その無限の先へ 5 (MFブックス)

【その無限の先へ OVER THE INFINITE 5】 二ツ樹五輪/ 赤井てら MFブックス

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特殊イベント<鮮血の城>攻略戦。さぁ、次の試練の始まりだ!

アーシェリアと激闘を繰り広げた新人戦は、迷宮都市に大きな波紋をもたらし幕を下ろした。様々な期待を背負いつつ、綱たちは中級ランク昇格を目指し冒険者活動を続ける。
「えーと……唐突ですが、渡辺さんは運命って信じますか?」
「急な話だな。そういう謎の力が働いているんじゃないかって思う事はあるぞ」
吸血鬼の少女リーゼロッテとの運命的な邂逅は、次なる<五つの試練>の始まりを告げる。
彼女が主を務めるという<鮮血の城>で行われる特殊イベントを攻略する為、メンバーを集める綱たち。フィロスたちに加え、姫騎士(志望)・ティリア、期待のノーマル枠・摩耶という新メンバーを加えた一行は試練に向けた訓練を開始する。
しかし、そこで待っていたのは負けず嫌いの連鎖。罰ゲームを賭けた、無限に続くかのような地獄の特訓だった!?
一癖も二癖もあるパーティだから面白い! 無限に挑むバトルコメディ第五弾!!

特訓の内容が地獄……ではなくて、そのあとの罰ゲームが地獄(笑
一回一回罰ゲームが変わるのではなく、前回の罰ゲームは継続でさらに新しい罰ゲームを、という累積型にしてしまったのが運の尽き。人間としての尊厳をグリグリと踵で踏みにじってみんなで指差して笑うような罰ゲームの数々に、加速度的に目がマジを通り越して血走りだす参加者たち。これでよく人間関係壊れないよなあ、とも思うんですけれど、罰ゲーム自体は「あれ」でも訓練成績自体は自分が頑張るほかないんですよね。他人の足を引っ張るような真似が出来ないだけに、成績は全部自分の出す結果に基づいているわけで自分を責めるしかないわけで、その意味ではよく出来てしまった訓練だなあ、と思うんだけれどそれにしても罰ゲームの数々がひどすぎる(笑
みんながみんな負けず嫌いなものだから、本来なら訓練のハードさに音を上げてもおかしくない結構えげつない難易度に回数を重ねるごとに上がっていくにも関わらず、ひたすらに罰ゲーム回避のために決死の思いで無茶苦茶やりまくる、という強くなるという基本目的忘れてるんじゃないだろうか、というくらいの熱中ぶりだったもんなあ。
というわけで、ダンマスから提示された2つめの試練は、特殊イベント<鮮血の城>の攻略。しかし攻略には最低8人のパーティメンバーを揃えなくてはならない、という条件が出てしまい、今いる綱、ユキ、サージェス以外に5人新しいメンバーを集めなくてはいけなくなった綱たちは、慌ててメンバー集めに奔走し……。
新たな変態枠を回収してしまうのであるw
カラー口絵に、今回のパーティメンバー全員登場してますねー。基本的にだいたいみんなイメージ通りでしたが、摩耶が思った以上に夜戦忍者だったw
流石に、サージェス級の変態はもう迷宮都市にもまずまず存在しないんですけれど、人並み外れた変態はそこそこ揃ってるんですよね。その中でも白眉な、「オークに陵辱されたい願望」の持ち主のティリアが初参戦。いやこの子、オーク絡まなかったらわりと普通な分、全然サージェスよりマシなんですけどね。
考えてみると、今回会って誼を通じることになったトップクランの5人のクランマスターたちの方がよっぽど頭おかしかったよなあ。と言ってもシリアスな方に頭がおかしいんじゃなくて、愉快な方に頭がおかしいのはこの作品の常なのですけれど。トップクランの人でも、みんな緩いもんなあ。トップに限らず、中堅から下の方まで出てきたの概ね変なのばっかりだったような気もするけれど。
まあ、綱、ユキ、サージェスからして、トップクラスの頭のおかしさなのでそのへんはバランス取れているのかもしれない。その意味では、摩耶はかなり普通ですよねえ。期待の普通枠という期待を今のところ裏切ってない……徐々に普通のまま染まってってる気がしないでもないですが、先々の話ですが。

それでも、この頃の八人を見るとわりとベーシックなメンバーなんですよねえ。後にこの綱たちのクラン(予定)はもっとメンバー増えてくるんですけれど、カオスも良いところなメンツになるからなあ(笑

さて、今回のイベントの舞台となる鮮血の城。そこでボスモンスターを務めるのが表紙にもなっている吸血姫のリーゼロッテである。この娘がなかなかポンコツ可愛くてねえw
迷宮都市って、少なくとも無限回廊の100階層まではダンマスが創造したモンスターたちが戦闘要員務めていて、その中でも知性を持ってるタイプやモンスター同士から生まれた二世モンスターなんかは普通に意思疎通ができる、という以上に仕事で迷宮のモンスターやってるようなもんで、オフには普通に暮らしてたりするんですよねえ。
綱、初心者イベントのダンジョンボスで激闘を繰り広げたブリーフタウロスさんと、あとで焼肉一緒に食いに行ってたりしましたしねえ……なんでこの迷宮都市のモンスターたちは積極的に共食いするんだw
面白いことに、モンスターや動物でも条件をクリアするとモンスター業やペット業を廃業して、冒険者に転職できたりするんですよね。あとでクローシェがそれでえらい追い詰められることになったりもするのですが。
ともあれ、ユニークモンスターは用事があれば冒険者たちが暮らす地区にも普通に訪れてきたりもするわけで、そこで綱は次のイベントで戦うことになるボスキャラ……リーゼロッテと偶然に遭遇するのである。
って、それが一度だけだったら、お互いに決め台詞なんか交換しつつ、次に会うのは戦場です、なんてカッコいい別れ方も出来たりするのですが……。
いやあ、恥ずかしさに耐えられずに走って逃げてしまうロッテちゃん、可愛いっすw

また、ようやくこの四巻で前世からの友人、というか同じ部の仲間だったトマトちゃんとついに運命の再会を期することに……って、前世からの再会という劇的イベントをここまで思いっきりナチュラルに知らない人の振りしてスルーしてしまう外道は初めて見たよ(笑
トマトちゃん、素で人違いだと思いこんで謝って行っちゃったじゃないかw ガチでひどいw
しかし、ウェブ版読んだ当時は綱の前世の死因についてトマトが言葉を濁していたの、あんまり気にならなかったんだけれど、改めて見ると物凄い不穏なこと漏らしてたんですねえ。綱やトマトたちの前世での出来事、この時点ではそこまで深刻に考えてなかった、というのもあるんだろうけれど。

ともあれ、イベント本番は次回、ということで準備回ではあったんですけれど、罰ゲームが大いに盛り上がりすぎて、準備ドコロじゃなかったし、ボスのはずのロッテがあっちゃこっちゃで登場するもんだから、いい意味で賑やかな準備回でした。
クローシェは同じクランにはならなそうだけれど、自己評価低すぎるのは納得だし、ちょっときっかけがあったら飛躍しそうなんだけれどなあ。彼女も、この罰ゲーム参加してたらまた全然違った気がするのだけれど。


シリーズ感想