エロマンガ先生 (3) 妹と妖精の島 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 3.妹と妖精の島】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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『夏の取材&執筆合宿』! あんたたちの夢を叶えるためには、必須のイベントよ! 」
無事に『妹小説』を書き上げた和泉マサムネは、売れっ子作家・山田エルフの誘いで彼女の所有する南の島にやってきていた。
引きこもりの妹・紗霧の件もあり、合宿に乗り気ではなかったマサムネだが、他ならぬ紗霧からの"後押し"や、ムラマサ先輩の参加もあって、この合宿を有意義なものにしようと意気込むが……。
「二人で遊んでましょう! 」仕事そっちのけで遊び始めるエルフ。
「こ、こんな水着で……外に出るなど」エルフにハメられえっちな水着を披露することになってしまったムラマサ先輩。
他にも新しく出来た執筆仲間やエルフの兄の登場など、マサムネはじめての執筆合宿はどうなってしまうのか――?
はーーー……、いやあ面白いわ。すんげえ面白いわー。
ちょいとタイミングを逸して結構長らくシリーズ積んでしまっていたのですけれど、先日からはじめた「ルーレット&ダイスによる積読本を無作為にチョイスして読もう」でヒットしてくれたので、久々に続きを読む機会を得たのですが、うん面白いわー。
さすがというかなんというか、ラブコメというジャンルにおけるこの強烈なキャラの魅せ方に関してやっぱ伏見先生、パねえわー。エルフ、マサムネ、紗霧のトライアングルヒロインのこの圧巻のヒロイン力。これぞラブコメだよ、これがラブコメの真髄だよ、と思わずポカンと口を開けながらお三方にふみふみ蹂躙されてしまいましたがな。
特にエルフちゃんである。なにこの超ヒロイン。やたらカッコよくてちゃんとココぞという時にドカンと可愛い。この巻において、彼女のお兄ちゃんも登場して薄っすらとプライヴェートも明らかになってきたんだけれど、そこで間髪入れずのエルフ当人からの超々攻撃的ぶちかまし。この狙いすましたような一撃は勿論のことクリティカルヒットである。たとえこれまで彼女のことを何とも思っていなかったとしても、このあまりにも強力な一撃は完全に一発ノックアウトの威力でありました。もっとも、そこまでエルフが何もしていなかったというわけではなく、この娘やることなす事カッコイイんですよね。無茶振りも良くしてくるのだけれど、その後ろ暗さのない気持ちのよい行動がジャブの連発のように好感度をジリジリとあげてくるわけだ、これが。
ただでさえ、紗霧とムラマサという超高難度の気難しくてコミュ障な二人を即落ちさせて仲良くなっちゃってるのだから、とんでもねーやつである。それはわかっていたけれど、まさにわかっていただけというのを思い知らされるスマッシュヒットを食らわされた回でした。
もうエルフでいいじゃん、という気分にさせられるほどに。
しかし、この時点でマサムネは紗霧に対して一途に想いを寄せているわけで、そうでなかったらここでもう陥落していただろうなあ。そして、マサムネの気持ちを知っていてなお、この女自分に惚れさせる気満々なのである。なんという漢らしさw
彼女に限らず、今回は紗霧もムラマサも「水着回」だけあってか、これまでのいわゆる「彼女たちの事情」を整理した上で積極的に「ヒロイン」としてのアピールに勤しむ正しいラブコメ巻という感じだったんですよね、全体的に。一方で、彼女たち一歩立ち止まったからこそ、マサムネやエルフとゆっくり交流を深めたからこそ、作家として新たな視点を得て、自分の在り方を再認識し、心機一転再スタートというプロセスもちゃんと踏んでいるわけで、休憩でありつつちゃんとステップアップの話にもなっているあたり、長期シリーズを組み立てていく展望に卒のなさを感じるのでありました。というか、伏見さんの作品は毎回ちゃんと物語としても登場人物としても進展があり続ける、というのは何気に凄いなあ、と思う所。
それにしても、エルフのお兄さんがまんまエルフすぎて笑ってしまった。なんでこの人スーツ着てるの? なんで弓持ってないの? と思うくらい。絶対街似合わないよ、森へ還れw
いやいや、人物としてはエルフの兄なのかと疑わんばかりに非常にマトモで頼りになる大人の人でしたので、還ってもらうと困るのですが。

シリーズ感想