まだまだしっちゃかめっちゃかで、色々と辻褄があってなかったり説明不足だったり肝心の要素を取りこぼしてたりと、とにかく原作からの構成が下手くそもいいところなんだけれども、一話に比べたらまだだいぶ見れるようになっていて、一安心。
これならまだ見てられる。
と、思ってしまうほどに一話が酷かった、というだけなのかもしれないが。交渉ごとの駆け引きじゃないんだから。
あと、作画とかアクション演出とかは、やっぱりかなりイイですわ。少なくとも映像的には相当な水準で推移してくれるんじゃないでしょうか。



まさか、パンドラによるカンピオーネ誕生の呪法のシーンも飛ばされるのかと危惧したものの、なんとかそのシーンは加えられたか。
そもそも、神殺し・カンピオーネというものは単に現世に降臨した「まつろわぬ神」を殺した事による称号などではなく、「まつろわぬ神」を殺すことで発動する神を贄とした神の力の簒奪の呪法。殺した神の権能を奪い取る、ギリシャ神話の一柱エピメテウスとその妻パンドラが仕組んだ暗黒の生誕祭。故にか、カンピオーネは「行動したあとで後悔する愚者」と呼ばれるエピメテウスの落とし子とも呼ばれるのである。
この考える前に行動した、あとに後悔するも反省せず、という有り様は、後々の護堂のカンピオーネとしての軌跡を見ると、まんま当てはまるので面白い。
エピメテウスの子という事はパンドラの子でもあるということ。すべてのカンピオーネはパンドラの子でもあるのだけれど、さてパンドラの子は、彼女があけてしまった箱から飛び出したこの世の災厄そのものか、はたまた残された最後の希望か。
現在地上に存在する七名のカンピオーネ、まだ原作でも登場していない一人をのぞいた6人全員が、護堂を含めてそりゃあもう大迷惑極まる存在だというのを鑑みると、希望というよりもむしろ災厄の方なんじゃないかという気もするが、はてさて。

さて、訳がわからないのがなんで前回一話から、この原作一巻の最初につながる間の期間を、原作の数ヶ月間をわずか一週間にしてしまったのか。
一応、イタリアのカンピオーネ、サルバトーレ・ドニとの対決はその一週間の間にやったみたいだけれど、話の内容からして、護堂がカンピオーネになってからの最初の神の対決、ウルスラグナと戦っていたメルカルト神との決着編は完全になかったものにされた模様。
ということは、必然的にエリカが事あるごとにネタにして護堂を弄ぶ「シチリアの熱い夜」もなかったことになる。

実のところ、エリカが護堂に完全に入れこむ形となった最後の一線が、この神王メルカルトとの戦いとドニとの決闘でのエピソードの中に含まれているのです。原作では「ふたつめの物語」として11巻目に描かれているのですが……。
アニメでは速攻で全裸になって護堂のベッドに忍び込んでいるエリカですけれども、途中で甘粕さんがチラリとエリカについて語っていたように、本来はむしろ身持ちが固く潔癖で清純な乙女だったことが過去編を見るとわかります。「シチリアの熱い夜」ではエリカは護堂に純潔を奪われたと言って憚らないのですけれど、あの時エリカはけっこうマジで泣いちゃってるんですよね。
そんな彼女が、護堂さんの在り様に心の底から惚れ抜き、メロメロになっていって、護堂との愛人関係という仕方なく標榜したものを、むしろ誇らしく愛しいものとして喧伝するようになるまで蕩けていく、言わばあれほどのイイ女が恋に落ちるまでのすべて、を堪能できるお話が、この数カ月の間にはあったのです。
何しろ、護堂のために一度は騎士団を抜ける覚悟まで決めたくらいですしね。
それからも、護堂は度々、三度もイタリアにエリカによって呼び出され、あちらこちらに連れ回されそのたびに大騒動に巻き込まれます。そうして、一緒になって死地をくぐり抜けたエリカと気心を通じ合わせ、この二話相当の時点では、愛人関係こそ否定しつつも、友人としてなら請われれば何をおいても駆けつける、とまで言わしめるほどの信頼関係で結ばれていたのでした。
少なくとも、初対面の正史編纂委員会からの告げ口で不信感を抱くような関係ではもうなかったのです。
もっとも、それ以前に護堂さんの性格からして、エリカは色仕掛けで自分を取り込もうとしているのだ、なんて讒言を受けても、別に気にも止めないでしょうけどね。むしろ、他人から言われて気にするのではなく、自分で甘えてくるエリカに利用するつもりならやめろ、と釘を刺してるくらいですし。その上で、筋を通すなら幾らでも力を貸してやる、と言ってしまえるくらいの人なのです、護堂さんは。

二話で初OP。さすがに七人居るカンピオーネ全員は出なかったか。その中で、ヴォバン侯爵とサルバトーレ・ドニは確認。「まつろわぬ神」もこれまで登場している柱以外にも、天馬の人もちゃんと居た。良かった。
ラストの絵が、完璧にハーレムです、ありがとうございます。いやでも、実際にガチであれになるんですよね。ハーレムものは多けれど、実のところ実際にガチでハーレムを作ってしまうのってかなり珍しいんですよ。結局のところ、通常のハーレムものって優柔不断のなあなあで現状維持しているだけの緩い停滞関係でしかないですからね。
その点、この「カンピオーネ!」はかなり違います。何しろ、当のエリカが一番積極的にハーレム主導していくのですから。「序列」付きで(笑 
エリカ・ブランデッリ――この女、並みじゃありませんよ、ホントに。

本編はじまって早速、妹様の糾弾を受ける護堂さん。当人自覚ありませんが、この護堂さん。天下無双のスマートなプレイボーイだったお爺さんの血を濃厚に継いでおり、兼ねてから兄の女性関係については妹の静花は危惧を募らせていたのですが、結果として最悪の形でその危惧が実現することになります。
ちなみに、護堂さんは普通然としたとぼけた顔をしていますが相当の異端児で、間違っても性格的にも一般人ではないのですが、別に護堂さんだけが突然変異なのではなく、草薙家の人々は殆ど全員「おかしい」です。
したり顔で兄を糾弾している静花ですが、これでこの女、相当の酒豪であり(これは草薙家共通みたいですけど。護堂も相当に強いらしいですし)、彼女の機嫌を取る時は甘いものではなく酒を持参して懐柔すべし、との教訓が残されています。母・真世も、まあ筆舌しがたいアレな人だったりするのです。
閑話休題。
アニメではルクレチアの家での一幕を脅しネタにしていますが、本来の脅しネタは「シチリアの熱い夜」であり、ぶっちゃけキスどころではとどまらないところまでヤッちゃってます。詳しくは原作をどうぞ。自分、てっきりあれは未放送分としてBlu-ray収録とか、OVAとして別撮り、になるかと思ってたんだがなあ。それくらいエロいし。
まあ、後々、ガチで5Pするのに比べたら、なんてことないのですが。
にしても、やはり護堂さんが初心すぎるなあ。彼のいいところは、エリカのモーションに対して堂々と返せるところなんですよね。変に動揺したり、慌てたりしない。動じず慌てずあしらうからこそ、エリカも遠慮なく茶々を入れてきて、時にエリカがやり込め、時に護堂が邪険にし、反撃してやっぱりやり込められ、とまあエリカには叶わないんですが、それでもお陰で二人の掛け合いは丁々発止の対等なものとして機能します。

度々、護堂さんがヘタレじゃない、と私が力説するのはこの部分にもあって、詰まるところ護堂さんは振り回されない人なんですよ。エリカもそれを重々承知しているから……敢えて嬉々として振り回そうとじゃれついてくるんですけどね(笑 まあ、最終的にエリカに下駄を預ける護堂さんは、相当にエリカを甘やかしているとも言えます。さらにエリカもそれを重々承知で、甘えてきているとも言えますが。
……ラブラブなんすよ、この二人。イチャイチャしてるだけなんですよ、この二人。
だから、護堂さんが本気で嫌がったら意地でもいうことは聞きません。空気読まない真似をしはじめると、かなり温度が下がってしまいます。一時期、某ヒロインが普通のハーレムヒロイン的な言動に走った時にかなりえらいことになりましたから。
普通に考えるよりも遥かに、草薙護堂という人物は「王様」的な存在であることは最初の方からなるべく頭の隅においておくべきでしょう。もっとも、アニメで護堂さんのキャラがどれだけ忠実に再現されるかはわかりませんが。

万里谷祐理と正史編纂委員会の甘粕さんが登場するシーンは、多少の入れ違いはあるものの、まあ特に問題とは思えず。
祐理がこれだけ下手に出るのは理由があって、以前別のカンピオーネに召還された際にかなりキツい目にあったからです。
もっとも、カンピオーネという存在は魔術関係者の間では概ね「近づくと危険」扱いされています。というか、まんま「魔王」扱いですな。とにかく無茶苦茶な存在で、どれだけ無法で倫理から外れた暴挙も暴虐も平然と行使して憚らない災厄のように見られています。
……客観的に見て、わりと事実です。護堂さんも含めて

それでも、神殺したるカンピオーネの力は人の領域を超え、絶対者として君臨するものであり、そうであるが故に世界中の魔術結社がカンピオーネの庇護を得ようと躍起になっています。正史編纂委員会が接触してきたのも、エリカがイタリアの有力な魔術結社を集めて、護堂の存在を知らしめたのも、それに関連する事項ですね。
彼らカンピオーネは、真実「王様」として認識され、扱われているのです。統治はせず、しかし君臨する王として。

いきなり場面転換してイタリアに舞い戻り(笑
さすがに、品評会を日本でやるハメにならなくてよかった。女神との遭遇を日本でやられちゃかなわない。
かの女神の正体はすぐに明らかになるのですが、ここでフクロウを従えているのは要注目。

とりあえず、護堂が真実カンピオーネである事をしらしめるために行われたエリカとの決闘。
さり気なく、エリカに斬りかかれた時に逃げるばかりでなく咄嗟に反撃しているんですよね、護堂。カンピオーネとなった護堂は無論、もう一般人ではありません。権能無しで常時身体能力があがってるわけじゃないんですが、常にスポーツでいうところの「ゾーン」に入っている状態、とも言えばいいでしょうか。非常に集中力が高まり、そして常にそれを揺るがず維持できる形となってします。
その上で、権能を執行できる。
ウルスラグナの権能は十の化身。すなわち、十の異なる力をそれぞれに引き出すことが出来るのですが、それぞれに厳しい発動条件があると同時に、一日に一回しか使えないために、本気の戦闘ではかなりの緻密な戦術が必要になってきます。力任せの力押し、な戦いではいけないわけですな。
この点がカンピオーネという作品の面白い要素の1つでもあり、また彼の切り札である、OPでもPVでもさんざん喧伝されている神格を切り裂く剣「黄金の剣」あれこそが、もっとも複雑で難易度の高い発動条件を備えており、エリカとのキスこそが発動条件をクリアするために必要なファクターを注入するすべなのです。
見た目こそ、ゲート・オブ・バビロンとか固有結界とか言われている権能ですけれど、その内実は全く異なるものであり、あれはむしろFateではなく京極堂である、と此処には記しておきます。


さて、エリカとの決闘。ひいては彼女の呼び出した剣の獅子との対決は、まあ映像的にはいいんですけれど、他の魔術結社の面々にウルスラグナの権能の発動条件をペラペラとしゃべってしまうのはいかなることか。あれ、弱点そのものだから、完全に極秘事項なんですよね。って、それ言ってたのエリカだったのに。そのエリカがべらべら喋ったダメでしょうが。
ちなみに、最初に使った「雄牛」の権能の発動条件は、相手が人間を遥かに超えた怪力を有していること。
「鳳」の権能は神速と跳躍力を得ることで、発動条件は高速の攻撃を受けること。この権能には副作用があって、肉体的な負担が大きく、使用後に胸に激痛が走るんですが……よく見ると、ちゃんと胸を苦しそうに押さえてますね。
ってか、やられてちゃってますね。原作では、もう銀の獅子はグッチャグッチャのボコボコにやっつけちゃってます。戦うまでは平和主義を謳いながら、いざ戦い始めると、一気に闘争本能が炸裂する護堂さんの本性を端的に現したエピソードでありました。
そして、その闘争本能は純粋な勝利への欲求へと研ぎ澄まされていき、護堂の思考は冴え渡っていくのです。どんな強敵だろうと、神だろうなんだろうと勝利を勝ち取るために。それは、凄まじいまでの戦術眼として機能し、彼が勝つための筋道を導き出していくのです。

ここで彼がエリカをねじ伏せたのには、それだけ護堂がエリカの性格を知り抜いていたから、という理由がありました。彼女がどんな性格で、その場面場面でどんな行動を選択するか、どんな思考を走らせるかをすべて知り抜いているからこその戦術。それは、エリカと護堂がツーカーの関係であり、以心伝心に近い関係である必要があったのですが……アニメでの戦いの決着は、なんだかよくそこに至るまでの理屈がいささか弱かったですね。エリカという人間一人相手に、あの「猪」の権能を使うという無茶苦茶っぷりが、もうちょっと引き立って欲しかったのですが。あれだと、エリカが取り押さえられたのは、彼女の油断みたいなものだしなあ。

ちなみに「猪」の権能の発動条件は、大きな建造物をターゲットにすること。他の権能に比べて、とりあえず近くの巨大な建造物を標的にしたら発動できるという条件の緩さがあるので、護堂さんはわりとこの権能を愛用していくことになります。
そのたびに、世界各地の名所が盛大にぶっ壊れていくことになるのですが。
この【カンピオーネ!】という作品、往年の特撮怪獣映画もかくや、とばかりに毎回あっちこっち有名な建物をぶっ壊していくので、それはそれでお楽しみに(笑

さて、決闘のあとに魔術結社の長たちが語っている名前。これは現代に七人いるカンピオーネたちの名であります。
それぞれに
・ジョン・プルートー・スミス(北アメリカ)
・羅濠教主(中国)
・黒王子アレク(イギリス)
・アイーシャ夫人(エジプト)
・サルバトーレ・ドニ(イタリア)
・サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン(バルカン半島)
の六名であり、原作未登場のアイーシャを除いて、全員が……うん、ぶっ壊れてます。全員デタラメもいいところです。誰が一番強いとか、そういう概念の外だもんな、こいつらって。まあ、護堂さんも明らかにその内の一人に含まれるのですが。魔王の異名は伊達ではありません。

ここで、同時に「プリンセス・アリスの星なき夜の予言」というセリフが出てましたが、これはあれかあ。アリスの名前を此処で聞けたのは悪くはなかった気もするが、あの予言とゴルゴネイオンはあんまり関係なかったような気も……。

ともあれ、冒頭でも触れたように二話目はなんとかまだマシなところまで持ち直した模様。エリカにはもっと頑張ってもらわないと。

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