プレ試合での王者ヴィクトリーとの対決から、確かな手応えを感じ、万年入れ替え候補であった自分たちの確かな変化を確信しながら新しいシーズンに挑んだETUの選手たち。
だが、現実は非情。いい感じだったのは一戦目の冒頭だけ。不運から相手に一点を献上してしまった直後から、チームのリズムはバラバラになり、試合は滅茶苦茶に。
以降もETUはちぐはぐな試合運びを続け、連敗街道を突き進むことになる。
チームの雰囲気は最悪。選手同士も感情をぶつけ合い、特に声の大きい黒田が現状と監督達海への不満をあからさまにしていく。

しかし、肝心の達海はというと、特に慌てる風もなく余裕綽々。練習もサッカーテニスという益体もない遊びをさせるだけで、開幕からの連敗で追い詰められた選手たちの切迫感は空回りするばかり。挙句、その遊びの結果でスタメンを外された黒田は、ついに怒りを爆発させ、移籍を匂わす発言を口にしてしまう。
連敗にも慌てる様子のない達海の真意はどこにあるのか。最初の二戦の敗退後にGMの後藤に不敵な笑みとともに発した問い掛けが、凄みを伴なう。
「オレ、解任されるまで、あと何連敗できる?」


新監督達海の登場で、開幕から快進撃! と行かないところが、面白いんだよなあ。サッカーチームが本当に変わるのは、そう簡単ではないということなんだろう。選手のモチベーションは大切だけれど、それだけでも現実はついてこないって事だ。達海は最初から、長期的な視点で段階的な改革を目論んでいたと思われる。実際、シーズン半分過ぎた原作連載時でも、まだチームの構築は道半ばであるわけだし。ただ、着実にチームがレベルアップし、本当に優勝を望もうとしているのがひしひしと伝わってくるので、面白いったらありゃしないんだけれど。
でもサッカーの監督は大変だねえ。野球の監督は最悪2、3年のスパンでチームの改革のために成績が悪くても許容される事が多いけれど(我慢できねー会社もあるけどね)、サッカーは成績悪かったらシーズン途中でもバッサリ切られてしまうケースが珍しくないもんなあ。

GIANT KILLING(15) (モーニングKC)
GIANT KILLING(15) (モーニングKC)綱本 将也

講談社 2010-05-21
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