機甲狩竜のファンタジア (ファンタジア文庫)

【機甲狩竜のファンタジア】 内田弘樹/比村奇石 富士見ファンタジア文庫

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人類の敵『竜』を討つ『狩竜師』になるため、狩竜師養成学校・アーネンエルベに入学した少年・トウヤ。しかし、彼が目指すのは剣や魔法で戦う“普通の”狩竜師ではなく、旧文明の遺物『戦車』を扱う伝説上の存在『機甲狩竜師』だった。編入先の最下級クラスで仲間を探すトウヤだったが、戦車の力を疑う元エリート女騎士・シェルツェと口論の末に―「決闘をしろということか?私と、この男の操る戦車で」女騎士VS戦車―異色の対決が始まろうとしていた。V号戦車パンターを駆る少年少女が戦術を尽くし、絆を紡いで竜に挑む機甲幻想戦記、ここに堂々開幕!
たわわ、たわわ。ヒロイン衆がみんなたわわすぎるんですけれど、これだけたわわだと幾らパンターでも車内の空間密度が厳しいんじゃないかと心配になってしまう。ただし、クッションは十分だ。
戦車で竜やモンスターを狩る、という発想は面白いんだけれど現状だとやっぱり色物の類いなんだよなあ。
戦車の本体だけ残っていて、戦い方が失伝してしまっていて「戦車砲」の砲という概念すらなかった段階から、となるとまず戦車の戦い方を発見するところから、その戦車でどうやって「竜」と戦うかの戦術論を彼ら自身が手探りで構築していかなければならないわけで、今の段階だと他の徒歩の狩竜師との共同とか不可能だしなあ。少なくとも戦車の戦い方が周知されないと、危なくて一緒に戦えないし。実際、かなり危ない場面があったわけで、あれは怒られる。
戦車の故障とその修理や、砲弾の補充に関してもかなり大雑把なんですよね。ドワーフならなんとかしてくれる、ってそれでいいんだろうか。戦車というと、移動故障修理のサイクルで回ってる印象があるので、自走で街から街まで移動しているのを見るとハラハラドキドキしてしまって(苦笑
いっそ、固定化魔法とかの力で外的な要因で破壊される以外は部品とか損耗故障しない、というのなら安心して見ていられたんだけれど、普通に故障してたもんなあ。ドワーフさんが直してくれるって、やっぱり大雑把すぎるよw
とにかく、戦車が実戦稼働できる環境が全く整ってなくて、パンター一台だけがポツンとオーパーツ的に存在しているのって、なんとも居心地が悪い。パンターと主人公たちは実際、強大な竜と互角以上に戦える強力な戦力として機能するのですけれど、表現するのが難しいんですけれどここでのパンターってオンリーワンの「伝説の武器」であって、6000両近く生産された量産兵器じゃないんですよねえ。それがどうした、と言われればそれまでなんだけれど、パンターはパンターとして、ただただ戦車は戦車として扱ってくれた方が見ていても楽しかった気がするなあ、と思ったわけで。自分の思い描いていた、ファンタジーの世界で戦車が大暴れ、というイメージと微妙に齟齬があった感があったんですなあ。
ちゃんと、パンター戦車大暴れしてるんですけどね、巨大な竜相手にガチンコの殴り合いをやっててビジュアル的にはかなりドハデで燃える展開でちゃんと盛り上がってるので、これはこれでアリなのですけれど。
でもそうだなあ、あの古代にあったという、戦闘妖精ミハエル・ヴィットマンとか、旧時代の召喚された戦車と戦車乗りたちの戦いの方がファンタジー世界における戦車無双をじっくり堪能できたんじゃなかろうか、と指を咥えてしまいました。
ただ、シェルツェの自称ライバルのお嬢様に、何となく別の戦車ゲットフラグが立ってたようなので、このまま戦車の数が増えてきたら、期待しているような戦車の連携による機甲戦も見れないだろうか。


それにしても、パンターの砲塔ぶん回して生身の女騎士をぶん殴るって、出来るんかい!? と思ったんだけれど、パンターって種類によっては一周15秒から30秒でぶん回せると知って度肝を抜かれたり。いや予想以上に早くね!? いやでも、そのくらいなら普通に見て避けれる気もするけれど。

内田弘樹作品感想