ロクでなし魔術講師と追想日誌 (ファンタジア文庫)

【ロクでなし魔術講師と追想日誌(メモリーレコード)】 羊太郎/三嶋くろね 富士見ファンタジア文庫

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アルザーノ帝国魔術学院には、生徒もあきれるほどの一人のロクでなし魔術講師がいた。男の名はグレン=レーダス。授業では、蛇で女生徒たちを怖がらせて遊ぶも、その蛇に頭を噛みつかれたり…。図書館で失踪した女生徒の救助へ向かうも、怪異に怯えて、破壊呪文で図書館を吹き飛ばそうとしたり…。授業参観で珍しく真面目に授業をしようとするも、すぐにボロが出てしまう…そんな、ロクでなしな学園の日々。グレンの師であり育ての親セリカ=アルフォネアとの衝撃の出会いが綴られる『ロクでなし』シリーズ初の短編集!
白猫はどうして好き好んでそんな地雷要素ばっかり一人で兼ね備えてるんだ?w
シリアスだとキリッとカッコいいところをよく見せてくれるグレン先生だけれど、緊張感の必要がない日常だとこの人はどうしても幼稚さが前面に出てしまうのねえ。子供かっ! というような言動が色々と多すぎる。これ、装っているのではなく、わりと本気で子供みたく騒いでいるのでどうしようもない。白猫がもうちょっとビシっと叱ってシメてくれたらいいんだけれど、基本白猫はグレンには舐められてるからなあ。思いっきり馬耳東風だし。
だいたい、セリカはもう仕方ないとしてもルミアの方も先生甘やかしすぎてるんですよねえ。ルミアがもうちょっとたしなめてくれたらこの男も多少は聞く耳持ちそうなものなのに、この娘ははいはい私はわかってますよぉ感を醸し出しまくってるのがなんとも「器用」なんですよねえ、ヒロインとして。

実のところ、グレンの子供っぽさというのは真面目に授業する場面にも出ていて、無謀編の夢中になって心身を削って実験の準備を整えてるところなんて、あれって自分の好きなこと、面白かったことを他に人に伝えたい、見せたい、教えてあげたいというと子供らしい率直な感情の発露みたいなところが強くて、大人として教師として、という側面とは少し違ってるんですよねえ。
この場合に関しては、それは良い方にバランスが取れていて、グレン自身、魔術の習得に関して一家言持ち、それを論理的に展開できる基盤となる非常に優秀な教育論を何気に自分なりに構築しているので、その夢中さが良い方に好転しているわけですが。

虚栄編だと、授業参観ということで結構取り繕って授業してるわけですけれど、そこまでしろとは言わないまでも普段から真面目にやってたら教師としてのポテンシャルは相当に高いんだよなあ、この人。
あと、セリカの親ばかっぷりが振り切れすぎてるw 授業参観のエピソードは色々見たけれど、ここまで大っぴらに親ばか全開してる参観者はさすがにそんなに居ないぞ。しかも、教師の親てw

そんなセリカさんの、グレンと出会う以前のやさぐれていた頃のお話。いや、マジでこの頃のセリカって精神的に擦り切れてグレて鬱って破滅的で、とどうしようもないじゃないか。なるほど、糞ニートと化していたグレンを何だかんだと許して甘やかしてたのって、自分のこの頃のやさぐれ方を思い出したらグレン程度の引きこもりなんて可愛いもんだわなあ。
しかし、想像以上にセリカの抱えていた過去が救いがないというか、寂しい人生送ってたのねえ。それで出会ったのが幼いグレン。そりゃあ、人生の生き甲斐としてこの子に全振りしてしまうわなあ。
最初のグレンにはおもいっきり騙されましたけれど。普通にこの子がそうだと思い込んでた。
それにしても、ここまで酷い親バカになってしまうとは。