片桐さん、ここでナレ死退場かぁ。史実では夏の陣までは参戦しているのですが、真田丸では大坂方を裏切ったことを悔やみきっての急死。胃に穴があいてしまったんだろうなあ。苦労苦労ばかりで報われることの少なかったことが可哀想で……いい人だったのに。

茶々は目の前で侍女たちが圧死した様に怯えきり、源次郎に謝りながらも和睦の道へ。これには源次郎も何も言えなくなってしまうのです。そりゃそうだ、あんた茶々さまに後ろ暗いことありすぎだもんなあ。
しかし納得出来ないのは浪人たち。木村くんや大野治房ら譜代も含めて、和睦への不満を募らせていきます。
って、大野治房はじめて喋った!! いや、普通にうまいじゃないですか。元格闘家と言っても現在は俳優として活動しているわけだから、そりゃ滑舌悪かったりしたら話しにならないのだけれど、これなら別に普通に会話させても……って、わりと通った良い声だったので、なんか凄い怖そう、厳つい、というあのインパクトを出し続けるには無言のほうが迫力あったのも確かですが。

和睦条件や牢人の扱いについては、強硬派なのが大蔵卿局。秀頼公は雇うことは出来なくても報いてやるくらいはしてやりたい、という立場なのですけれど、だったらそう決めりゃいいのに。
大蔵卿局は発言の中には真理を突く内容も少なくないのですけれど、当人の見識あっての言葉ではないんですよねえ。大蔵卿局自身は、視野が大坂城内に留まっていてその中で自身の権限を脅かす勢力に対して歯を剥き出しているに過ぎない。でなければ和睦条件での秀頼や自分たちの処遇に対しての厳し目の内容、領地替えなどに「ありえませぬ!」と金切り声をあげるはずがありませんから。
一方で頷かされたのが織田有楽斎の態度。色々と決まったあとですが「これで良かったのです」としみじみと吐き出した様子を見て、この人は多分彼なりに豊臣家が生き残る道を模索し続けていたのではないでしょうか。少なくとも、大阪城内の自分の発言力を保持するため、というところにはさほど拘泥はなかったのでは。
こと、秀頼と茶々をそれなりの立場で徳川幕府の中で生き残らせる、という観点に立てば、有楽斎の立ち回りこそ正解であって、源次郎のやり方なんぞ最悪手に等しいですからなあ。
実際、茶々も秀頼も本音を出せば、さほど大坂城にも今の領地にも拘っていなくて、どこか西国でさほど大きくない領地でひっそりと穏やかに暮らすことを許容していたわけですから。
それを、聞きながらサクッと源次郎は無視していたわけですし。
まあ、秀頼さま、関東鞍替えには、関東はさすがに嫌じゃ! と思いっきり蹴り入れてましたけれど。いやいやいや、幕府のお膝元に領地もらえるとかかなり厚遇だった気もするんですけれど。四国なんて僻地よりよっぽどよっぽど。まあ、四国が日本の中で僻地扱いになっていくのは、江戸時代入ってからでこの頃はまだ畿内からも近い良質の領地だったかもしれませんが。

しかし、源次郎ってば牢人たちに詰め寄られたときに、言い訳らしい言い訳もせずに話すことは何もない、と蹴っ飛ばしてしまうのって、治部さまの悪いところ引き継いでるよなあ。そこは言い訳スべきところなのに。
そこで又兵衛たち牢人衆、源次郎に不信を募らせて……と不穏な空気にならず、わざわざ源次郎の家臣の作兵衛を捕まえてきて、あいつどうなの? と聞くあたり可愛いというかなんというか。
それに対して作兵衛、源次郎について自分上田にずっと居て幼いころのあの人しか知らん! とわりとサバサバと切って捨てたのには驚いた。作兵衛が語るのは、彼の父真田安房守昌幸のこと。表裏比興と呼ばれ裏切りに裏切りを重ねた謀将と知られた昌幸を、作兵衛は義の人、と語ります。あ、こいつも出浦と同じく殿を美化してるタイプか!? と一瞬思ったのですが、作兵衛が語る昌幸は一途に武田信玄に忠義を貫いていた、と。ああ、そうか。武田家臣として見るなら、昌幸パパって一貫し続けてたんですよね。そう言われると納得してしまう。
でも、だからといって源次郎がパパと同じように秀吉に忠義を貫いているか、というとそうかぁ?と思わざるをえないのだけれど。

さて、徳川方との交渉をはじめるにあたって、最初有楽斎が自ら名乗りを上げようとしたのを制した源次郎が、交渉役としてあげたのは、女性であるお初の方。茶々や秀忠の正室である江の妹である人だ。
有楽斎が信用出来ないのもあるのだろうけれど、源次郎の頭にあったのは本多正信の姿。あの家康側近の凄まじい能力を幾度も目の当たりにしてきた源次郎にとって、彼を引っ張り出さないことこそ最善、だったのだろうけれど……甘い、見識が甘すぎる。
本多佐渡に負けずとも劣らない阿茶局という側近が、家康の傍らにいることを源次郎は知らないのである。女、甘く見過ぎなんだよ源次郎は。女性の扱い、女性への認識、女性への評価、これが尽く甘くて雑で曖昧であるがゆえに、源次郎色々と失敗してるんだよなあ。
むしろ、ここは本多佐渡に出てきてもらうべきですらあったのかもしれない。あの爺様には情がある。阿茶局の方がむしろ、敵に対して冷酷なんですよねえ。
もし本当に豊臣家の将来を考えるなら、有楽斎と佐渡に任せるべきだった。それなら、牢人の放逐に関してもうまいこと方策をみつけてくれるかもしれなかった。
なぜよりにもよって大蔵卿局が同行するのを許してしまったのか。一応、念のためにきりを一緒につけるものの、侍女でしかないきりに出来ることなんてホントに些細なことなんですよね。それこそ、彼女には身分と立場と権力を与えて送り出さなければならなかった。ひたすら、大蔵卿局にターゲットを絞って女同士の雑談という体を取って条件を締め上げていく阿茶局の凄まじいネゴシエーターっぷり。なんとか対抗しようとする初様だけれど、役者が違うというよりもこれまでの実務交渉経験がまったく違う。

なにやら実際は、堀の埋め戻しや二の丸三の丸の破却については、本当に大坂方と同意してたみたいで、抵抗もなく粛々と進んだという話。この時点で、実は上層部は牢人たちを追い出したかった、というのは本当なのか……。まあね、何が一番悪いって調子乗って徳川に噛み付いて牢人集めてイキった秀頼はじめとした大坂方上層部が悪いのは間違いないんですよね。あとから困って追い出そうとしたって、アホかいな、と思わざるをえない。

大坂の方はこれだけえらいことなっているのに、江戸を見るやまあ……兄上のほうもえらいことに。
ついに、小野お通のところに通って癒やしを求めているのがバレて、膝枕されて耳かきしてもらっている現場に、稲さまとおこうさんの二人で踏み込まれ、まさに修羅場!! 流れるBGMは最終決戦仕様ww
しかし、信之兄ちゃんが浮気気分だったのに対して、お通さま……これリクライゼーションのお仕事だったの!? 次の方がお待ちですので。これまでの料金は家臣の方が支払ってくれておりましたから。膝枕台200文には笑ってしまった、これはひどいw
それに対して文句を言うのではなく、領収書みて「これ高すぎやしないか!?」と思わず言ってしまう兄ちゃん……兄ちゃん。
稲様の、これからは殿を癒やすのはおこうがやりますから、って自分じゃないのですね。そこまで割り切らなくても、と思わないでもないですが。そこで自分が癒やします、と言ってたら可愛いものを。

「望みを捨てぬ者だけに、道は開けるとそなたは言った。私はまだ捨ててはいない」

堀が埋められ、真田丸も破壊され、二の丸などの防衛施設がことごとく破却された大坂城は丸裸となり、もはや源次郎にも為す術なし。自身は残るつもりだったのかもしれませんが、春と大助には兄を頼って上田に行くように申し付けようとしたその時、源次郎の元に次々と集ってくる牢人たち。
次の策を考えてくれよ、と源次郎に詰め寄る後藤又兵衛たち。まだ戦える、まだ戦える。ここより先、行き場のない、行くところのない牢人たちは最後まで戦い抜く決心をして、源次郎の元に集ってしまった。
そして秀頼もまた、上のように語って源次郎の手を取ってしまう。
それが、滅びへの道だと半ば承知しながら……。