ええーっ! これは知らんかった。徳川勢を二度に渡って撃退し、真田の名を世に知らしめることになった上田城。これを作る資金と資材を出したのって……徳川さんだったの!?
信濃を狙う上杉を迎撃するために、要衝海士淵に城を築きたいのだけど、真田にはそんな力ないので、是非お金と資材、提供してください。城築いたら頑張って信濃守るから、徳川様のために。と、強請られて上田城を作らせた徳川さん。が、出来た途端にできたてホヤホヤの上田城にこもって、徳川なんぞなんぼのもんじゃー! と言い出す真田昌幸。
そりゃ、ブチ切れるわ、怒って攻めるわ。ここまでものすげえ詐欺事件はちょっと知らんぞ(笑


徳川と北条のいきなりの和睦によって、信濃は徳川、上野は北条という分割協定が結ばれてしまった為に、事前の約束を反故にされて沼田城を引き渡せと迫られてしまった真田。
ここで、嫡男信幸を使者に立て、交渉を行っていた信尹と信繁の三人で改めて抗議と交渉に赴かせる昌幸パパ。
これ、最初からパパさんは徳川が此方の言い分なんか聞かない、というのは分かってたんでしょうね。だからこそ、最終決定権のある自分は行かないで、結論は持って返って、と時間稼ぎする気満々だったわけだ。
とはいえ、信幸兄ちゃんがかなり度胸を見せて頑張ったのもあって、沼田城と引き換えに上田城の建設の資金資材を出させること。オマケで木曽から徳川に渡っていた人質の婆ちゃんを取り戻せたり、と成果はあげてきたわけだから、信幸兄ちゃん頑張った。
いや実際、家康を怒鳴りつけるくらいの気合を見せたんだから大したもんだよ。ここで、将来の義理の父となる本多平八郎との対面ということでもあったわけですな。まさかの、ああいうの苦手発言w むしろ、堅物同士気が合うのかと思ってたんだがw

ちらっと、信尹叔父のことを家康が欲しいのう、と指くわえてたのは、これも徳川入りのフラグですか。

さり気なく、阿茶局が人質の管理など大事な仕事を任されていることなども、触れられてましたなあ。実質の正妻である彼女、政治的にも渉外担当として非常に優秀な働きをずっと続ける、ある意味もう一人の家康の腹心みたいなもんなので、彼女の出番はそれこそ大坂の陣まであるはず。

ここでおばあちゃん人質にいるんだから言うこと聞けー、というのではなく、まず返して恩を売ってみせるあたりは徳川の器の大きさでもあるんですよね。そりゃ、真田は全然いうこと聞いてくれませんけれど、体外的な体面や真田内部でも徳川に対する感情というものは、揺さぶられるものはあったわけで。

一方、沼田城の方は織田に頭をさげた時は我慢に我慢を重ねて城を引き渡した矢沢頼綱(昌幸の叔父さんにあたる)だけれど、今回ばかりは嫌じゃーー! と沼田城に篭って引き渡せと迫ってきた北条の使者を斬って、さらに斬って、トドメに斬って、と三回も斬って捨てたらしく、激怒して攻めてきた北条軍相手に大立ち回り。

そういえば、信繁の莫逆の友じゃないけれど、側近のようにいつも付き従っている矢沢三十郎頼康って傍目から見ると頼綱の孫みたく見えるんですけれど、あれって親子だったんですよねえ。三十郎はこの時、おおよそ二十代後半。矢沢翁がこの時すでに70超えてらっしゃるので……けっこう歳行ってからの嫡男だったんだなあ。

ちなみに、北条と徳川が和睦を結ぶ前の、信濃国衆による北条の兵站ルート封鎖作戦。この時、小諸城を取られて兵站線を塞がれた北条軍、上州の方から真田領に攻め入ってるんですよね。そこで、この時沼田城では既に一戦行われていて、その時も矢沢翁が頑張りまくって、北条を撃退してるのです。
一度、追っ払った相手にむざむざ城を明け渡してたまるかー、という気になるのもまあわかります。
この時、信幸兄ちゃんもかなり大暴れして手柄を立てまくってるんですよね。大坂の陣で名をあげる信繁ですけれど、実際の戦功を見るとお兄ちゃんのそれ、ちょっと尋常でない活躍をしてまして。紛れも無くお兄ちゃん名将なんだよなあ。


このあと、昌幸パパに丸投げされてハッスルした信繁が、上杉景勝を弁論と心意気を以って動かして見せるんですけれど、あれだけ上杉の南下の様相に北条が警戒しまくって一度態勢を立て直す運びになったのって、自分たちがあれだけ苦戦しまくってる真田を、小勢とは言え見事に壊乱させた、というところに死に体と思われた上杉、未だ侮れず、の感を抱いたんじゃないでしょうか。
矢沢翁や信幸兄ちゃんの実際の大暴れ、活躍あってこそ、ハッタリの効果と思えば、昌幸パパの絶賛もむべなるかな。

そして、いつの間にか堀田さんところの梅ちゃんに子供作っちゃってる源次郎くん……。お兄ちゃんにはまだ子供いないんじゃなかったっけか。
いずれにしても、できちゃった婚である。
前回、それらしい描写はあったんですけれど……小諸城攻めあたりからこの沼田問題のゴタゴタの発生や上田城築城など今回の話らへんまで、わりと作中でも時間経っている、ということになるんですよね。少なくとも、妊娠が発覚するくらいの期間は。
さり気なく、第1回から第9回までの期間より、第9回よりこの10回までの期間の方が長かったりするんじゃないかしら、もしかしてw
本能寺の変が6月で徳川北条の和睦による天正壬午の乱の終結が10月だから4ヶ月前後だし。初回の武田滅亡前後まで含めるともうちょっと長いか。
それにしても、これまで凄まじい密度で話が進んでたんだなあ、というのがわかる話である。

ついに、次回あたり室賀さんのラストかー。