どうでもいい 世界なんて: ークオリディア・コードー (ガガガ文庫 わ 3-20)

【どうでもいい 世界なんて クオリディア・コード】 渡航/saitom ガガガ文庫

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アニメ「クオリディア・コード」千葉編!

渡 航×さがら聡×橘公司が企画するアニメプロジェクト「クオリディア・コード」の書きおろし千葉編のエピソードがここに!異能力と策略、そして陰謀渦巻くこの世界を救うのは……!?アニメ前日譚となる物語!
なんでいきなり、ブラック職場、営業残酷あるある物語になってるのこれ!?
戦闘科から落ちこぼれて生産科へと出向となってしまった千種霞。朝令暮改で力の弱い部下をイビってくる先輩にコンプライアンスなにそれ美味しいの?という上司に囲まれ、出先の営業周りではゴミ扱いという理不尽な日々を、ローテンションながらフラフラと泳いでいく毎日。
異能力と策略、そして陰謀渦巻くこの世界を救うのは……!?というあらすじなんですけれど、異能力とか陰謀とか世界とかより先に、職場環境をなんとかしようぜ本当に。
と、思ってたら極々少数の戦闘科が特権を振りかざし、他の科は働いても働いても報われない現況のシステムに対して、生産科のトップである釣瓶朝顔が戦闘科のトップが単独出馬することが慣例となっている首席選挙に打って出る工作に、生産科出向の霞もドカンと関わることに。
理想は理想で素晴らしいし、霞も立場上出来る限りは協力する、というか仕事として携わるのですが、やっぱり仕事以上の熱量はそこにはないんですよね。きっちりとした線引がされてしまっている。
どんなブラックな仕事環境でも淡々とやるべきことはこなしているあたり、ある意味タチが悪いんですけれど。ブラックな環境に対して愚痴はこぼしていても、それから逃れようとか改善してほしいという積極性が欠片もなく、これまた淡々と現状を受け入れている。
「どうでもいい、世界なんて」
というのは、まさに霞の心境をそのまま物語ったものなのでしょう。
そんな霞にとって何が重要なのかというと……うむむ、あんまりベタベタしてないしテンションもあがらないしそれ以外眼中にないというほど一心不乱ではないのだけれど、妹の明日葉以外のナニモノもないんだよなあ、これ。
冷めた言動のわりに、言ってることやってることは全部妹ラブですし。なにこのローテンションシスコン兄ちゃん。そんでもって、妹の方も妹の方で外では恥ずかしいからと兄に対してそっけない態度を取る明日葉ですけれど、家では兄と同じくテンション低いまま兄の側でひたすらゴロゴロゴロゴロ。風呂上がりなど、下着姿で兄の前をウロウロとして、離れない。実は住む場所違っているにも関わらず、兄の部屋に入り浸ってるとか。
いやなんでそんなローテンションで激兄ラブなのこの娘!? すっごいブラコンだよね!!
兄に対する言葉はなかなか厳しい内容のものが多いんだけれど、ぼんくらな兄をめっちゃ心配しているのがまるわかりですし、将来に渡って兄を養う気満々ですし、実は兄を細くて長くて縛るのに役立つアレにする気満々なんじゃないだろうか、この妹。
このやる気が一切欠けている兄妹が、アニメ放送の段階では首席と次席に収まっているのだから、一体何がどうなったのか、千葉。その詳細が明らかとなるのは下巻となるんだろうけれど、展開があんまり想像できない。

それはそれとして、他の東京や神奈川と違って一番地域色が出ていたのが千葉編だったんではないでしょうか。
戦闘科がヤンキーばっかり、というあたりとか! 
あと、例のコーヒーみたいな練乳が千葉では最優先で生産されてたりとか! どんだけマックスよ。

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