謎のトカゲ推し。

原作読み始めの頃だとまだあの幼女四人組、ラキシュ、ティアット、コロン、パニバルの区別がよく付いてなくって、第二巻でティアットが覚醒夢を見て妖精兵として調整を受けることになる、という話の流れになってこの子にスポットが当たることになっても、まだティアットという子がどういうキャラなのか漠然としか捉えられていなかったんだけれど、原作も第二部になってティアットがメインヒロインになってる段階からこうして改めて昔の彼女を見てみると、なるほどこの頃から「物語」に憧れる子だったんだなあ、というのがよく分かる。
こうして、映画の登場人物たちに憧れ、かっこいいクトリ先輩に憧れ。映画の役者たちのように劇的な展開に生き、クトリのような物語のヒロインそのものの生き方に恋い焦がれ、そうして自分の妖精兵としての在り方、そして終わり方もまたそんな舞台の劇のような、御伽噺の主人公のような、ラブロマンスのヒロインのような、そんなふうに在れて、終われたらいいな、と考えるようになる。そうやって不安や恐れから自分を立たせようとするティアット・シバ・イグナレオはもうここで始まっていたんだなあ、と思うと感慨深いものがある。
まあ、憧れと現実とのギャップ、見ていたものと事実の違いにのたうち回るはめになるのですが、南無。

泰然とクトリたちの出征を見送った感のあったヴィレムですけれど、半年も音沙汰なしとなると段々とボロが出てくるんですよね。
体のあちこちが生きているのが不思議なくらいにボロボロなヴィレムですけれど、同時に心の方も既に壊れきっている、と評したのはネフレンでしたか。
限りない虚無に覆われ尽くしていたヴィレムが、辛うじて持ち直したのはクトリたちが彼を居場所としてくれたから。でも、その彼女たちまで居なくなってしまうと、今はティアットたち年少組が居るから何とか持っているけれど、結構限界まで来てた、というのが今回の話からも垣間見えてるわけで。
あの戦況報告を聞いた時の絶望感と、クトリたちが生きてると見て取った時のあの激烈な反応も、理解できるんですよねえ。

切れた恋人の尻尾を抱え込んで涙ぐむトカゲに関しては、やっぱり理解が及ばないのだけれど!

さらっと、夢を見てから侵食によって人格が崩壊する恐れも、なんて話が語られてましたね。この手の設定が匂わされたままスルーされることはまずないんだよなあ。

あと、ナイグラードさんが色んな人に恐れられ恐怖され畏怖されているのは、単に彼女がトロール(人食い鬼)だからという種族的な脅威からではありません。
単にナイグラードさん個人がヤバイ!

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枯野 瑛 ue
KADOKAWA / 角川書店 2015-01-01

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原作二巻感想