モンスター娘のお医者さん 2 (ダッシュエックス文庫)

【モンスター娘のお医者さん 2】 折口良乃/Zトン ダッシュエックス文庫

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医師グレンは助手であるラミア賊のサーフェとともに山奥のハーピィの里を目指している。その馬車を曳くのは、誇り高きケンタウロスのティサリアだ。だが、道中で巨大な地震がおこり、ティサリアの従者のケンタウロスが足を捻挫してしまう。なんとか辿り着いた先のハーピィの里では、先日、卵塞を助けたヤンキー少女・イリィが手荒く出迎えたり、サーフェの旧友の蜘蛛型のアラクネ娘が誘惑してきたりと、診察以外でもグレンは今日も忙しい!
そんなある日、地震の原因が巨大なモン娘の仕業だったことがわかり…! ?
モンスター娘をこの上なく愛する小説家と絵師が満を持して放つ"モン娘"診察奮闘記、第2弾!
あれ? いきなり舞台であった「リンド・ヴルム」から離れちゃうのか。一巻ではモンスター娘たちの治療という側面とはまた別に、様々な種族が混在してその混沌さと観光都市という在り方が相まって独特の文化を起こしている「リンド・ヴルム」という都市の様子を描くことが作品の魅力として機能していただけに、それをあっさり放棄してしまったのは勿体なかったんじゃないかと思ってしまった。今回はずっとハーピィの里での話になってしまったけれど、ハーピィ族の特色みたいなものはちらっと描かれていたけれど、都市の模様が描かれることそのものが面白味となっていた「リンド・ヴルム」と比べると、土地柄という意味での押出は何もなかったですしね。
それに、今回はケンタウロス、ハーピィ、アラクネ、そしてあらすじにもある巨大なモン娘、というラインナップだったのだけれど、最初のケンタウロスのケースを除いて、そのモンスター娘特有の病気とその治療、という趣旨はあんまり機能していなかったきらいがあるんですよね。ケンタウロスに関しては「ブリンカー」という競馬の競走馬で使われている視野を狭めて競走馬のメンタルを落ち着かせる馬具を、ケンタウロスにも当てはめて使っていて、非常に面白いネタだなあ、と楽しめたんだけれど、他の娘たちのケースは特にモンスター娘だから、という意味合いも薄いものばかりで、その治療法も魔物の特性に合わせた考えられたものだったかというと、うーん……。
一巻でのそれぞれのモン娘たちのよく考えられた症状と、その治療法に比べるといきなり淡白になってしまったな、とすら思えてしまったのが何とも残念。
助手であり姉弟子であるサーフェとの恋愛模様も引っ張り方が微妙なんですよねえ。アラクネの介入が刺激になったかというと、ちょっかい掛けてきたわりに上手く引っ掻き回せていたかというとどうかな、というところだったし。
ティサリアさんも恋敵としては色んな意味で真っ直ぐすぎて、逆にサーフェが動きにくそうにしてて変に面倒くさい言動に終始して停滞しちゃってましたし。
いずれにしても、作品としての武器や魅力をいささか取り零してしまっている感があって、一巻読んでの期待値からするとちと物足りなかったかなあ、と思うところでした。ふむ。

1巻感想