終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)

【終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 04】 枯野瑛/ue 角川スニーカー文庫

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妖精兵ティアットと堕鬼種(インプ)の対峙は、ラキシュの振るう《聖剣(カリヨン)》セニオリスの一撃で決された。
手負いの堕鬼種が目指すのは――かつての戦場、コリナディルーチェ市。
バロニ=マキシ一位憲兵武官の計らいで彼の地へ向かったティアットは、朱髪の先輩妖精兵らと邂逅を果たす。
一方その頃、妖精倉庫の管理人喰人鬼(トロール)もまた、旧き知人を訪ねてその地を訪れていた……。
えええ!? これノフトなの!? 昔はあんな短く髪切っててボーイッシュだったのに、すんげえ美人になっちゃってるじゃないですか。アイセアも相当化けましたけれど、ノフトもこれすげえなあ。少女が女性に羽化していくと、ここまで変わるのかー。これ、ネフレンとかどうなってるか恐ろしく興味湧いてきましたぞ。
そのノフトだけれど、今は髪を伸ばして背もスラリと伸びていやすげえわ。まあ性格は相変わらずのガラッパチなのだけれど、そうかー今はグリックと組んで動いてるのか。大人で世話好きなグリックは大体のタイプと合わせられるのだけれど、むしろちょっと無鉄砲入ってる乱暴なノフトみたいな娘の方が手綱引けてしっくり来るのかしら。
恋愛方面には発展していないけれど、結構いい雰囲気になっているというのが意外というか納得と言うか。ってか、グリックって種族的にはもう初老の域に入っているのか。
もう一度だけ、会えますか? という二部に入ってから結構こういう種族的な寿命の差による価値観の違い、というものをあれこれと描き出してるんですよね。オーク種の短命で在るがゆえに刹那的で、しかし仲間意識が非常に強いとか。サイクロプスの長命故の考え方とか。その観点から行くと、黄金妖精の種としての自然な寿命というのは幼年期のまま成長せずに消えてしまうという在り方が自然のものである、と言われるとなかなか反論しづらくあるんですよね。他にもこれだけ短命の種族が居るとなると。しかし、同時に処理を受けた黄金妖精たちは、前世の侵食を乗り越えればアイセアやノフト、ラーンのように立派な大人の女性へと成長しているわけで、その事実を前にすると幼体のまま消えるのが自然、と言われてもやはり納得し難いわなね。
一番納得出来ないのは、彼女らを一番近くで見守り続けたナイグラートなのでしょう。幼体精霊たちのリミットが迫っている中で、ついに彼女もじっとしていられなくなったか。
獣の危機が遠ざかったことで黄金妖精の「調整」が停止してしまった件。単に予算の問題や状況変化の混乱によるものかと思ってたんだけれど、どうやら自体はそれどころじゃなく深刻なもののようで。
黄金妖精の調整に関わる護翼軍の関係者が次々と殺害されていく事案が発生。そして、次の被害者として予想浮上したのは、実際に妖精たちの調整を手がけている単眼種のお医者先生。ちょうど、アニメでも登場しているあのサイクロプスの先生ですよ。あの先生、超重要人物だったのか。
この先生を巡って、護翼軍や帝国の間者など各勢力が暗躍する中で、フェオドールたちも包囲網を掻い潜って先生たちのもとにたどり着き、そこで事態の核心へと触れることになる。なんか、ナイグラートが軍の連中からプレデター並の扱いを受けているのは気の所為だろうか。でも、ナイグラート相手だと軍の兵隊でもあっさり蹴散らされそうで怖い。普通の種族相手には使われない最新鋭のなんか熊殺しとか化物殺し用みたいなのモンスター銃持ち出されてきちゃってるんですけどww
まあ、ナイグラートってストレス甲斐性に熊狩りするらしいので、熊殺し程度じゃ全然足りてないわな、これ。

ガンガン侵食が進んでもはや別人のラキシュ、というかこれ古い黄金妖精の精神とラキシュの精神がパッチワーク状になってしまっているみたいな説明を受けているけれど、実質ラキシュの要素だけ省かれてるようにも見えるんだよなあ。
一方で、フェオドールの方もインプの能力の暴走で、ヴィレムのある要素を取り込んでしまい、絶賛精神汚染中。ヴィレムってば完全にもう死んでるはずなのに、終わってるはずなのに、止まったはずなのに、ここでさらにその向こう側に繋がっちゃって、またぞろこのままでは終わらなさそうだぞ、この絶対やれちゃうマンは。
なんかここに来てさらに不穏な話ばかりが持ち上がってきて、どんどんリミットが近づいてきているけれど何のリミットかはわからずひたすらヤバそうというのだけが伝わってくる状況、混迷極まるのだけれど、ここぞという時にやらかしてしまいそうなフェオドールとティアットが、やらかした結果打開してくれないものだろうか。
どちらにしても、伏せられている情報が明らかにならないと何もわからないのだけれど。

シリーズ感想