ギルド<第8商店街>のギルドマスター、カラシンくんの現状解説。
まあ大雑把に言うと、現状アキバでは需要と供給、両方が縮小して経済がかなりの勢いで停滞しています。供給の方は、カラシンが述べているように、世界のリアル化によって街の外にでて狩りや採集を行おうとする人たちが減ってしまっているのが実情です。死んでも生き返るとは言え、巨大だったり凶暴だったりするモンスターと面と向かって戦うのは怖いことですし、アニメだと絵柄がポップだったりダメージエフェクトはゲームっぽいですけれど、実際は生々しい実体で匂いや触感もありますし、自身の怪我もポリゴンの欠損、みたいなものではないようで。
その為、冒険者の少なくない数が生産職へと転職し、それがそのまま三大生産ギルドである<海洋機構><ロデリック商会><第8商店街>へと流れ込んでいるそうです。その為、最大大手である<海洋機構>などはギルドメンバーが2500人近くにまで膨れ上がっています。三大生産ギルドだけで5000人を越し、そこに参加していない小規模な生産ギルドなどを含めると、アキバに所属する冒険者15000人の半数と言わずとも3分の1を超える数がうちに篭ってしまったことになります。供給する側に目を向けても、大手ギルドの狩場専有が進み始め、単純な供給数の減少のみならず、ルートの自由度が減っていることも、停滞に拍車をかけていると言えるでしょう。
翻って、需要側を見ても……ぶっちゃけ冒険者たちにとって欲する物があまりないんですよね。食料系の素材は、何を喰っても濡れた味のしない煎餅という有り様から凄まじい値崩れを起こしていますし、外に出る冒険者が減った結果、クエストを進める上での必要素材の需要も減っています。ゲーム由来のアイテムばかりでは、所詮普通に生活する上で需要として機能することに限界があるんですな。つまるところ、消費者の購買意欲がだだ下がり。
素材の供給は減り、必要な物は一部が独占し、それ以外のものに対しては需要が殆ど発生していない。街の雰囲気も暗くなるというものです。

こんな環境の中で、クレセントムーンの出現がどれほどアキバに衝撃を与えたか。消費者の購買意欲をこれ以上無く刺激するだけでなく、発端として停滞しきった経済全体への強大なインパクトとして、かの露店は意味をなしたわけです。その意味と価値を、勿論三大ギルドのマスターたちは理解しており、それが理解されているということがすなわち、シロエやヘンリエッタにとって自分たちの持っている情報を、最強の武器であり主導権の手綱たらしめていることを確信させているのです。


さて、カラシンとの会談ですけれど、残念だったのがマリ姉とヘンリエッタの衣装がそのままだったこと。原作だと、ここで気合入れてドレスアップしてるんですよね。当然です、戦場に武装せずに赴くなんて。アニメ、殆ど不満ないんだけれど、作画についてはやっぱり褒められんかなあ。
マリ姉もヘンリエッタさんも、ふたりとも掛け値なしに美人なので、当人たちはそれほど意識していませんけれど、その美貌が少なからず交渉に影響していることも鑑みれば、ここはキチンとドレスアップしておいて欲しかったなあ。
とはいえ、あの表の表情とは違う内心の声や顔色をスタンドみたいな形で見せてくれたのは、非常にわかりやすかったと思います。この会談は、本音と建前が全然違いますからね。
表では平然とした顔でニコニコ笑ってるマリ姉ですけれど、内心一杯一杯もいいところですからね。家事手伝いのマリ姉は元より、梅子さんも社会人で会計業務やってるとはいえ、こんな迫真の商談なんて全くの未経験なのですから。もっとも、大規模ギルドを率いて居るからといって、カラシンや海洋機構のミチタカたちだって、決して商談の経験が豊富な海千山千だったりするわけではなかったりします。当然です、これまでこの世界はあくまでゲームだったわけですから。勿論、人のたくさん集まるギルドを統括している以上、それも百人や千人を超える人員を纏めて率いているのですから、ミチタカたちは生半な人物ではありません。ただ、まだ意識が違うんですよね。前回、シロエが言っていた、舐めている、まだゲームのつもり、ここが異世界という自覚がない、という点が、視点の高さの違いとなって、この交渉に影響を与えてしまうわけです。

また、ヘンリエッタさんの意識誘導が抜群にうまい。嘘はつかないという制約に従いながら、情報を小出しにし、また言葉の選び方や新作料理の投入などによって、ミチタカたちが勝手に思い込みを深めるように誘導してるのである。この辺りの彼女の優秀さは、シロエの想定を遥かに上回っていました。来週の円卓会議の開催成功っまでの道筋が、殆どシロエの想定の最良ルートを辿ったのも、ヘンリエッタさんの成果がかなりの重きをなしていると言っていいでしょう。

殆ど動きのない交渉シーン、ここまでうまくやってくれたら、来週の本番はさらに期待値あがるなあ。

ミノリたちの内面描写、救出編じゃなくてその前に持ってきたか。テンポを重視するなら、この移転はナイスな判断なんじゃないだろうか。泣きじゃくるミノリの一方で、トウヤが嬉しそうに足踏みしたり、走り回っている姿に思わず目尻が熱くなる。これ、トウヤについて知ってると彼の様子の意味がよくわかるんですよね。これはくるなあ。
ミノリって、凄く自己評価低くて、自分なんかがと卑下しまくっているのですけれど、だからネガティブに落ち込み立ち止まり蹲ってしまうのではなく、だからこそシロエみたいになりたい、あの人に並び立ちたいと思い、絶え間なく努力し続ける凄い子になる、その転換点が今回だったんですね。とにかく自己評価低めに設定してしまっているので、必死なくらいにひたすら自分を高めていくのですが、お陰で後々周りの評価と自己評価のギャップが凄いことになっていくんだよなあ、この娘。
でも、その転換点がシロエじゃなくて、弟のトウヤがきっかけになった、というあたりにこの姉弟のお互いに良い影響を与え合う素晴らしい関係が現れていて、好きだなあ。

さあ、来週は鬼畜眼鏡の登場だ(笑
シロエと双璧をなす食わせ者であるD.D.Dのクラスティですが、ちなみに彼の副官であるベレー帽に軍服姿の怜悧そうな女性、高山三佐。見た目通りのインテリジェンス高めの知的で怜悧なキャラクターである彼女ですけれど……現実世界でのお仕事は保育士、保母さんだそうな(笑

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