<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-  2.不死の獣たち (HJ文庫)

-インフィニット・デンドログラム- 2.不死の獣たち】 海道左近/タイキ HJ文庫

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決闘都市ギデオンへと辿り着いたレイは、手に入れた特典防具の性能実験をしたり、ガチャを引いたりしながら自らの能力向上に努めていた。そんな中彼は、ギデオン周辺で最近子供を攫う非道な組織『ゴゥズメイズ山賊団』がはびこっていることを知る。偶然知り合ったプレイヤー・ユーゴー、キューコと共に、子供の救出と山賊団の討伐へと向かうレイ。そこにはまたしてもイレギュラーな事態が待ち受けていて――!! 超人気VRMMOファンタジー、待望の第2巻!!
うん、やっぱり主人公のレイのキャラクター、好きだなあ。
素直でひたむきという真っ直ぐな性根もさることながら、ちょこちょこマヌケな失敗なんかもしていて、いわゆる愛嬌がある子なんですよね。可愛げ、と言ってもいいか。
いきなりガチャに我を失いだした時には笑ってしまいましたがな。やりはじめたらついついハマって、じゃなくて初っ端から上限目一杯つぎ込み出しましたからね。そういうキャラはネメシスの方だと思ってたよ。
しかし、作中でもレイは、というかメイデンタイプを呼び出すプレイヤーはインフィニットデンドログラムの世界をゲームとは思わない、という傾向がある、という考察が出ていましたけれど、レイはどこまで「ハマって」しまっているんでしょうね。基本的にはゲームとして楽しみつつ、この世界にいるティアンたちのことは普通に生きているのと変わらない存在と認識せずにはいられない、ってところなんだろうけれど、メイデンのマスター以外ってどこまで「ゲームでしか無い」と思っているんだろうか、という疑問はあるんですよね。今のところ、他のタイプの人たちもティアンたちには普通に接していますし。でも、前回の「戦争」での対応を考えるとゲームでしか無いという割り切りはやっぱりあるのか。
逆に考えると、それを割り切れないレイたちのような人たちって、この世界観の国同士が戦争を繰り広げている、という状況は相当キツイと思うんですよね。当事者になるとしても傍観者に徹するとしても、所属する国がある以上、関わった人たちが生き死にのさなかに放り込まれるわけなのですから。そして、冒険者としてゲームに加わっているプレイヤーたちは、無力な存在ではなく積極的に関わる力を持ってしまっている。傍観することすら決断になってしまう。
その意味では、ユーゴーはレイよりも先に現実に直面しているメイデンのマスター、という立ち位置なのかもしれないなあ。
にしても、ゴゥズメイズ山賊団の悪行の生々しいまでの残虐さは、ゲームの範疇を明らかに逸脱している。エグいなんてもんじゃないよなあ。むしろ、ここまで目立った悪を成している集団を、ゲーマー集団が放っておくというのも不思議な話なんだけれど、何故か本作に限らずVRMMOファンタジーってゲーム廃人は攻略優先でサブクエストとか脇道の話なんかを放ったらかして進む傾向があるんですよねえ……いや、普通だったら虱潰しだろう。蝗の群れのごとく、あらゆるクエストをイベントを掘り出し、詳らかにし、アイテムというアイテムは可能な限り収集し、隅から隅までやり尽くしていくのがプレイヤーというものなんじゃないんだろうか。こういうスタイルって、もしかして古い? やったことないんだけれど、MMOはまた別なのかしら。
ヒロインに関してはあくまでネメシス一筋なんですね。ちょっと意外なほど女性キャラは出てこないあたり徹底している。いや、ユーゴーなんか怪しいんだけれど、今のところはヒロインとしての振る舞いはしてませんしねえ。あれでネメシス、献身的なタイプというのが明らかになってきましたし。いや、明らかになってきたなんていうほどの迷彩かかった振る舞いをしていたわけではないのですけれど、もうちょい振り回すタイプかとも思ってたんで。いや、ヒロイン枠についてはもうひとり、何気にいきなりネメシスとの間に割って入ってきかねない存在がこっそり隠れていることも発覚しているので、彼女の覚醒はけっこう楽しみにしているのでありました。
ところで、亡八ってもう女衒ってレベルじゃなく単語の知名度低いんじゃなかろうか。私も言葉自体は聞いたことあっても、語源については初めて聞きましたからね。勉強になりました……って、この先さらの職業が上級にあがったら何になるんだろう、ルークくんはw
あと、兄ちゃんが現実世界の方でも無茶苦茶すぎる。よくまあレイはコンプレックス抱かず素直に育ったなあ、と思うくらいに。

1巻感想