聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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二年生の夏。雷帝の跡を継ぎ、ロシアの代表となったカティアの計らいで黒海での遠征合宿に向かった諸葉たち。しかし一時の憩いを破るようにエドワードから不穏な報せが。
「ロシア支部幹部九名が謎の失踪を遂げている。カティア女史にはくれぐれも油断しないようにね?」
六翼会議とカティアを結ぶ裏切りの線をほのめかし、エドワードは諸葉に密偵任務を与えるのだが―猶予はわずか三日間、果たして諸葉は最凶最悪の陰謀を暴けるのか!?振るえ、聖剣魔剣の絶なる連技!切ない想いが奏でる魔の唄を打ち砕け!信じた友のために清濁あわせて再びのロシアを往く、超王道学園ソード&ソーサリィ第16弾!!
そうだよなあ、世界各国の支部の中でも雷帝の恐怖政治によって統治していたロシア。諸葉に敗れたとはいえ、雷帝ヴァシリーサが健在だった頃はカティアも彼女の権威に乗っかって自由にあれこれ出来たかもしれないけれど、彼女がいなくなってしまったらそりゃ雷帝に抑えつけられていたものが好き勝手しだしますわなあ。元々力と恐怖によってねじ伏せ蓋をしていたものに、カティアがどれだけ対抗できるか。
彼女が最悪を逃れるために最低の選択を選んでしまったのも、悪魔の囁きにうなずいてしまったのも無理からぬところがある。というか、否と言えない状況まで追い込んでどうやっても提案に乗らないといけないところで、甘言を弄するあたり、六翼会議のやり方は実に巧妙で悪魔的なんだよなあ。そもそもの原因であるヴァシリーサを殺ったの、あんたらだってのに。

しかし、ここでしっかりとカティアの裏切りの情報を掴んでしまうのが、さすがは諜報のお家元である大英帝国のエドワード卿である。確かに六翼会議に一手も二手も先手を取られてしまっているものの、未だに本当に致命的なまでに状況が瓦解していないのは、これエドワードの功績だよなあ。彼がガッチリと根本を抑え、火消しに諸葉が駆けまわることで最悪は打開しつつなんとか次へ次へとつなげることができている。救済措置についても諸葉の打診から鐘を突くように対応してみせてくれてるし、エドワードの頼もしさは本当に助かる。
確かに切り崩しはウケてしまっている一方で、日本支部、というか諸葉たちの学園単体で見ると確実に戦力は向上してるんですよねえ。今回、これまでで一番えげつない敵だった人型魔神の大群に対して、諸葉単体での無双ではなく、ちゃんと次世代に世代が変わった実戦部隊で対抗できていたわけですから。特に、校長となった石動先輩抜きでこれだけ戦えたら大したものでしょう。新戦力の田中くんも然ることながら、特にめぼしい飛躍を見せていたのが春鹿で、Aランク昇進もこれなら文句なしですわ。間違いなく今回の戦いのMVPは彼女。ある意味、彼女が駆けまわることで戦線を維持していたようなものですしね。
ついに対異端者戦にデビューとなったエレーナも、これは一撃必殺要員として重要な役割を担えそうですし、先輩がごっそりと抜けてどうなるかと思った実戦部隊も、様々なポディションで優秀なメンバーが出てきて陣容固まってきたなあ。

ラスト、丈弦先輩がまたぞろえらい危ないところまで足踏み入れちゃってるんですけれど、死亡フラグじゃないですよね!?

シリーズ感想