柴咲コウのラストの表情、あれほど凄まじい、鬼気迫ると言わざるをえない形相をした女優を、果たして今まで見たことがあっただろうか。
瞬き一つせず目を血走らせ、一点を睨み続け、血を吐くような呪いの言葉を、誓いの言葉を吐き続ける女の姿。
女優・柴咲コウの一世一代の演技であったと心得る。

本懐である。
自ら死を臨んだ政次の言葉に、偽りはないのだろう。でも忘れてはいない。前回、小野はついにこれからやっと、井伊と共に歩めるのだと、歓喜とともに宣言したその言葉を。

南渓和尚が比翼に例えた鳥の一対。但馬が死ねば、直虎もまた死んでしまうと和尚は言っていたけれど、ああこれは事実であったのだろう。
あの井戸の前で、但馬の残した言葉を反芻し、彼が渡した碁石の白を握りしめて過ごした一昼夜。朝が来て、但馬の想いを受け止めて、余計なものを切り捨てた井伊直虎は、前夜までの彼女とは明らかに別人であった。
南渓和尚の言うとおり、井伊直虎は死んだのだ。おとわは、もう居ない。
亀と鶴とともに過ごした少女は、翼とともに去ったのだ。井伊直虎はその手で、鶴とおとわの二人を葬送したのだ。

まだ衝撃覚めやらぬうちに、次回畳み掛けるように気賀は堀川城のエピソードをやってしまうとは。鬼だ、もうこっから直虎徹底的に追い詰めまくるつもりだ。