エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 (4) (MF文庫J)

【エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 4】 東龍乃助/みことあけみ MF文庫J

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ロボットアニメの世界から召喚されたアニメキャラクター・エイルン=バザット。エイルンが現れて以後、複数の規格外十番の戦線復帰&本領発揮により、氷室義塾は対マリス戦に連戦連勝。全盛期並の大戦果を記録していた。その事実に元機兵部三番隊隊長・七扇大和は驚愕。「氷室義塾は、必ず俺が潰す」初代機兵部隊長の神無木緑、そして多くの仲間を喪い、過去の怨嗟に囚われたことで氷室義塾転覆を狙っていた大和はエイルンの調査を開始する。一方、エイルンは虐げられたヘキサに対する世界の在り方を変えるため、生存する全ての規格外十番を集め、壮大な計画を立ち上げる!爆発する爽快感!とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第四弾!
大和くん、本格的に登場するなりいきなりキャラ立てて来たなあ。いや、実際可愛いんですよね。復讐に燃えながらもついつい世話好きな面を発揮して困ってるエイルンたちを助けてしまうところとか、雑用押し付けられて文句いいながら全部ちゃんとやってしまうところとか。
エイルン、当初は周り全体から敵愾心混じりに見られていたのが言動と実績で認められ、文字通り英雄として皆から熱狂的に支持されるようになった今だからこそ、冷めた目で見てくる大和くんみたいなキャラは貴重なんですよね。と、言ってる端から結構感化されていますけれど、彼みたいにひねくれた視点にしがみついてくれているキャラというのは、むしろだからこそエイルンみたいな愚直で熱血なキャラクターとは相性良い気がするんですよね。対等の意識を持って傍らからサポートし、縁の下から支え、馬鹿なことや突拍子もない発言をしたらちゃんとそりゃおかしいだろ、とツッコんでくれる相手というのは、信奉者が増えてしまった現状からすると、貴重な相棒枠になってくるんですよね。それに大和くん、結構な裏工作や詐術なども使えるわけで、色々と謀略戦も熟すとはいえできれば真正面から突撃したい熱血戦士タイプのエイルンですから、大和くんみたいなのは一番欲しかった人材なのよねえ。
いや、九重さんとかサポートメンバーは充実しているんですけれど、あの人らちょっと度を越した変態混じりの狂信者みたいになってるからなあ(苦笑
いざというとき、間違っていたとしても否と言わずに嬉々とイエスを連呼しかねないので、微妙に信用できなくなってきている。いや、まあ情念と理性はちゃんと別枠で起動できる逸材たちだとは信じたいし、ダメなものはエイルンの言うことでもダメ、とちゃんと言ってくれる、と思ってるけどね、思いたいんだけどね。九重ちゃん、特になんかあっち方面に振り切っちゃったからなあ。漏れてる心の声が危なすぎるというか、そろそろ逮捕されかねないんですがw
復帰戦を飾った日向さんも月下さんも、相当にアレな人ばかりでしたし、10ナンバーって人格者のたぐいは居ないんですね、わかってます。天才と何とは紙一重、の紙一重あちらがわばかりじゃないか、これ。

しかし、これだけ結構な女性陣、ヒロインの人数が出ているにも関わらず、エイルンのメインヒロインってそうか、ツルギ博士ただ一人で完結してしまっているのか。今のところ、これって入る余地全然ないんじゃなかろうか。そして、ツルギ博士の娘であるエルフィーナが完全にツルギ博士のヒロイン枠を引き継いでるんですよね。エイルンが正義や倫理や立場や良心なんかを抜きにして、極々個人的な理由で自分の生き死にを費やして消費してしまえるのって、今となってはエルフィーナに関してだけ、とも言えるんですよね。これだけ氷室義塾の面々に希望を持たせ、未来を想像させ、絶望から這い上がる道を示して、導こうとしていながら、それを放ったらかしてでもそのモノのためなら死んでも構わない、とまで思いきれる相手が、ツルギ博士の忘れ形見であるエルフィーナなわけですよ。これもうメインヒロインじゃないですか。
けっこう、こっちの世界で出会った女性陣に警戒アラート鳴らしているエルフィーナですけれど、ここまで一途んエイルン見せられると、余計な心配だわなあ、と思ってしまいます。

さて、これで氷室義塾の意思統一はほぼなされ、戦力も全盛期を超える形で復活。そして、漠然と戦うだけだったヘキサたちに、輝く未来を提示して自分たちの戦う理由を与えることになったわけだけれど、虐げられてきた新たな人類種が自分たちだけの国を創ろうと立ち上がる、という展開って何気に不穏な気がするんだけれど大丈夫なんだろうか。

シリーズ感想