前略、英雄候補は強くなるためにセンセイと××します。2 (MF文庫J)

【前略、英雄候補は強くなるためにセンセイと××します。2】 葉村哲/たかしな浅妃 MF文庫J

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七十年に一度、一人の英雄と六の霊魔が世界の命運を賭して闘争する霊魔大戦。不完全な英雄候補アリスとエミリアが次に相対するは第二の零魔、水の悪姫ウンディーネ。ウンディーネとの戦いの地・ポセイドンへ向かう準備を行うグレイブたち一行の前に、「好きだよ、具体的には、一緒にお風呂に入っても良いかなってぐらい」グレイブの喪われた過去を知る三十路のボクっ娘殺し屋少女―メメントが現れる。さらに、エミリアの父『道化王』ビフロがエミリアに縁談の話を持ち込み、ウンディーネ退治の旅は大混乱に陥る。そんな中、エミリアの胸には謎の感情が生まれだしていて―。先生(元英雄)×少女(英雄候補)の世界救済ラブコメディ第二弾!

今度はエミリアのターン、と見せかけてアリスは間断なくイチャイチャし続けてるんですけれど。夫婦漫才じゃないんだけれど、アリスがもう一巻で難しいこと振り切ってクーデレに徹しているので、息を吸うかの如くグレイブといちゃつくんですよね。アリス自身、熱量高くなくえらいクールなまんまイケイケなのがまた独特なんだよなあ。対するグレイブ先生の方も何を考えているのかわからないおっさんで、アリスのアプローチに対して照れも慌てもせずに打てば響くようにヘラヘラと笑いながら合わせるもんだから、必然的にエミリアがツッコミに回らざるをえない、と。
しかし、今回エミリアの方も初恋の甘酸っぱい思い出に侵食されてしまってきているので、アリスとグレイブのイチャイチャに対して以前のようなトリオ漫才のような掛け合いに徹することができずにフガフガ地団駄を踏んでしまって、しかし素直になれずにガシガシとスネを蹴っ飛ばすしかできずに悶々とするエミリアがまたこれはこれで可愛いのよね。
個人的には葉村作品には糖度過多なほどの甘やかな恋模様と、自ら破滅を指向する狂気が渦を巻いていく終末的ラブストーリーをどうしても期待してしまうので、今回ちょっと狂気分が足りなかったかなあ。
一巻でグレイブ先生が完全にいい具合に出来上がっている破滅型救世主、というのが明らかになっていただけに。まあ、ここでエミリアの方もドツボにハマってもらわないと前提条件が満たされないだけに、エミリア優先というのは仕方なかったのだけれど。
初恋に蹴りを付け、同じ相手に改めて恋をはじめよう。何も知らない幼い恋の芽生えから解き放たれ、穢れて傷つき痛みを知ってなお甘やかな幸福となる恋をはじめよう。
その先が、破滅と知ってなお恋い焦がれる、そんな最期をはじめよう。

あと、とりあえず三十路僕っ子は辛いです(笑
ロリ系僕っ子は十代まで、そこから跳んで七十代以降でないと辛いよなあ。三十代は生々しすぎるw
しかし、あえてそこを踏み抜いてくるメメントさん、その無謀な病み方はなにげに大好きですww

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