真田丸やべえわ。日本の歴史ドラマってどうしてもヌルいというか、善人であることを前提に描こうとするものだから、特に戦国時代なんぞのクロすぎる謀略戦なんて、描かれることもなかったし、描かれても敵役とか悪役がやるものだったんですよね。
それを主人公サイドがやるとは……。
小説なんかではいくらでもあったけれど、映像作品でここまでガチな謀略戦を、しかも大河ドラマで見れるとは。
すげえわぁ、めちゃめちゃ面白いわーー。


ここで真田が調略にかかっている春日信達という人は、何話か前で信繁たちが安土から戻ってきた際に遭遇した、出浦さんに案内されて逃げてきていた森長可を、本能寺の変の報を聞いた途端に裏切って討ち取ろうとして、逆に人質に出していた嫡男ぶっ殺されてしまった人です。
ここでは、上杉にも信頼されていた武田への想いに胸を焦がすイイ人、扱いですけれど、実際はあんまり信用されてなかったみたいですし、森長可への対応の拙さや上杉に北条への内通がバレて粛清されてしまったり、という失敗続きの有様を見ると、腰が軽いわりにあんまり考えなしで粗忽な人だったのかなあ、と想像してしまいます。

しかし……今、第8回ですけれど、昌幸の親父さんが上杉を見限るのって、何回目でしたっけね!? 作中でもまだ数ヶ月間なのに、どれだけ勢力間をハシゴしまくっているのか。本気で回数わからなくなってきたんですけれど。これは、信幸がついていけないとか思うどころじゃないよなあ。
国衆が風見鶏なのは今に始まったことではないにも関わらず、昌幸が表裏比興の者と呼ばれて北条上杉徳川と秀吉も罵ってたんだっけか、これだけ周りの大勢力に嫌われまくった、というのは相当なんだなあ、とは思っていたけれど、本当に相当だったよ。

今回の名演MVPは間違いなく真田信尹。昌幸の弟、という知名度は無きに等しいポディションの人ながら、昌幸の外交謀略の要として活躍し、今回のある種の葛藤を胸に、しかし揺るがず兄の影としてその外道働きの中核を担い、手を汚して、可愛い甥に自分のようにはなるな、と言い聞かせるその凄絶な演技には惚れ惚れとしました。かっけえわぁ。
息子たちを利用することもまったく厭わない親父さんだけれど、この人が一番信頼しているのが弟なんだと思ってしまう。

これまで、無邪気に父のやりようを面白がり、兄の手足となって働く信尹にあこがれていた信繁だけれど、今回の謀略を目の当たりにして、さすがに父と叔父に恐れをなしたあたりに、信繁に親近感を抱いてしまうのは、作りての思惑通りなんだろうなあ。
ようやく、兄信幸のドン引き感を共有することが出来た信繁。ある意味、兄弟の心が一つにまとまる出来事でありました……えぇぇ。

でもさ、信繁ってこのあといずれ、上杉の人質に行くんですよ? ……どんな顔して行けって言うのか。

何気に今回印象的だったのが室賀さん。昌幸に敵意を漲らせているこの人ですけれど、織田の陣とか北条の陣で顔を合わせた時、憎まれ口を叩きながら何気に忠告めいた事を言い放ってみたり、殿を任された昌幸にざまあと言いつつ、生きて返ってこい、みたいな事を言ってみたりするところ、微妙にツンデレっぽい!!
外道の昌幸に比べると、微妙に人情味を感じてしまうんですよねえ。