カンピオーネ! XIX 魔王内戦 (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! XIX 魔王内戦】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

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かろうじて一度は『最後の王』ラーマを退けた護堂。だが、ラーマは“盟約の大法”により、カンピオーネが存在する数だけ強さを増し復活する。それを防ぐためにカンピオーネたちが考えた方法は、やはり相当にろくでもないことで…!?「剣の王」サルバトーレ・ドニ。“黒王子”アレクサンドル・ガスコイン。ロサンゼルスの守護聖人ジョン・プルートー・スミス。武林の至尊、羅翠蓮。最凶の老魔王サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン。妖しき洞穴の女王アイーシャ夫人。そして日本のカンピオーネ草薙護堂。七人の魔王が東京に集う時、かつてない戦いが幕を開ける!魔王VS魔王!!最高に悪魔的で魅惑の魔王内戦が、今始まる!!
もうこれ、完全に怪獣映画ですよね!!
普通の異能モノだったら、どれだけ最強の能力者や魔術師なんかが集まっても、都市への被害なんかあんまり考えないし、可能性があってもビル一棟とか一部区画がヤバイとかなんとか被害を減らそう的な発想が飛び交うものなんだけれど、本作の場合はもうカンピオーネが七人上陸してしまった段階で、どう考えても「東京オワタ」としか思えないのである。
さながらゴジラ上陸である。怪獣が上陸したら、もうその地域は絶対に壊滅なんですよ。防ぐなんて絶対無理。そんな怪獣が七匹も上陸して、その上お互い暴れまわる前提なんですから、もうそこは更地前提じゃないですか。怪獣総進撃ですがな。むしろ、なんで東京都民に避難勧告が発令されていないのか不思議なくらい。
360万人強制避難させないと、被害が、被害がー!
戦闘予想地域を封鎖とか、人払いの結界とかそういう規模やレベルじゃないし、こいつら平気で数百キロ単位をポンポン移動しまくるし、普通の人間・魔術師が対処できるレベルを完全に逸脱している、というのが否応なく認識させられる魔王総集合の回。
いやほんと、出来れば日本以外でやってほしいんですけれど! 日本、オワタ。
案の定酷いことになってるし。もう本当に酷いことになりまくってるし。これだけ魔王が集まると、護堂さんの破壊行為がそんなに目立たないですね、と言いたいんだけれど、むしろ護堂さんが七人いるぜ、という話なんで目も当てられない。一人ひとりが盛大に東京各地をどうしようもないくらい破壊し、有名建造物や名のある土地を取り返しのつかない状態にして、それどころかそこに居る人々まで遠慮なく巻き込みまくって……だから避難勧告っ!!
彼らが怪獣と変わらないのは、その破壊行為に対して全く何の感慨も抱いていないってところなんでしょうね。罪悪感を抱けとなんて間違っても言わないけれど、怪獣が歩くだけで街をどうしようもないくらいに破壊していくのと同じで、ぶっ壊すことに対して怒りも快感も感傷らしい感傷を抱かないのが、さすがはカンピオーネたちとしか言いようがない。ヴォバンも翠蓮姐さんもジョン・プルートーも片っ端からだもんなあ。

というわけで、誰も相談もしていないのに一致団結してつぶしあいをはじめるカンピオーネたち。こいつら本当にあかんわー。でも、一斉にみんなアイーシャ夫人を狙い撃ちにしはじめるのには笑った。並み居る魔王たちですら、彼女に関してはイレギュラーすぎて先に潰すべし、という意識が働かざるをえないわけで。それだけ、アイーシャ夫人無茶苦茶すぎるんだよなあ。
そして、魔王からは逃れられない、じゃないけれど高みの見物を決め込んでいた甦った神々たちまで巻き込み事故食らってしまったあたりは、もうどうしたらいいものか。
しかし、護堂さんもいつの間にか権能だいぶ増えましたよね。今まで全然増えなかったのが不思議なくらい。まさか、ランスロットまでああいう形で使えるとは。あの権能はかなり頼もしいよなあ。
でも、これだけ乱戦を繰り広げても、まともに誰も脱落してくれないのは魔王さまたちしぶとすぎるというレベルじゃないですよね。ジョン・プルートー・スミスだって事前の準備の様子を見ているとむしろああなったことを奇貨としてあとでやらかしてくれそうですし。
一応、この魔王内戦のゴールの形は出来上がったものの、果たしてどうやったらそのゴールへと状況を放り込めるのか、未だに想像もつかないんですがw
さすがにアイーシャ夫人はここでアウト……にはならんのだろうなあ(苦笑
ただ、彼女をあそこまで持っていけるというだけでも、翠蓮姐さんとヴォバンの老練さは若手世代カンピたちとまた違う貫禄を感じて、さすがというべきか。

シリーズ感想