戦国リーガル・ハイ! いや、自分リーガル・ハイの方は見てなかったのですけれど。

山西さん演じる板部岡江雪斎。北条家の外交僧として活躍したこの人が、今回また素晴らしい存在感で……、ってかあの弁論するときの袖を強調するような立ち姿、あれ反則だわ。なんかもうあの立ってる姿だけで、インパクトあったわー。

討論の方は、北条・真田とそれぞれに声高に主張を述べ、源次郎の率直な物言いは好感を得るものの、やはり論述に関しては板部岡江雪斎の方に部があり、狡猾に発言の隙を突かれて追いつめられてしまう源次郎。
残念ながら、役者が違うんですよねえ。いや、源次郎は勿論頭の回転の速い良く気の回る有能な青年なのですけれど、やっぱり謀を巡らしたり、言葉で相手を言いくるたり窮地に追い込むようなタイプの人間ではないんですよねえ。将足りえても政治家ではない。それを言うと、治部殿も政務は取れても政治が出来るタイプでもないんだよなあ。このあたりが、大名になれるかそうでないかの境目なのかもしれない。
もっとも、ほんの少し昔までは、この「政治」が出来なければ国衆だとて生き残れない修羅場が散在していたのが戦国乱世なのですが。

沼田をめぐって論を戦わせる源次郎と江雪斎ですけれど、必死に戦を回避しようとしているという観点に置いては、決して敵ではなくむしろ同志ですらあることが、あの休憩の一時での一瞬流れた和やかな雰囲気なんだろうなあ。
でも、全然手加減はしてくれない板部岡江雪斎w
しかし、窮地に陥った源次郎に手を差し伸べてくれたのが、まさかの本多正信。自分、こんなに綺麗な本多佐渡守、見たこと無いよー。前回の主君の、情にあふれた姿に感化されたのか「必死で戦こうておる若者を見たら手を差し伸べてやるのが 年寄り というもの」という佐渡のセリフには、もうなんか心がほんわかと。
ほんま、徳川家中は癒やしやでえ。

……だが少し待って欲しい。そもそも、これだけ問題こじれたのって、結局徳川の二枚舌外交がけっこうな原因なんですよねw
すごくいいコトした、的な後ろ姿で去っていった本多佐渡……やはりタヌキじゃw

何気にこの沼田裁定。途中で放り出して退席した秀吉に無茶振りされて、後を引き継がされた秀次。最初あたふたしていたものの、最終的に両者の言い分から北条方の矛盾点を付き、穏やかに窘めるように沙汰を言い渡していたのを見て、ちょっと感心してしまった。いや秀次さま、ちゃんと裁定役やれてるじゃないですか。伯父貴からの変なプレッシャーさえなければ、明晰な判断下せるじゃないですか。すごい優秀じゃないですか!
いや、本当は北条に華を持たせなきゃいけなかったシチュからすると、空気読め、な裁定なのかもしれないですけれどw
なにも出来ないボンボン、という本人も思い込んでいる姿とは裏腹に、この秀次様なら十分この大坂政権、次代まで引き継げたんじゃないかという期待と、だからこその余計な絶望を抱いてしまうお姿でした。

で、石田治部である。この人は本当に……。最初から北条に勝たせるつもりだったにもかかわらず、裁定には不正を持ち込まずにきちんと最後までやらせてしまうところに、この人の頑固なまでの誠実さが出てしまってるなあ。北条有利に持っていくことなんぞ、いくらでも出来ただろうに、最中はまったく口出ししなかったですし。
終わってから、わざわざ安房守昌幸のところまで赴いて、誠実に頭を下げて頼み込む。何気に親父殿、滝川一益さんのときのこと引きずってるんじゃなかろうか。真っ向から誠実に来られると、抗えないというか逆らえないというか、あれだけ反発していた沼田引き渡しの件を、名胡桃でごねたとはいえあれだけあっさりと頷くとは思わなかった。あれ、昌幸パパも治部殿には何かしら感じるところ、あったんだろうか。

しかし、それで収まらないのが沼田を預かるYAZAWA大叔父である。
あかん、YAZAWAのシーン全部面白いわw 

片桐さんの沼田城問題の解説、聞いてあげましょうよ。せっかく詳しく調べて資料化して万全に準備してたのに! 実際、本当に内容的にも面白そうだったんだよなあ。別に時間枠取って放送してくれないだろうか。大河ドラマで長野業正の名前を見ることになるとは思わなんだ。


と、一応の裁定が降りて、ここまですぐにあの名胡桃城問題が発生するとは。
この辺、実際はまた相当にややこしい問題であったようで、単純に現場の暴走ではなかったようなのですけれど……。
注目すべき点は、起こってしまった問題に対しての、それぞれの対応ですか。
即応して反撃に出ることなく、加勢するぞと乗り込んできた舅本多忠勝を一喝して追い返し(ここ、立派に真田家をまとめる風格が出ていて、お兄ちゃん貫禄出てきてたわー。舅殿がここで一気に信幸兄ちゃんを気に入ってしまったのも無理からん)、我慢してまず大坂の父に、ひいては秀吉に裁定を委ねる判断を下したお兄ちゃんに対して、どうして秀吉が、中央政府がこんな地方の領土問題に首を突っ込んでくるのか本気で理解できない北条氏政。この認識の違いが致命的なんですよねえ。
あの様子だと、決して氏政、秀吉を無視しているわけでもないのですけれど、中央の威光というものを結局、室町幕府は足利将軍からのお達しと同程度のもの、としか受け止めてなかったんじゃなかろうか。
ちょうどその頃、東北では伊達さんが同じように秀吉からの惣無事令をわかったわかったと頷きながら、蘆名ぶっ殺しにかかってますしw 一報を聞いた昌幸パパが、氏政と同じ反応をしているのが、戦国乱世の渦中を生きた人間と乱世が終わろうとして世界が変革していく最中に世に出てきた世代との、或いは実際に畿内で天下が収まる具体的な様子を目の当たりにしていた中央の人間と、それを知らない地方の人間との認識のギャップであり常識の食い違いなんだろうなあ。
あと、昌幸パパ、佐助に2日で信濃に帰れとか、さすがに無茶振りすぎ!! あんた、何も考えずに脊髄で物言ってるだろうww

名胡桃城取られたんで、自力で取り返します。迷惑かけんから、どうか兵を動かすのを許してください、と秀吉に目通りして頼み込んだものの、秀吉からすると問題は沼田云々じゃなく既に関東の沙汰をどうするか、にあるので、勝手するな、と昌幸に言い渡すわけで。
そういう大きな視点を持たない昌幸からすると、なんやねん、なんで取り返したらあかんねん、と不満が募るばかり。ここで、出浦さまがより過激な発言、聚楽第、攻め落とせるぜ、なんならやったるかい!? と煽ることで逆に昌幸パパを宥める流れにするのが、なんか見てて良い仲だなあ、と首肯してしまった。むしろ、いつも出浦様の方が無茶苦茶なこと言うのだけれど、そうやって昌幸のブレーキ役になってるんだなあ。

北条方では板部岡江雪斎が、大坂では治部殿と源次郎が、必死に戦になるのを止めようとするものの、既に秀吉の意思は固く、北条の頑なさは止めどなく、大戦への流れは止めようがなくなっていく。
この、非戦派の必死な足掻きにも関わらず、事態がどんどん悪化してい様に無常観があってたなんとも……。


今回の氏政さまの形相も相当にいきりたってて凄まじかったけれど、次回予告はまた壮絶極まるなあ。
そして、あの小説・映画「のぼうの城」の舞台となった忍城攻防戦もついに描かれるのかー。忍城の水攻め、治部殿発案説と、秀吉の命令説があるけれど、さてこの真田丸ではどちらになるか……って、まず後者っぽいよなあ、この治部殿と秀吉だと。