ババ様、ババ様ッ!!

これまで、これほどまでにかっこ良い退場の仕方をした女性が大河ドラマで居ただろうか。
信長を筆頭に数々の人たちを殺戮してきたナレ死をもねじ伏せ、布団の中で眠るように逝くのではなく、孫二人を後ろに控えさせ、天守から真田の里を見下ろしながら満足そうな、不敵とすら呼べそうな微笑をたたえながらこの真田丸の舞台をあとにしたおとり様。本当に最期まで、戦国の女であり、真田の魂を最も示し続けた人であり、威風堂々格好良い女性でありました。
そして、これまで真田丸の登場人物はこの世から去る時に源次郎信繁の運命を決定づけるように、それぞれに呪いとも言うべき楔を打ち込んで逝ったけれど、ババ様だけは祝福を与えていってくれたと思うんですよね。
今後、真田源三郎信幸と真田源次郎信繁の道が分かたれることを暗示しながらも、その絆は失われることなく生き続けると、祝いでくれたのではないだろうか。


さて、話は戻って朝鮮出兵である。
嫡男鶴松を失って気落ちした風の秀吉、関白の座を秀次に明け渡して自分は太閤として隠居する、と言ってたのだけれど、それから程なくして、隠居する? そんなこと言ったか? とばかりに精力的に活動を再会するのである。
決して気狂いになったわけではなく、むしろその気質は冷徹に冴え渡っているようにすら見える。朝鮮出兵も、大気者と信長に言われたような稀有壮大な野望をたぎらせてのもの、というよりもむしろ国内勢力の掣肘のため、っぽい事を言ってるんですよね。
実際の所、朝鮮出兵で各大名が得るものは殆ど無く、異国の地を得ても仕方ないし、そもそも朝鮮半島は実りも少なく痩せこけた土地で慢性的に飢餓状態に陥っていたほどで、そんなもん貰ってもどうせいっちゅう話なんですよね。商売で儲けるにも種がないし。
現実として、この遠征でほとんどの大名が致命的な経済損失を受けて悲鳴をあげたのを、秀次が金をやり繰りして補填してあげてまわっていたという話もあり、その辺りの「金の話」が秀次切腹の原因となった、という話もあるようで。

関白になり、豊臣の後継者として自覚を得て精力的に動き回っている秀次。かつては身の程を知り、身の丈を上回る天下の後継者という立場に気後れしていた秀次だけれど、鶴松の死によって自分が豊臣を支えていかなければ、という責任感を負っての立派な振る舞いなんですよね。決して調子に乗っているわけでも、暴走しているわけでもない。実に真っ当な成長をしていたはずだったのに……。
家康や昌幸からは甘ちゃん呼ばわりされていたけれど、同時に愚鈍ではないと一定の評価を得ていた秀次。
その彼の転落は、あり得ないはずだった二度目の淀君の懐妊によってはじまってしまう。もし、秀次が愚鈍なただのお人好しだったら、ただただ新しい世継ぎの誕生を祝えたのでしょう。けれど、一定以上の聡明さを持ち、同時に秀吉という男の恐ろしさを知っている彼は、このままでは自分が粛清のターゲットになってしまうことに気づき、恐怖を抱くことになる。
自身の、嫡男の誕生すら喜べず、生まれてすぐに亡くなってしまった息子の死に、安堵してしまうほどに。
そんな自分を嫌悪し、泣き崩れる善良さを持ったまま。

悲劇は既に加速している。そんな悲劇の本流に片足突っ込んでるきりちゃん。まさかのこのままの巻き添え展開がないか、ちょっと期待してしまっているw
秀次が紹介した側室たち、無茶苦茶多いんだけれどこの人たちみんな……。
ちなみに、ここでちらっと紹介された息女が、源次郎の側室になるのよねえ。どういう縁だったんだろう。


瓜売の歌のフレーズが頭から離れないんだがw
文禄の役の膠着状態から沈殿している雰囲気を盛り上げるために、秀吉の発案で名護屋城にて大名たちによる仮装大会が開催!!
どうでもいいけれど、秀吉の前で猿回しやるとは片桐さん、何気に度胸あるなあw
文句を言いながら、えらいノリノリで瓜売の仮装で美声を轟かせる昌幸パパ。本当にノリノリじゃないか!! ところが、えらいことに直前で秀吉と演目が被ってしまうことが発覚して、ドタバタ劇に。
出浦さん、秀吉に痺れ薬を、とか本気で言い出してるんですけれど。怖いよ、危ないよ!!
演目が被っているだけでもやばいのに、どうやら秀吉と昌幸では昌幸パパの方が圧倒的に瓜売の売り文句の歌が上手いらしく、このままやると秀吉に圧倒的に恥を欠かすことに。
とにかく、昌幸パパの方が上手いんだよ、なんとか秀吉出演やめてくれないかねえ、という願いを込めて偶然を装って秀吉の前で昌幸パパの瓜売を演じてみせるのだけれど、秀吉にはまったく通じない。昌幸パパの方がめちゃくちゃ上手い、自分のほうが圧倒的に下手、ということに気づかない。

「殿下は自分を見失っておられます!!」

なんでこのセリフが朝鮮出兵に対してではなくて、瓜売の方で出るんだよ!!

結局、昌幸は出演を急病で断念する、という決断を下して、大会の賑やかな喧騒を遠くに聞きながら、自室でぼんやりと黄昏るのでありました……なんか、今までで一番切ない寂しい後ろ姿だったんですが。場合によっては武田滅亡とか秀吉の軍門に降った時とか沼田取られた時とか、家康の与力にサれた時よりも……悲しそうじゃないですか? 悲哀感がすごかったんですがw

ちなみに、この後ババ様の容体急変して急遽帰国し、意識もうろうとしているババ様の前であの絶賛された昌幸パパの瓜売が演じられた時は、そうか大名たちの前では演じられなかったけれど、家族の前で、ババ様の前で演じるために、あれだけ練習して瓜売を見事に修めたんだなあ、とちょっと感動してたら
「うるさい」
とババ様に一喝されて終わっちゃったし。
終わっちゃったし。
我が感動を返せww
しゅんとなっておとなしく座り直す昌幸パパ……(涙

しかし、上司と演目被ったから、メンツを潰してしまうと出演を自粛したり、別に行きたくもない飲み会にあっちこっちから強制参加させられてえらい目にあったり、なんかこう、身に詰まるものがありますなあ。
あと、真田丸飲み会多すぎww しかも、どの飲み会もあんまり盛り上がってる様子ないのが、なんともww
今回の、無理やりなキャバクラっぽいあれにはなんともはや。昌幸パパはまんざらでもなさそうでしたが。好きだなあ、この人。

結局、あの瓜売で優勝した秀吉。その様子を厳しく冷めた様子で見ていた源次郎。そして、散々秀吉をヨイショして、ふっと場から離れて心底バカバカしそうに息をつく家康。
何故か、本気で悔しがってる本多忠勝w
でも、これだけ太鼓持ちされて楽しそうだった秀吉だけれど、あとで冷めた様子で「士気などとうに下がっておるわ」とうそぶいているあたり、彼が現状を冴え冴えと認識していることが伺えるのである。決して浮かれても、煽てあげられて調子に乗っているわけでもない。むしろ、この仮装大会も自分が煽てられるためではなくて、本気で場を盛り上げるためにやっていたのか。いずれにしても彼自身、本当に楽しんでいたのか怪しいくらいで。

来週は、参院選のために時間繰り上げ。ってか、私はBSの方で6時から見てるんだけれど、BSの方はいつもどおりなんだろうか。