室賀さんが、室賀さんがデレたーー!!
しかし、デレられるとむしろ困惑して引いてしまうのが昌幸クオリティー。

前回、あれだけ意気込んで、信濃を国衆の治める国にする、大勝負じゃあ!! と、意気込んでいたにも関わらず、

「諦めた!!」

あっさりと意見を翻す親父殿。実際問題、国衆の寄り合いというのは問題が多すぎる、というのは意思統一の難しさや国衆同士の領地争いなどから透けて見えてたわけですけれどね。上では昌幸と室賀殿が一致協力して国衆の取りまとめをやっている一方で、下では堀田作兵衛がまた血まみれになってたように郷民同士の諍いは収まるどころか激化していたようですし。

それでも「諦めた!!」の一言には笑ってしまった。すげえよ、親父殿。信幸の悲鳴がこだまするシーンの笑えること。

信繁は信繁で、春日信達の一件が尾を引いてついに親父殿に反発してしまう始末。反抗期である。
ありゃあ、上杉を裏切る春日の自業自得だぜー、と言われても、そそのかしたのは自分だから納得は出来んよなあ。
それでも、作兵衛や梅と話すことで、自分なりに折り合いをつけて、策とは味方が大勢死ぬのを避けるためのものだ、親父殿のやったこともひいては味方を守るためだったのだ、と軍略・謀略というものの真髄を見極めた気になって、テンションあがる信繁。

「策とは、味方の被害を減らすためのものなのだ!」
「……そんなの、当たり前じゃないの?」

ばっさり、キリちゃんに切られてましたけれど。いやうん、きりの言うとおりなのよね。なに今更言ってんの?と言われてもしかたのないくらい、当たり前のことなのです。
でも、信繁にとっては蒙を啓かれるような見地だったんですよね。単に策とは面白いものではなく、味方の被害を極力減らす、という目標を定めることで案が泉のごとく湧き出してくる。ここから、魚が水を得たようにイキイキと軍略と練り出す信繁。
でも、味方がなるべく死なないようにする、って言い方としてはとても平和主義的で善いことのように聞こえるけれど……嬉々として信繁が国衆連合の皆の前で提示した、北条軍の補給路封鎖作戦って、自分たちはなるべく戦わずに高みの見物を決め込み、北条と徳川は戦い合わせて泥沼の長期化に落とし込んで消耗させてやるぜー、という味方は死なせない、ただし敵はどんどん死ぬがよい! という悪辣な作戦なんですよねw

実際は沼田方面で北条軍とせめぎあってたり、徳川軍の支援のために駆けずり回ったり、と真田勢はかなり働いてたみたいなんですけれど。

しかし、これだけ策を練り、暗躍し、手練手管を尽くして状況を乗り越えようと、そしてのし上がろうと昌幸があがきまくったにも関わらず、徳川と北条が和睦する、というこの一手だけで一発で全部台無しにされてしまう。
結局、大大名の動向次第で国衆の一人に過ぎない真田の行く末は簡単に翻弄されてしまう、という悲哀が滲み出る。
徳川を利用するつもりの昌幸も、結局最初から徳川の方も真田を利用するだけのつもりだったわけなんですよね。家康のタヌキおやじっぷりの本領発揮である。
尤も、昌幸もここから沼田問題で家康とこじれに拗れるんだけれど、本格的に関係が破綻する前に徳川殿に従わぬものは真田が変わって討伐してやるぜー、と周辺の国衆に餓狼のように襲いかかって、ある程度周辺の支配体制を確立したうえで、沼田問題で怒って攻めてきた徳川への迎撃を行うわけだから、昌幸も本当に大概なのであるが。