春虎の鈴鹿への説得に薄っぺらさを感じてしまうのは仕方のないことです。春虎が語っている内容は一般論に過ぎませんし、彼自身は真摯に訴えかけているのですが、その言葉には実は篭っておらず、所詮どこまでも他人事に過ぎません。
彼は、後々自分が鈴鹿に訴えかけた言葉がどれだけ軽かったかを、痛恨の思いで実感することになります。
そんな春虎の言葉に鈴鹿が動揺するのは、むしろそれだけ鈴鹿が自分がやろうとしていることに対してビビっていたかの証左でもあるんですよね。どんどん自分を追い込んで逃げられないようにしながら、一方で仕出かそうとしている事の大きさと自分の命を費やそうとしていることに迷いと恐れを禁じ得ない。見た目以上に、鈴鹿はいっぱいいっぱいの状態です。
その辺りの鈴鹿の精神状態を考慮して見ると、一連の、そしてこれからの鈴鹿の言動もわかりやすいかもしれません。

原作だと地の文が能弁であり、内面描写も非常に丁寧に描かれているので折々の登場人物の心境もよく伝わるのですが、やはりアニメだとこれらが描かれない為にやはりわかりにくい部分も多いでしょうけれど、北斗を失ったあたりの春虎がどれだけいろんなことを考え、様々な感情をねじ伏せ荒れ狂っていたか、そして何を決意したのか、表情が雄弁に語っている、というのはさすがに苦しいか。ただ、決して悪くはなかった。
夏目に関しては、あとあとになって初回からの言動を振り返ってみると、思わず笑ってしまうこと請け合いなのです。図らずも、冬児が素直な女じゃねえか、と評していた事に大きく頷くことになるでしょう。
しかし、長く陰陽塾での夏目を見ていたせいか、ここまでちゃんと清楚に女の子している夏目は逆に新鮮だったりしますね。陰陽塾ではこの「素」の夏目を見る機会はかなり少なくなるので、希少と言えば希少なのかも。

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