聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 18 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 18】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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そして漆原静乃は目を醒ました。繰り返し見る同じ夢、前世で会った冥王シュウ・サウラの物語。愛しい声がつむぐのは“冥府の魔女”として知られる静乃の本当の名―。一方、六翼会議のアジトを突き止めた諸葉たちは迷宮内部へと強行突入を決める。囚われた仲間を救うべく亜鐘学園の精鋭は謎めく罠に挑む。その先で、遂に邂逅した六翼最速の剣士レナードと諸葉。ありえざる必殺の終焉剣と、常識破りな諸葉の太極―奇しくも似た業をぶつけあう、究極の一騎打ちの結末は?見よ、戦技全てを超えし刹那を!!閉ざされた静乃の記憶が、悪夢の如き奇跡を顕現させる学園ソード&ソーサリィ第18弾!!

丈弦先輩、大金星どころじゃないよこの戦果!! すげえすげえ、テンプレートに全く負けずにやり抜いちゃったよ。いいなあ、こういうありがちなパターンを一切合切無視してみせるの。お約束に縛られない、だからといって奇を衒うわけじゃない真っ向勝負でひっくり返してくれるの、見ていて痛快なんてものじゃなかったですよ。
今回は思いっきり静乃メインの話ではあるんだけれど、それとはまた別にレナードを中心にすげえ男臭いやり取りが随所に見受けられて、わたくし大満腹の大満足ですよ。
石動先輩も、あれだけ生真面目で職務に忠実な性格と裏腹に道を踏み外しても強くなることに拘るバトルジャンキーの側面が丁度レナードとの戦いに出てて非常に良かった。敵同士にも関わらず、生涯最高の戦いに対する想いを汲んでしまうあたりなんぞ、漢のロマンにズブズブに沈み込んじゃってまあ。でも、それがいい。
そんでもって、諸葉という主人公はそんな男心を見事に震え響かせ沸き立たせてくれる男なんですよねえ。女にもモテるんだけれど、この主人公それ以上に男の方にベタ惚れされてしまうんだけれど、レナードとの戦いなんか見てると、そのあたり嫌というほどわかってしまう。強い弱い云々じゃないんですよね、敵味方とかそんなん関係なくて、自分が貫き通したものに関して誰も理解してもらえなかった領域、階梯のことだろうと、それこそ自身がわかっていなかった部分まで理解してくれる。自分がこの上なく認めて焦がれる相手が、これ以上無く自分を認めて理解してくれた時の、この歓喜はそれこそ当事者にしかわからんのだろうけれど、あの嬉しそうなレナード見るとなんも言えんわー。
良い、戦いでした諸葉・レナード戦。

そんでもって、今回のメインである静乃。これまで彼女自身思い出せていなかった前世のことが浮かび上がってくるのだけれど、なるほど。これまで、諸葉には2つの前世がある、という話に関してその過去を断片的に思い出すシーンは度々あったけれど、じゃあ恐らく二度目の人生だったシュウ・サウラの時は前世の記憶なんかは蘇らなかったんだろうか。2つの前世は断絶して無関係のままだったんだろうかという点についてはずっと気にはなっていたところだったんですよね。その答えが今回明らかになったわけで……。
めっちゃ絡んでるじゃないか!!
しかも、むしろシュウの方じゃなくて静乃の前世であるエルメナの方がガッツリと。何気に、静乃の前世の真名が驚愕の事実だったんですよね。しかも、シュウとの出会いのきっかけが彼の人の導きだったというのなら、彼女がずっと懊悩し続けていたのも無理からぬこと。
色々と複雑でモヤモヤとしたものを抱えた静乃だったんだけれど、この二度目の生で彼女は因果を吹き飛ばし、また靄を払う太陽の光を得たわけだ。
なんかもう、静乃がサツキのこと実はメチャメチャ好き、今となっては諸葉と同レベルでサツキのこと大好き、というのも物凄い勢いで得心出来てしまった。そりゃあ好きだわ。愛してる、と言って過言ではないくらい好きだわ。実は隙あらばペロペロくらいしたいんじゃないのか、これ?

諸葉の方よりもむしろ静乃の方でサツキ好き好きなテンション上げまくったというところで、あのラストの展開を持ってくるというのは、なんかもうすげえですわ。これはもう、次どうなるんだよ!!? とテーブルばんばん叩いて前のめりにならざるを得ないですよ。ここしばらく、このシリーズ次の巻への引きが毎回凶悪すぎますがな。しかも、その引きが肩透かしにならない怒涛の展開が毎回冒頭から発生するわけで、くぅ魅せ方引き寄せ方心得てるなあ。

シリーズ感想