妹さえいればいい。 5 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。5】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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Kindle B☆W

出版社はブラック企業!!

 伊月の担当編集である土岐健次郎(趣味:風俗通い)の推薦でGF文庫編集部でアルバイトすることになった白川京だったが、彼女を待ち受けていたのはバイトの領域を超えた恐るべき労働の日々だった。伊月や那由多といった問題児作家からの原稿回収、蚕のマンガのモデル(全裸)、那由多の取材(全裸)、連日の飲み会、作家や編集者からの無茶振り……。労働基準法なにそれおいしいの? 社会の厳しさを知り大人の階段を登る京(全裸)に、恋愛方面でも変化が……!? 
 身も心もさらけだす出版業界ラブコメ、衝撃の第5弾!!
なんという挿絵:カントクの贅沢な使い方!!
こういうイラストの使い方って、作者・イラストレーター両方がスケジュールきっちりしてて、編集と連携取れてないと無理だよねえ、というところで、今回出版社側からライトノベル業界を見た内容が多い巻でしたけれど、本作は上手くまわってますよー、という感じですか、はい。
那由多の真・デッドゾーン領域突破を見てしまうとわらえねー話なのでありますが。
というわけで今回は、出版社。それもライトノベルレーベルであるGF文庫編集部でアルバイトすることになった白川京ちゃんがどう見てもメイン! いやあこれ、初っ端から那由多の原稿取ってくる、というスマッシュヒットを打って、狂乱寸前だった編集部から喝采を浴びた京ですけれど、仕事内容見てると普通に業務こなせるだけでアルバイトとしては当たりの方なんじゃないだろうか。編集長は「顔!」とか評価ポイントを謳ってたけれど、最初からそつなく雑用からなにからこなしてくれたら、アルバイトは十分ですよ。出来ないやつって一定量どうしたって出てくるわけだし。幾つかの失敗例は、どちらかというと京の無知が原因であり、それは先に雇用側で教えておいてくれないとわからない内輪ネタでもあったわけで、彼女自身に責任はなかったわけですしね。
とはいえ、現段階ではあくまでアルバイト。ひょんなことから、蚕の進退に関わったり、伊月のアニメ化に際しての会議で伊月の背中を押したり、と大きな結果をもたらす機会があったとはいえ、それって責任のある「仕事」としてやったことではなく、あくまで偶然遭遇した場で影響力を発揮しただけ、とも言えるわけです。そういう場に巡り会える運や、そこで皆の考えや行動を変えるだけのナニカをし得るというだけで十分大したものではあるんですけれど、まだ京は編集者としてその仕事内容のける困難にも理不尽にも試練にも関わっていないわけだ。同時に、土岐さんや那由多の担当である山城さんの感じている仕事の楽しさ、喜びに関してもまだ味わっていない、とも言えるのである。まだまだこれから、スタート地点を模索している段階、とも言えるのだけれど、京という子は今公私に渡って、そこにたどり着こうと足掻いてるんだな、というのがよくわかる回だった。
特にプライベートの方でも、恋愛関係についてついにあやふやな状態から、自身が向ける方も向けられる方もついに停滞から脱してしまったわけですし。不破くんはよくやった。告白の場面としては実にスマートで良い場面だった。いやもう、雰囲気良すぎて逆にどうか、と思うくらいなんだけれど。実際どうなんだろう。直後の、あの伊月と京の気安い雰囲気を見てしまうと、伊月と京のその直後の展開をわかっていてもあの気取らない雰囲気が、京にとってもとてもリラックス出来る空気感なんだろうな、というのが伝わってくる。
とはいえ、不破くんとの二人きりのときの雰囲気も決してぎこちないなんてことはなくて、あれはあれでくつろいだ雰囲気になってるんですよね。あの瞬間は特別であっても、それがそのまま日常にスライドしても悪くないような。相性は絶対良いと思うんだよなあ。口説き文句としても、あの時京が一番欲しがっていたものを、思わぬ方向から提示してみせたわけですし。
ただまあ、京が一番ラブラブしてるのってどう見ても那由多なんですけどね。すっげえイチャイチャしてるし。那由多って、そりゃあ伊月にメロメロですけれど、甘酸っぱい関係築いちゃってますけれど、普段イチャイチャしてるのどうみても京ですからね。お前、京のこと好き過ぎるだろう、というくらいデレッデレのベッタベタですしね。
挙句、一緒にいるとき常に全裸とか。全裸とか。全裸同士でイチャイチャとか。もう京の方も那由多と一緒に居るとき服脱ぐことに違和感持ってないし。いや変だからねそれ。
なんかもうこれ、アニメ化に対して完全に挑戦状つきつけてるよね。アニメ化だからって、無闇に裸のシーン増やそうとしてますよね。というか、もう全裸しか出さねえ、という気概を持って頑張ってますよね。
これはもう一言申さねば気が済まない。

そのまま頑張れ!!

シリーズ感想