異世界魔法は遅れてる! 7 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 7】 樋辻臥命/ 猫鍋蒼 オーバーラップ文庫

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最強の現代魔術師 VS 最強の中二病!?

親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明。
幼なじみの朽葉初美を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹――否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。
次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。
リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒が姿を現し……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!
イラストレーター交代で、再スタートということになったようで。一時期は打ち切りかという話も出てたようなので良かった良かった。個人的にもキャラデザインはこっちの方が好きですなあ。リリアナのマスコット的な可愛らしさとちびっ子化したレフィールの愛らしさが実に素晴らしい。瑞樹ももっと野暮ったい感じだったんだけれど、普通に可愛いじゃないですか。赤いマフラー、指ぬきグローブ、オッドアイという中二病三拍子を揃えた格好ですけれど、黒ストと服装のおかげか普通に可愛いんだよなあ。リリアナのあのゴスロリ帽子もいいアクセントですし、女の子の衣装の描き方がなかなか好みなのでした。
と、ビジュアル面でもようやく充実してきましたけれど、キャラクター描写の方も巻数七巻に至ってそれぞれいい具合に成熟してきたというか、溌剌と動き出した感があるんですよね。黎二パーティーの方も安定……というか、姫様中心にはっちゃけてきましたし。グラツィエラもちょろかったなあw
瑞樹があんなことになってしまって、水明と一緒に振り回されてヘトヘトになってる黎二くんだけれど、そっちにかまけているうちに姫様の方もいい具合にぶっ壊れてきてますよ、うん。まあ、タラシな黎二くんが悪いんですけれど。いや、実際いい子だからなあ、黎二くん。捻くれ者で若干面倒くさい水明くんに対比するように素直で真っ直ぐで熱いもう一人の主人公をきっちりこなしてますし。やや道を過たないか心配なところもあるのですけれど、いや大丈夫か。そう思えるくらいには安定感というか信頼感がある人格ですし、今回の力不足な自分に対する行き詰まり感の打破の仕方も変に淀みを溜め込まないものでしたし。
水明くんと一緒に瑞樹の黒歴史現在進行形に振り回されてげんなりしている姿は愛嬌あって、良い友達同士だなあという雰囲気も伝わってくるだけに、このままもう一人の主人公として真っ当に成長していって欲しいものであります。
しかし、これもうさすがに黎二に魔術のこと秘密にしておくのいい加減無理というか、もう隠す気無いだろうというくらいぞんざいに振る舞ってないか、水明くん。まあ、そろそろ覚悟決めたみたいだけれど。
戦闘シーンは相変わらず魔術のロジックや描写が凝っていて読んでいて楽しい。リリアナとフェルメニアの強化がもう半端ないことに。特にフェルメニアなんか登場の時の白炎でござい、と調子乗ってて鼻っ柱見事にへし折られたころのショボさが微塵も感じられないパワーアップっぷり。明らかにこっちの世界の魔法使いとは隔絶した段階に至っちゃってるしなあ。
とは言え、早々無双無双とは行かないわけで、魔族とは別にインルーのような別の思惑で動いている勢力や、ついに水明くんの対称となる敵キャラが出てくるわけで、主人公と敵の二筋だけで物語が構成されるのではなく、様々な思惑を持つ勢力が入り組んだ情勢になってきたのは先の展開が混沌としてきて、物語としてもワクワクさせてくれるものになってきたんじゃなかろうか。
個人的には、水明くんの現代地球における魔術師時代のご同輩が気になるところなのですが。なかなかに個性的な面々が、かなり設定彫り込まれて隠れていそうなだけに、何らかの形で出てきてくれると嬉しいのですけれど。

シリーズ感想