【武装少女マキャヴェリズム】
ラブコメものとしては一定の評価をされていたみたいだけれど、違うんだ。自分が求めていたものとは全然違うんだ。
そもそも、希少な剣術枠。それも実在の古式剣術の技や理合を、近代的なフィジカルコントロールの論理を元に説明、解説、蘊蓄してくれるという理解と得心を深く得られる作品だったんですよね。勢い任せのアクションではなく、ちゃんと全部ロジカルかつ歴史的な経緯や達人の逸話などを盛り込みつつ、描写表現するというたぐいの。
それでいて、論の方に傾きすぎず、アクション描写としても非常に燃える絵面とシチュエーションを盛り込んでいるわけである。
結論として、べらぼうに面白い。
ところがですよ、アニメではこの一番肝心な部分を、本作の売りであり他作品との差別化を図る上での一番大事な部分である、この剣戟が全くもって蔑ろにされてたんですよね。
動かない、ならまだ理解できるんですよ、納得はできないにしろ。でも、完全に元の剣術の動きと、漫画で説明されている理合と全く違う動作を、平然とやられたらそりゃあ不満ですよ。
そもそも、元となった剣術流派の技の動きとか、全然勉強も調べもしてない、ってことですもんね。端から動かす気すらなかったとしか思えない。少なくとも原作をちゃんと読んでいたら間違ってもしないような動作までされた日には……。
アニメ化で一番期待していたのは、漫画のコマとコマの間でどんな所作、仕草、動きをしていたのかという一部始終を動画として見れる、という所だったんですよね。もちろん原作漫画では、蘊蓄や解説と共に描かれる各コマでの描写によって、動きの流れは明確にイメージ出来るような丁寧な描き方をされているのですけれど、だからこそそれを実際に動いている姿として、動きとして見たくなるじゃないですか。
でも、全部、全部、アニメでは止め絵。解説や場合によっては事前、或いは途中の動きの描写すら省いているので、漫画よりもどう動いて、どうやってその止め絵に至ったのかすらわからないものすらあるぐらいで。
これほど心底がっかりさせられたアニメ化も、最近ではなかったです。毎回ね、見たあとに漫画読み直して心を慰めるんですよ。それで癒やされて、火を灯されて、もしかしたら来週はもっといいものが、凄いものが、漫画みたいなアクションがみれるんじゃないか、と未練がましく縋り付くように期待して、見て、落胆するの繰り返しでした。
幸いだったのは、月夜師匠がそれはもう可愛かったことでしょうか。一から十まで眼福でありました。だけに、雲耀の描写だけはもうなんというか、脳が軋んだ。

404104538X武装少女マキャヴェリズム (6) (角川コミックス・エース)
神崎 かるな 黒神 遊夜
KADOKAWA 2017-03-25

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【フレームアームズ・ガール】
いきなりニッパーの宣伝がはじまったときには何事かと慄いたものだが、すべてはコトブキヤの陰謀である。
何気に、話の大半が「あお」ちゃんの部屋の中で収まっているというインドアアニメだったのだけれど、逆に言うなら部屋の中で話が完結できるほど、あおと轟雷たちのキャラクターが立ってたってことでもあるんですよね。
この子らがガヤガヤ賑やかに騒いでいるだけで、ただただ面白いという。思っていたのとは全然違うストーリー展開だったのだけれど、むしろ想像していたよりも遥かに面白かった、と言えるのであるな、これが。
轟雷の成長物語でもあるのだけれど、彼女が起動したばかりで感情の類を習得していないという固めの反応を見せていた段階を、わりと早めに終わらして既に2話、3話の時点であれこれ素直な感情を見せるようになっていたのは、変にもたつかせることなく轟雷の可愛らしさを強調していく上で実に迅速な展開だったと思う。そこで終わりではなく、どんどん轟雷が感情豊かになって可愛さが増していったのだから、スタートは出遅れよりもダッシュ効かせた方が良かったという好例なのだろう。
絶え間なく新キャラを投入していくという展開も、キャラ多くなるとごちゃごちゃしてくるのを逆手に取って、そのごちゃごちゃした賑やかさこそを、本作の売りにしたのが大当たりだったんでしょうなあ。
そんでもって、何よりも一番効いていたのが轟雷のマスターでありFAガールズたちの宿主であり、唯一の人間であるところの「あお」ちゃんなのでしょう。このふわふわしたキャラクターがまた良かったんだよなあ。
突然FAガールズの轟雷というわけの分からないものが送られてきて、そこにさらにスティレットたち新たなFAガールズが現れて、轟雷と戦わせろ、と押しかけてきたり、とプラモとか全然興味なくてFAガールズとか知らないあおちゃんからすると、なんじゃらほいというわけの分からない状況だったろうに、わからないからと拒絶せず、知らないからと距離を置かず、突然の展開に構えることすらせず、知性を持ち感情を持ち心を持っているこのちっこい人形たちに対して、何の抵抗もなくほえほえと受け入れて、彼女たちが居る日常を当たり前のように構築して、それでいて自分の生活はあんまり揺るがせず、マイペースマイペースに順応してしまった、結構イイ性格したこの人間様の楽天的というか何も考えてない主体性こそが、本作の基盤になっていたような気がします。
面白かったなあ。望外なまでに面白かったです。二期とかないんだろうか。

4584206430FRAME ARMS GIRLS ヒロインBOOK (ベストムックシリーズ)
ベストセラーズ 2017-07-11

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