「俺はお前と呑みたいんだよぉ!!」
「俺はお前と飲みたくないんだぁ!!」

なんだこれ。

もう加藤清正が本当は治部殿と打ち解けて、仲良くして、協力していきたいというのが伝わってきて、というかこれもうはっきり言ってるよね。それを台無しにしてしまう治部殿の人と接するセンスの無さが、もうもう……ダメだぁ!
家康の真似して宴を催そうという時点であれなのに、折角呼んで来てもらった相手への饗応もせずに、仕事があるからと引っ込んでしまうその性格。いや、それが悪いというわけじゃないんだけれど、そういう性格の人が人の上に立ったり、他勢力と親交を深めたり、というポディションにつくこと自体がもうマッチングの不備なわけで、石田治部という人の有能さと全く噛み合ってないんですよね。彼の才能を活かす立場としては、まったく不的確なのである。それがもう痛ましいやらもどかしいやら。
石田治部だけじゃなくて、朝鮮から戻ってきた諸将を歓待する宴で治部殿がこっそり引っ込もうとしたのを、わざわざ皆に石田様がお帰りになりますっ、と大声で知らしめてしまう長束正家もまた空気全然読めてないという、奉行衆自体がその手のセンスを持ってない内向きの官僚タイプであることがわかっちゃうんですよね。
この点、同じ吏僚型でありながら本多佐渡守正信が外向きの能力も持ちあわせているのと大違い。でも、息子の正純はどうなんだろうね。そこのところは興味ある。

戦は嫌いじゃあ、もうたくさんじゃあ。と本心から吐露した家康だけれど……だからこそ、戦をなるべく避けるためにはなんだってやるよ? というあのクレバーさはやはり凄い。亡くなった秀吉に心から哀悼を示し、両手を合わせて拝む家康。何気にそうやって秀吉の冥福を祈ってるのって、家康を除けばお寧さまくらいなんですよね、今回見てると。あとは帰ってきたときの清正か。それだけ家康が情深い人であることを示しながら、同時に嫡男秀忠を渦中に巻き込むまいとして江戸に返す強かさを見せ、そして秀吉が死んだと同時に自分の権力基盤を確かなものにしていく婚姻政策を推し進めていく強引さ、そして遺言に逆らうそうした動きを平然と正当化し有耶無耶にする面の皮の厚さを押し出してくる、この徳川内府家康という戦国大名の重厚な凄まじさたるや、言葉も無い。一方で、前回刺客騒ぎで有耶無耶になってた信幸兄ちゃんの側室の子供の件、ちゃんと本多忠勝に穏便な形で伝えてるんですよね。しかもあれ、忠勝が怒っておらずむしろ兄ちゃんが以前の正室を蔑ろにせず大事にしていたことを、情の厚い良い男だ、と忠勝が思うように言いくるめているっぽいのを思うと、無造作に真田兄弟の間に亀裂入れまくってたり、無神経さを露わにしていた秀吉に比べても決めの細やかな、相手の心に気を配った仲裁を行ってるんですよね、家康公。なんだかんだと、この人に頼ると期待以上の形で帰ってくる。味方にしていてこれほど頼りになる人はいないですよ。
もし信長が本能寺で倒れなくて織田政権が続いても、家康は政権内で重用されたんじゃないかなあ、とも思うのです。

それにしても、家康以外の五大老の不甲斐なさ。自分に任せておけ、と言いながらハッキリと面と向かって文句も言えない上杉景勝さまの、情けないこと情けないこと。あの源次郎の冷たい目は、今までの御屋形さまを見る目の中で一番冷ややかだったようなきがするんですが。
正直もう、石田治部だけではなく他の誰も家康に対抗できなくて、応酬どころじゃないんですよねえ。家康糾弾の場が、一転して石田治部を貶める場になってしまう。あそこで、石田治部が前に出てしまうのは他の連中の体たらくを見るにこりゃ我慢できんところだったんだろうけれど、あそこで黙ってても結局家康の独壇場になってしまうわけで……もうどう見ても詰んでる。詰んでるよ、治部殿。
それにしても、宇喜多さんも熱血でギャーギャー大声でがなるわりに、肝心な時はだんまりとは役に立たないなあ。

真田家の方はというと、出浦さん辛うじて生きていたようで、良かった良かった。でも、現場のニンジャ働きはもう出来なさそう。それ以上に気心の知れた相手がいなくなって、真田昌幸パッパがもう寂しそうで寂しそうで。国に帰りたい、とつぶやくところなど哀愁がただよいすぎている。ちなみに、薫さまももう京だ上方だは飽きたのか、信州に戻りたい、と言っちゃってますねえ。薫さまにとっても、帰るべき場所は信濃になってたのか。


しかし、今回初登場の細川忠興……見るからにヤバゲな感じの人なんですけれど。病んでません!? この人なら、自分の刀に「三十六歌仙」とか名づけて薄ら笑いしてても不思議なさそう。忠興役の矢柴俊博ってドラマでもよく見るし、ここまでキモい印象なかったんだけれど、すっげえ役作りしてきたのか。
それからもっと度肝抜かれたのが、長宗我部盛親ですよ。残ってる長宗我部盛親の肖像とくりそつなんですが!! 笑った。

さり気なく、宇喜多家家老として明石全登も登場してますし、大坂夏の陣の諸将が徐々に出揃いはじめてますなあ。まだ関が原もまだなのに。