ログ・ホライズン 外伝 櫛八玉、がんばる!

【ログ・ホライズン 外伝 櫛八玉、がんばる!】 山本ヤマネ/平沢下戸 エンターブレイン

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B☆W

シリーズ初の外伝! クラスティの元部下・ “突貫巫女"櫛八玉 が主役!

ゲーム世界に閉じ込められた<大災害>直後、アキバから少し離れたテンプルサイドの街も荒れていた。
そこには、ゲームを引退しそこなったレベル90の“突貫巫女"の櫛八玉 をはじめ、櫛八玉の親友で"困ったちゃん"なヤエザクラとその彼氏のユウタ、ヤンキーのダルタスなど個性的なプレイヤーの面々が。
櫛八玉以外は、中級レベル以下の「初心者集団」一行が
アキバをめざし奮闘する手探りの大冒険! !
D.D.Dの三羽烏という呼称がいつでのかは覚えてないのだけれど、高山三佐とリーゼにもう一人。このもう一人はてっきり大災害時にログインしていなかったと思い込んでいたんだけれど、実はちゃんと巻き込まれてたのかー。
というわけで、三羽烏の三人目【突貫巫女】或いは【黒剣もドン引き】の異名で知られる櫛八玉が主人公の二次創作【辺境の街にて】が公式スピンオフとして書籍化されたのが、本作【櫛八玉、がんばる!】となるわけです。
【黒剣もドン引き】って、物凄いアダ名だなあw アイザックさんもドン引きだぜぇ。
本作まだ読んでなかったのでアニメで櫛さんちゃんと出てたの知らなかったんですよね。本編の方にも登場してるのか。
D.D.D.のクラスティというと、出来る鬼畜眼鏡という控えめに言っても鬼畜、というアレな人なんですが。いや、基本常識枠なんですけど、人を見て対応を変えるところがあるというか、時々全部わかった上で無茶苦茶やらかす、みたいな感じな人で、いやぶっちゃけこの人をサポートするのってめっちゃ大変じゃね? というタイプなんですよね。その点、副官的立ち位置だった高山三佐は見事にその役割をこなせる優秀さの持ち主なんだけれど、彼女堅物じゃないんだけれどカッチリした人ではあるので、クラスティが遊べるタイプじゃないんですよね。一方でもう一人の三羽烏の一人であるリーゼは、中の人が女子高生ということもあってか、有能ではあっても芯が強いタイプじゃないので、クラスティの相手を本当の意味で出来るほど余裕があるわけでもなく、クラスティもだいぶ手加減して相手してたっぽいんですよね。
なので、考えてみると櫛さんの、あのわりと緩くて楽天的で大雑把なわりにマメにあれこれ気がつく性格って、クラスティみたいなタイプにとっても、高山三佐みたいなタイプにとっても、リーゼみたいなタイプにとっても、遊べたり弱音吐けたり色々とふんわり受け止めてまるっと収めてくれるタイプなので、なるほどD.D.Dという大ギルドにとっても重要な人物だったんだなあ、というのが考察出来るわけである。
三佐さんがそりゃもう引退しようという櫛さんをなりふり構わず引き止めまくってましたけれど、あれ多分クラスティも何だかんだで逃さなかったんじゃないかなあ、この壊れない玩具ww
ままれさんじゃない違う人が書いているとは言え、高山三佐のあの普段とは違う後輩としてちょっと甘えた感じで無茶言うキャラは、なかなか新鮮で面白かったですねえ。三佐さんって、立場や性格上ほとんど甘える相手を持たない人なだけに、なるほど先輩に対してはああいう態度なんだ、と。

大災害直後の、アキバやシブヤとは離れた場所の様子というのも結構新鮮で、テンプルサイドの街というのは現実世界でいうところの吉祥寺近辺らしいのだけれど、このやや離れた土地で現出してしまった冒険者たち、数的には決して多くはなく、冒険者ばかりだったアキバなどとは違って、文字通り大知人たちが多く住まう街の中に現れてしまった少数の冒険者たち、というシチュエーションからの混乱の立て直しだったので、これが新たな見地で面白かったですねえ。ギルドも経験年数も違う雑多な集まりをカリスマとは違うんだけれど、なんというか人徳みたいなものでまるっと包み込んで、ファミリーみたいな集まりにしてしまった流れは実に心地よいものでした。
本当に初心者同然の子たちも少なくない中で、一致団結して手探りでこの世界の事を調べ、テンプルサイドの大知人たちと一緒に、この世界で生きていく方法を確立していく。タイトルからして頑張る! という言葉が入ってますけれど、賑やかに笑いながら一生懸命頑張れる、頑張ることが楽しい、という環境を期せずして作ってみせた櫛さん、何というか慕われやすい人なんだなあ。
笑顔の絶えないアットホームな環境です♪ というと、非常にアレなんだが、裏の意味のない文字通りなんですよ、うんうん。
一方で、怒ると実にヤバゲに怖かったり、本来後衛職にも関わらず、防御と攻撃あげまくって前衛こなす突貫巫女なんて異名を持っているあたり、大規模戦闘をメインにこなすバリバリの戦闘ギルドの大幹部であったのは伊達ではなく、人徳だけではなく貫禄もちゃんとあり、他の大手ギルドのマスターたちからも一目置かれているあたり、まあわりとシロエなんかと同じ類の人間なのかもしれません。
他のメンバーもまあ個性的でありまして、参謀なのか曲者なのかわからない親友のヤエはもとより、何気に食わせ者っぽいユウタや、若い連中もダルタスはじめ面白い子たちがそろっていて、ってかあの右左の双子は名前からして区別つかんww
この子たちが頑張ってる姿は、ちょうどアキバが混乱が長引いて殺伐としている時期、というのもあって、なんとも和むものでした。ある意味、テンプルサイドの街はアキバをリードしていたとも言えるんだよなあ。

ウェブ版の方も第二章がまだ途中まででジリジリとしか進んでおらず、第二巻が出るのはだいぶ先のようですけれど、これはじっくりとお付き合いしたいスピンオフ作品でありました。
てか、本編も積んでる分消化しないとなあ。

ログ・ホライズンシリーズ感想