ガーリー・エアフォース (5) (電撃文庫)

【ガーリー・エアフォース 5】 夏海公司/遠坂あさぎ 電撃文庫

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ついにフランス機が登場!空母シャルル・ド・ゴールが護衛艦隊とともに南シナ海上で消失。その積み荷とは、オニキスブラックに輝くドーター・ラファールだった!慧とグリペンに課せられたのは、空母からのラファール回収。フランス軍所属、黒髪パンツスーツのブーランジェ中尉とともに、ザイの大軍をかき分けて空母にたどり着くと、そこに待ち受けていたのは一人の幼女で―。可愛いチビファントムがいっぱいの新システムも発動&イーグルが慧の自宅に襲来して明華と一触即発事件も発生な、戦闘機×美少女ストーリー第5弾!
これ、本格的にSFになってきたなあ。いやシャルル・ド・ゴールの艦長、あの瀬戸際で貴重な情報となる言葉を残してくれるのはいいのだけれど、あそこまで詩的な文章になってしまったのは彼の言葉のセンスが良すぎたのか。あれって、単体ではさっぱり意味わからないよね。
しかし、無人となったシャルル・ド・ゴールの内部の異常を解析していき、かの艦が囚われている異常の正体が明らかになるに連れて、艦長の残した言葉の意味が深刻さを得ていく。
ザイの正体、少なくとも彼らがどこから来たのか、という大いなる謎に一つの有力な説が実証を伴って出てきた、というのは非常に大きいんじゃないだろうか。一方で、だからといってこれ……どうすりゃいいの? という話なんですよね。こうなると、出処がザイと同じであるアニマが単なる戦闘単位ではなく、コンタクト手段として重要となってくると思うんだけれど……。
八代通さん、恐ろしく冷徹に状況を判断しているな。最後のレポートの内容なんか、徹底して感情を排して結論を述べている。一番の後ろ盾の人がこれだけ冷徹にアニマという存在に対してスタンスを整えてしまっているというのは、やはり背筋に氷を突っ込まれたような寒気を感じてしまう。今までは厳しい現実的な事をいう人では在っても、保護者的な振る舞いを見せていた人だけに。信用出来ない、というわけじゃないのだけれど、いざというときに全く躊躇わないだろう、と確信させられる内容のレポートだっただけに、ねえ。
そもそもなあ。ロシアやアメリカも相当だったけれど、EUですらもあのアニマの扱いだというのを見てしまうと、果たして人類はアニマをザイとのコミュニケーションツールとして扱えるのか、と疑問に思えてくる。ザイのコアから培養されたとはいえ、あれだけ人そのものの生体を持っているアニマを、フランスでも大量培養して使い捨てみたいにしてた、と知ってしまうとねえ。
イーグルだって、あれサラッと爆弾発言していますし。イーグルが家に押しかけてきて、明華と修羅場に、という怒涛の展開に目を奪われてしまいますけれど、むしろあそこで重要だったのってイーグルがポロッとこぼしたあの発言、彼女の実状だったんじゃないでしょうか。やっぱり一番危なっかしいポディションに居るのイーグルだよなあ。
逆にその腹黒さ故に余程のことがない限りしたたかに立ちまわるだろうファントムは安心感が在る。相方はあくまでグリペンなのだけれど、色々相談したり一緒に方向性を考えたりしてくれる相棒格ってどうしてもファントムなんですよねえ。今回のシャルル・ド・ゴール探索でだって、ファントムが実質サポートついてましたし。
というか、なんですかあの分裂ファントムシリーズww スライスって自分のこと分割してしまうのも驚きましたけれど、それぞれ個々にキャラクターが違っているのってあれ全部元のファントムのキャラクターなんですよね。中にはかなり面白いのも結構混じってたんですが。ノリノリだったりテンションやばかったり。チビファントム可愛すぎでしょう。しかも、あのラストのあざとさ。何気にファントム、ジリジリと押してくるなあ。
まあ今度加わる新たなアニマは、今までファントム以外に居なかった大人タイプなのでそろそろファントムも好き勝手できなくなるかもしれませんが……あんまりあの人も真面目であっても、腹黒抑えられるようなクレバーなタイプじゃないから無理かしら。

アニマの方はいいとして、そろそろいい加減に明華の方なんとかしてあげてください。ちょっと扱いが雑すぎて可哀想すぎるんですけれど。グリペンが好きなら好きでもうちょっと清算はしておいてほしいなあ。

シリーズ感想