秀吉、怖ぇぇ。マジこぇぇ。
一見、陽気で騒がしく人好きする派手好きなワガママ社長みたいに見えて、きりちゃんがどこにでも居そうって言ってる通りのおっちゃんに見えるんだけれど、明るい陽の部分が強く見えれば見えるほど、暗くて陰惨な陰の部分が所々で見え隠れするんですよね。
……この人、根本的なところで自分以外の人間を「人間扱い」してないんじゃないだろうか。それは、天下人としての傲慢さでもあるんだろうけれど、それだけではなく彼のそもそもの人間性に基づく性質のような気がする。
それは、上杉景勝様の扱いもそうなんだけれど、気に入ったといって連れ回す信繁に対してもそうなんですよね。陽気な雰囲気を放り捨ててしゃべる時の、小日向秀吉のあの平坦なしゃべり方と声音。あの冷たさだけでも怖いのに、茶々と遊んでいた時の茶々が色目を使っていた側仕えの若侍をじっと見つめる秀吉のあの表情。先週のきりちゃんを見る矢沢三十郎の凄まじい表情が可愛くなるくらい、ゾッとさせられるもので、秀吉という人物が持つ陰惨さを肌で感じ取ってしまった。
あれ、信繁も気づいてたんだろうなあ。

信州では、昌幸が信長横死によってひどい目にあった経験を引きずって、明らかにまずい判断をしつつあるのですが、昌幸パパの言う「秀吉は今が頂点で、あとは下り坂なんじゃないのか?」という考えは、権力としては大間違いであることは歴史が示す通りなのですが、図らずも「人間・秀吉」としては血族がみんな集まって笑い声を響かせている光景が、まさに幸せの頂点だったことを匂わせているんですよねえ。
これは、意図した演出なんだろうなあ。
この後、この掛け替えのない身内を自分の欲望のために踏みにじっていくわけだ。

さて、天下人秀吉というものをまざまざと見せつけられる一方で、信繁はのちに義父となる大谷刑部吉継と出会うことになるわけだが……また色っぽい艶のある大谷吉継だなあ!
これも、半沢で派手に対決した片岡愛之助さんが演じるのだが、何気に貫禄あるなあ。律儀そうで落ち着きがあり、誤解されやすい三成をフォローする気配り上手でもあり、と秀吉に百万の兵を率いさせてみたい、と言わしめた貫目みたいなものを感じさせてくれる。
しかし、吉継さま、そのフォローだと三成ただの嫌なやつですよ!? いや、ほんと仰るとおりなんでしょうけれど。三成からすると、権力を傘にきて威張ってるんじゃなくて、価値基準が「秀吉」至上主義でそれに徹しているだけなんでしょうけれど、傍から見ると秀吉に気に入られたから擦り寄ってきた、ようにしか見えんし聞こえんわなあ。

そして、我らが景勝さまはというと、越後の国を安堵された上で官位まで正式に授受され、懐柔されつつ真田には手出し無用、とキツく釘を差されて懊悩しながらも……あれ、茶室での一件で利休の見解とあとの景勝さまの態度を見るに、あそこで屈服したんだろうなあ。
人生で最も苦い茶であった、と遠い目で語る景勝様の哀愁に、思わず漏れるため息でありました。

にしても、本当に狭いな、茶室!! ちゃんと座れず中途半端な態勢で必死な信繁が可愛い、というか景勝さまもうちょっと横にズレてあげなよ!!
あれ、茶の湯の作法なんて全然知らない信繁、めっちゃ一生懸命目を皿のようにして秀吉や景勝の所作を覚えようとしてましたよねw 自分の番が回ってこずに追い出された時の「え!?」という声がけっこうマジ入ってて笑ってしまいましたw