ナイツ&マジック 7 (ヒーロー文庫)

【ナイツ&マジック 7】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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ボキューズ大森海へと乗り出したフレメヴィーラ王国飛空船団は、未知なる魔獣との遭遇により撤退を余儀なくされた。エルとイカルガは皆を護るべく奮戦し、無事に船団を逃がすも森へと墜ちてしまう。追いかけてきたアディも一緒に、二人は森の迷子となった。彼らを待ち受けていたのは予想だにしない出会い―『巨人族』との遭遇であった。巨人氏族同士の争い。普きものの大敵、穢れの獣。そして陰で蠢く小鬼族なる者たち―。巻き起こる戦いがエルとアディを呑み込んでゆく。孤立無援の二人は、しかしあきらめ止まることなどない。「ここで幻晶騎士を、作り上げます」生み出されるは驚天動地の異形の機体。争いの只中へと向けて飛翔する!
アディがいつもより倍増の勢いでキモいw
図らずも二人きりというシチュエーションに加えて、巨人族との交流の都合からエルくんから奥さんとして紹介してもらったお陰で有頂天極まってしまって、ほぼ終始げへげへ言ってるような始末で、女性としてアウトな顔しっぱなしだったんじゃないだろうか。彼女、メインヒロインなんだぜw
まあアディとしても、奥さん扱いも然ることながらこれだけエルくんと二人で一緒に居られる時間というのは子供の頃以来だったでしょうからね、気持ちはわからなくもない。最近までエルくん、ずっとヒャッハーしっぱなしでなかなかアディに構える時間なかったですからね。
一方で、ヒャッハーできなくなったエルくんはというと相当に鬱憤溜まっているようで。補給も修理もできない大森海の只中に取り残されてしまった以上、幻晶騎士には乗れない状態になってしまいましたからね。これほど幻晶騎士と関われない時間というのも、これを組み上げて以降なかったんじゃなかろうか。
というわけで、迷った先で出会った巨人の小さな氏族と交流を重ねながら、試行錯誤であるものを駆使して幻晶騎士を作り上げようとするエルくん。てっきり、巨人族に新たな幻晶騎士を作るための新技術を保有していて、みたいな話になるかと思ったらそう簡単にはいかなかった。まあ巨人族のあの質量を考えると、とても産業が発達しているとは思えないですもんね。消費資源が大きすぎて、少なくとも森のなかで暮らしているような種族では難しいものがあったか。
でも、ここで出会った巨人族は気のいい連中で、脳筋ではあるものの素朴で素直でまっすぐな気持ちのよい心根の持ち主であったわけですよ。まあ、脳筋な分、最初は殴り合わなきゃいけなかったわけですが。幻晶騎士使わなくても、生身で楽勝で巨人族の勇者と渡りあうエルくん。幻晶騎士乗りとしての無茶苦茶さに最近は目を奪われガチでしたが、そういえばこいつ生身でも変態機動の持ち主だったw
エルくん自身としてはロボットである幻晶騎士に騎乗しての戦いじゃないと納得行かないというか不満なんでしょうけれど。
ともあれ、巨人族の村に滞在しながら、そこで得られた素材で試行錯誤を繰り返すものの、どうにも上手く行かずに停滞していたさなかに、巨人族における古くからの掟を破って権力を握った大氏族と旧来の伝統を守ろうとする諸氏族との争いがエルくんたちをも渦中へと巻き込んでいく……というよりも、エルくんが積極的に首を突っ込んでいくことに。まあ、色々と触れてはいけない部分にあっちの大氏族が触れちゃったからなあ。ただでさえ幻晶騎士乗れなくてカリカリ来ていたエルくんの虎の尾を踏んでしまうことに。
この時点であちらの方をご愁傷様、と思ってしまう程度にはエルくんの色んな意味での酷さは身にしみてしまっていますな。そして、そんな奇妙奇天烈破天荒なエルくんのやり口に染め上げられていく、純朴だった巨人族さんたち。わりとヤバゲな武器まで供給されてしまって、巨人族たちがエルくんに魔改造されていく〜。
さらに、反撃を企てる中で、大森海の中に居るはずがなかった人間族のコミュニティーと接触し、そこの鍛冶の手を借りて、ついに現地供給応急型の変則イカルガ……カササギが誕生してしまう。ってか、このジオングに足は要らんとですよ、のノリがすげえw
ただ、これまでの新型機みたいに次世代型の最強機、というわけには行かない現地生産の無理やり動かした改造機なだけに、あのエルくんが苦戦することに。幻晶騎士に乗ってのこの手の苦戦はもしかして初めてだろうか、と思うくらい。
総じて、このようにエルくんがいつものようにやりたい放題出来ない手足を縛られたような状態だけに、動きとしてはやや停滞気味だったかも。それでも、これまで大らかに過ごしてきた巨人族にとっては劇的すぎる変転だったんでしょうけれど。エルとアディの騎士団に入れてもらって、もれなくかつてのアディとキッドのように順調に魔改造されていく巨人族の少年少女二人が可愛らしいやらご愁傷様やらw
特に、村を襲った悲劇によって急遽氏族を率いる羽目になってしまった幼き少女魔導師ってば、エルとアディに弟子入りしてしまったが為に、巨人族の魔導師としてはなんか完全に間違った方向に突進している様子がなんともはやww

まあエルくん大暴れは次回以降でしょうから、彼を舐めてる連中が食らうだろうしっぺがしがどれほどの規模になるか、実に楽しみである。

シリーズ感想