映像はほぼ二重丸。ただ、話の構成は正直……無茶苦茶だ(苦笑
時系列としては一番最初となる第三巻の「はじまりの物語」。護堂がカンピオーネとなるまでの物語を描いた一冊を一話に再構成したものなんだけれど……ぶっちゃけ端折りすぎて何がどうなってるのかさっぱり意味がわからない。原作読んでる自分でも、話がまきすぎてて目を白黒させてるような状態なんだから、これ原作未読の人はそれこそ何が何だかわからんだろうなあ。
そもそも、カンピオーネがいかなる存在なのか、というのを全然説明してないし。あれだと、エピメテウス秘笈にて権能を奪ったからカンピオーネになったと勘違いされかねないぞ。

「はじまりの物語」って、物語の発端であると同時に、護堂の本質を鋭く詳らかにしているシリーズ全般通しても重要な話なんですよね。いわゆる護堂の戦う動機が正義や秩序ではなく、あくまで個人的な感性に基づくものであり根本的なところで他人の言に左右されない、「君臨する王」であることを如実に示す話なんです。
護堂がウルスラグナとメルカルトの神々の戦いに介入する事にしたのは、騎士として神から人間の住まう土地を守ろうとするエリカを手助けする気になったからで、あくまでエリカの為であって一般市民の為ではありません。また、護堂がウルスラグナを身を呈しても倒そうとしたのは、権能をなくし「まつろわぬ神」としての特性を一時的に消失して本来の神としての性格を取り戻していた少年ウルスラグナとの交流によって育まれた友情に基づくものでした。
思想ってわけじゃないんだけれど、護堂がまだ何の力も持たない時期だったからこそ、彼の本質がそのカンピオーネの巨大な力によってもたらされたものではない、彼本来の特質だった事が窺い知れ、彼の考え方や在り方が良く見える話だったんですけどね、「はじまりの物語」。
うーん、こうして見るとなぜこの「はじまりの物語」が第一巻ではなく、第三巻だったのかがよく分かる。結局これって、護堂のカンピオーネとしての活躍と暴れっぷりをある程度堪能した後だからこそ、一度原点に帰って護堂の人となりと成り立ちを改めて振り返り、エリカとの関係の深さを認識し直すのに良いタイミングだったわけで、これを最初に持ってきても掴みとしては機能しにくかったんだよなあ。
まあ、アニメの方は原作に込められていた意図を殆ど端折ってしまっていたので、後が良かった先が良かったとか殆ど関係ない出来だったんですけど。

ほんと、魔術関連やイタリアの風光明媚は雰囲気も含めて、映像全般は期待以上だっただけに、構成の上っ面だけさらったような支離滅裂さが目立つ形になってしまっていた第一話でした。

だいたい、護堂さんはヘタレなんかじゃないんだよ!!

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