いや、モーレツはないだろ、モーレツは。なぜ原作通りの【ミニスカ宇宙海賊(パイレーツ)】にしなかった!? 原作のタイトルもわりと大概だけれど、それでもモーレツよりはよっぽどマシである。

というわけで朝日ノベルスから出版されているSF作家笹本祐一が手がける【ミニスカ宇宙海賊】のアニメ化シリーズである。
どうもキャラデザインから何から古臭い! というのはもう逃れられない第一印象なんだろうが、これが思いの外……面白い! いや、これいいわ、面白いわ!
なんかこう、作りが丁寧なんですよね。古き良きSFをやってやるんだ、という気概に満ち溢れているのが、様々なシーンや演出、細かい描写や小道具でひしひしと伝わってくる。
街並みや土地の風景、学校の佇まいや店の内装など、一見すると牧歌的で未来的な要素はまるで伺えないのに、ふとした瞬間に現れる未来的な技術の見せ方なんか、特に素晴らしかった。自宅の家の扉の開き方とか、学校での授業風景、細かい所では缶ビールのプルトップまで、大仰さのない日常的な所作や道具に纏わる技術だからこそ、その何気なさに未来の生活感が伝わってくるのである。これが思いの外、心地よい快感なのだ。
ただ、それだけなら小手先の楽しみなのだろうけれど、またお話の方もきっちり見せてくれるんですよね。展開自体はオーソドックスっぽいんだけれど、知らず知らずに話に見入っていたし、登場人物たちの言動やちょっとした所作に引き込まれる。チアキなんかも、登場時の印象を喫茶店でのヒトコマでくるりとひっくり返して見せたりと、これは原作通りの筋立てなのかな。でも、あのシーンで一気にチアキというキャラに色づきが生まれたわけで、見せ方上手かったよなあ、うん。

どうやらこの物語では、海賊とは単なる無法者ではなく、過去に独立戦争で私掠船免状を発行された公に認められた略奪従事者として機能していた存在らしく、なるほど単なる犯罪者ではないわけだ。
とはいえ、独立戦争は既に終了しているにも関わらず、私掠船免状は未だ有効、という現状は政治的にも結構入り組んでるようで、世界観も興味深い。
第一話の印象としては、派手さはないもののガッチリと関心を掴まれた、といったところか。この丁寧な作りが続くなら、これは良作決定でしょう。続き視聴、決定です。

ミニスカ宇宙海賊(パイレーツ) (朝日ノベルズ)
ミニスカ宇宙海賊(パイレーツ) (朝日ノベルズ)笹本 祐一 松本 規之

朝日新聞出版 2008-10-21
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