鮮烈な連勝をしてみせ、スターホースへの道を着実に駆け上がりかけたところで、骨折のアクシデント。長期休養明けの毎日杯ではザタイキの事故の煽りを食ったっぽく、参着に終わってしまったが、一度叩いて良化は確実。データからすると、この戦歴は決して良い成績を残せるようなものではないのだが、天才は常識を覆してなんぼである。

二番人気の王様。薔薇の王ローズキングダムは、まだちょっともう一叩きしたいところなんだよなあ。スプリングで三着になってしまったのは、まあ仕方がない。が、その後で見違えるように馬が艶を増したという類の話もあんまり聞かないんだよねえ。
むしろこの馬はダービーの方で重視したい。あって二着まで、か。


それにしても、今回は悩まされた。メンバーが揃いすぎてて、正直何から買ったらいいものか。

・リルダヴァル     3戦[2010] 野路菊賞1着・毎日杯3着
・ハンソデバンド    5戦[3200] 共同通信杯1着・ジュニアC1着
・ネオヴァンドーム   5戦[2300] きさらぎ賞1着
・ローズキングダム   4戦[3010] 朝日杯2歳S1着・東京スポーツ杯2歳S1着・スプリングS3着
・ゲシュタルト     4戦[1201] スプリングS2着
・エイシンフラッシュ  5戦[3011] 京成杯1着
・エイシンアポロン   7戦[2302] 京王杯2歳S1着・朝日杯2着・弥生賞2着・デイリー杯2着
・ヴィクトワールピサ  5戦[4100] 弥生賞1着・ラジオNIKKEI杯1着
・レーヴドリアン    4戦[2110] きさらぎ賞2着
・ヒルノダムール    5戦[2201] 若駒S1着・若葉S2着
・アリゼオ       4戦[3010] スプリングS1着・共同通信杯3着


確かに、こうして有力馬の戦歴を並べて見ると、図抜けているのが一頭だけ四勝しているヴィクトワールピサだわなあ。
エイシンアポロンが一頭だけ七戦しているんだよね。負けたのは新馬の頃だけで、以降は強豪相手に銀を譲らないレースをしている。ヴィクトワールピサとローズキングダム、両方相手に二着やってるんですよね。
不気味なのは、きさらぎ賞2着のレーヴドリアン。あのレース、一番人気はこの馬だったんだけど、一頭だけ次元の違う追い込み見せてるんですよね。差し足の凄まじさでは、このメンツでも頭一つ抜けているかも。

難しいなあ。今回は本当に難しい。


結果


1着 13番 ヴィクトワールピサ
2着 16番 ヒルノダムール
3着 11番 エイシンフラッシュ
4着 05番 ローズキングダム
5着 18番 アリゼオ
6着 01番 リルダヴァル
7着 06番 ゲシュタルト


ヴィクトワールピサ、完勝! これは鞍上岩田のコース選択がうまかった。最内をするするとくぐり抜けてしまった。ヴィクトワールピサは前走もそうだったけど、隙間を縫って抜けてくるの、上手いなあ。わりとS字というか、グネグネと間を縫って走っているはずなのに、躊躇ったり脚が鈍ったりとかせずに、ヒラリヒラリと躱すように抜けてくるんですよね。いや、華麗だわ。そして強い。

馬券は、ゲシュタルトとエイシンフラッシュ、どちらを最後まで選ぶかを最後まで迷った挙句にゲシュタルトの方に転んだために、全滅です全滅。今年、マジでスランプだわー。京成杯一着が引っかかってたんだけどなあ。最近、自分の勘が信じられず、ついつい保守的なデータにすがってしまう傾向がある。気をつけてはいるんだけど、なかなか難しい。

勝ったヴィクトワールは強かったけど、リルダヴァル、いやゲシュタルトまではまだまだ巻き返せる。ヒルノダムールの追い込みは凄まじかった。若葉Sの再現とも言える脚だったけど、ダービーではこのヒルノダムールをねじ伏せたペルーサが出てくるんだから、恐ろしい話である。
薔薇の王様は、正直調整不足と言って良かったかも。調教での騎手コメントも、良く良く言ってることを鑑みると、まだまだ持ち直してないねー、と言ってるようなもんだったし。こちらも本番はダービーよ。
アリゼオは大外枠が響いたと言っていい。馬を気持ちよく走らせることが出来なかったからねえ。精神面で成長したら、この馬も化けるよー。
才能だけで走っているようなリルダヴァル。ぶっちゃけ、その才能だけで何とかしてくれないかと思ってたんだけど、今年のメンバー相手じゃちょっと辛かったか。それでも、6着に入っているあたりは、その価値は薄れていないよ。

馬券的にはへこんでいるけれど、レースとしては非常に満足だった。勝ったヴィクトワールの歴史的な強さと同時に、他の馬たちも群雄に相応しい勝負を魅せてくれたと思っている。
ダービーが楽しみだわ。