遊者戦記 #君とリアルを取り戻すRPG (ダッシュエックス文庫)

【遊者戦記 #君とリアルを取り戻すRPG】 紙城境介/40原 ダッシュエックス文庫

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Kindle B☆W

人見知りだがそれを決して認めない"オンラインぼっち"ゲーマーのリオは、後輩・サクラに誘われ、あるゲームに参加する。それはSNSにばら撒かれた暗号を解き、現実世界に隠された《扉》に辿り着けた者だけがログインできる、世界初のVRRPGだった。
ドラゴンやゴブリン、そして剣と魔法に彩られた"リアリティのありすぎる"大冒険に心躍らせるリオとサクラ。2人は溢れんばかりのゲーム愛とセンスで瞬く間にトッププレイヤーに登り詰めた。
だが、夢中になって楽しむからこそ彼らは気づく。世界(ファンタジー)の真実に迫るとき、現実(リアル)の未来はあまねく全てのゲーマーに託されることを。
遊者(ゲーマー)が世界を変える! 人類史上最大最高の実況プレイ開幕! !

これは面白かったなあ。まずもってリオとサクラのコンビが素晴らしい。そうそう、年下の女の子の属性って妹キャラだけじゃないんですよ。こんな風に気の置けない後輩ちゃんキャラもまたいいんですよ。遠慮なく戯れてくる、乱暴に甘えてくるというこの懐いた感覚、妹キャラでも似た感じではあるんだけれど、家族みたいな関係の延長線上に乗っかっている妹キャラと、友達の延長線上に乗っかってる後輩キャラでは微妙にニュアンス違うと思うんですよねえ。そんでもって、このサクラはその後輩キャラのドストライクなんですわー。主人公も人見知りしがちだけれどコミュ障というわけではなく、これはシャイな性格というべきなのか。精神年齢は結構ガキで、ヤンチャなサクラとどっこいどっこいという感じなのも、この二人のコンビのドタバタ同じ精神年齢でギャーギャー騒いで息ピッタリ、というところに繋がっているのかも。ゲーマー魂漲らせながらほんと楽しそうに遊んでいる様子が、仲良さそうで見ていてほんと微笑ましいしこっちも楽しくなってくるわけだ。お互いデジタルゲームとアナログゲームという専門違いがありながら、だからこそか遊びにもバランス取れてるのかなあ。
お互いにふざけて弄り合う関係だけれど、それだけ相手への信頼感は全幅のものがあって、度々見せる以心伝心っぷりはまさに相棒という感じがして、あとがきでこの二人がゲームで遊んでいる展開だけでも延々書けるみたいなことを作者が述べてるのだけれど、読んでる側もその気持ちが良くわかるし、延々眺めてるだけで楽しそうだ。
一方で、後半ふとした展開からサクラがいつもの元気一杯さを取り崩して、リオと一緒に切羽詰まった状況に置かれてしまい、凄く怯えて弱った姿を見せる瞬間があるのですが、そういうときだけこのリオくん、ちゃんと男らしい先輩らしい頼もしい姿を見せてくれるわけですよ。普段は簡単に自分にやり込められてしまう、
じゃれついても同じレベルでゲシゲシ遠慮なく叩き合って笑いあって受け入れてくれる先輩が、いざとなると必死に自分を背中にかばって身を挺して守ってくれる姿なんか見せられた日には、キュンキュン来てしまうやないか〜(笑
これは、エリスなんかも一緒なんでしょう。普段はかっこ悪いくらいで親しみやすい懐きやすい男の子が、ココぞという時にはビシッと決めてくれる。トキメキすぎて、妊娠しそうとか言ってるぞこの娘w
このもうイチャツイてるとしか思えない二人の掛け合いに天真爛漫なエリスが加わってのドタバタキャッキャな大騒ぎだけでも楽しかったのですけれど、それだけでは収まらずに中盤から物語も大どんでん返しを持ってくるのであります。ここらへんはデビュー作【ウィッチハント・カーテンコール】を手掛けた作者らしい怒涛の展開と熱量で、これは大いに盛り上がりました。テンションの上げ方、上手いなあ。

紙城境介作品感想