まあ年内とか無理ですよ。特に今年はMF文庫の新人賞受賞作品が12月下旬に大量に出てきましたから、これをカバーしてたら案の定間に合いませんでした。それでも、元日に仕上げられたのは我ながら上等でしょう、と言い訳言い訳。初言い訳。

というわけで、このまとめ記事は2012年度にデビューした新人さんの作品をレーベルごとにずらっと並べて、どんなもんだったかな、と雑感を述べていくという内容。特に新人賞を受賞していなくても、初めて本をだすんですよ、という人はあらかた新人さんということで載せさせていただいています。
ただ、美少女文庫の方で既に本を出していたり、ゲームのシナリオライターをやってる人が小説に進出してきて、という場合は除けてあります。
迷ったのが、畑違いとも言える漫画家の方が小説書きました、というケースなんですが……。具体的には、榎宮祐さんの【ノーゲーム・ノーライフ】と、高遠るいさんの【ボイス坂】なんかですけど、こちらも今回は除外の方に振り分けておきます。
あと、少女系レーベルやノベルス系統もさすがにカバーしきれていないので、本年度も外させて頂きます。また、アルファポリスやエンターブレインなど各社から今年続々と出版されたウェブ小説の書籍化されたものですけど、これもちょっと追い切れないので、外します。ただ、ちょっと最後に触れてみるかも。
また、今回当該作品を調べるにあたり、<ラノベの杜様>を参照・参考にさせていただきました。ありがとうございます。
以上、除外分を置いて主要レーベルから出版された、この記事内で収録した新人作品は87作品。うち、私が読めたのは52タイトル。ざっと6割はカバーできた、といったところですか。ただ、去年は七割五分までいけてたので、だいぶ落ちたかもしれません。

ちなみに、評価基準は完全に主観的な好みによるものなので御容赦御寛恕お願いいたします。


<角川スニーカー文庫> 3冊

【恋は選挙と学園覇権!】 秋山大事/双龍 《★★☆》
彼女たちのメシがマズい100の理由】 高野小鹿/たいしょう田中 《第17回スニーカー大賞<優秀賞>》 《★★★☆》
【魔王と勇者の0フラグ】 宮地拓海/日向悠二 《第17回スニーカー大賞<最終選考作>》 《★★》

メシがマズ

去年に引き続き、わずか三タイトル、と少数精鋭と言えば聞こえはいいけれど、かなり絞った体制を取っているスニーカー文庫。それでも去年は【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】という当たりクジを引き当てられたから良かったものの、12年度はけっこうしょっぱい。唯一、【彼女たちのメシがマズい100の理由】がかなり独特な作品で注目を集めている。まだ二作目が新年頭に出たばかりなのでなんとも言えないところだけれど、これが有望株か。


<HJ文庫> 7冊

【ヤツの眼鏡は伊達じゃない】 浅野大志/朝倉はやて 《第5回ノベルジャパン大賞<奨励賞>》 (未読)
【私のために創りなさい!】 坂井テルオ/な!《第5回ノベルジャパン大賞<奨励賞>》 (未読)
【悪に堕ちたら美少女まみれで大勝利!!】 岡沢六十四/むつみまさと (未読)
【魔王なオレと不死姫の指輪】 柑橘ゆすら/しゅがすく 《第6回HJ文庫大賞<大賞>》 《★★》
【紅鋼の精霊操者】 ハヤケン/凱 《第6回HJ文庫大賞<銀賞>》 (未読)
【サムライブラッド 〜天守無双〜】 松時ノ介/津雪 《第6回HJ文庫大賞<金賞>》 《★★☆》
【アヌヴィス! こうして俺は最強のデスワームになりました】 草薙アキ/さざなみみぉ 《第6回HJ文庫大賞<銀賞>》 (未読)

むむむ。ここは例年瀬戸際を歩いてるなあ、という印象。それでも去年までは一作はこれは、というのがあったんだけれど、12年度は……個人的には全滅。せめて、これは読んでみたい、と思わせるようなまず掴みをなんとか、ねえ。


<ファミ通文庫> 5冊

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 1】 鳳乃一真/赤りんご 《第13回えんため大賞<大賞>》 《★★★》
【明智少年のこじつけ 1】 道端さっと/春日歩 《第13回えんため大賞<優秀賞>》 《★★》
【キュージュツカ! 1】 関根パン/小路あゆむ 《第13回えんため大賞<特別賞>》 《★★》
【SUSHI-BU! 1貫目】 西野吾郎/よう太 《第13回えんため大賞<特別賞>》 (未読)
ノニアレ】 初心音コマ/ねりま 《第13回えんため大賞<最終選考作>》 《★★★》

むむむむ……。世間的には、【龍ヶ嬢七々々の埋蔵金】は結構なビックタイトルのはず。個人的にも読む前はかなり期待をふくらませたんだけれど……、ちょいと好みからは外れてしまったかなあ。他のも継続して読み続けるには辛いものばかりで、わりとここも全滅状態。


<電撃文庫> 20冊

VS!! 正義の味方を倒すには】 和泉弐式/白羽奈尾 《★★★★》
エスケヱプ・スピヰド】 九岡望/吟 《第18回電撃小説大賞<大賞>》 《★★★★☆》
あなたの街の都市伝鬼!】 聴猫芝居/うらび 《第18回電撃小説大賞<金賞>》 《★★★☆》
ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー】 三河ごーすと/切符 《第18回電撃小説大賞<銀賞>》 《★★★》
勇者には勝てない】 来田志郎/refeia 《第18回電撃小説大賞<銀賞>》 《★★★》
明日から俺らがやってきた】 高樹凛/ぎん 《第18回電撃小説大賞<電撃文庫MAGAZINE賞>》 《★★★》
【ミニッツ 〜一分間の絶対時間〜】 乙野四方字/ゆーげん 《第18回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>》 (未読)
【シュガーシスター 1/2】 鷹野新/シロウ (未読)
【チェンライ・エクスプレス】 百波秋丸/桶谷完 《★★》
【小悪魔ちゃんとMP0の少年】 近江泉美/nyanya (未読)
秘密結社とルールと恋】 寺田海月/nauribon 《★★★》
スクリューマン&フェアリーロリポップス】 物草純平/皆村春樹 《★★★★☆》
【世界の終わり、素晴らしき日々より】 一二三スイ/七葉なば 《★★☆》
【S.I.A ―生徒会秘密情報部―】 長月渋一/NOCO (未読)
【魔王と勇者の兄妹カンケイ】 黒羽朽葉/百円ライター (未読)
【アニメアライブ】 秋傘水稀/わだぺん。 (未読)
【異端児たちの放課後】 形代小祈/兎塚エイジ (未読)
【魔遁のアプリと青炎剣】 天鴉蒼/ねりま (未読)
【彼女はワロスの盟主さま はじめての天下逃一】 光野鈴/笹森トモエ (未読)
【ブラックサンタとレインディア】 泉谷一樹/白味噌 《★★》

VS! スピヰド 都市伝鬼 スクリュー


ついに20タイトルにまで達してしまった電撃文庫。さすがは最大レーベルというべきか。オマケに、平均点も順当に高い。その中でもビンビン来たのが、書影を掲載している4タイトルであります。既にどれも続編が出ているのですが、どれも順当に評価が上がっている次第。【あなたの街の都市伝鬼!】などは、第一巻では3.5☆相当だったのが、続刊以降はメキメキと完成度があがってますしね。
個人的には受賞作品ではないものの、【スクリューマン&フェアリーロリポップス】が超大当たりでした。



<GA文庫> 5冊

【ブラパン!】 笠原廣野/Nardack 《第3回GA文庫大賞<奨励賞>》  (未読)
【うちの居候が世界を掌握している!】 七条剛/希望つばめ 《★★★》
【木崎くんと呼ばないで!】 長物守/みけおう 《第4回GA文庫大賞<奨励賞>》  《★★☆》
【空に欠けた旋律】 葉月双/駒都えーじ 《第4回GA文庫大賞<奨励賞>》 (未読)
【しきもんつかいはヒミツの柊さん】 桂木たづみ/パセリ (未読)

GA文庫も、看板はれるような新人の影はまだ見えないなあ。この中では【うちの居候が世界を掌握している!】がわりと堅実な良作で、続刊も購読しております。


<ガガガ文庫> 5冊

猫にはなれないご職業】  竹林七草/藤ちょこ 《第6回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<優秀賞>》  《★★★★☆》
【こわれた人々】 高岡杉成/モフ 《第6回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<優秀賞>》  (未読)
俺、ツインテールになります。】 水沢夢/春日歩 《第6回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<審査員特別賞>》  《★★★★☆》
下ネタという概念が存在しない退屈な世界】 赤城大空/霜月えいと 《第6回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<優秀賞>》 《★★★★》
【狩りりんぐ! 〜萩乃森高校狩猟専門課程〜】 森月朝文/いわさきたかし 《第6回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<ガガガ大賞>》  《★★》


ご職業 ツインテ 下ネタ

なんかこうして新人作品だけ並べてみると、ガガガ文庫の勢いたるや他の一線を画している感すらあります。とにかく、作風が多彩にも関わらず、どれも歯応えたっぷりで満腹感を満たしてくれるガッツリした作品が出揃ってるんですよね。正直、どれも「怪作」と言われても過言ではないとんでもないのばかりなんですが、それ以上に傑作として成り立っているのが凄い。【猫にはなれないご職業】【俺、ツインテールになります。】などは二巻でさらにパワーアップしています。下ネタはまだ続刊読んでないんですけどね、これも見た目インパクトだけじゃない、凄い作品でした。


<富士見ファンタジア文庫> 8冊

【ライジン×ライジン RISING×RYDEEN】 初美陽一/パルプピロシ 《第23回ファンタジア大賞<大賞>》   (未読)
勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。】  左京潤/戌角柾 《第23回ファンタジア大賞<金賞>》  《★★★》
【絶対服従カノジョ。 1.いいか、魔眼はつかうなよ?】 春日秋人/樹人 《第23回ファンタジア大賞<銀賞>》   (未読)
【いもうとコンプレックス! ―IC―】 稲葉洋樹/代官山ゑびす 《第23回ファンタジア大賞<銀賞>》   (未読)
双界のアトモスフィア】 筧ミツル/refeia 《第23回ファンタジア大賞<銀賞>》  《★★★★》
【緋剣のバリアント】 小山タケル/マニャ子 《第24回前期ファンタジア大賞<銀賞>》  《★★☆》
アリストテレスの幻想偽典 1.禁忌の八番目】  永菜葉一/能都くるみ 《★★★☆》
皇国のフロイライン】 河端ジュン一/遙華ナツキ 《★★★★》

双界 アリス 皇国

しょっぱいなあ。どうも此処数年の傾向として、読者の対象年齢がかなりだだ下がりしている感があります。軽いと承知して読んでいるライトノベルですけれど、それでもなお軽すぎて読み応えがないんですよね。どうも対象年齢が小学生とか中学生の子供向け、に向いている気がします。それはそれでいいんでしょうけれど、おっさんとしては辛い。というわけで、最近はガッツリ読める作家さんがベテランばかりで、新規開拓の新人さんがなかなか見当たらないファンタジア。スタートダッシュが素晴らしかった【双界のアトモスフィア】ですが、この年末に出された三巻あたりで完全に息切れして倒れこんでしまいました。頑張れよぉ。
そんな中で、現在最後発の【皇国のフロイライン】にはだいぶ期待を向けているのですけれど、はたしてどうなるか。


<一迅社文庫> 2冊

八丈島と、魔女の夏】 小椋正雪/水月悠 《第1回キネティックノベル大賞<佳作>》  《★★★☆》
【俺ンタル!! レンタル男子はじめました】 水内あかり/へるるん  (未読)

ここはもう、完全に新人を自前で育てようという気はさらさら無いようです。シナリオライターか、よそから渡ってきた人ばかり。【八丈島と、魔女の夏】はけっこう面白かったのですけれど、純然たる小説なのかというと、微妙に方向性が違うんですよね。
結構懐かしい作家さんを拾い上げてきてくれたりするので、ありがたくはあるんですが。


<スーパーダッシュ文庫> 7冊

【魔王な使い魔と魔法少女な】 みみとミミ/shin 《第10回スーパーダッシュ小説新人賞<最終選考作>》 (未読)
【踏んだり蹴ったり! あの娘の笑顔を守ったり】 川添枯美/白井エイリ 《★★》
【暗号少女が解読できない】 神保静波/ぐらしおん 《第11回スーパーダッシュ小説新人賞<大賞>》 《★★☆》
【God Bravers 君の勇者に俺はなる!】 永井十茂/コミズミコ 《第11回スーパーダッシュ小説新人賞<特別賞>》 (未読)
【エンド・アステリズム なぜその機械と少年は彼女が不動で宇宙の中心であると考えたか】 下村智恵理/黒銀 《第11回スーパーダッシュ小説新人賞<優秀賞>》 (未読)
【伊月の戦争 〜終わる世界の物語〜】 涼野遊平/Nidy-2D- 《第11回スーパーダッシュ小説新人賞<特別賞>》 《★★☆》
【黒猫の水曜日 Wednesday in Chat Noir】 地本草子/鵜飼沙樹 《★★》

わぁい(棒
うーーーん。これはなあ。【エンド・アステリズム】とか【伊月の戦争】など、なるほどこういう作品を受賞作品として拾う意図は面白いと思うし、よく考えてるとも思える。素直に買いたいところなんだが、作品そのものがなあ……という感じで。粒がない。



<MF文庫J> 11冊

【学戦都市アスタリスク 01. 姫焔邂逅】 三屋咲ゆう/okiura (未読)
【失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない!】 真崎まさむね/さより 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>》 (未読)
【森羅万象を統べる者 猖物創造瓠曄/綏郤喞察人河サトル《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》 (未読)
【ドリーミー・ドリーマー】 弥生志郎 基井あゆむ 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》 《★★☆》
瑠璃色にボケた日常】 伊達康/えれっと 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》 《★★★》
【スリーピング・ストレーガ 転入少女の魔術戦略】 真野真央/風瑛なづき 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査委員特別賞>》 《★★★》
【ディバースワールズ・クライシス】 九條斥/えむけー 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査委員特別賞>》  《★★》
白銀の救世機】  天埜冬景/黒銀 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<最優秀賞>》  《★★★★》
【忘却の軍神と装甲戦姫】 鏡銀鉢/chocomori 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》  《★★★》
風に舞う鎧姫】 小山タケル/片桐雛太 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》  《★★☆》
お願いだから、あと五分!】 境京亮/きみしま青 《第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>》  《★★★☆》


白銀 五分

安定のMF文庫。例年、一定のクオリティを保ち続けるここは、さすがだなあ、という印象。ただ、今年はどうも粒が小さい気もするんだよなあ。これは将来すごくなるぞ、という予感を抱ける作品が……。強いていうなら、【お願いだから、あと五分!】の人が方向性次第で化けたり大成しそうな気もするんだが。あと、【瑠璃色にボケた日常】の人の完成度は注目に値する。何はともあれ、全体に一定レベル以上なのは確かなので、決して悪くはないんだけれど。未読の【学戦都市アスタリスク】が結構気になっているので、購入済み。



<講談社ラノベ文庫> 8冊

【神童機操DT-O phase01】 幾谷正/御山ロビ 《第1回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>》 (未読)
【デッドエンドラプソディ】 草薙絡/田中将賀 《第1回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>》  《★★》
【この素晴らしく不幸で幸せな世界と僕と!】 水樹尋/2C=がろあ 《第1回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>》 (未読)
【まお×にん!1】 やますゆきたか/かのえゆうし 《第1回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>》 (未読)
【魔法少女地獄】 安藤白悧/kyo 《第1回講談社ラノベチャレンジカップ<大賞>》  《★★★》
【ごーいんぐ?ほーみんぐ!1】 霧鳴篤明/COMTA 《第1回講談社ラノベチャレンジカップ<優秀賞>》 (未読)
【ベニ・コンプレックス1】 曽我部浩人/双龍 《第1回講談社ラノベチャレンジカップ<佳作>》  (未読)
【銀糸の魔法式 1.魔法使いの実習生】 浅倉イネ/もっつん (未読)

まず、読みたい、買いたいという気にならないんですけど(苦笑
手に取る第一歩がその気にならないんだよなあ。


<このライトノベルがすごい!文庫> 6冊

ロゥド・オブ・デュラハン】 紫藤ケイ/雨沼 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<大賞>》  《★★★☆》
【薄氷あられ、今日からアニメ部はじめました。】 島津緒繰/KD 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<栗山千明賞>》  《★★☆》
魔王討伐!俺、英雄…だったはずなのに!?】 遊馬足掻/しゅがすく 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<栗山千明賞>》  《★★★》
オレを二つ名で呼ばないで!】 逢上央士/COMTA 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<優秀賞>》  《★★★》
ファウストなう】 飛山裕一/HRD 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<優秀賞>》  《★★★》
剣澄む ―TSURUGISM―】 ますくど/ricci 《第3回このライトノベルがすごい!大賞<優秀賞>》  《★★☆》


ロゥド

去年まで、ほんと言ってしまうと申し訳ないんですがぶっちゃけレベル低かったです。が、12年度は見違えたように全体が読めるレベルに。中でも大賞の人はさすが大賞、と唸らせられる出来栄えでした。それでも、まだまだ物足りないのですけれど、それでも既存の人たちも良い作品を出し始めて、やっとこ軌道にノッてきた感があります。がんばれ〜。


トータルしてみると、やはり電撃文庫が目立つと同時に、浮かび上がってきたのがガガガ文庫。此処数年の新人発掘の戦績は瞠目に値するんじゃないだろうか。それ以外は全体的に小粒だったなあ、という印象はやはり否めない。数年来、主力級を確保できてない所がちらほら見受けられるんだが、大丈夫だろうか。
とりあえず、13年度も要チェックしておきたい新人さんは、

物草純平  【スクリューマン&フェアリーロリポップス】 (電撃文庫)
九岡望   【エスケヱプ・スピヰド】  (電撃文庫)
和泉弐式  【VS!! 正義の味方を倒すには】  (電撃文庫)
聴猫芝居  【あなたの街の都市伝鬼!】 (電撃文庫)
水沢夢   【俺、ツインテールになります。】 (ガガガ文庫)
竹林七草  【猫にはなれないご職業】 (ガガガ文庫)
紫藤ケイ  【ロゥド・オブ・デュラハン】 (このライトノベルがすごい!文庫)

この七人。また来年、同じ記事を書いた時にどういう経過を辿ったか、確かめてみたいですね。


さて、ここで前年度の同記事を振り返って、11年度の新人さんたちがどういう状況になってるかを振り返ってみたいと思います。

11年度デビューした作家さんの作品で、早々にアニメ化が決まったものが二作品あります。そう、
【問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! ウサギが呼びました!】  竜ノ湖太郎 (角川スニーカー文庫)
【はたらく魔王さま!】  和ヶ原聡司 (電撃文庫)
の二作です。
この二作はもう、文句なしでしょう。両方共コンスタントに続刊を出しつつ、出る度にクオリティも面白さもあがっていくという上昇っぷり。もうレーベルの主力級と呼んでいささかも過言ではないはずです。

レーベルごとに見てみると、スニーカー文庫は文句なしに問題児シリーズの一人勝ちかと。他の二作も続編は出ていますが、私は残念ながら目を通していません。

HJ文庫。期待枠だった【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>】は、大当たりはしなかったものの、堅実に続刊を重ねて現在クライマックスに突入中。ちょっと最近中だるみ気味なのが心配ですが。
一発屋ではないかと危ぶまれた【僕の妹は漢字が読める】は案の定というべきか、一発屋だった模様。南無南無。ただ、HJ文庫は、デビューシリーズ終了とともに沈黙してしまっていた内堀優一さんが、新シリーズ引っさげて再登場し、現状メキメキと腕を上げてるんですよね。これは期待。

ファミ通文庫は、自分のお気に入りだった【わたしと男子と思春期妄想の彼女たち】がシリーズ終了してしまって、落胆中。すっごい好きだったんですけど、女主人公とともに。
自分は波長あってないんですが、【犬とハサミは使いよう】はシリーズかなり順調みたい。アニメ化の噂もあるようなないような、ホントか?

電撃文庫。大賞のシロクロネクロは続編一応随分と間を開けてポツンと出たものの、鳴かず飛ばず。うむむ。
躍進の予感著しかった【アイドライジング】の広沢サカキさんなんですが、これも【アイドライジング】が止まってしまって、大丈夫か!? 別シリーズをたちあげてるんですが、こっちはもうひとつだったんですよね。一時期このままてっぺんまで駆け上がるか、という勢いだったのですが。
他をざっと見渡してみると、やはり【魔法科高校の劣等生】が前評判通りガンガン上昇中、みたい。ただ、SAOに比べると微妙に反応鈍い気がするんだよなあ。この年のデビュー組で他にコンスタントに頑張ってるのが、兎月山羊さんあたりでしょうか。他の人はかなり出遅れているというか、ペースも遅い気がするなあ。一作だけ、という人もちらほら。
【探偵失格】の中維さんも、まだ続編一作だけ、と遅筆なんですが、この人は相変わらずぶっ飛んだ内容を引っさげてくるので気を抜けません、まだまだ先が楽しみ。

GA文庫は突き抜けた作品こそないものの、全般的に順調に巻を重ねているあたり、非常に安定しているのかもしれません。自分、殆ど読んでないんですが。

ガガガ文庫。【こうして彼は屋上を燃やすことにした】で度肝を抜かれたカミツキレイニーさん。しばらく沈黙を保ったあとに出してきた【憂鬱なヴィランズ】がまた、ごっつかった。いやあ、本物です、この人。とびっきりだわ。

富士見ファンタジア文庫。あれ!? 鳴り物入りで登場した【フルメタ・アナザー】ですけれど、なんか微妙に大人しい感じで落ち着いてしまった感あり。元祖と比べるとスケールがどうにも、という感じなのか。全然悪くはない、どころか面白さは確かなんですが。【カナクのキセキ】は、ある意味ブレないまま無事に完結。結構頑張ってるのが【おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!】。色々と二番煎じな感も否めなかったのですが、途中でヘタレず堅実に続いてる感じです。

スーパーダッシュ文庫。二巻でも引き続き大爆発!!だった【覇道鋼鉄テッカイオー】 。いや、まだ第二巻までしか出てないってのは遅きに失するとは思うんですが、出てくる作品がまたとんでもない大作だもんだから、インパクトが薄れないんですよね。他はどうした?

何気に豊作だったMF文庫J。ところが、【Tとパンツとイイ話】と【豚は飛んでもただの豚?】が良作にも関わらず、なんか延期を繰り返して先細りしてしまった。【Tとパンツとイイ話】はなんとか完結にこぎつけたものの、【豚は飛んでもただの豚?】は延期どころか発売予定からタイトルが消えてしまっているんですが。おおい大丈夫か!?

このライトノベルがすごい!文庫。まずは何より、遠藤浅蜊さんでしょう。デビュー作は一作で置き、新シリーズとして出してきた【魔法少女育成計画】がまた話題性も抜群のエッジの効いた作品だったんですよね。思わぬところから、看板タイトルが出てきたようで、面目躍如ですなあ。

C★NOVELSファンタジア。【RINGADAWN】三部作を見事に完結させたあやめゆうさん。このデビュー作も無茶苦茶クオリティ高い良質のファンタジーだったのですが、その続編である【ブレイブレイド】がまたすごかった、ほんとすごかった。現在、二巻まで出ていますが、いろいろな意味でとびっきりです。まさしく注目株。


さて、前述もしましたが、12年度において例年にない傾向というと、やはりウェブ上で公開されていた小説の書籍化の流れでしょう。既に前々から川原礫さんや橙乃ままれさんなど大きな動きがある一方、どっか隅っこのほうで小さなレーベルが拾い上げて、みたいな展開はあったものの、12年度はエンターブレインやアルファポリスという相応の土台のある会社の動向もあってか、大量のタイトルが一気に書籍として単行本化され出します。ヒーロー文庫など、新たにレーベルを創設するなどの展開もあり、それこそ手当たり次第評判の良い、評価の高いタイトルがかき集められ、放出された感があります。
ぶっちゃけ、ついていけん!!
これは極々個人的な意見なのですが……せめて文庫ならともかく、千円を軽く超える単行本で出されるととてもじゃないけど手が出ません!! ホントに良作なら、既にウェブ上で読んだものでも、お布施なりの気分で購入することもやぶさかではないのですが、文庫程度のサイズや価格ならまだ財布を開く気になるのですが、単行本は無理ですよ。ちょっとこれは回避、となってしまう。
現状、上記したようなウェブ小説からの書籍化作品は、その大半が単行本として出てくるんですよね。【ゲート】y【まおゆう魔王勇者】【ログ・ホライズン】などのこれまで出た大物タイトルは単行本でも問題なく売れたでしょうし、他にも相応の理由があるのかもしれませんが、現状大量刊行されてるもののほとんどは、少なくとも私は、無理です、買えません。
とか言いつつ、それでも買っちゃった作品もあるんですけどね。

アルカナオンライン〈1〉嘆きの『恋人』】 猿野十三(アリファポリス)
薬屋のひとりごと】 日向夏 (Ray Books)

この二作。これはもう、仕方ありません。買って後悔なし、の良作でしたから。

こうした動きはしばらく続くのかな。小説家になろう、などでも独自に動きもあるみたいですし。
【死神を食べた少女】や【勇者互助組合 交流型掲示板】なんかは、文庫だったら絶対買ってたんですけどねえ。