原作の第二部、さっそく読んだんですが、ホントに菜波、姉ちゃんだったんかーーっ!!
アニメでいきなり菜波が颯太の姉だった、という話が出てきてなんじゃそれー!? とひっくり返ったのですが、マジだったとは。
だとすると、アニメの最後に正体を明かしていった「No.0」の正体もあれ、本当なんでしょうか。原作では彼女の正体はまだ明らかになっていなかったのですけれど、原作者がちゃんと関わっているみたいなので、マジっぽいなあ。

というわけで、思いっきり数巻分をふっ飛ばしていきなり天使との最終決戦に及ぶことになってしまったアニメ。ここまで強引に話をまとめにかかった以上は、二期は無いフラグですね、わかります。

以下には原作のネタバレもあるので、一応収納しておきます。








相違点は山ほどあるのですが、わかりやすいところでは、天使の軍団との戦いは颯太が独りで迎え撃つのではなく、七徳院ランカーたちが颯太とともに総出で迎え撃つことになります。アニメでは「No.0」は何か悪役みたいな立ち回り方になってましたが、原作だと思いっきり味方ですから、味方ですから!
それに、サクラメントに記憶を消されていた大名侍鳴も、七徳院No.7としての記憶を取り戻して、最終決戦では颯太と共に戦うのです。実質的に、この最終決戦でのメインヒロインは確実に鳴でした。菜波じゃなくて鳴でした。鳴が全部持ってってました!!
さらに、婆さまこと竜騎士原月麦も、アニメではそのままロリな幼女のままでしたけれど、小説ではサクラメントに消されていた記憶を取り戻し……そう、彼女も鳴と同じく大昔にサクラに記憶消されて学校に棲み着いていて、その真の姿も封印されていたのでした。
竜騎士原月麦の真の名は、七徳院No.2 アリシア・ドラグーン。ロリ化を解いて竜騎士の衣装で登場した時の衝撃たるや。いや、アニメのロリのままのボンテージファッションもあれはあれで衝撃でしたがw
七徳院ランカーは名前付きだけでも他にもかなり居て、魔族ミーロワースやN、リスキスフル・ディスティニーなど二部以降にも重要になるだろうキャラも居たのですが……。
それに、絶対存在・旧世界の八英雄の一人である「エデン・リ・プライ」やサンジェルマン伯の存在が消されてしまっているので、颯太の「神竜(SBD)」についても存在が消されちゃってるんですよね。
魔法少女福祉機構も無いことになっちゃってるので、絶体絶命の大ピンチにさっそうと現れてくれる魔法少女のジークリート・キンダーハイムと早織屋アーシェもいなくなっちゃってますし。密かにジークリートはアニメでどう描かれるのか、エデンと同じく楽しみにしてたので、ちとガッカリなのですよ。
ちなみに、小説では茜や菜波たちが天使との決戦場に援軍として現れることが出来たのは、魔法少女のマジもんの魔法召喚のお陰だったりします。
さらに、アニメでは颯太が居たサーバーの彼女たちが颯太を追いかけてきたのに対して、小説だと異なる仮想世界の菜波たち、それも何千とある仮想世界から送り込まれてきた何千という菜波たちが軍勢として現れてます。アニメだと並行世界設定がかなり端折られちゃってるのですが、各仮想世界にはそれぞれ量子コンピュータ群によってシュミレートされた仮想の住人がいて、そこには颯太たちも居て、そこでそれぞれに王旗としての役割を果たしてたんですなあ。

ややこしいんですけれど、この仮想世界の中にもシミュレートされた仮想の存在ではない、現実世界からの没入者も居て、それが事故によって量子コンピュータに繋がれた本作の主人公である颯太だったり、世界監視組織の七徳院ランカーだったり、魔法少女福祉機構だったり、エデン・リ・プライをはじめとする旧世界の住人だったりするわけです。
茜や菜波たちについても、あれやこれやあるんですけれどね。


プレミアム・アンブリエル号の事故の真相についても、アニメだと颯太にだけ決断を迫っているような形になってますけれど、小説ではアンブリエル号の乗員乗客全員に、死を受け入れるか、それとも颯太という一人の少年に全てを押し付けて生贄として生き残るか、という選択を迫るという、ある種すさまじい展開が待ってます。
ここはメチャクチャ感動したなあ。ここの展開があってこそ、颯太が引き受けた「死亡フラグ」がどれほどえげつなく、また壮絶なものかが理解でき、また颯太の覚悟と茜や菜波たちの悲愴な思い、そしてあのクエスト寮の日々がどれだけの想いの上に掴み取られたものだったかがわかって、グッときたんですよね。
そりゃあ、これほどの「死亡フラグ」の力なら、ラスボス化した天使だって打ち破れるのだと、疑いも抱かないほどに。

プレミアム・アンブリエル号の乗員であったくるみ子の両親はだったらなぜ死んでるのか、という話については、本来なら彼女の両親は乗員ではなく自動車事故で亡くなっていて、因果のすり替えによってアンブリエル号の事故で亡くなった、という形に置き換えられたそうです。アニメだと、どういう話になってたんだろう。


とまあ、かなり省くところは省いて、話をまとめるに至ったアニメ版でしたが、無理はかなりしたけれど無茶苦茶にはならなかったあたり、かなり改変にあたっても辻褄を合わせるために気を使ったんだなあ、というのがわかります。ただまあ、個人的にはそこまでして決着つけんでも、このアニメに限らず原作ファンの立場から観る身としては、たとえ途中でぶった斬りで終わっても、それはそれで構わないから無理やり話をまとめて終わらせるのだけはかんべんしてほしいなあ、とこういうのを観る度に思うのでした。

原作では、この第一部の結末を以ってようやく「世界の真理の『入り口』」に辿り着いた、というところでしたが、アニメはここが「世界の真理」の到達点だったのでしょう。アニメ化するには竹井10日作品は情報量が多すぎる、というのもあったんでしょうが、初っ端からのあのギャグのハチャメチャさに笑い倒した頃からすると、ちょっとシリアスサイドを持て余してしまったかなあ、という本作でした。


原作感想

B00J4CA8V6「彼女がフラグをおられたら」第2巻[Blu-ray](初回生産限定版)
竹井10日
フライングドッグ 2014-07-23

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