友人キャラは大変ですか? 2 (ガガガ文庫)

【友人キャラは大変ですか? 2】 伊達康/紅緒 ガガガ文庫

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【第二部】一郎、魔神と友達になる!?の巻

【~前回までのあらすじ~】
俺の名は小林一郎。“本物の主人公”火乃森龍牙の親友だ。
龍牙の衝撃の事実を知ったことで色々あったものの、それでも俺たちの友情は盤石、まさにベストパートナー、ベストフレンドシップを築いていた。

なのに、何故こんなことに……。

「旦那はいいなぁ。俺も龍牙たんとイチャイチャしたいなぁ」
「どんな魔神だ! お前はラスボスとしての矜恃を持て!」

第一部のラストで、なんの変哲もない友人キャラ(俺)に取り憑いた魔神トウテツ。ラスボス四凶の一人。
こいつがまさか、龍牙のファンになってしまったのだ!!

「何でしたら残りの四凶、俺がやっちまいやしょうか? 使徒たちも殲滅しやしょうか?」
「どんな超展開だ! おかしいだろ第二部!」

しかもこの魔神トウテツ、俺とそっくりの外見をしているのだ。こんなやつに自由に出歩かれたらたまらない。
ラスボスとして、ちゃんと龍牙に倒してもらうしかねえ。そして、俺は友人キャラに回帰するのだ!!
ナニやってんだこいつ、ほんとなにやってんだ!?
最高の主人公キャラとして見込んだ龍牙の、親友キャラとしてのポディションを確保するために暗躍していたら、実は龍牙が女の子で何故か恋人ポディションに収まってしまって、龍牙のヒロインとなるはずの女の子たちとも個人的に仲良くなってしまって、最後にラスボスとの対決にまでクビを突っ込む羽目になり、元の友人キャラに戻るために四苦八苦してた一郎。
いやもう無理だろう、とかすでに一巻の段階で「なにやってんだ!?」という暴走っぷりを見せていたのだが、今回に至っては友人キャラに戻るためにやる気がないラスボス・トウテツに代わって本気でラスボスキャラとして龍牙たちを陥れるために暗躍することに。って、一巻よりもエスカレートしてアホなことをはじめる一郎。モブキャラになろうとするがあまりラスボスになってしまうって、遠回りすぎて意味がわからん!
しかし、同化してしまった魔神トウテツがこれなかなか良いキャラをしていて、飄々として軽妙洒脱な粋なキャラなんですよねえ。龍牙に惚れてしまってラスボスとしての役割を放棄はしているんですけれど、一郎のことを妨害することもなく、なんだかんだと手伝ってくれるしその意を汲んで色々とフォローしてくれるわ、自分に対して結構ヒドイ扱いを受けながらも、笑って身を犠牲にして一郎の望みを叶えてくれようとするわ……あれ? 日常サイドのそれじゃないけれど、これってトウテツ、立派に親友・相棒ポディションじゃないの?
前回登場した魅怨に、長女の呪理、末妹の忌綺が加わって三姫となった敵サイドの魔物たちも、なんでか一郎と同居することになって、ヒロインたちそっちのけでアットホームな家族モノのストーリーが展開しだしてるし。
いや、実際魅怨とか、龍牙含めてヤンデレ入ってる物騒なヒロインたちよりもよっぽど家庭的で献身的で情熱的で、とお前がメインヒロインだったのか!! というくらいの正統派ポディションで、もうこれキャラポディションが錯綜しまくって意味わからんことに。いや、一郎が主人公という視点に固定されれば一気にスッキリするはずなのだけれど、この男はあくまで龍牙を主人公に置きたい上に本人はラスボスとして暗躍するものだから、当人の中でもかなりこんがらがってわけわからんことになってるフシがあるw
でも、中盤状況が一郎の制御を離れて一気に加速してしまった時に、テッちゃんことトウテツの覚悟決めた心意気に一郎が打たれて、思いを改めてからのそれは熱かった。一番重要視していた友人キャラへの回帰を放り投げて、テッちゃんたちと最後まで【第二部】を演りきってやるぜ、と開き直るわけだけれど、トウテツたちと胸襟を開けて、本心からワイワイと賑やかにやりあってるの、ほんとの友達同士みたいで良かったんですよねえ。
龍牙たちとだと、どうしても隠し事があったり本心を隠して、ということが多いだけに、もやもやする部分も多々あっただけに、こうして振り切ってる一郎を見ていられるのは心地よかった。一巻では一郎一人で走り回っていただけに、こうして一緒に暗躍してくれる連中が出来たというのは喜ばしい。
しかし、一方で一郎サイドが充実した分、龍牙戦隊側の特に龍牙以外のヒロインたちが出番追いやられはじめてしまってるので、怜さんに結婚問題が出てきたのはそれもあるんだろうなあ。
これで本来のヒロイン衆とももっと距離詰めることが出来たら、もっと賑やかになってくるだろうから、期待したいところ。

1巻感想